よくある質問:ローラの正体って結局なに?
『サイレントヒル2 リメイク(SH2R)』をプレイして、多くの人が「ローラって結局何者?」と感じると思います。
大人が恐怖に慄くクリーチャーだらけの町を、彼女は一人で平然と走り回っていますよね。
主人公ジェイムスに対しては挑発的な態度を取り、鍵を蹴飛ばしたり、時には部屋に閉じ込めるなどのイタズラを仕掛けてきます。
なぜ子供がこんな場所にいるのか?
なぜ彼女だけクリーチャーに襲われず、また怖がる様子もないのか?
彼女の正体は幽霊なのか、それともジェイムスの幻覚なのでしょうか?
こういった疑問に答えます。
本記事では、「ローラの正体とサイレントヒルに来た目的」、そして「彼女の視点から見た世界の真実」までを、考察しつつ深掘りします。
この記事を読むことで、「ローラの不可解な言動の理由」までをイメージできるようになると思います。
結論から言えば、ローラの正体は「『サイレントヒル2』の登場人物の中で、唯一とも言える“現実”と“無垢”の象徴であり、実在する普通の人間」です。
サイレントヒル2 リメイクにおけるローラとは?
まずは基礎理解から。
ローラは、ジェイムスがサイレントヒルのアパートで出会う8歳の少女です。
両親はおらず、孤児院で育ったとされていますね。
彼女はジェイムスが探している亡き妻「メアリー」のことを知っており、メアリーに会うためにこの町を訪れました。
初対面からジェイムスが取ろうとした鍵を蹴飛ばし、「バカ」と言い放って手まで踏みつけるなど、非常に挑発的です。
リメイク版では、病院でジェイムスをクリーチャー(フレッシュリップ)のいる部屋に閉じ込めるシーンが、原作の「無邪気なイタズラ」というよりは「底意地の悪さ」を感じさせる演出に変わった、という感想も見られますね。
とはいえ、物語の舞台であるサイレントヒルは、おぞましいクリーチャーが徘徊する危険なゴーストタウンのはずです。
その中を臆することなく駆け回るローラの姿は、ジェイムス(=プレイヤー)にとって最大の謎の一つとなります。
ローラの正体は「普通の人間」である根拠
多くのプレイヤーが彼女を幽霊やジェイムスの幻覚(マリアのような存在)ではないかと疑いますが、ローラの正体は「実在する普通の人間」です。
じゃあ、その根拠は何かというと「サイレントヒルのルールそのもの」かなと思っています。
根拠①:ジェイムス以外の人物(エディ)との接点
『サイレントヒル2』の霧に包まれた町は、訪れた者の「心の闇」や「罪」を反映して、それぞれ異なる姿を見せます。
ジェイムス、アンジェラ、エディは、皆が罪を抱えてこの町に呼ばれ、自分だけの地獄(裏世界)を見ています。
例えば、ジェイムスの生み出した幻覚であるマリアは、ジェイムスとしか関わりません。
しかし、ローラはジェイムスだけでなく、同じく訪問者であるエディ・ドンブラウスキーとも関わりを持っています。
オリジナル版のオープニングムービーや海外のコミュニティでの考察によれば、ローラは町までエディの車にヒッチハイクしてきたとされています。
これは、ローラがジェイムス個人の妄想の産物ではなく、客観的に実在する人物であることの強力な証拠ですね。
根拠②:心の闇がなく、クリーチャーが見えていない
ローラの最大の特異点「なぜクリーチャーが見えないのか」という疑問の答えこそ、彼女が「普通」である証明です。
サイレントヒルが具現化するのは、あくまで訪問者の「心の闇」や「罪悪感」なので。
ジェイムスには性的衝動やメアリーへの苦悩が、アンジェラには性的虐待のトラウマ(アブストラクトダディ)が、エディにはいじめられたコンプレックスが、それぞれクリーチャーとして襲いかかります。
しかし、ローラはまだ8歳の子供です。
彼女には、ジェイムスたちが抱えるような「罪」や「心の闇」が存在しません。
過去のインタビューで、クリーチャーデザイナーの伊藤暢宏氏も「ローラは誰一人殺したことがないから、クリーチャーは見えない」という趣旨の発言をしています。
大切なので繰り返し書きますが、ローラにはあの恐ろしいクリーチャーたちは一切見えていません。
彼女に見えているサイレントヒルは、ただ「霧が深くて、人が誰もいない寂れたリゾート地」に過ぎないのです。
だからこそ彼女は平気で走り回り、病院でジェイムスを閉じ込めた時も、彼女の認識では単に「ジェイムスを部屋に閉じ込めるイタズラ」でしかなく、その先に恐ろしい化け物がいるとは夢にも思っていなかった、という感じです。
根拠③:マリアや裏世界を認識していない
ローラは、ジェイムスの「理想のメアリー」として具現化された存在であるマリアを認識していません。
また、ジェイムスがサイレンの音と共に引きずり込まれる、錆と血にまみれた「裏世界」も、ローラには見えていませんね。
彼女は常に「表世界(ジェイムス視点)」にしか登場せず、ジェイムスの主観的な地獄とは一切無縁の場所にいます。
ローラの目的:なぜサイレントヒルに来たのか?
