『MOTHER3』をプレイしていると、多くの場面で不気味な存在感を放つキャラクターに出会います。
それが「ヨクバ」です。
タツマイリ村に突然現れた怪しい行商人は、やがて物語全体を揺るがす重要な存在へと変貌していきます。
なぜヨクバはあれほど憎たらしいのか、正体であるマジプシーのロクリアとは何者なのか、そして壮絶な最期にはどんな意味が込められているのか。
この記事では、ヨクバに関するストーリー上の役割から戦闘攻略、制作者の意図、ファンの間で語られる考察まで、あらゆる角度から掘り下げていきます。
初めてプレイする方はもちろん、クリア済みの方にとっても新たな発見がある内容を目指しました。
なお、本記事にはMOTHER3の重大なネタバレが含まれますのでご注意ください。
ヨクバとは何者か?MOTHER3における基本プロフィール
ヨクバは、2006年に任天堂から発売されたゲームボーイアドバンス用RPG『MOTHER3』に登場する敵キャラクターです。
鼻の下にヒゲを生やし、アラビア風のターバンを被った行商人の姿で、タツマイリ村に現れます。
「ヌヘヘヘヘ」という下品な笑い方と、高級バナナへの異常な執着が特徴的な人物として描かれています。
名前の由来は日本語の「欲張り」をもじったもので、英語版ファン翻訳では「Fassad」と呼ばれています。
英語名はアラビア語で「腐敗」を意味する「فساد(fasd)」と、フランス語で「見せかけ」を意味する「façade」の二重のかけ言葉になっており、キャラクターの本質を巧みに表現した命名といえるでしょう。
作中での立場はブタマスク軍の高位指揮官であり、仮面の男やポーキーに次ぐ第三の敵役として、物語全体を通じてプレイヤーの前に立ちはだかります。
第6章を除くすべての章に少なくとも一度は登場しており、作中で最も頻繁に姿を見せる敵キャラクターでもあります。
全章にわたるヨクバの暗躍|ストーリー時系列まとめ
第1章〜第2章:タツマイリ村に忍び寄る影
ヨクバの初登場は、実は第1章にまでさかのぼります。
このとき「なぞのおとこ」という名義で、ブッチの農場を訪れて豚を褒めている姿がわずかに確認できるだけです。
第2章ではサルサを引き連れてダスターとすれ違う場面があり、ブッチとの間で豚の売買を通じて「カネ」を村に持ち込んでいたことがわかります。
ブッチが井戸にカネを隠したことがやがて村人間の亀裂を生みますが、実はカネの消失もヨクバによる自作自演だったことが後に判明します。
この時点ではまだ正体不明の不審人物に過ぎませんが、すでに水面下でタツマイリ村の破壊工作は始まっていたのです。
第3章:サルサとの残酷な旅路
第3章で、ヨクバは本格的に物語の表舞台に登場します。
プレイヤーはここで猿のサルサを操作することになりますが、ヨクバはサルサの首に「オシオキマシーン」という電撃装置を取り付け、恋人のサルを人質に取って無理やり従わせています。
事あるごとにサルサに電撃を浴びせるヨクバの姿は、多くのプレイヤーに強い嫌悪感を与える場面として記憶されています。
興味深いのは、戦闘中にオシオキマシーンで状態異常を治療する際の実ダメージがわずか1HPしかない点です。
演出上は激しい電撃が走りますが、数値としてはほとんど痛くないという皮肉な仕様になっています。
タツマイリ村に到着したヨクバは、住民への演説を通じて「シアワセのハコ」という謎の装置を各家庭に配布していきます。
さらに第1章の森火事がヨクバの自作自演であったことも明らかになり、信用を勝ち取るためのマッチポンプだったことがわかります。
章の終盤、クマトラとウエスの手引きでサルサが脱走すると、ヨクバはテリの森まで追い詰めます。
しかしリュカがドラゴを率いて駆けつけ、逆に吹き飛ばされてしまいました。
追い詰められた際に「やめてっ よしてっ おねがいっ!」と突然オネエ口調になる場面がありますが、これは後に明かされる正体の重要な伏線です。
