2022年7月にNetflixで配信が始まった実写ドラマ版バイオハザードは、配信直後から「ひどい」「つまらない」という声がネット上にあふれました。
世界的に知名度の高いゲームシリーズを原作としながら、わずか1シーズンで打ち切りという結末を迎えた本作は、いったい何が問題だったのでしょうか。
この記事では、ドラマ版バイオハザードが酷評された具体的な理由から、制作側が明かした打ち切りの内幕、歴代映像化作品との比較、そして2026年以降の最新動向までを徹底的に解説していきます。
「観ようか迷っている」「なぜここまで評価が低いのか知りたい」という方にとって、判断材料となる情報をすべて網羅しています。
Netflix版バイオハザードのドラマはなぜ「ひどい」と酷評されたのか
Netflix版バイオハザードのドラマがひどいと言われる理由は、一つではありません。
原作ゲームとのかけ離れた内容、脚本の質、キャラクターの魅力のなさなど、複数の要因が重なり合い、視聴者から厳しい評価を受ける結果となりました。
ここでは、酷評の中心にある3つのポイントを詳しく見ていきます。
視聴者スコア27%が物語る歴代ワースト級の評価
Netflix版バイオハザードのドラマに対する評価は、数字が如実に物語っています。
大手映画レビューサイトRotten Tomatoesでは、批評家スコアこそ55%とまずまずでしたが、一般視聴者のスコアはわずか27%にとどまりました。
これはバイオハザードの映像化作品全体を通じて最も低い数値であり、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の映画シリーズ(視聴者スコア44〜67%)と比べても圧倒的に下回っています。
IMDbでの評価も深刻で、配信直後には10点満点中3.4点まで急落し、Netflix史上最も低い評価を受けた作品のひとつとして報じられました。
最終的には4.2点まで回復したものの、約49,000件という大量の評価が集まった上での低スコアであり、一部ファンの感情的な反応だけでは説明がつかない数値です。
日本国内のレビューサイトFilmarksでも691件のレビューが投稿されており、「バイオハザードの名前を使わなければ見向きもされないレベル」という厳しい意見が大勢を占めています。
原作ゲームとの致命的な乖離が招いた不満の正体
本作が酷評された最大の原因のひとつは、原作ゲームからの大幅な逸脱にあります。
ドラマに登場するのは、ほぼ全員がオリジナルキャラクターです。
ゲームファンが愛してきたレオン・S・ケネディ、クリス・レッドフィールド、ジル・バレンタインといった象徴的なキャラクターは一切登場しません。
唯一ゲームから引き継がれたアルバート・ウェスカーも、原作では白人男性として描かれてきたキャラクターを黒人俳優のランス・レディックが演じており、さらに「クローン人間」という独自設定が加えられました。
ゲームメディアIGN JAPANでは「バイオハザードの名前を借りただけのB級ドラマ」と酷評する記事が掲載され、多くのファンの感覚を代弁する形となっています。
ショーランナーのアンドリュー・ダブは「ゲームはドラマのバックストーリーであり、ゲーム内で起こったことはすべてこの世界にも存在している」と語っていましたが、実際にドラマを視聴したファンの多くは、その言葉と作品内容との間に大きなギャップを感じたのが実情です。
主人公ジェイドが「うざい」と嫌われた理由
ドラマの主人公ジェイド・ウェスカーに対する不満は、日本のネットコミュニティだけでなく海外の掲示板でも共通して見られます。
ジェイドは自分勝手な行動を繰り返し、仲間を危険に巻き抜け、結果として多くの人命を失わせるキャラクターとして描かれました。
作中でも妹のビリーから「過去の過ちを修正することばかり考えて、周りが巻き込まれることはお構いなし」と糾弾されるシーンがあり、視聴者の不満を脚本自体が裏付けてしまう皮肉な構図になっています。
少女時代を演じたタマラ・スマートに対しても「ティーンエイジャーとしてのわがままさが度を超えている」という意見が多く、感情移入の対象としてまったく機能しなかったというのが大方の評価です。
