【サイレントヒル考察】ダリア・ギレスピーの狂気|アレッサの母、教団の狂信者

サイレントヒルシリーズをプレイした人なら、多くの人が記憶に残っているであろう人物、ダリア・ギレスピー。

彼女の行動が、物語の全ての悲劇の引き金になったと言ってもいいかもですね。

とはいえ、なぜ彼女は実の娘アレッサを儀式の生贄にするほど、狂信的になってしまったのでしょうか。

結論として、「彼女のあまりにも悲惨な過去が原因だったのかな」と僕は思っています。

この記事では、サイレントヒル教団でのダリアの立ち位置や、彼女の狂気がどう描かれてきたのか、そして、なぜ彼女が闇に堕ちるしかなかったのかを、少し深掘りして解説していきます。

目次

そもそも、ダリア・ギレスピーって何者?

まずは基本的なところから。

ダリア・ギレスピーは、サイレントヒルの町にあるカルト教団「The Order」の司祭です。

そして、物語の超重要人物であるアレッサ・ギレスピーのお母さんですね。

シリーズを通して、ほぼ全ての事件の黒幕として登場します。

彼女の目的は、教団が信じる「神」をこの世界に呼び出して、「楽園」を作ることでした。

その考えはかなり狂信的で、自分の娘を神を宿すための道具として使うことも全くためらわない。

ある意味、物語のすべての元凶と言える存在かなと思います。

シリーズで描かれるダリアの狂気

ダリアの狂気っていうのは、一つの作品だけじゃなくて、シリーズを通して描かれています。

ぶっちゃけ、彼女が死んだ後も、その影響は続いていく感じですね。

『サイレントヒル0』での行動

物語の時間軸で一番古い『サイレントヒル0』の時代、ダリアは39歳です。

このとき既に、彼女は教団のなかでもかなり影響力のある司祭として活動していました。

そして、教団の悲願である「神の降臨」を叶えるために、自分の実の娘、まだ7歳のアレッサを「神を宿す母体」として利用するという、わりと非道な決断をする感じですね。

その儀式っていうのが、自宅ごとアレッサを燃やすという、かなり悲惨なものでした。

家は全焼。

アレッサは普通の人間なら死んでるレベルの大火傷を負いますが、体に宿った神の力で無理やり生かされることになります。

さらにひどいのが、ダリア自身も儀式の炎で危なくなると、アレッサを家に残したまま、自分だけ逃げ出しちゃうんですね。

この時点で、彼女の考え方がどれだけ歪んでいるかがよく分かります。

『サイレントヒル』での行動

『サイレントヒル0』から7年後が舞台の初代『サイレントヒル』。

ここでは、ダリアの計画が新しいステージに進みます。

7年間も苦痛を与え続けられたアレッサは、自分の半身であるシェリルに助けを求めます。

シェリルが養父のハリー・メイソンと一緒にサイレントヒルに来たことに気づいた46歳のダリアは、長年の計画がやっと実を結ぶと確信しました。

そして、行方不明になった娘を探すハリーに、うまく近づいていくんですね。

「町に出てくる少女(アレッサ)は悪魔で、あなたの娘を生贄にしようとしてる」みたいな嘘を吹き込んで、ハリーを自分の計画のために利用しようとします。

娘を助けたいハリーは、ダリアの言葉を信じてしまい、結果的にアレッサを追い詰めて、邪神が降臨してしまいます。

でも、その神は不完全な存在で、ダリアの言うことを聞かなかった。

まぁ、皮肉な話ですが、彼女は自分が呼び出した神の手によって、あっさりと殺されてしまうという最後を迎えます。

死んだ後も続く呪い:『サイレントヒル3』

初代で死んだダリアですが、彼女が残した狂気の考えっていうのは、サイレントヒル教団の中にずっと残っていました。

『サイレントヒル1』の17年後を描いた『サイレントヒル3』には、ダリアの後継者であるクローディア・ウルフが出てきます。

クローディアは、昔アレッサの親友だったんですけど、ダリアの思想に洗脳されちゃってるんですね。

作中でも「行かれたばあさんの猛集に取り憑かれた女」なんて言われています。

この「行かれたばあさん」っていうのが、もちろんダリアのことです。

ダリアの狂った考えは、血のつながりとかじゃなく、信仰と狂気によって受け継がれて、新しい悲劇を生んでしまう。

やっぱり、全ての引き金はダリアという存在だった、ということになりますね。

