「ソウルライク」と「カニ」という異色の組み合わせが、いまゲーマーの間で大きな注目を集めています。
ダークで重厚な世界観が当たり前だったソウルライクというジャンルに、ヤドカリやカニが暮らすカラフルな海底世界を持ち込んだ作品が登場し、従来のイメージを覆しました。
「興味はあるけど、ソウルライクは難しそう」「どのプラットフォームで遊べばいいのかわからない」「実際の評判はどうなの?」といった疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ソウルライクなカニゲームとして話題の『Another Crab’s Treasure』を中心に、ゲームの基本情報から攻略のコツ、プラットフォーム別の比較、注意すべきデメリット、さらに2026年の最新動向まで網羅的に解説していきます。
ソウルライクなカニゲームとは?話題の正体を解説
ソウルライクなカニゲームとして広く知られているのが、2024年4月25日に発売された『Another Crab’s Treasure』です。
アメリカ・シアトルに拠点を置くインディーゲームスタジオ「Aggro Crab」が開発・発売したこのタイトルは、約10名の少人数チームによって生み出されました。
プレイヤーはヤドカリの「クリル」となり、税金未納を理由に没収された大切な貝殻を取り戻すため、崩壊の危機に瀕した海底王国を冒険します。
ゲームの通称は「Crab Souls(カニソウル)」。
死ぬと経験値を落とすシステムや、篝火に相当するセーフポイント、パリィを駆使した慎重な戦闘など、ソウルライクのお馴染みの要素がしっかり盛り込まれています。
一方で、海底に散らばるゴミを貝殻代わりに装備する独自の「シェルシステム」や、海洋汚染をテーマにした社会派のストーリーなど、他のソウルライクにはない個性が光る一作です。
マインクラフトのように自由にブロックを組み立てるタイプのゲームではありませんが、海底に落ちているさまざまなゴミを拾って装備に変えるという点で、独特の「見つけて活用する」楽しさがあります。
Another Crab’s Treasureの基本スペックと価格情報
ここでは購入を検討している方のために、基本的なスペック情報を整理してお伝えします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | Another Crab’s Treasure |
| ジャンル | ソウルライク・アクションアドベンチャー |
| 開発・発売 | Aggro Crab |
| ゲームエンジン | Unity |
| 発売日 | 2024年4月25日 |
| 対応機種 | PS5 / PC(Steam)/ Xbox One / Xbox Series X|S / Nintendo Switch |
| プレイ人数 | シングルプレイヤー専用 |
| クリア時間目安 | メインのみ約15時間、やり込み含め約25時間 |
| 日本語対応 | 字幕・UIは日本語対応(音声は英語のみ) |
| 開発予算 | 約120万ドル(約1.8億円) |
通常価格はSteamで3,400円、PS Storeで3,520円、Nintendo eShopおよびXbox Storeで3,300円となっています。
セール時にはSteamで1,980円〜2,178円、PS Storeで2,323円程度まで下がることがあり、インディーゲームとしては手に取りやすい価格帯といえるでしょう。
さらに、Xbox Game Passには発売初日から対応しており、PS Plusエクストラ以上のゲームカタログにも2025年5月29日から追加されています。
サブスクリプションサービスに加入している方であれば、追加費用なしでプレイできる点は見逃せません。
ゲームシステムの特徴|シェル・うま味・密航者とは
本作の最大の特徴は、ソウルライクの骨格を保ちながらも、海底を舞台にした独自のシステムを数多く搭載している点にあります。
シェルシステム(全69種類の装備)
クリルはヤドカリなので、背中に貝殻を背負って戦います。
ただし本作で装備するのは本物の貝殻ではなく、海底に散らばるゴミです。
空き缶、ボトルキャップ、ショットグラス、バナナの皮、ブリキ缶など、全69種類のシェルが存在します。
それぞれに防御力やステータスが異なるだけでなく、固有のアビリティ(魔法のような特殊技)が付与されている点がユニークです。
シェルは敵の攻撃を受けると耐久値が減って壊れてしまうため、常に新しいシェルを探しながら進む必要があります。
「どのシェルを使うか」という選択が戦略性を生み出しており、多くのユーザーがこのシステムを本作の最大の魅力として挙げています。
うま味(Umami)アビリティ
戦闘では近接攻撃だけでなく、「うま味」と呼ばれる特殊なアビリティも活用できます。
遠距離攻撃や範囲攻撃といった多彩な技が用意されており、ビルドの幅を広げる重要な要素です。
ニューゲームプラスモードでは、うま味攻撃でしかダメージを与えられない新種の敵が登場するなど、やり込み要素にも深く関わっています。