サバイバルホラーの主人公に求められるのは、危機的状況を知恵と勇気で切り抜ける姿であり、自ら問題を引き起こし続けるキャラクター像は、ジャンルとの根本的なミスマッチを生んでいました。
バイオハザードのドラマが打ち切りになった経緯と真相
Netflix版バイオハザードのドラマは、2022年7月14日の配信開始からわずか約6週間後の同年8月26日に打ち切りが発表されました。
この異例のスピードには、視聴データの急落と批評の低迷という明確な根拠がありました。
配信初週2位から3週で圏外へ急落した視聴数の推移
配信初週の数字だけを見ると、本作は決して失敗とは言えないスタートを切っています。
英語作品の週間視聴時間ランキングでは初週に7,267万時間を記録し、堂々の2位を獲得しました。
翌週も7,326万時間でトップ3圏内を維持しており、バイオハザードというIPの知名度が初動の集客力につながったことは間違いありません。
しかし問題は3週目以降です。
視聴数は急激に減少し、あっという間にトップ10圏外へ転落してしまいます。
Netflixの人気作品は配信開始から数週間にわたってランキング上位をキープするのが一般的であり、3週目で圏外になるのは期待された大型タイトルとしては異例の速さでした。
つまり、知名度に惹かれて視聴を始めたものの、内容に満足できず途中離脱した視聴者が大量にいたことを数字が示しています。
制作側プロデューサーが明かしたNetflixとの方針対立
打ち切り後の2022年10月、制作会社コンスタンティン・フィルムの副CEOオリヴァー・ベルベンがドイツメディアのインタビューで、失敗の内幕を語りました。
ベルベンによれば、Netflixはドラマ版バイオハザードを「若い女性視聴者層(ヤングアダルト層)」に向けて展開することを強く希望したとのことです。
これに対しコンスタンティン・フィルム側は、バイオハザードのコアファン層はやや年齢が高く男性寄りであるという20年以上の映画興行データに基づき、「ブランドのコアから離れすぎるべきではない」と繰り返し警告していたと証言しています。
しかしNetflix側は自社のデータ分析に基づき、「ブランドを若い女性層に広げられるか試したい」という方針を貫きました。
ベルベンはこの試み自体を否定はしなかったものの、結果として累計10億ドル以上の興行収入で証明されてきたターゲット像からの乖離が、作品の方向性を歪めたことを認めています。
この証言は、ドラマがティーンドラマ的な要素を多く含んでいた理由を構造的に説明するものとして、多くのメディアで注目されました。
シーズン2が実現しなかった決定的な理由
シーズン2が制作されなかった理由は、単に評価が低かっただけではありません。
Netflixは視聴数、完走率、新規会員獲得への貢献度など複数の指標を総合的に判断しており、本作はそのいずれにおいても基準を満たせなかったと考えられています。
3週目でのランキング圏外転落は、視聴者の多くが全8話を完走しなかったことを強く示唆するデータです。
また、Rotten Tomatoesの視聴者スコア27%、IMDb3.4点という配信直後の極端な低評価は、SNSや口コミを通じて急速に拡散し、新規視聴者の獲得を阻害する負のスパイラルを生み出しました。
打ち切り発表後、他のネットワークやプラットフォームへの移籍も実現していません。
さらに2023年3月にはウェスカー役のランス・レディックが60歳で急逝したため、仮に復活の企画が持ち上がったとしても、同じキャストでの継続は物理的に不可能となっています。
脚本・演出・キャストから見る具体的な問題点
ドラマ版バイオハザードの問題は、単に「原作と違う」という一点に集約されるものではありません。
脚本の構成、演出の方向性、キャスティングの意図など、作品を構成する複数の要素にそれぞれ課題を抱えていました。
二つの時間軸を交互に描く構成がもたらしたテンポの悪さ
本作は2022年(過去)と2036年(未来)という二つの時間軸を各エピソード内で交互に描くスタイルを採用しています。
この手法自体は映像作品で珍しくありませんが、視聴者の多くが「テンポが悪い」「物語に集中できない」と感じる結果になりました。
各エピソードの60〜80%がフラッシュバック形式の過去パートで構成されており、「これほどの比率になるなら最初から時系列順に描いたほうが分かりやすい」という指摘が海外の掲示板を中心に多数上がっています。
