中国のゲームスタジオが手がけるソウルライク作品が、いま世界中のゲーマーから大きな注目を集めています。
西遊記をモチーフにした「黒神話:悟空」が2,500万本を超える爆発的ヒットを記録したことで、中華圏発のアクションRPGへの期待は一気に高まりました。
三国志や明代の歴史、中国神話といった独自の世界観を武器にした新作も続々と発表されており、ソウルライク市場の勢力図が大きく変わりつつあります。
一方で、発売後に厳しい評価を受けたタイトルや、開発中止が噂される作品もあり、すべてが順風満帆というわけではありません。
この記事では、中国産ソウルライクの代表的なタイトルの比較から、2026年以降に控える注目の新作、さらには業界全体が抱えるリスクや課題まで、最新の情報をもとに網羅的に解説していきます。
なぜ中国産ソウルライクが世界で注目されているのか
中華ゲーム市場の急成長とAAAタイトルへの挑戦
中国産ソウルライクが世界的な注目を集める最大の背景には、中国ゲーム市場そのものの急拡大があります。
2025年の中国国内ゲーム市場規模は、前年比約8%増の約3,508億元(約7兆8,000億円)に達し、過去最高を更新しました。
従来、中国のゲーム産業はモバイルゲームが市場全体の約73%を占めており、PC・コンソール向けの大型タイトルは主力とは言えない状況が続いていました。
しかし近年、この構図に大きな変化が生まれています。
複数のスタジオがUnreal Engine 5を採用し、世界市場を見据えたAAAクラスのアクションRPG開発に本格的に参入し始めたのです。
中国のゲーム産業は2030年までに約1,079億ドル規模に成長するとの市場予測もあり、ソウルライクを含むハイエンドタイトルの開発はさらに加速していくと見込まれています。
西遊記や三国志など中国神話・歴史が題材として選ばれる理由
中国産ソウルライクの大きな特徴は、西遊記や三国志、明代の歴史、民間伝承といった中国独自の題材を世界観の軸に据えている点です。
こうした中華圏の物語や歴史は、中国国内のプレイヤーにとっては馴染み深く、海外のプレイヤーにとっては新鮮で魅力的な異文化体験となります。
「黒神話:悟空」が西遊記をベースにしたことで、孫悟空という世界的に知名度の高いキャラクターがソウルライクの主人公として機能することが証明されました。
さらに「明末:ウツロノハネ」は明代末期の古蜀を舞台に選び、中国史のダークな一面をファンタジーとして再構成しています。
日本のフロム・ソフトウェアが和風や北欧神話を題材として世界的な成功を収めたように、中国のスタジオにとっても自国の豊かな文化遺産は強力な差別化要素となっているわけです。
悟空の大ヒットが業界全体に与えた衝撃と影響
「黒神話:悟空」の成功は、単なる一作品のヒットにとどまらず、中国ゲーム産業全体の方向性を変えるほどの衝撃を与えました。
Game Scienceが開発した同作は2024年8月20日に発売され、わずか83時間で1,000万本、2週間で1,800万本を突破。
2025年2月時点で累計販売本数は2,500万本に達し、中国初の国産AAAタイトルとして歴史的な記録を打ち立てています。
Golden Joystick Awards 2024ではゲーム・オブ・ザ・イヤーを受賞し、Steam評価でも「圧倒的に好評」ステータスを維持しています。
この成功により、中国国内では高品質なアクションRPG開発への投資意欲が急激に高まりました。
複数のスタジオがソウルライク系タイトルの開発に着手し、「悟空に続け」とばかりに、世界市場を目指す野心的なプロジェクトが次々と立ち上がっています。
中国産ソウルライクの代表作を徹底比較
黒神話:悟空の売上本数と評価はどれほどすごいのか
「黒神話:悟空」は、中国産ソウルライクの金字塔とも言える作品です。
開発元のGame Scienceは中国・杭州に拠点を置くスタジオで、西遊記を題材にしたアクションRPGとして、PC・PS5向けに59.99ドルの買い切り価格で発売しました。
2025年8月20日にはXbox Series X|S版も追加リリースされています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開発元 | Game Science(中国・杭州) |
| 発売日 | 2024年8月20日(PC/PS5) |
| 価格 | 59.99ドル |
| 累計販売本数 | 2,500万本以上 |
