科学アドベンチャーシリーズの異色作として注目を集めた『オカルティック・ナイン』ですが、ゲーム版の評判を調べると「ひどい」「買わない方がいい」といった厳しい意見を目にすることが多いのではないでしょうか。
アニメ版が高く評価されているだけに、なぜゲーム版だけがこれほどまでに酷評されているのか、購入前にその真実を知っておきたいと考えるのは当然のことです。
この記事では、ゲーム版『オカルティック・ナイン』が「ひどい」と言われる決定的な理由や、炎上騒動の経緯、そしてアニメ版との決定的な違いについて詳しく解説します。
期待していたファンを落胆させたシステムの実態や、幻となった「完全版」の話を含め、今からプレイする価値があるのかを冷静に判断するための情報をお届けします。
オカルティック・ナインのゲームが「ひどい」と言われる3つの根本的な理由
ゲーム版『オカルティック・ナイン』が多くのプレイヤーから「ひどい」と評価されてしまった背景には、単なる好みの問題を越えた構造的な欠陥が存在します。
結論から申し上げますと、その要因はシナリオの質、ゲームシステムの不備、そして開発側の対応という3つの点に集約されます。
ここでは、なぜ本作がファンから厳しい批判を浴びることになったのか、その根本的な原因を解説します。
理由1:シナリオがアニメの劣化版・焼き直しで新情報がない
最も大きな批判の理由は、ゲーム版のシナリオがアニメ版のストーリーをなぞるだけの「劣化版」になってしまっている点です。
本作は小説、アニメ、ゲームというメディアミックス展開が行われましたが、ゲーム版の発売はアニメ放送終了後というタイミングでした。
そのため、多くのファンはアニメでは描かれなかった裏設定や、異なる結末、キャラクターの深掘りを期待してゲームを手に取りました。
しかし、実際に提供されたのはアニメですでに知っている展開の繰り返しであり、ファンが求めていた新しい驚きや発見がほとんど用意されていなかったのです。
理由2:システムが不親切で「ゲームとしての面白さ」が欠落している
アドベンチャーゲームとしての面白さを損なう、不親切なシステム設計も低評価の大きな要因です。
物語への没入感を高めるはずのギミックが機能しておらず、プレイヤーはただ文章を読み進めるだけの受動的な体験を強いられます。
特に、周回プレイを前提とするジャンルでありながら、快適に物語を読み進めるための機能が不足しており、プレイ自体がストレスになってしまうという致命的な問題を抱えています。
理由3:約束された「完全版アップデート」が放置されたまま
本作の評価を決定的に下げたのは、発売後の公式による対応と、その後の放置問題です。
発売直後の酷評を受けて、プロデューサーである志倉千代丸氏から「アップデートによるシナリオ追加」や「完全版(Switch版)」の発売が示唆されました。
しかし、それらの約束は長期間にわたって実現されることなく放置され、結果として「未完の商品を売り逃げされた」と感じるユーザーを生んでしまいました。
この信頼の失墜こそが、「ひどい」という評価を定着させた最大の要因と言えるでしょう。
シナリオの評価:なぜ「劣化版」と酷評されるのか?
なぜゲーム版のシナリオは、アニメ版と比較してこれほどまでに評価が低いのでしょうか。
その原因は、物語を描く「視点」の制約と、それによって失われた情報量の多さにあります。
ここでは、シナリオ構成における具体的な問題点を深掘りします。
視点が「我聞悠太」のみに固定され、物語の全体像が見えない(情報量が1/9)
本作の最大の問題点は、物語の視点が主人公である「我聞悠太」一人に固定されていることです。
『オカルティック・ナイン』という作品の魅力は、タイトル通り9人の個性的なキャラクターがそれぞれの場所で動き、複雑に絡み合う群像劇にあります。
しかし、ゲーム版では主人公の視界に入らない出来事は一切描写されません。
そのため、他のキャラクターが裏で何を考え、どう行動していたのかという重要なドラマが抜け落ちてしまい、作品全体の情報量が劇的に減少してしまいました。
まさに「9分の1」の物語しか体験できないような薄さを感じさせてしまうのです。
アニメを見ていれば分かる展開ばかりで、新鮮な驚きがない
アニメ版を視聴済みのプレイヤーにとって、ゲーム版の展開は既視感の塊でしかありません。
通常、原作付きのゲームやメディアミックス作品では、ゲーム独自のルートや展開(いわゆる「ifルート」)が用意されることが一般的です。
ところが本作では、物語の大筋がアニメ版をそのままトレースしたような内容に終始しています。
「アニメのあのシーンを自分の手で体験できる」と言えば聞こえはいいですが、実際にはテンポの良いアニメ映像を、冗長なテキストで読み直させられるだけの作業と感じたプレイヤーも少なくありません。
期待された「トゥルーエンド」や「その後の展開」が実装されていない
多くのファンがゲーム版に最も期待していたのは、アニメ版の結末の先にある「トゥルーエンド」や、謎が残された部分の解明でした。
特に、物語の核心に迫る重要な伏線や、主要キャラクターのその後については、ゲーム版での補完が強く望まれていました。