過去パートでは10代のジェイドとビリーの学園生活が中心に描かれる一方、未来パートでは荒廃した世界でのサバイバルが展開されます。
この二つのトーンの落差が激しすぎるため、どちらの物語にも没入しきれないもどかしさが、視聴継続を困難にしていました。
ティーンドラマ化した過去パートへの批判
過去パート(2022年)は、多くの視聴者から「CWネットワークのティーンドラマのようだ」と揶揄されています。
CWネットワークとは米国のテレビ局で、10代向けのドラマを多く制作していることで知られており、この比較は「バイオハザードらしさの完全な喪失」を意味する批判として広く共有されました。
転校生として新しい学校に馴染めない姉妹の葛藤、同級生とのいざこざ、初恋のエピソードなどが丁寧に描かれる一方、サバイバルホラーとしての緊張感はほぼ皆無です。
ゾンビ(感染者)の出番も極めて少なく、「バイオハザードの割にはゾンビが全然出てこない」という不満はFilmarksなどの国内レビューサイトでも頻繁に見られます。
前述のプロデューサー証言にもある通り、Netflixが若年女性層をターゲットに設定したことが、この方向性に直結していたと考えられます。
ウェスカー役ランス・レディックだけが評価された皮肉
作品全体が酷評される中、ほぼ唯一の例外として評価を集めたのがアルバート・ウェスカー役のランス・レディックです。
「ジョン・ウィック」シリーズのシャロン役や「THE WIRE」での名演技で知られるベテラン俳優は、本作でも威厳、不気味さ、意外なユーモア、そして父親としての脆さを見事に表現しました。
海外メディアの分析記事では「歴代映像化で最も魅力的なウェスカーを演じたのがこの作品だったことが皮肉だ」と評されるほどで、彼の存在がなければ評価はさらに低くなっていた可能性が高いとされています。
しかしランス・レディックの好演も、脚本が抱える根本的な問題を補うには至りませんでした。
優れた演技力があっても、物語の構造そのものに欠陥があれば作品を救えないという現実を、本作は残酷なまでに証明しています。
多様性要素の詰め込みすぎが生んだ違和感
ドラマ版バイオハザードには、さまざまな多様性の要素が盛り込まれています。
ウェスカーの人種変更、主人公姉妹の多民族的なルーツ、ビリーのヴィーガン設定、ビリーの同性愛的な描写、イヴリンと女性パートナーの同性婚、代理母出産による姉妹の出生設定などが、全8話の中に一度に詰め込まれました。
多様性の表現それ自体が問題視されたわけではありません。
多くの視聴者が指摘しているのは、「これらの要素が物語と有機的に結びついていない」という点です。
キャラクターの背景として自然に溶け込むのではなく、チェックリストを埋めるかのように次々と提示される構成に対し、「物語に必然性のない設定を詰め込みすぎている」という批判が国内外で共通して見られました。
バイオハザードのドラマはなんJや海外掲示板でどう語られたか
ネット上のコミュニティでは、本作に対する議論が配信直後から活発に行われました。
日本のなんJ(5ちゃんねる)から海外のRedditまで、国境を越えて共通する批判点が浮かび上がっています。
IMDbで一時3.4点まで低下しNetflix史上最悪の評価に
配信開始からわずか数日で、IMDbのスコアは3.4/10まで急降下しました。
この数値はNetflixオリジナルシリーズの中でも最低クラスとして英語圏の主要メディアNME、LADbible、Metro等が相次いで報道し、「Netflix史上最悪の評価の番組のひとつ」として大きな話題となっています。
一部では「レビューボミング(集団的な低評価爆撃)」の可能性も指摘されましたが、Redditでは「バイオハザードのラベルがなくても、単純にひどい番組だ」という意見が支持を集めており、原作ファンの感情的な反発だけでは説明しきれない評価の低さが示されています。
最終的にスコアは4.2点に落ち着いたものの、約49,000件の評価に基づくこの数値は、作品の品質に対する幅広い不満を反映したものと言えるでしょう。
海外ファンが指摘した「CWドラマレベル」という共通認識