なぜダリアは闇に堕ちたのか?その過去に迫る

じゃあ、なんでダリアはここまで歪んじゃったんでしょうか。

自分の娘を燃やしてまで神を呼び出そうとするなんて、普通じゃ考えられないですよね。

その理由は、小説版で語られている彼女の壮絶な過去にありました。

悲惨すぎた家庭環境

ダリアがまだ子供だったころ、彼女の家はものすごく貧乏でした。

昔は鉱山経営をしていたギレスピー家ですが、謎の事故が続いて廃業。

ダリアが生まれた頃には、まともな食事もできない毎日だったようです。

そんな生活のせいで、お母さんは精神を病んで亡くなってしまいました。

父親からの搾取と、見えない未来

お母さんが亡くなったことで、今度はお父さんがお酒に溺れて、暴力をふるうようになります。

家庭に希望なんてものは一つもなくて、ダリアは学校にも行けず、近所の手伝いをしてなんとかお金を稼ぐ生活でした。

大人になっても学歴がないので、まともな仕事もほとんどない。

やっと見つけた酒場の仕事で稼いだお金も、家に帰ればお父さんの酒代に消えていく。

「この町から出たい」っていう夢も、お父さんのせいで叶わない。

こんな感じで、彼女の心はどんどんすり減っていった訳ですね。

最後の希望が「教団」だった

人生に疲れきって、自暴自棄になったダリアは、酒場のお客さんと関係をもって、アレッサを身ごもります。

でも、その男は責任も取らずに消えてしまいました。

一人でアレッサを育てることになり、生活はさらに苦しくなります。

町の人たちからは「学も仕事もない」「男にも捨てられた」と冷たい目で見られ、誰も助けてはくれませんでした。

貧困、暴力、孤独、そして周りからの偏見。

もう心も体も限界だったダリアが、最後に頼ったのがサイレントヒルの土着信仰、つまり「教団」だったんですね。

祈りの中に、今まで感じたことのない安らぎを見つけた彼女は、だんだんと教団の教えにのめり込んでいきます。

「この醜い現実じゃない、本当の楽園を」「神の力で世界を正す」

もう、そういう幻想を信じるしか、彼女が生きていく道はなかったのかもですね。

もちろん、彼女がやったことは許されることじゃないです。

でも、そんな彼女も、昔はどうしようもない悲しみと絶望を味わった、一人の人間だったということは、覚えておかないといけないかもです。

いろんなダリア像

ゲーム本編では、狂気の元凶として描かれているダリアですが、他の作品ではちょっと違った描かれ方をしています。

映画版のダリア

2006年に公開された映画版『サイレントヒル』では、ダリアはゲームとは全然違って、娘のアレッサを愛しているお母さんとして描かれています。

でも、精神的に弱くて流されやすい性格のせいで、狂信的な姉のクリスタベラに言いくるめられて、アレッサを儀式に差し出してしまいます。

結果的に、娘が火あぶりにされるという悲劇を招いてしまった。

ゲームの邪悪な母親とは違って、娘を思いながらも守れなかった、悲しい人物としての一面が強い感じですね。

『SHATTERED MEMORIES』のダリア

『サイレントヒル1』を再構築した『SILENT HILL -SHATTERED MEMORIES-』では、さらに設定が大きく変わって、主人公ハリー・メイソンの奥さん、「ダリア・メイソン」として出てきます。

オリジナル版とは全く違う役どころで、プレイヤーにかなりの衝撃を与えました。

まとめ

というわけで、今回はサイレントヒルシリーズの厄介な存在、ダリア・ギレスピーについて深掘りしてみました。

彼女は、教団の狂った考えに取り憑かれて、自分の娘を犠牲にしてまで、歪んだ楽園を追い求めた人物です。

でも、その狂気の裏には、貧困や家庭崩壊、社会からの孤立といった、あまりにも悲惨な過去がありました。

絶望の中で彼女が見つけた唯一の光が「教団」の教えで、それが結果的に、彼女をどうしようもない闇へと落としてしまったんですね。

彼女の存在は、サイレントヒルという物語が、いかに人間の心の弱さや闇から生まれる悲劇を描いているかを、象徴しているのかなと思います。

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