しかし、発売されたゲームにはそれらをすっきりと解決するような展開は実装されていませんでした。
「ゲームならもっと深い真相が知れるはず」というファンの期待は裏切られ、消化不良感を抱えたままエンディングを迎えることになります。
システムとゲーム性の問題点:プレイヤーを苦しめる仕様
シナリオだけでなく、ゲームをプレイする快適さやシステム面においても、多くの不満点が挙げられています。
科学アドベンチャーシリーズといえば、ユニークなシステムで物語に介入する楽しさが特徴ですが、本作ではそれが裏目に出てしまっています。
ここでは、プレイヤーを苦しめた具体的な仕様について解説します。
「ブログトリガー」は単なる選択肢で、介入感がない
本作には、主人公が運営するブログの記事作成を通じて物語を分岐させる「ブログトリガー」というシステムがあります。
コンセプト自体は面白いものの、実際には特定のキーワードを選んで記事タイトルを作るだけの単調な作業に過ぎません。
しかも、どのキーワードを選べばどう物語が変化するのかが直感的に分かりにくく、プレイヤーが能動的に運命を変えているという「介入感」が希薄です。
結果として、ただ正解の組み合わせを探すだけの面倒な選択肢となってしまい、ゲームとしての面白さに繋がっていません。
重要アイテム「スカイセンサー(ラジオ)」が無意味な演出に使われている
物語の鍵を握る重要アイテムであるラジオ「スカイセンサー」ですが、ゲームシステム上の扱いは非常に残念なものです。
プレイヤーは任意にラジオのチューニングを操作できるものの、それがシナリオの謎解きや進行に有機的に絡むことはほとんどありません。
多くの場合、ラジオを合わせても物語の本筋とは無関係な番組が流れるだけで、単なる演出の一つに留まっています。
重要なガジェットを「触れる」という体験を用意したにもかかわらず、それがゲームプレイの面白さに昇華されていない点は、非常にもったいない仕様です。
既読スキップが機能しない?周回プレイが苦痛な「共通ルート」の仕様
ノベルゲームにおいて必須とも言える「既読スキップ機能」が、本作では実質的に機能しにくい仕様になっています。
本作は複数のルートを攻略するために周回プレイが必要ですが、共通ルート(各ルートに分岐する前の物語)において、ルートごとにテキストのごく一部だけが微妙に変化している箇所が存在します。
システム上、少しでもテキストが異なれば「未読」と判定されるため、内容がほぼ同じシーンであってもスキップ機能が停止してしまうのです。
このため、プレイヤーは周回のたびに同じような文章を延々と読まされることになり、プレイのモチベーションを著しく削がれる結果となりました。
最大の炎上理由:幻の「パッチ」とSwitch版発売中止騒動
『オカルティック・ナイン』のゲーム版が「ひどい」と語り継がれる背景には、ゲーム内容そのもの以上に、販売元の対応に関する問題があります。
ユーザーとの約束が果たされなかったこの経緯こそが、炎上の本質と言えるかもしれません。
ここでは、幻となったアップデートとSwitch版発売騒動について解説します。
発売直後の評価を受け、志倉千代丸氏が約束した「アップデート」の内容
2017年の発売直後、ネット上での酷評やファンの落胆の声を受けて、原作者でありプロデューサーの志倉千代丸氏は自身のSNSなどで異例の声明を発表しました。
そこでは、シナリオの不足を認めた上で、未回収の伏線を回収するための追加シナリオや、真の結末を描くアップデートパッチを配布することが約束されました。
既存の購入者には無償で提供するという発言もあり、一度は失望したファンも「それなら待とう」と希望を繋ぎました。
なぜ「Switch版」や「完全版」は発売されなかったのか?
その後、追加要素を含んだ「完全版」としてNintendo Switch版の発売が告知されました。
しかし、発売予定日は延期を繰り返し、公式サイトの情報も更新が途絶え、事実上の開発中止状態となってしまいました。
公式からの明確なアナウンスがないまま数年が経過し、待っていたファンは自然消滅的に「もう発売されることはない」と悟ることになります。
技術的な問題なのか、予算の問題なのか、その真意は定かではありませんが、結果として「出すと言って出さなかった」という事実は、メーカーへの不信感を決定的なものにしました。
現在プレイできる環境で「未完」の伏線は回収できるのか
現時点で市場に出回っているPS4版、PS Vita版、Xbox One版のいずれをプレイしても、約束された追加シナリオは実装されていません。
つまり、今からソフトを購入してプレイしても、発売当時に批判された「未完の状態」のままです。
アニメ版や原作小説で残された謎、特に「コールドスリープ後の展開」や「西園梨々花の正体」といった核心部分については、ゲーム内で明確な答えを得ることは不可能です。
この現状を理解せずに購入すると、消化不良感だけが残る結果になるため注意が必要です。
アニメ版とゲーム版の違い比較:決定版はどっち?