Redditの複数のサブレディット(r/horror、r/television、r/residentevil、r/netflix)で繰り返し見られた表現が「CWドラマレベル」という比喩です。
「CWネットワークが作ったウォーキング・デッドの亜流」「脚本はひどく、物語の流れが破綻している」「キャラクターに常に最悪の選択をさせる安易な脚本」といった批判が目立ちます。
特に「過去と現在を交互に見せる構成は、複雑さを演出しようとして完全に裏目に出ている」という指摘は、言語や地域を問わず共通して見られるものでした。
海外メディアの分析記事でも「幼稚なユーモア、過剰なゴア表現、完全に支離滅裂な脚本が混在している」と総括されており、脚本の質の低さが世界共通の不満点であったことが分かります。
ゲームファンと非ファンで評価は分かれたのか
興味深いのは、ゲームファンかどうかにかかわらず低評価が共通していた点です。
Rotten Tomatoesの視聴者スコア27%には、ゲーム未経験者のレビューも多数含まれています。
ゲームファンからは「原作を冒涜している」「バイオハザードを名乗る資格がない」という原作愛に根ざした批判が中心でしたが、ゲームを知らない視聴者からは「単純にドラマとしてつまらない」「脚本が稚拙」「主人公に感情移入できない」という、より普遍的な品質の問題が指摘されています。
つまり本作は、原作ファンへの配慮が足りなかっただけでなく、独立した映像作品としても水準に達していなかったという二重の問題を抱えていたことになります。
歴代バイオハザード映像化作品との比較で見えること
バイオハザードは1996年のゲーム第1作以来、映画、CGアニメ、ドラマと繰り返し映像化されてきたIPです。
過去の作品と比較することで、Netflix版ドラマの位置づけがより明確になります。
ミラ・ジョヴォヴィッチ版映画シリーズとの違い
ポール・W・S・アンダーソン監督による映画シリーズ全6作(2002〜2016年)は、批評家からの評価は低いものの、世界累計興行収入12億ドル超を記録した商業的な大成功作です。
映画版はゲームの忠実な再現を目指さず、オリジナルキャラクターのアリスを主人公に据えたアクションエンターテインメントに振り切りました。
「B級映画としての楽しさを全力で追求した」という明確な軸があったからこそ、批評家の評価が低くてもファンに愛され、6作まで続くことができたのです。
一方でNetflix版ドラマは、シリアスなホラードラマとティーンドラマの間を中途半端に漂い、どちらのファン層も満足させられませんでした。
作品としての軸が定まっていない点が、映画シリーズとの決定的な違いです。
ウェルカム・トゥ・ラクーンシティが先に失敗した影響
2021年公開のリブート映画「バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」は、ゲームの世界観に忠実なアプローチで制作されました。
制作費2,500万ドルに対して興行収入約4,180万ドルと赤字は免れたものの、大ヒットとは言い難い結果に終わっています。
Netflix版ドラマはその翌年の配信であり、「またバイオハザードの実写化か」というフランチャイズ疲弊が視聴者の期待値を下げていた可能性があります。
ゲームに寄せても成功しなかった「ラクーンシティ」の教訓が活かされたのか、逆にまったく異なる方向に振り切ったのかは判断が分かれるところですが、結果的にどちらのアプローチも成果を上げられなかったという事実は、実写化の難しさを物語っています。
CGアニメ版インフィニットダークネスとの評価差
2021年にNetflixで配信されたCGアニメ「バイオハザード:インフィニット ダークネス」は、ゲームの正史に位置づけられる作品です。
レオンとクレアという人気キャラクターが登場し、ゲームと地続きの世界観が展開されました。
Rotten Tomatoesの批評家スコアは56%とドラマ版とほぼ同等でしたが、視聴者スコアは42%とドラマ版の27%を大きく上回っています。
同じNetflixで配信されたバイオハザード作品でありながらこれほどの差が生じた最大の理由は、原作ゲームのファンが求める「バイオハザードらしさ」を維持していたか否かに尽きるでしょう。
視聴者スコアが全映像化作品で最低だった事実