| Steam評価 | 圧倒的に好評 |
| 主な受賞歴 | Golden Joystick Awards 2024 GOTY |
発売からわずか数日で世界中のセールスランキングを席巻し、Steamの同時接続プレイヤー数でも記録的な数字を叩き出しました。
The Game Awards 2024ではゲーム・オブ・ザ・イヤーの最終候補にノミネートされたものの、受賞には至りませんでした。
この点についてはプロデューサーが悔しさをにじませるコメントを残しており、開発チームの本気度がうかがえるエピソードとして知られています。
明末ウツロノハネの特徴と発売後の評価の変遷
「明末:ウツロノハネ(WUCHANG: Fallen Feathers)」は、中国のLeenzeeが開発し、505 Gamesがパブリッシングを手がけたソウルライク・アクションRPGです。
2025年7月24日にPS5、Xbox Series X|S、PC向けに発売されました。
舞台は明代末期の古蜀で、記憶を失った女性主人公「無常」が、謎の疫病「羽化病」が蔓延する世界を駆け抜けるダークファンタジーが描かれます。
通常版の価格は税込7,260円で、Xbox Game Passにも初日から対応しました。
発売直後にはSteamの最大同時接続数が13万人を突破するなど、注目度の高さを証明した一方で、ユーザー評価は大きく揺れました。
Steamレビューは発売当初、約1万2,500件中好評率28%の「やや不評」という厳しいスタートとなっています。
主な批判は最適化不足によるフレームレートの不安定さやカクつきに集中していました。
加えて、ゲーム内容とは無関係なレビュー爆撃も発生し、評価を押し下げる要因となっています。
しかし、開発元がアップデートを重ねた結果、2026年2月時点では直近30日間の好評率が79%にまで回復し、「やや好評」ステータスへと改善されました。
海外メディアのメタスコアはPC版76点、PS5版75点、Xbox Series X版83点と、一定の評価を獲得しています。
AI LIMIT無限機兵はソウルライク初心者でも楽しめるのか
「AI LIMIT 無限機兵」は、中国のSense Gamesが開発したSFソウルライクアクションRPGです。
2025年3月27日にPC・PS5向けにリリースされ、価格は税抜4,300円と比較的手頃に設定されています。
文明滅亡が迫る遠い未来を舞台に、再生能力を持つ機兵「アリサ」を操作して廃墟都市を探索する作品です。
最大の特徴は、ソウルライクの定番であるスタミナ管理を撤廃した点にあります。
代わりに「シンクロ率」という独自のシステムが導入されており、攻撃を当てるほどシンクロ率が上昇し、さらに大きなダメージを与えられるようになります。
攻めから攻めへとつなげる爽快感を重視した設計は、多くのプレイヤーから「パリィの手触りが非常に気持ちいい」と高く評価されています。
回復アイテムの入手手段が豊富で、NPCの位置を示す広域マップも搭載されるなど、初心者へのストレス軽減にも配慮が行き届いている作品です。
発売当初は進行不能バグなどの不具合で「やや好評」評価にとどまっていましたが、継続的なアップデートにより改善されています。
ソウルライクの楽しさを純粋に味わいたい初心者から、パリィの駆け引きを追求したい上級者まで幅広く楽しめる一本と言えるでしょう。
風燕伝は武侠オープンワールドとしてどう差別化しているか
「風燕伝:Where Winds Meet」は、NetEase Gamesが開発した武侠オープンワールドARPGです。
2025年11月15日にPC・PS5で正式サービスを開始し、同年12月12日にはモバイル版もリリースされました。
舞台は10世紀の中国(五代十国時代)で、権力闘争と陰謀が渦巻く乱世を若き剣客として生き抜くストーリーが展開されます。
他の中国産ソウルライクとの最大の違いは、基本プレイ無料のオープンワールドRPGという形態です。
累計プレイヤー数は900万人を突破し、Steamの同時接続数も25万人超を記録するなど、プレイヤー規模において圧倒的な数字を誇ります。
戦闘面ではソウルライク的な高難易度アクション要素を含みつつも、広大なフィールド探索や武術のカスタマイズなど、オープンワールドならではの自由度の高さが好評を得ています。
2026年3月6日には大型アップデート「河西」の第1章「玉門関」が実装予定で、砂漠マップや新武術が追加される見込みです。