これから『オカルティック・ナイン』の世界に触れたいと考えている方にとって、アニメ版とゲーム版のどちらを選ぶべきかは重要な問題です。
結論から言えば、作品としての完成度はアニメ版の方が高いと言わざるを得ません。
ここでは、両者の具体的な違いを比較し、その理由を解説します。
ストーリーの完結度:アニメ版の方が圧倒的に高い理由
ストーリーを楽しむという点において、アニメ版はひとつの作品としてきれいに完結しています。
もちろん謎が全て解明されるわけではありませんが、最終話までの流れやカタルシスはしっかりと描かれており、視聴後の満足感は十分にあります。
一方、ゲーム版は前述の通り、アニメのプロットをなぞりつつも視点が制限されているため、物語の全体像が把握しづらくなっています。
「物語を知る」ことが目的であれば、情報量が多く、視点も多角的なアニメ版の方が適しています。
演出とテンポ:アニメのスピード感vsゲームの冗長なテキスト
『オカルティック・ナイン』の特徴の一つに、登場人物たちのマシンガントークやスピーディーな展開が挙げられます。
アニメ版では、このスピード感が映像演出とマッチしており、独特のテンポ良さが作品の魅力となっています。
しかし、ゲーム版ではこの膨大なセリフ量がすべてテキストとして表示されるため、読むのが追いつかない、あるいは読むのが疲れるという「冗長な印象」を与えてしまいます。
アニメのスピード感をゲームのテキストアドベンチャー形式に落とし込む際の調整がうまくいっておらず、テンポの悪さが際立ってしまっています。
結論:オカルティック・ナインを楽しむなら「アニメ」を見るべき
以上の点から、『オカルティック・ナイン』という作品の「決定版」はアニメであると言えます。
もしあなたが、この作品のストーリーや世界観に興味を持っているのであれば、まずはアニメ版を視聴することを強くおすすめします。
全12話というコンパクトな構成の中に、伏線回収の面白さと勢いが凝縮されており、作品本来のポテンシャルを最も感じられる媒体だからです。
それでもゲーム版をプレイする価値はある?(メリットの検証)
ここまで批判的な点を中心に解説してきましたが、ゲーム版に全く価値がないわけではありません。
特定の要素に魅力を感じる方や、コレクション目的であれば、あえて手に取る理由もあります。
ここでは、ゲーム版ならではのメリットや評価できる点について検証します。
評価できる点:BGM(音楽)とキャラクター立ち絵のクオリティ
ゲームの内容自体は厳しく評価されていますが、演出面の一部には光るものがあります。
特にBGMのクオリティは高く、志倉千代丸氏が手掛ける楽曲や世界観を彩るサウンドは、科学アドベンチャーシリーズらしい魅力を放っています。
また、キャラクターデザインを担当したpako氏のイラストを活かした立ち絵やグラフィックも美しく、キャラクターのビジュアルが好きな方にとっては、彼らの表情をじっくり見られる点はメリットと言えるでしょう。
限定版特典(設定資料集・ドラマCD)には価値がある
もしゲーム版を購入するのであれば、通常版ではなく「限定版」を探すことをおすすめします。
限定版に同梱されている「設定資料集」や「ドラマCD」は、作品世界をより深く知るための貴重な資料です。
ゲーム本編の評価とは切り離して、これらの特典グッズを目当てに購入するというファンも少なくありません。
特に設定資料集は、キャラクターの細かな設定や美術ボードなどが収録されており、ファンアイテムとしての満足度は高いものとなっています。
中古価格が暴落している今なら「クソゲー」として楽しむのもあり?
発売から時間が経過し、現在の中古市場では非常に安価で取引されています。
フルプライスで購入するには厳しい内容ですが、数百円から千円程度で手に入るのであれば、「話題になった問題作を自分の目で確かめる」という興味本位でのプレイも一つの楽しみ方かもしれません。
「どれほどシナリオが薄いのか」「システムがどう不親切なのか」を実際に体験し、話のネタにするというスタンスであれば、コストパフォーマンスは悪くないと言えるでしょう。
まとめ:オカルティックナイン ゲーム ひどい
『オカルティック・ナイン』のゲーム版は、残念ながら原作ファンやアニメ視聴者の期待に応えられる内容ではありませんでした。
シナリオの薄さ、システムの不備、そして公式によるアップデート放置という経緯を知った上で、それでもプレイするかどうかを慎重に判断してください。
最後に、この記事のポイントをまとめます。
- ゲーム版はアニメ版の焼き直しであり、新しい情報はほとんどない
- 視点が主人公一人に固定されているため、物語の全体像が掴みにくい
- ブログトリガーなどのシステムが機能しておらず、ゲーム性が低い
- 共通ルートのスキップが困難で、周回プレイがストレスになる
- 発売後に約束された追加シナリオや完全版は、事実上の開発中止状態
- 未回収の伏線や「その後の展開」はゲーム内では見られない
- 作品を楽しむなら、完成度が高い「アニメ版」の視聴が推奨される
- ゲーム版のメリットはBGMや立ち絵、限定版特典に限られる
- これから購入するなら、安価な中古で「確認用」として買うのが無難
- 科学アドベンチャーシリーズファンにとっては、シリーズの汚点とも言える悲しい作品

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