密航者(Stowaways)
シェルに装着できる小さなアイテムやコンパニオンが「密航者」です。
体力回復量の強化、攻撃力の底上げなど、さまざまな特殊効果を得られます。
シェルとうま味、密航者の組み合わせによって、自分だけの戦闘スタイルを構築できる奥深さが本作にはあります。
ソウルライク初心者でも楽しめる?難易度とアシスト機能
「ソウルライクは難しすぎて自分には無理」と感じている方にとって、最も気になるポイントが難易度でしょう。
結論から言えば、本作はソウルライク初心者に最も適した入門タイトルのひとつとして、広く評価されています。
デフォルトの難易度は「ハード」相当に設定されていますが、他のソウルライクと大きく異なるのは、いつでも自由に難易度を変更できる点です。
アシストモードでは、被ダメージの軽減、与ダメージの増加、クリルの防御力アップなどを個別のスライダーで細かく調整できます。
なかでも話題を呼んだのが、「銃を装備できる」というユーモア溢れる救済措置です。
一撃で敵を倒せる銃が使えるようになるというジョークめいた機能ですが、実際に行き詰まったプレイヤーにとっては有効な手段となっています。
「ダークソウルやElden Ringでは挫折したが、本作は最後まで楽しめた」という声が多くのゲームコミュニティで共有されており、ソウルライクの楽しさを初めて味わうきっかけとしておすすめできます。
もちろん、腕に自信のあるプレイヤーはデフォルト設定で歯応えのある戦闘を堪能することも可能です。
プラットフォーム別の比較とおすすめの選び方
どの機種で遊ぶかによって体験が大きく変わるため、プラットフォーム選びは重要です。
| プラットフォーム | Metacriticスコア | パフォーマンス | サブスク対応 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| PC(Steam) | 78点 | 最も安定 | なし | 販売比率の約60%を占める人気プラットフォーム |
| PS5 | 77点 | 安定 | PS Plusカタログ対応 | 追加費用なしで遊べる可能性あり |
| Xbox Series X|S | 82点 | 安定 | Game Pass対応 | 発売初日から追加費用なし |
| Nintendo Switch | 65点 | 問題あり | なし | フレームレート低下・ビジュアル劣化が深刻 |
最もおすすめなのはPC(Steam)版です。
パフォーマンスが最も安定しており、セール時の値引き幅も大きいため、コストパフォーマンスに優れています。
PS5版はPS Plusエクストラ以上の加入者であればゲームカタログから追加費用なしでプレイ可能なので、すでに加入済みの方には最適な選択肢となるでしょう。
Xbox版もGame Pass対応のため、加入者であれば迷わずプレイできます。
一方、Nintendo Switch版は購入時に注意が必要です。
フレームレートの大幅な低下、ビジュアルの劣化が多くのユーザーから報告されており、Metacriticスコアも他機種より15〜17点低い65点にとどまっています。
携帯モードで遊びたいという明確な理由がない限り、他のプラットフォームを選ぶのが無難です。
なお、Nintendo Switch 2の後方互換機能によるパフォーマンス改善についても話題になっており、今後の検証結果次第では評価が変わる可能性もあります。
評判とレビュー|評価されている点と不満の声
本作は全体として高い評価を受けていますが、手放しの絶賛ばかりではありません。
ここではメディアとユーザーの両面から、評価されている点と不満が挙がっている点を整理します。
高く評価されている点
Steamでは15,000件以上のレビューが投稿されており、評価は「非常に好評」(好評率93%)を維持しています。
明るくカラフルな世界観でありながら、本格的なソウルライク体験ができる点が最も支持されている要素です。
ゴミを装備に変えるシェルシステムの独自性、海洋汚染という社会問題をテーマに据えたストーリーの深さ、そしてコミカルなキャラクターたちの魅力も好意的に受け止められています。
難易度調整の自由度の高さは「ソウルライクのアクセシビリティの手本」とも評されており、ジャンルに馴染みのない層も取り込むことに成功しました。
Golden Joystick Awards 2024では「Best Indie Game(Self-Published)」を受賞しており、業界内でもその品質が認められています。
不満や批判が寄せられている点
一方で、ゲームの後半に関しては批判的な意見も少なくありません。
前半のステージ設計が丁寧に作り込まれているのに対し、後半は敵配置のバランスが崩れ、レベルデザインがやや単調になるという指摘が一般的に見られます。
終盤に登場する一部の敵、特に電話を持ったカニやレーザーを撃つ巨大カニの理不尽な強さは、多くのプレイヤーがストレスを感じたポイントとして挙げています。