第4章〜第5章:村の変貌とイカヅチタワーからの転落
3年が経過した第4章では、ヨクバはすっかりタツマイリ村に馴染んでいます。
村は貨幣経済が根付き、都会的な街並みへと変貌を遂げており、ヨクバは村の発展に貢献した人物として住民から尊敬すら集めている状況です。
第5章ではイカヅチタワーの頂上でリュカたちを追い詰めますが、自分がポイ捨てしたバナナの皮を踏んで足を滑らせ、塔の頂上から転落してしまいます。
このとき、かなり野太いボイスが流れるという珍しい演出が施されています。
ポイ捨て癖が仇となった自業自得の末路は、ギャグのようでありながら因果応報を感じさせる印象的なシーンです。
第7章〜第8章:ニューヨクバ、ミラクルヨクバとしての復活
転落死したと思われたヨクバですが、第7章でメカキマイラに改造された姿「ニューヨクバ」として復活を果たします。
半身が機械化され、背中にはロケット、鼻からは2本の巨大なラッパが生えた異様な外見です。
声帯を損傷して言葉が話せなくなったため、通訳ロボット「ツーヤク」がラッパの音色を翻訳するという独特の会話スタイルになっています。
第8章では「ミラクルヨクバ」としてさらなる強化を遂げ、ニューポークシティの下水道でリュカたちの前に最後の壁として立ちはだかります。
ラッパは合計11本にまで増加し、戦闘能力も飛躍的に向上しています。
撃破後、ヨクバは「こんなことは あそびです。
ポーキーさまの あそびと いえましょう」と全てを見透かしたかのような言葉を残し、下水道の中へ爆散していきました。
「戦いの場面に限らず、二度と会うことはない」という最後の宣言は、MOTHER3の物語全体が豚の王ポーキーにとっての「遊び」にすぎなかったというテーマを集約する重要なセリフとして、多くのプレイヤーの心に深く刻まれています。
ヨクバの正体はマジプシーのロクリアだった
正体が判明する衝撃の経緯
ヨクバの真の正体は、7つのハリの守護者であるマジプシーの一人「ロクリア」です。
この事実は、第8章のエンパイアポーキービル内で明かされます。
ビルのあるフロアにはマジプシーの家が移設されており、室内には大量の高級バナナ、ヨクバの衣装、ニューヨクバのラッパ、そしてロクリアの形見である「ヒゲそりとくちべに」が揃っています。
作中では直接「ヨクバ=ロクリア」と名言されることはありませんが、状況証拠が完全に一致しており、否応なくその事実がわかる構成になっています。
制作者の糸井重里は、ほぼ日刊イトイ新聞のインタビューで「ヨクバになついてたネズミ」とロクリアの部屋のネズミを同一視する発言をしており、ゲーム外では同一人物であることが明確に語られています。
作中に散りばめられた伏線の数々
振り返ってみると、ヨクバの正体を示す伏線は序盤から丹念に張られていました。
まず、7人いるマジプシーのうちロクリアだけが、マジプシーとしての姿を作中で一度も見せていません。
第2章の時点でヨクバがオソヘ城の秘密を知っていたこと、第3章でマジプシーや一部の村人しか知らないはずのクマトラの存在を認識していたことも、ロクリアであれば説明がつきます。
さらに、作中でリダの本名を知っている唯一のNPCがヨクバである点も、マジプシー同士の旧知の関係を示す伏線として機能しています。
音楽面でも巧みな仕掛けが施されています。
ニューヨクバやミラクルヨクバが吹くラッパのBGMは、実はマジプシーのテーマ曲のサックスパートをアレンジしたものです。
そしてミラクルヨクバが本気を出した際に使用するPKスターストームをはじめとする強力なPSIは、MOTHER3の世界ではマジプシーとその弟子にしか扱えない能力として設定されています。
ネズミが語る「もうひとつのヨクバ」
ロクリアの部屋の隣には、一匹の白いネズミが暮らしています。
話しかけると、こんなセリフが返ってきます。
「ロクリアさまは もう かえってこないみたい。