継続的なコンテンツ更新によってプレイヤーを引きつけ続ける運営型のモデルは、買い切り作品が主流のソウルライクジャンルにおいて独自の立ち位置を確立しています。
2026年以降に期待される中国発ソウルライク新作まとめ
黒神話シリーズ第2作「鍾馗」の世界観と最新情報
「黒神話:悟空」の開発元Game Scienceは、シリーズ第2作として「黒神話:鍾馗(Black Myth: Zhong Kui)」を正式に発表しています。
2025年8月20日のgamescom Opening Night Liveで初公開され、中国民間伝承の鬼退治の神「鍾馗」をテーマにしたシングルプレイ専用のアクションRPGとなります。
西遊記ベースの前作とは異なるモチーフを採用した完全新作であり、直接的な続編ではない点が特徴です。
2026年2月10日には中国春節を祝う特別トレイラーが公開され、6分を超える映像の中でフォトリアルなグラフィックと不穏な世界観が披露されました。
料理をする人物たちの日常的な風景と、異常な食材が登場するダークな演出が話題を呼んでいます。
発売日は2026年3月時点で未定ですが、前作の実績を考慮すると、リリース時には再び世界的な注目を集めることは間違いないでしょう。
見下ろし型の新機軸FYORA’S SOULSとは何か
「FYORA’S SOULS(芙婭之魂)」は、従来のソウルライクとは一線を画す見下ろし視点を採用した作品です。
デフォルメされた美少女キャラクターたちで織りなすオープンワールドソウルライクという、これまでにないコンセプトが注目を集めています。
2026年2月に実機プレイ映像が公開され、可愛らしいビジュアルからは想像できない本格的なアクション要素が確認されました。
中国国内では2026年春のリリースが予定されており、直近のベータテストが最終テストになる可能性も指摘されています。
2026年3月時点では日本未上陸のため、今後のローカライズ展開にも期待がかかります。
ソウルライクは重厚でダークな世界観が主流ですが、本作のようにアートスタイルで差別化を図るアプローチは、ジャンルの裾野を広げる可能性を秘めています。
Longevity Yin and Yangが描く明代中華ファンタジーの魅力
「Longevity: Yin and Yang(長生陰陽)」は、中国の11 Gamesが開発する武侠アクションRPGです。
明代を舞台とした半歴史・半ファンタジーの世界観で、Unreal Engine 5による4Kフォトリアルのグラフィックが大きな話題を呼んでいます。
2025年11月に公開されたゲームプレイ映像では、中国古代の神話的な要素と武術アクションが融合した迫力あるバトルシーンが披露されました。
「黒神話:悟空」やSEKIROと並ぶ本格的なアクション体験を目指しているとされ、ソウルライクファンの間で期待が高まっています。
発売時期は2026年3月時点で未定ですが、映像のクオリティからは開発がかなり進行している印象を受けます。
中華ファンタジーを武術アクションで体験したいプレイヤーにとって、要注目の一作です。
Phantom Blade Zeroの武侠パンクに期待が集まる理由
「Phantom Blade Zero(锋芒零)」は、中国のS-Gameが開発するPS5・PC向けアクションRPGです。
「武侠パンク」と銘打たれた独特の世界観が最大の特徴で、伝統的な武侠の美学にサイバーパンク的なエッセンスを融合させたビジュアルが国際的な注目を集めています。
PlayStationのState of Playをはじめ、複数の大型イベントでトレイラーが公開されるたびに話題を呼んでおり、海外ゲームメディアからの期待値も非常に高い作品です。
高速かつスタイリッシュな剣戟アクションが映像から確認されており、フロム・ソフトウェアのSEKIROを彷彿とさせる緊張感のある戦闘が期待されています。
発売時期は未定ですが、開発の進捗状況から2026年中のリリースを予想する声もあります。
既存のソウルライクとは一味違う、中華圏独自の武侠文化をベースにした新しい体験を提供してくれるタイトルとして、多くのファンが続報を待ち望んでいます。
開発中止の噂も?中国産ソウルライクが抱えるリスクと課題
Ballad of Antaraの開発中止説は本当なのか
2024年5月のState of Playで華々しく発表された「Ballad of Antara(バラード・オブ・アンタラ)」が、開発中止ではないかという噂が浮上しています。