武器がフォーク1本に固定されている点も、戦闘のバリエーションを制限する要因として不満の声があります。
ダークソウルシリーズのように多種多様な武器を使い分けたいプレイヤーにとっては物足りなさを感じるかもしれません。
カメラワークの問題で敵の攻撃が見えづらい場面があることや、シェルの耐久値が減りやすく中盤以降に消耗の速さがストレスになるという声も確認されています。
注意すべきデメリットと購入前に知っておきたいこと
購入を検討しているなら、事前に把握しておきたい注意点がいくつかあります。
バグ・技術的な問題
発売当初はオートセーブが機能しないバグ、進行不能バグ、無限落下、スタック(動けなくなる現象)など、複数の技術的問題が報告されていました。
パッチによって主要なバグの多くは修正済みですが、一部の環境では依然として不具合が残っているという報告もあります。
特にSwitch版ではパフォーマンス改善が限定的なままで、発売から時間が経ってもフレームレートの問題は解消されていません。
日本語翻訳の質
日本語字幕には対応していますが、翻訳の品質は高いとは言えません。
機械翻訳に近い不自然な表現が随所に見られ、英語圏のダジャレやユーモアが日本語では伝わりにくいという声が多く上がっています。
ストーリー自体は海洋汚染という深いテーマを扱った秀作ですが、翻訳の粗さが没入感を損なう場面があるのは残念な点です。
英語が読める方であれば、英語設定でプレイするのもひとつの選択肢でしょう。
見た目とのギャップ
明るくかわいらしいビジュアルから「子ども向けのカジュアルゲーム」と思って購入すると、中盤以降の本格的な難易度に面食らう可能性があります。
猫やネズミが登場するような可愛い動物ゲームを期待していると、ギャップに戸惑うかもしれません。
アシストモードで難易度は調整できるものの、根本的にはソウルライクのゲーム設計であることを理解した上で購入することをおすすめします。
他のソウルライク作品との比較で見える独自の立ち位置
ソウルライクというジャンルにはすでに数多くの名作が存在します。
本作がどのような位置づけにあるのか、代表的なタイトルと比較して見ていきましょう。
| 比較項目 | Another Crab’s Treasure | Dark Souls III | Elden Ring | SEKIRO |
|---|---|---|---|---|
| 難易度 | 低〜中(調整可) | 高い | 中〜高い | 非常に高い |
| 世界観 | 明るい海底 | ダークファンタジー | ダークファンタジー | 和風ダーク |
| 難易度変更 | いつでも可能 | 不可 | 不可 | 不可 |
| 武器の多様性 | フォーク1本 | 多数 | 多数 | 1本 |
| 価格帯 | 約3,300〜3,500円 | 約4,000〜5,000円 | 約5,000〜9,000円 | 約5,000円 |
| 初心者おすすめ度 | とても高い | やや低い | 普通 | 低い |
フロムソフトウェアの作品群と比べると、本作はあらゆる面で「入口の広さ」が際立っています。
価格の手頃さ、難易度調整の自由度、明るい世界観による心理的ハードルの低さなど、ソウルライクに興味はあるが踏み出せなかった層にとって最適な一本です。
操作感についてはSEKIROに近いと感じるプレイヤーも多く、パリィを軸にした緊張感ある戦闘が楽しめます。
一方で、武器のバリエーションやビルドの深さという面ではダークソウルシリーズやElden Ringに及ばない部分があることも事実です。
ただし、本作にはシェルシステムという独自の装備概念があるため、「どのゴミを背負うか」という他のゲームにはない戦略的な楽しさが代わりに存在しています。
開発者が語るソウルライクの未来と本作の開発哲学
本作の成功は、ソウルライクというジャンル全体に一石を投じました。
Aggro Crabの共同創設者であるCaelan Pollock氏は、2025年12月のインタビューで興味深い見解を述べています。
同氏によると、「ソウルライクという名前自体が、多くの開発者をダークソウルの再生産ループに閉じ込めている」とのことです。
Steamには2025年末時点で約3,000本の「ソウルライク」タグが付いたゲームが存在しますが、その多くがダークソウルのあらゆる側面を模倣した結果、差別化できずに埋もれてしまっています。
Pollock氏は「ダークソウルっぽいゲームの最高傑作は、すでにダークソウル自身として存在している」と語り、模倣ではなく独自性の追求こそが重要だという信念を示しました。
『Another Crab’s Treasure』は、ゲームの骨格はソウルライクに忠実でありながら、世界観やテーマを意図的に「典型的なソウルライク」から外すことで差別化に成功しています。
開発予算はわずか120万ドル(約1.8億円)でしたが、60〜70万本という販売実績を達成し、小規模スタジオの成功事例として業界でも注目されています。