ぼく? ロクリアさまに かわいがられてた ネズミだよ。
ヌヘヘヘヘとか きもちのわるい わらいかたを するから みんなには かんじのわるい ひとだったかも しれないけど ぼくには とても やさしいひとだったんだ。
もう かえってこないのかなぁ。
さびしいよ。
」
このセリフは、MOTHER3の中で最も心に突き刺さる場面の一つとして、多くのプレイヤーに語り継がれています。
作中で徹底的に嫌われ役として描かれてきたヨクバが、たった一匹のネズミにとっては「とても やさしいひと」だったという事実は、善悪の単純な二項対立では割り切れない人間の複雑さを象徴しています。
糸井はこのネズミのセリフの元ネタとして、歌手・松尾和子の楽曲「再会」を挙げています。
「みんなは悪い人だと云うが 私にゃいつもいい人だった」という歌詞にインスピレーションを得たとのことで、投獄された恋人を想う歌の切なさが、ロクリアとネズミの関係性に投影されているのです。
なぜロクリアは裏切ったのか?糸井重里の語る真意
ヨクバの正体がマジプシーのロクリアだとわかったとき、多くのプレイヤーが抱く最大の疑問は「なぜ裏切ったのか」という点でしょう。
しかし、この問いに対する明確な答えは作中には存在しません。
糸井重里自身も公式インタビューで「答えは用意していない」と明言しています。
同時に、糸井は次のように語っています。
「きっと悪いヤツに会っちゃったんでしょう。
さっき話した、遊びから悪ふざけ、悪ふざけからやってはいけないこと……マジプシーのなかに1人いたんですよ。
だんだん悪いことをしていけちゃうようなヤツがね。
」
この言葉からは、ロクリアの裏切りに壮大な理由や深い動機があったわけではなく、ちょっとしたきっかけから少しずつ道を外れていった、という解釈が読み取れます。
ファンの間では「何千年もハリを守り続ける変わらない日常への退屈や不満が原因ではないか」という考察が広く支持されています。
他のマジプシーが穏やかに使命を受け入れている中で、ロクリアだけが「変化」を求めた存在だったのかもしれません。
一方で、ポーキーに洗脳された可能性を指摘する意見も一部にはありますが、作中でヨクバが自発的にブタマスク軍を率いている描写から、この説は支持されにくい傾向にあります。
興味深いのは、エンパイアポーキービルでポーキーがリュカたちを茶化す放送を続ける中、ロクリアの部屋のフロアに差しかかった時だけ不快感を露わにし、先に進むよう急かす場面です。
豚の王として振る舞うポーキーにとっても、ロクリアに対しては何か特別な感情があったことが示唆されており、二人の間の複雑な関係性を想像させます。
糸井はヨクバについて「どっちつかずなところが楽しめない人は『MOTHER3』とは相性がよくないかも」とも発言しています。
善でも悪でもない、割り切れないグレーゾーンこそがMOTHER3の核心であり、ロクリアの裏切りの理由をあえて語らないことが、このゲームの思想を体現しているといえるでしょう。
シアワセのハコが暗示するもの|現代社会への問いかけ
ヨクバがタツマイリ村に広めた「シアワセのハコ」は、ピンク色の直方体に画面がついた形状をしており、テレビやパソコンを連想させるデザインです。
そこから発信されるのは「謎の光」と「震えるような音」であり、具体的な内容はプレイヤーには明かされません。
導入からわずか3年で、貨幣制度のなかった牧歌的な村に通貨が根付き、住民のほぼ全員が都会への憧れを抱き始めるという急激な変化が起きました。
設置を拒否した家にはイカヅチタワーから落雷が降り注ぐため、シアワセのハコは事実上の居住権のような強制力を持っています。
多くのプレイヤーは、この装置をテレビやスマートフォン、インターネットなど現代のメディアやテクノロジーの暗喩として受け取っています。
ジョージ・オーウェルの小説『1984年』に登場するディストピア的監視装置「テレスクリーン」との類似性も、ファンの間でたびたび指摘されるポイントです。