バイオハザードの映像化作品は批評家から高い評価を得たことがほとんどありません。
映画6作の批評家スコアは19〜36%の間で推移しており、批評的な成功とは無縁のシリーズです。
しかし視聴者スコアに目を向けると、映画シリーズは44〜67%の範囲で安定しており、「批評家には不評でもファンには支持される」という構図が維持されていました。
Netflix版ドラマが特異なのは、批評家スコア55%という数値だけ見れば歴代最高クラスでありながら、視聴者スコア27%が歴代最低という逆転現象を起こしている点です。
| 作品 | 公開年 | RT批評家 | RT視聴者 |
|---|---|---|---|
| バイオハザード(映画1作目) | 2002 | 36% | 67% |
| アポカリプス | 2004 | 19% | 51% |
| エクスティンクション | 2007 | 23% | 52% |
| アフターライフ | 2010 | 22% | 47% |
| リトリビューション | 2012 | 31% | 44% |
| ザ・ファイナル | 2016 | 36% | 46% |
| ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ | 2021 | 30% | 54% |
| Netflixドラマ | 2022 | 55% | 27% |
この表からも明らかなように、本作は「批評家がやや許容した作品を、視聴者が完全に拒絶した」という稀有なケースです。
Netflix実写化の成功例と失敗例から学ぶ教訓
Netflix版バイオハザードの失敗は、孤立した事例ではありません。
Netflixによるゲーム・アニメ・漫画原作の実写化には明確な成功例と失敗例があり、その違いを比較することで本作の問題点がさらに浮き彫りになります。
ONE PIECEが成功しバイオハザードが失敗した決定的な差
2023年に配信されたNetflix版「ONE PIECE」は、実写化不可能とまで言われた作品を見事に映像化し、シーズン2の制作が決定する大成功を収めました。
成功の最大の要因は、原作者・尾田栄一郎が制作に深く関与し、原作の精神を守るための監修を徹底したことです。
一方、バイオハザードのドラマでは原作ゲームの開発元であるカプコンの関与度が相対的に低く、ショーランナーのアンドリュー・ダブ(「スーパーナチュラル」シーズン12〜15を担当)に大幅な裁量が与えられました。
原作を熟知した人物が制作の中核にいるかどうか。
この一点の差が、実写化の成否を大きく左右することを二つの作品は対照的に示しています。
カウボーイビバップや幽遊白書との共通点
Netflix版バイオハザードと同様の失敗パターンは、他の作品にも見られます。
2021年の実写版「カウボーイビバップ」は1シーズンで打ち切られ、原作アニメのファンから「世界観の解釈が根本的に間違っている」と批判されました。
2023年の実写版「幽遊白書」はアクション面で一定の評価を受けたものの、脚本面での批判が目立ち、シーズン2の発表には至っていません。
これらの作品に共通するのは、「原作のコア層が大切にしている要素を軽視し、新規層の獲得を優先した結果、どちらの層も取り込めなかった」という構図です。
バイオハザードのドラマでは、前述のプロデューサー証言が示す通り、まさにこのパターンが制作方針レベルで起きていたことが明らかになっています。
原作リスペクトの有無が明暗を分ける法則
Netflixの実写化作品を俯瞰して見えてくるのは、「原作へのリスペクトが作品の生死を分ける」という法則です。
ONE PIECEの成功は、原作者の関与だけでなく、キャスト陣が原作への愛情を公言し、ファンとのコミュニケーションを積極的に行ったことも大きく寄与しています。
対照的に、バイオハザードのドラマではショーランナーが「ゲームの出来事はすべてこの世界に存在している」と語りながらも、実際の画面にゲームの魅力が反映されていないという矛盾が、ファンの信頼を決定的に損ないました。
原作リスペクトとは、設定やキャラクターを表面的になぞることではなく、ファンがその作品を愛する根本的な理由を理解し、映像作品としてのフォーマットに翻訳する能力を意味します。