開発元はモバイル向け高難易度ARPG「パスカルズ・ウェイジャー」で知られるTipsWorks Studioで、パブリッシャーのInfold Gamesとともに基本プレイ無料・最大3人マルチプレイ対応のPS5向けソウルライクとして2025年発売を目指していました。
しかし、2024年9月に実機プレイ映像が公開されたのを最後に、公式からの続報が完全に途絶えています。
SNSの更新も停止しており、2025年末から2026年初頭にかけて海外メディアやコミュニティで開発中止説が広がりました。
公式ウェブサイトは存続しているものの、正式な否定・肯定のコメントは出されていません。
また、同様に期待を集めていた「Faith of Danschant: Hereafter」にも開発中止の噂が出ており、中国産ソウルライクのすべてが発売にこぎ着けるわけではないという現実を突きつけています。
最適化不足やレビュー爆撃が評価に与える深刻な影響
中国産ソウルライクが発売後に直面しやすい問題のひとつが、PC版の最適化不足です。
「明末:ウツロノハネ」は発売直後にフレームレートの不安定さやカクつきが多数報告され、Steamレビューで好評率28%という厳しい評価を受けました。
「AI LIMIT 無限機兵」も発売初期に進行不能バグが確認されており、技術的な完成度が初動の評価を大きく左右する構図が見て取れます。
さらに深刻なのが、ゲーム内容とは無関係な理由によるレビュー爆撃です。
「明末:ウツロノハネ」ではIGNの報道によると、ゲームプレイそのものへの評価とは乖離した低評価が集中的に投稿される事態が発生しました。
こうした外的要因による評価の歪みは、品質改善に取り組む開発者のモチベーションにも悪影響を及ぼしかねません。
ただし、継続的なアップデートによって評価が回復した事例も実際に確認されており、発売直後の評価だけで作品の価値を判断するのは早計と言えるでしょう。
中国ゲーム規制がソウルライク開発に及ぼすリスク
中国国内のゲーム開発には、政府による規制という他国にはないリスク要因が存在します。
中国ではゲームの販売・配信に版号(ばんごう)と呼ばれる許認可が必要で、国家新聞出版署による審査を通過しなければ国内でのリリースができません。
過去には版号の発給が長期間停止された時期もあり、開発スケジュールに大きな影響を及ぼすことがあります。
また、未成年者のゲーム利用時間の制限や、暴力・ホラー表現に対する規制も存在しており、ソウルライクのようなダークで過激な表現を含むジャンルは、国内向けと海外向けで内容を調整する必要に迫られるケースもあります。
こうした規制環境は、海外市場をメインターゲットとするスタジオにとって直接的な足かせにはなりにくい面もありますが、資金調達や国内マーケティングに影響を与える可能性は否定できません。
中国産ソウルライクの共通点と独自の魅力とは
三国志や西遊記など中国古典を活かしたダークファンタジー表現
中国産ソウルライクに共通する最大の魅力は、三国志や西遊記をはじめとする中国古典を独自のダークファンタジーとして再解釈している点です。
「黒神話:悟空」は誰もが知る西遊記の物語を、妖怪たちとの壮絶な戦いという形でリブートしました。
シリーズ第2作の「黒神話:鍾馗」は、鬼退治の神という民間伝承を不穏かつ美麗なビジュアルで描き出しています。
「明末:ウツロノハネ」は明代末期の戦乱と疫病を背景にしたオリジナルのダークファンタジーを構築し、中国史のあまり知られていない時代を舞台に選んだ独自性が光ります。
日本の「ダークソウル」シリーズが西洋中世ファンタジーを暗く再構成したように、中国のスタジオは自国の文化遺産を同様のアプローチで昇華させているのです。
こうした文化的な独自性は、ソウルライクジャンル全体に新しい風をもたらしており、世界中のプレイヤーに「まだ見たことのないダークファンタジー」を提供しています。
Unreal Engine 5によるフォトリアル志向のグラフィック水準
中国産ソウルライクのもうひとつの共通点は、Unreal Engine 5を積極的に採用したフォトリアル志向のグラフィックです。
「黒神話:悟空」はその圧倒的なビジュアルが発表段階から世界を驚かせ、実際のゲームプレイでもトレイラーに劣らない映像品質を実現してみせました。