しかし糸井は「テレビ(パソコン)と決めないでほしい」「水道管かもしれない」と述べており、特定の技術やメディアではなく「インフラ」という概念そのものを表していることを示唆しました。
つまりシアワセのハコは、便利さと引き換えに自立性や共同体の絆を失っていくという、文明化がもたらす普遍的な問題を象徴しているのです。
ヨクバはこの構造の推進役として機能しており、単なる悪役を超えた「文明の使者」としての側面を持つキャラクターだともいえるでしょう。
ニューヨクバ・ミラクルヨクバの戦闘攻略と注意点
ニューヨクバ戦(第7章)の攻略ポイント
ニューヨクバは、MOTHER3の中でも屈指の難関ボスとして知られています。
難しいとされる最大の要因は、戦闘そのものの強さよりも、直前のセーブポイントからの距離にあります。
フリギアの家の前にいるカエルが最後のセーブ地点であり、そこからタイタニースカイやミセスようがんなど強敵が続く長い道のりを経て、消耗した状態で戦闘に入ることになります。
敗北した場合は道の最初からやり直しとなるため、精神的な負担も大きいでしょう。
ニューヨクバの主な行動パターンと有効な対策は次のとおりです。
| 行動 | 効果 | 対策 |
|---|---|---|
| シールド | 物理攻撃のダメージを軽減 | PKサンダーなどPSI攻撃で対応 |
| 高級バナナ | HP500〜600を回復 | 火力を集中させ一気に削る |
| どわすれガス | 忘却状態を付与 | 回復手段を事前に準備 |
| ノミいりボム | ノミ状態を付与 | しおみずてっぽうで弱点を突く |
| 全体攻撃 | 高ダメージ | ディフェンスアップで軽減 |
有効な攻略法としては、どせいだにで「いぬようのほしにく」を買い占め、ハイウェイ上の野良犬にボムと交換する方法が広く知られています。
ボムは1発あたり約300ダメージを与えるため、大量に用意してニューヨクバに投げつけると比較的早く撃破できます。
ボムの連発でダメージが蓄積すると、ニューヨクバはバナナ回復ばかり行うようになり、攻撃頻度が下がるという利点もあります。
サイボーグ化した影響で塩水鉄砲が弱点になっている点も覚えておくとよいでしょう。
ミラクルヨクバ戦(第8章)の攻略ポイント
ミラクルヨクバは2段階の形態変化を持つボスです。
第1形態ではニューヨクバの強化版として物理攻撃とシールドを中心に戦ってきます。
一定のダメージを与えると追加のラッパが外れてニューヨクバの姿に戻り、ここから第2形態に移行します。
第2形態では攻撃がPSI中心に切り替わり、PKフリーズΩ、PKサンダーΩ、ブレインショックΩ、そして最も強力なPKスターストームを連発してきます。
使用するシールドもサイコシールドΩに変わるため、物理攻撃への切り替えが有効です。
ただし第2形態にはPP(PSIのエネルギー)の上限があり、一定ターンが経過するとPPが枯渇してPSI攻撃が使えなくなります。
回復に徹して耐久戦に持ち込むのも立派な戦略の一つです。
第1形態のうちにオフェンスアップやシールド系のバフをしっかり準備しておくことが、第2形態を乗り越える鍵となります。
また、キングのぞう付近にいるブタマスクからスーパーボムを大量に購入して投げつける方法も、速攻撃破の手段として有効です。
ヨクバの音楽に隠された仕掛け
MOTHER3の音楽を手がけたのは作曲家の酒井省吾です。
全250曲にも及ぶ膨大なサウンドトラックの中で、ヨクバ関連のBGMには正体を示す巧妙な音楽的伏線が仕込まれています。
サウンドプレイヤーの曲番号197番「ヨクバ&ツーヤク」は、ニューヨクバおよびミラクルヨクバの登場シーンで流れる楽曲です。
この曲をよく聴くと、マジプシーのテーマ曲のサックス部分がラッパ音色にアレンジされて組み込まれていることに気づきます。