Netflix版バイオハザードのドラマには、この翻訳能力が決定的に欠けていたと多くの分析が指摘しています。
ウェスカー役ビリー役など主要キャストのその後
ドラマ自体は打ち切りとなりましたが、出演キャストはそれぞれのキャリアを歩み続けています。
作品への批判はあくまで脚本や制作方針に向けられたものであり、俳優個人の能力を否定するものではなかったことは重要な点です。
ランス・レディックの急逝と惜しまれた才能
ウェスカー役のランス・レディックは、本作において唯一と言ってよい高評価を受けた存在でした。
打ち切り発表後、レディックはSNSで「番組を観てくれたファン、私たちがやろうとしていたことを理解してくれた人々に感謝する」とコメントを発表しています。
しかし2023年3月17日、レディックはカリフォルニア州ロサンゼルスの自宅で急逝しました。
享年60歳、死因は虚血性心疾患およびアテローム性冠動脈疾患と報告されています。
「ジョン・ウィック」シリーズのシャロン役、「THE WIRE」のダニエルズ副署長役、そしてゲーム「Destiny」のザヴァラ役など、数多くの印象的な役柄で知られるレディックの急逝は、エンターテインメント業界に大きな衝撃を与えました。
バイオハザードのドラマにおける彼のウェスカーは、作品評価を超えて記憶される演技となっています。
エラ・バリンスカやシエナ・アグドンの現在の活動
成人ジェイド役を演じたエラ・バリンスカは、「チャーリーズ・エンジェル」(2019年)でのデビューで注目を集めた英国出身の俳優です。
ドラマ打ち切り後も映画やテレビドラマへの出演を続けており、俳優としてのキャリアに致命的な影響は見られません。
少女期ビリー役のシエナ・アグドンは、ヨーロッパ、ハワイ、フィリピンなど多様なルーツを持つ若手俳優で、本作以降もNetflixを含む複数のプロジェクトに参加しています。
なお、ビリーの少女期(シエナ・アグドン)と成人期(アデライン・ルドルフ)では顔立ちや印象がかなり異なっており、この不連続性も視聴者から指摘された問題点のひとつでした。
2026年以降のバイオハザード映像化の最新動向
Netflix版ドラマの失敗を経て、バイオハザードの映像化は新たなフェーズに入っています。
2026年はゲーム新作と映画リブートが同時期に展開される、ブランドにとって極めて重要な年となります。
ザック・クレッガー監督によるリブート映画の公開予定
ホラー映画「バーバリアン」(2022年)で高い評価を得たザック・クレッガーが監督・脚本を務めるリブート版映画は、2026年9月18日の全米公開が予定されています。
ソニー・ピクチャーズが配給を担当し、コンスタンティン・フィルムとPlayStation Productionsが共同制作に参加しています。
主演はオースティン・エイブラムス(「ユーフォリア」)が務め、ポール・ウォルター・ハウザーの出演も発表済みです。
撮影は2025年10月にチェコのプラハで開始され、2026年2月時点では編集作業が進行中と報じられています。
過去の失敗を踏まえた「ゲーム原点回帰」の方針とは
クレッガー監督はインタビューで「過去のバイオハザード映画は一本も観ていない。
自分の関心はゲームにある」と明言しています。
ゲームの既存のストーリーをそのまま再現するのではなく、完全オリジナルのストーリーでありながら「ゲームファンが落胆することはない」と自信を見せています。
Netflix版ドラマの失敗でプロデューサーが認めた「コアファン層からの乖離」を踏まえ、今回はゲームの核心を理解した人物が制作の中心にいるという点で、根本的なアプローチが異なります。
コンスタンティン・フィルムのベルベン副CEOも、ドラマ版の反省から「映画による劇場公開こそが、グローバルブランドにとって経済的に最適な形態」と述べており、映画を軸とした展開への回帰が明確に打ち出されています。
新作ゲーム「レクイエム」の発売とブランド再興の行方
ゲームシリーズの最新作「バイオハザード レクイエム」(ナンバリング第9作)は2026年2月27日にPS5、PC、Xbox向けに発売が予定されています。
主人公はシリーズ初登場のFBI分析官グレース・アッシュクロフトで、人気キャラクターのレオン・S・ケネディも登場することが確認されています。