「Longevity: Yin and Yang」も4Kフォトリアルの映像美でゲーマーの目を奪い、「Phantom Blade Zero」の武侠パンクの世界観もUE5の表現力あってこそ成立しています。
ただし、高品質なグラフィックには代償も伴います。
前述の通り「明末:ウツロノハネ」はUE5の最適化に苦しみ、パフォーマンス問題が発売直後の評価を押し下げる主因となりました。
美麗なビジュアルと安定した動作の両立は、UE5を採用する中国産タイトル全体にとって今後も課題であり続けるでしょう。
日本産ソウルライクとの違いは戦闘設計にあるのか
日本のフロム・ソフトウェアが生み出した「ダークソウル」シリーズを源流とするソウルライクですが、中国産のタイトルは戦闘設計においていくつかの独自のアプローチを見せています。
「AI LIMIT 無限機兵」はソウルライクの定番であるスタミナ管理を撤廃し、攻撃を続けることでシンクロ率が上昇するという攻め重視のシステムを採用しました。
「黒神話:悟空」は72通りの変身能力や法術といった西遊記ならではの多彩な戦闘手段を導入し、純粋なアクションRPGとしての色合いを強めています。
一方、日本の「SEKIRO」は体幹システムによる緊張感のある一騎打ちを、「エルデンリング」は広大なオープンフィールドとビルドの自由度をそれぞれ軸にしています。
中国産ソウルライクは、本家の高難易度アクションへのリスペクトを保ちつつも、スタミナの撤廃やより派手なアクション演出といった形で「遊びやすさ」と「爽快感」を意識的に追求する傾向があると言えるでしょう。
この方向性は、ソウルライク初心者にとっての間口を広げる役割を果たしており、ジャンルの多様化に大きく貢献しています。
中国産ソウルライクを選ぶときに失敗しないポイント
難易度や操作感で自分に合った作品を見極める方法
中国産ソウルライクは作品ごとに難易度と操作感が大きく異なるため、自分のプレイスタイルに合った作品を選ぶことが重要です。
「黒神話:悟空」は豊富な法術や変身を駆使できるため戦術の幅が広く、ソウルライク経験者であればストレスなく楽しめる設計です。
「明末:ウツロノハネ」は多彩な武器種とソウルライクらしい硬派な難易度を両立しており、骨太な挑戦を求めるプレイヤーに向いています。
「AI LIMIT 無限機兵」はスタミナ管理がなく、回復アイテムの入手も容易なため、ソウルライク初心者の入門として多くのプレイヤーに推奨されています。
「風燕伝:Where Winds Meet」はオープンワールドの探索が主体で、戦闘難易度も他作品に比べると緩やかなため、アクションに自信がない方でも楽しめるでしょう。
まずは体験版や無料プレイの作品から試してみるのが、失敗を避ける最も確実な方法です。
Steam評価とメタスコアの正しい読み解き方
作品を購入する前にSteam評価やメタスコアを参考にする方は多いですが、これらの数字を正しく読み解くことが大切です。
Steamのユーザーレビューは、ゲームの内容だけでなく技術的な不具合や、場合によってはゲームとは無関係な政治的・社会的要因に影響されることがあります。
「明末:ウツロノハネ」が発売直後に好評率28%の「やや不評」から、アップデート後に79%の「やや好評」まで改善した事例は、発売初日の評価だけでは作品の本質を判断できないことを如実に示しています。
メタスコアは海外メディアの評価を集約したもので、同作はPC版76点、PS5版75点、Xbox Series X版83点とプラットフォームによって開きがあります。
最も信頼性の高い判断方法は、発売からある程度の時間が経過した後の「最近のレビュー」を確認し、改善状況を見極めることです。
加えて、肯定的なレビューと否定的なレビューの両方を実際に読み、自分にとって重要なポイント(操作感、パフォーマンス、ストーリーなど)に関する意見を確認するのが賢明でしょう。
基本無料と買い切りで体験はどう変わるのか
中国産ソウルライクには、買い切り型と基本プレイ無料型の両方が存在しており、ビジネスモデルの違いがゲーム体験にも影響を与えます。
| 項目 | 買い切り型 | 基本プレイ無料型 |
|---|---|---|
| 代表作 | 黒神話:悟空、明末:ウツロノハネ | 風燕伝:Where Winds Meet |
| 初期費用 | 4,300円〜7,260円程度 | 無料 |
| コンテンツ提供方式 | DLC・拡張パックで追加 | 定期アップデートで継続追加 |