つまり、ヨクバがラッパで奏でているのはマジプシーの旋律そのものであり、音楽を通じて「このキャラクターはマジプシーである」という情報がプレイヤーに提示されていたのです。
クリア後に気づいて驚くプレイヤーが多い一方、初見プレイで違和感を覚えていた方もいるかもしれません。
こうした音楽面の仕掛けは、MOTHER3というゲームの物語と音楽が密接に結びついていることを示す好例といえるでしょう。
EarthBound 64時代のヨクバ|開発初期からの変遷
MOTHER3はもともとNINTENDO 64用ソフト『MOTHER3 キマイラの森』として開発がスタートし、後に64DD用『MOTHER3 奇怪生物の森』へ移行した後、2000年に一度開発が中止されました。
その後GBA用ソフトとして再始動し、構想から約12年を経て2006年にようやく発売に至った経緯があります。
NINTENDO 64版(通称「EarthBound 64」)時代のヨクバは、現在のGBA版とは大きく異なるデザインでした。
帽子とコートが緑色、シャツが黄色で、帽子には羽根飾りが付いています。
顔のデザインも別物であり、3Dモデルならではの立体的な造形がなされていました。
GBA版への移行に伴い2Dピクセルアートに変更され、現在の中東風の装いに統一されたデザインへと大幅にリファインされています。
開発期間の長さゆえにキャラクターの根幹設定は維持されつつも、見た目の印象はかなり変わったキャラクターだといえるでしょう。
ファンからの評価と人気|公式アンケートの結果から
2021年公式アンケートにおけるヨクバの位置づけ
2021年にほぼ日MOTHERプロジェクトが実施した「MOTHERアンケート2021」には、11,557人のファンが回答しました。
好きなキャラクターランキングでは、1位にどせいさん(8,205票)、2位にネス(6,580票)が選ばれ、MOTHER3からはリュカが6位(3,214票)、クラウスが12位(2,408票)にランクインしています。
ヨクバ本人はTOP20にはランクインしていません。
これは人気投票という形式上、「好かれるキャラクター」が上位に来やすく、ヨクバのような憎まれ役が票を集めにくいことが影響していると考えられます。
しかし注目すべきは、131位(67票)に「ヨクバのネズミ」が、182位(31票)に通訳ロボットの「ツーヤク」がそれぞれランクインしている点です。
敵キャラクターの関連キャラがこの順位に入っていること自体、ヨクバにまつわるエピソードがいかにプレイヤーの記憶に残っているかを物語っています。
コミュニティで語られるヨクバの印象
ファンコミュニティではヨクバに対して「作中で最も憎たらしい敵」という評価が圧倒的に多く見られます。
サルサへの容赦ないオシオキ、タツマイリ村の平穏な暮らしを破壊した張本人であること、そしてマジプシーの仲間を裏切った行為は、多くのプレイヤーに強い嫌悪感を抱かせました。
一方で、ロクリアの部屋でネズミのセリフに触れた後に評価が一変するというプレイヤーも少なくありません。
「紛れもなく悪役だが、ネズミにとっては優しい人だった」という二面性は、糸井が描こうとした「善悪のどっちつかずさ」というMOTHER3の核心を体現するものとして、高い評価を受けています。
ゲームメディアが選ぶ「MOTHER3の衝撃的な場面」にも、サルサへのオシオキやネズミのセリフがたびたび取り上げられており、ヨクバがMOTHER3の物語体験において欠かすことのできない存在であることは疑いの余地がありません。
見落としやすい隠し要素・小ネタ集
MOTHER3には、ヨクバに関する細かな隠し要素がいくつか存在します。
まず、ロクリアの部屋で入手できる形見「ヒゲそりとくちべに」は、装備すると自動カムバック(戦闘不能から自動復活)の効果を持つ強力なアイテムです。
終盤の攻略において非常に有用なため、見逃さないようにしましょう。