ゲーム側がブランドの求心力を維持・強化することで、9月公開のリブート映画にも良い影響が及ぶことが期待されており、2026年はバイオハザードというブランドの再興を占う重要な1年となるでしょう。
Netflix版ドラマの失敗は、「バイオハザードが映像化に向かないIP」であることを証明したのではなく、「誤ったアプローチで映像化した結果」であったことが、今後の展開によって証明されるかもしれません。
結局バイオハザードのドラマは観る価値があるのか
ここまで多角的に分析してきた通り、Netflix版バイオハザードのドラマは多くの問題を抱えた作品です。
しかし、すべての視聴者にとって無価値な作品かと問われれば、必ずしもそうとは言い切れません。
全8話で未完のまま終わるストーリーへの注意点
最も重要な注意点として、ドラマは全8話でストーリーが完結しません。
シーズン2を前提とした伏線が多数張られたまま打ち切りとなったため、物語上の多くの謎が未回収のまま放置されています。
完結した物語を求める方にとって、これは大きなストレスになる可能性があります。
また2026年2月現在、Netflixのカタログには残っていますが、Netflixは定期的にライブラリの入れ替えを行うため、将来的な視聴可能性は保証されていません。
それでも観るなら知っておきたい心構えと楽しみ方
本作を楽しむための最大のコツは、「バイオハザードとはまったく別の作品」として割り切ることです。
ゲームの世界観やキャラクターへの期待を完全にゼロにした上で、ランス・レディックの重厚な演技を味わうための作品として捉えれば、一定の視聴価値は見出せるでしょう。
過去パート(2022年)のほうが比較的評価が高い傾向にあり、序盤はまだ興味を引く展開が続きます。
一方で後半に進むにつれて脚本の粗が目立ち、特に最終2話の評価は著しく低いため、視聴を途中でやめるという判断も決して間違いではありません。
バイオハザードの世界観を楽しむなら何から始めるべきか
バイオハザードの世界観を正しく楽しみたいのであれば、Netflix版ドラマは最適な入口とは言えません。
ゲームシリーズに触れるなら、リメイク版「バイオハザード RE:2」や「バイオハザード RE:4」がアクセスしやすく、評価も極めて高い作品です。
映像作品であれば、ゲームの正史に基づくCGアニメ映画(「ヴェンデッタ」「デスアイランド」など)のほうがファンの満足度は高くなっています。
2026年2月発売の新作ゲーム「バイオハザード レクイエム」や、同年9月公開のリブート映画など、新たな入口も間もなく登場します。
Netflix版ドラマの失敗を踏まえた新しいアプローチのバイオハザードを待つのも、賢い選択と言えるでしょう。
まとめ:バイオハザードのドラマがひどいと評された全貌
- Netflix版バイオハザードのドラマはRotten Tomatoes視聴者スコア27%、IMDb4.2点という歴代映像化作品で最低の評価を記録した
- 打ち切りの直接的な原因は、配信3週目でのランキング圏外転落と視聴者数の急減である
- 制作会社プロデューサーの証言により、Netflixが若年女性層をターゲットに設定したことがブランドの核心からの乖離を招いたと判明した
- 原作ゲームの象徴的キャラクターがほぼ登場せず、オリジナルキャラクター中心の構成がファンの失望を招いた
- 2つの時間軸を交互に描く構成がテンポの悪さを生み、ティーンドラマ的な過去パートがホラーとしての緊張感を殺した
- ウェスカー役ランス・レディックの演技だけが唯一の高評価ポイントとして広く認められている
- ゲームファン・非ファンを問わず脚本の質の低さが共通の不満点であり、原作との乖離だけが問題ではなかった
- ONE PIECEの成功との比較から、原作者やコアファンを制作に巻き込む姿勢の重要性が浮き彫りになった
- 2026年9月にはゲーム原点回帰を掲げたザック・クレッガー監督によるリブート映画が全米公開予定である
- 全8話で物語が完結しないため、視聴する場合は「未完のまま終わる」ことを事前に理解しておく必要がある

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