この成功は「ソウルライク=ダークファンタジーでなければならない」という固定観念を打ち破り、ジャンルの可能性を広げるきっかけとなりました。
2025〜2026年の最新アップデートと今後の展開
本作は発売後も精力的にアップデートが行われています。
ここでは最新の動向を時系列で整理します。
Year of the Crabアップデート(2025年4月21日配信)
発売1周年を記念して配信された無料の大型アップデートです。
ニューゲームプラスモードが追加され、敵の配置やルート、ボスの攻撃パターンが完全にリミックスされた新鮮な体験が楽しめるようになりました。
ボスとの再戦ができる「Trials of the Warrior」(ボスラッシュモード)、新コスチューム、新アップグレード、新実績も同時に追加されています。
なお、Switch版への配信は遅延が生じています。
パッケージ版の発売(2025年9月出荷開始)
iam8bitとのコラボレーションにより、PS5版とNintendo Switch版のパッケージ版が発売されました。
価格は34.99ドルで、初回生産分にはデジタルサウンドトラックのダウンロードコードが同梱されています。
開発元Aggro Crabの最新動向
Aggro Crabは2025年6月に協力型クライミングゲーム『PEAK』をLandfall Gamesとの共同開発でリリースし、わずか6日間で100万本を売り上げる大ヒットを記録しました。
さらに、2025年10月には新作『Crashout Crew』を発表しており、2026年内のリリースが予定されています。
スタジオは「ひとつのゲームを永遠に作り続けるスタジオにはなりたくない」という方針を公表しており、次々と新しい挑戦に取り組む姿勢を見せています。
なお、Another Crab’s Treasureの続編については現時点で公式発表はありません。
2026年注目の新作カニゲーム情報
カニをテーマにしたゲームは『Another Crab’s Treasure』だけではありません。
2026年に注目を集めている新作があります。
Everything is Crab: 生物進化ローグライト
2026年5月8日にSteamでリリースが予定されている本作は、「すべての生物はカニへと進化する」という実在の生物学理論(カーシニゼーション=カニ化)をモチーフにしたローグライトゲームです。
ヴァンパイアサバイバーズ風の見下ろし型アクションに、100種類以上の進化アビリティを組み合わせて自分だけのキメラ生物を作り上げるシステムが特徴となっています。
2026年2月19日に配信されたデモ版は、わずか4日間で約400件のレビューを集め、99%好評という驚異的な評価を獲得しました。
日本語にも対応しており、「カニ×ゲーム」の新たなトレンドとして注目に値するタイトルです。
カニノケンカシリーズとの違い
「カニゲーム」として日本で知名度が高い『カニノケンカ -Fight Crab-』は、物理シミュレーションで動くカニを操作して相手をひっくり返す対戦ゲームであり、ソウルライクとは全く異なるジャンルです。
続編の『カニノケンカ・ニ Fight Crab 2』も2024年にアーリーアクセスが開始されていますが、こちらも対戦型アクションに分類されます。
ソウルライク体験を求めるなら『Another Crab’s Treasure』、カオスな対戦を楽しみたいなら『カニノケンカ』シリーズと、目的に応じて選び分けるのがよいでしょう。
まとめ:ソウルライクなカニゲームの魅力と選び方ガイド
- 「ソウルライク カニ」の代表作は『Another Crab’s Treasure』で、ヤドカリのクリルが海底を冒険するアクションアドベンチャーである
- 開発はシアトルの少人数インディースタジオAggro Crabで、開発予算120万ドルに対し60〜70万本のヒットを記録した
- 海底のゴミを貝殻として装備する「シェルシステム」が最大の独自要素で、全69種類が存在する
- アシストモードによりソウルライク初心者でも安心してプレイでき、銃装備というユーモラスな救済措置もある
- プラットフォームはPC(Steam)版が最も安定しており、PS PlusカタログやXbox Game Passでの追加費用なしプレイも可能である
- Nintendo Switch版はパフォーマンス問題が深刻なため、他機種での購入が一般的に推奨されている
- 前半のステージ設計は高評価だが、後半のバランス崩壊や翻訳品質の低さが主なデメリットとして指摘されている
- 2025年4月の無料大型アップデート「Year of the Crab」でニューゲームプラスやボスラッシュが追加された
- 開発者はソウルライクにおけるダークソウルの模倣脱却を提唱しており、ジャンルの多様化に貢献した
- 2026年には『Everything is Crab: 生物進化ローグライト』など新たなカニゲームも登場予定で、カニ×ゲームのトレンドは拡大している

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