| 課金要素 | なし(一部DLC衣装等あり) | ゲーム内課金あり |
| プレイヤー規模 | 販売本数に依存 | 無料のため大規模になりやすい |
買い切り型は初期投資が必要ですが、追加課金なしで完成された体験を一通り楽しめるのが利点です。
基本プレイ無料型は初期費用ゼロで始められる反面、課金要素がゲーム進行に影響するかどうかを事前に確認しておく必要があります。
「風燕伝」は累計900万人超のプレイヤーを集めており、基本プレイ無料の強みを活かした大規模コミュニティが形成されています。
自分が重視するポイントが「コストパフォーマンス」なのか「課金なしの完結した体験」なのかを明確にしておくと、作品選びで後悔しにくくなるはずです。
中国産ソウルライクの今後の展望と業界への影響
悟空の成功モデルは他のスタジオに再現できるのか
「黒神話:悟空」の2,500万本という記録は、中国のゲーム産業にとって希望の象徴であると同時に、再現が極めて難しいモデルでもあります。
Game Scienceは約6年の開発期間と膨大な投資を費やし、西遊記という世界的に認知度の高い題材を選び、技術力とマーケティングのすべてを一点に集中させました。
一方で、後に続こうとした「明末:ウツロノハネ」は発売直後の技術的問題で評価を落とし、「Ballad of Antara」は開発中止が噂されるに至っています。
中国ゲーム産業全体としてハイエンドタイトルへの投資意欲は明確に高まっていますが、AAAクラスの品質を実現するためのノウハウの蓄積はまだ発展途上と言わざるを得ません。
「黒神話:悟空」の成功を業界全体の底上げにつなげられるかどうかは、今後数年間にリリースされる「黒神話:鍾馗」や「Phantom Blade Zero」といったタイトルの成否にかかっています。
中華アクションRPGは世界のソウルライク市場をどう変えるか
中国産ソウルライクの台頭は、フロム・ソフトウェアを頂点とするソウルライク市場の構造に新たな変化をもたらしつつあります。
これまでソウルライクと言えば、日本のフロム・ソフトウェア、韓国のNeowiz(「Lies of P」)、欧米の各スタジオが主な開発元でしたが、中国のスタジオが質・量ともに存在感を増してきました。
とりわけ、中国独自の歴史・神話・武侠をベースにした世界観は、西洋中世ファンタジーが主流だったジャンルに新たな多様性をもたらしています。
同時に、基本プレイ無料の「風燕伝」のようなビジネスモデルの多様化も、従来の買い切り型が中心だったソウルライク市場に新しい選択肢を提示しています。
中国のゲーム市場は2030年までに1,079億ドル規模への成長が予測されており、今後もハイエンドなアクションRPGの開発は加速していくと考えられます。
フロム・ソフトウェアが2026年にSwitch 2向けの「The Duskbloods」を予定しているように、日本のスタジオも新たな挑戦を続けており、中国勢との切磋琢磨がジャンル全体の品質向上をもたらすことが期待されています。
まとめ:中国産ソウルライクの全体像と今後の注目ポイント
- 「黒神話:悟空」は累計2,500万本を突破し、中国初の国産AAAタイトルとして歴史的な成功を収めた
- シリーズ第2作「黒神話:鍾馗」は鬼退治の神をテーマにした完全新作として2025年8月に発表された
- 「明末:ウツロノハネ」は発売直後の評価は厳しかったが、アップデートにより好評率79%まで回復している
- 「AI LIMIT 無限機兵」はスタミナ管理を撤廃した攻め重視の設計で、ソウルライク初心者にも推奨される
- 「風燕伝:Where Winds Meet」は基本プレイ無料で累計900万人超のプレイヤーを獲得した
- 「Phantom Blade Zero」や「Longevity: Yin and Yang」など野心的な新作が複数控えている
- 「Ballad of Antara」のように開発中止が噂されるタイトルも存在し、リスクは看過できない
- UE5のフォトリアル志向が共通する一方、最適化不足がユーザー評価を左右する課題が残る
- 西遊記や三国志など中国古典を活かしたダークファンタジー表現がジャンルに多様性をもたらしている
- 日本・韓国・欧米のスタジオとの競争がソウルライク市場全体の品質向上を促進すると期待される

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