ローラの正体が「普通の少女」であるならば、なぜ彼女はたった一人でこんな危険な(少なくとも寂れた)町に来たのでしょうか。
その目的は「メアリーに会うため」であり、その発端はメアリーが死の直前にローラへ宛てた一通の手紙でした。
メアリーからの手紙がすべての発端
ローラは、メアリーが入院していた病院(サイレントヒルではない、別の場所)で出会った少女です。
メアリーはローラのことを実の娘のように可愛がり、二人は「親友」と呼び合うほど親密な関係でした。
メアリーは死の間際、ローラに向けて手紙を遺します。
その手紙には、メアリー自身の死を「とても遠く静かな場所に行ってしまった」と表現していました。
メアリーは生前、ローラに「思い出の場所」であるサイレントヒルの話をよくしたり、写真を見せたりしていました。
そのため、ローラはメアリーが言った「遠く静かな場所」を、天国(=死)ではなく、文字通り「サイレントヒル」のことだと誤解したのです。
ローラの目的は、大好きなメアリーが待っている(と信じている)サイレントヒルを訪れ、彼女と再会することでした。
サイレントヒルへの移動手段
前述の通り、ローラは道中でエディと出会い、彼の車に同乗させてもらってサイレントヒルに到着したというのが最も有力な説ですね。
ジェイムスを惑わせるローラの言動と「すれ違い」の考察
ローラはジェイムス(=プレイヤー)の認識を根底から揺さぶる「爆弾」をいくつも投下してきます。
彼女の存在そのものが、ジェイムスの築いた「現実逃避の壁」を壊すハンマーとなっています。
さらに深掘りして解説しますね。
なぜローラはジェイムスを知っていたのか?
アパートで出会った時、ジェイムスはローラを知りませんでしたが、ローラはジェイムスを知っていました。
これも、メアリーがローラに宛てた手紙が関係しています。
手紙の中で、メアリーはジェイムスについて「あなたはジェイムスのことを嫌って会おうとしなかったけど…(中略)…本当はとても優しい人だから、何かあったら頼りなさい」と書いていました。
ローラはメアリーからジェイムスの話を聞いて一方的に知っており、ジェイムスがメアリーを大事にしなかった(お見舞いにあまり来なかった)と思い、彼を嫌っていたのです。
一方、ジェイムスはメアリーの看病で精神的に疲弊しきっており、メアリーが話す「ローラのという少女」のことは記憶から抜け落ちていました。
最大の謎「メアリーの死の時期」の食い違い
ローラの存在が物語の核心を突くのは、二人の「時間認識」の致命的なズレです。
- ジェイムスの認識: 妻メアリーは「3年前」に病死した。
- ローラの認識: メアリーからの手紙には「8歳の誕生日おめでとう」と書かれており、ローラ本人は「(誕生日祝いの)手紙をもらったばかりで、先週8歳になった」と証言します。
もしメアリーが3年前に死んでいるなら、ローラは現在11歳のはずです。
しかし、目の前のローラはどう見ても8歳であり、彼女の証言と手紙の内容が一致します。
この「3年」と「先週」という決定的な矛盾こそが、ジェイムスの記憶が嘘であること(=現実逃避)をプレイヤーに突きつける最大の伏線です。
事実として、ジェイムスがメアリーを殺害したのは「3年前」ではなく、このサイレントヒルに来る「つい最近」のことだったのです。
ローラは、ジェイムスが信じ込んでいる「妄想の世界」に、「現実」の証拠を突きつける存在なんですね。
ローラのその後はどうなるのか?
ジェイムスがホテルでメアリー殺害の「真実」を思い出し、ビデオでそれを確認した後、ローラと再会します。
ジェイムスが「私がメアリーを殺した」と告白すると、ローラは彼を「嘘つき!」「バカ!」「人殺し!」と罵倒し、泣きながら走り去っていきます。
これが、ゲーム本編におけるローラの最後の姿です。
彼女がその後どうなったのか、無事に町を出られたのかは、ほとんどのエンディングで描かれません。
唯一、エンディング「Leave(立ち去る)」においてのみ、ジェイムスが自分の罪と向き合い、メアリーの最期の願い(生きて欲しい)を受け入れた後、ローラと共にサイレントヒルを立ち去る姿が描かれます。
ジェイムスが「妄想」から覚めて「現実」に戻ってきたことで、初めてローラと同じ世界に立ち、二人で町を後にすることができた、と解釈することができます。
まとめ
『サイレントヒル2 リメイク』におけるローラの正体は、「心の闇を持たない、実在する8歳の少女」でした。
- ローラの正体: 幽霊でも幻覚でもない、普通の人間です。
- サイレントヒルに来た目的: メアリーの手紙を誤解し、「遠く静かな場所=サイレントヒル」にいるメアリーを探すためです。
- クリーチャーが見えない理由: 「心の闇(罪)」を持たないため、サイレントヒルの力が干渉できず、彼女には「霧深い寂れた町」にしか見えていないからです。
- 物語上の役割: ジェイムスが信じる「妄想(3年前に妻は死んだ)」に対し、「現実(メアリーは最近まで生きていた)」を突きつける、物語の根幹に関わる鏡のような存在ですね。
こんな感じです。
ローラという「現実」の視点が入ることで、『サイレントヒル2』の物語はジェイムスの主観的な悪夢から、より深く、悲しい現実の物語へと昇華されている、と僕は思います。

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