第7章のタネヒネリじまでは、幻覚キノコの影響下で温泉に見える汚泥に入ると、そこにいる老人がヨクバの姿に見えるという隠し演出があります。
また、第3章でオソヘ城のオソヘダンスを正しく踊ると、ヨクバが電撃を躊躇するような描写が見られます。
これはヨクバ(ロクリア)がマジプシーとしてこのダンスの正しい手順を知っていたことを示唆する、さりげない伏線の一つです。
ニューヨクバ撃破後にフリギアの形見を入手しても、長い帰り道の途中の戦闘でパーティが全滅し、形見を消失してしまうプレイヤーが続出したという逸話も、ファンの間では語り草になっています。
2026年はMOTHER3の20周年|最新の動向
2006年4月20日に発売されたMOTHER3は、2026年に発売20周年という節目を迎えます。
2024年2月のNintendo Directでは、「ゲームボーイアドバンス Nintendo Switch Online」の配信タイトルにMOTHER3が追加され、Nintendo Switch Online+追加パック加入者向けに配信が開始されました。
これによりMOTHERシリーズ全3作がNintendo Switchでプレイ可能となっています。
ほぼ日MOTHERプロジェクトは2026年1月1日の投稿で「MOTHER3の20周年もありますね。
たのしいことを企画していきます」と言及しており、記念企画への期待が高まっています。
2025年4月の19周年時にはMOTHER3専用のアンケートが実施され、好きなキャラクターや欲しいグッズについてファンの声が集められました。
2025年12月から2026年1月にかけては、東京のTOBICHIで「MOTHERのおくりもの」展が開催され、マジプシーのコンパクトミラーなど新グッズも登場しています。
なお、MOTHER3の公式英語版ローカライズは2026年2月現在も実現していません。
Nintendo Switch Online版も日本国内のみの配信にとどまっており、海外ファンの間では20周年を機にした公式英語版リリースへの期待が根強く存在しますが、任天堂からの公式発表はない状況です。
リメイクについてもファンの間で議論が続いていますが、「原作のGBA版がすでに完成されている」と考える意見も根強く、意見は二分されています。
まとめ:マザー3のヨクバが教えてくれること
- ヨクバはMOTHER3に登場するブタマスク軍の高位指揮官であり、第6章を除く全章に登場する作中最多出現の敵キャラクターである
- 名前の由来は「欲張り」のもじりで、英語版「Fassad」はアラビア語の「腐敗」とフランス語の「見せかけ」の二重語呂合わせである
- 第3章で猿のサルサをオシオキマシーンで従わせる描写は、多くのプレイヤーに強い嫌悪感を与えるMOTHER3屈指の印象的な場面である
- シアワセのハコは特定のテクノロジーの暗喩ではなく、糸井重里によれば「インフラ」という概念そのものを象徴している
- ヨクバの正体は7人目のマジプシー・ロクリアであり、オネエ口調やBGMのアレンジなど序盤から伏線が張られていた
- 裏切りの理由は作中で明かされず、糸井自身も「答えは用意していない」と明言している
- ロクリアの部屋にいるネズミのセリフは松尾和子の楽曲「再会」が元ネタであり、善悪の二項対立を超えた人間の複雑さを象徴する
- ニューヨクバ戦はセーブポイントからの距離の長さが最大の難所であり、ボムの大量使用が有効な攻略法として知られる
- ミラクルヨクバ戦は第2形態でPSI主体の攻撃に切り替わるが、PPが枯渇するため耐久戦も有効な戦略となる
- 2026年はMOTHER3発売20周年にあたり、ほぼ日MOTHERプロジェクトが記念企画を示唆しているため今後の展開に注目が集まる

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