原神の物語において、異質な雰囲気を漂わせる地下世界「淵下宮」があります。
一見すると幻想的な遺跡が広がるこの場所ですが、テイワットの根幹に関わる恐ろしい「禁忌」が眠っていたりします。
魔神任務や世界任務を進める中で手に入る禁書『日月前事』には、今の世界では決して語られることのない真実が記されていました。
なぜ淵下宮の歴史は隠されなければならなかったのか。
そして、かつてこの地を支配した「太陽の子」パエトーンたちの悲劇とは何だったのか。
本記事では、淵下宮に残されたテキストや任務を紐解きつつ、原神世界の深淵に触れる考察をお届けします。
淵下宮の歴史と禁書『日月前事』の秘密
淵下宮、かつて白夜国と呼ばれたこの地の歴史を知る上で欠かせないのが、重要アイテムである書物『日月前事』です。
この本は、今のテイワットを支配する「天理」以前の歴史を記したものであり、それゆえに天空の島から存在を許されなかった禁書でもあります。
ここではまず、淵下宮が地下に沈むことになった経緯と、そこに記された世界の始まりについて解説していきます。
第一の玉座パネースと統一文明の時代
『日月前事』によると、はるか昔、この世界は7体の元素龍(龍王)によって支配されていました。
そこへ「第一の玉座」あるいは「原初のあの方」と呼ばれる存在、パネースが舞い降ります。
パネースは龍王たちとの戦いに勝利し、天地を創造して人間を生み出した、とあります。
この時代、人間と神は直接契約を交わし、飢えも寒さもない統一された文明を築いていたみたいです。
今のテイワット七国のような区分けはなく、全人類が平和に暮らしていた「楽園」のような時代があった、という感じです。
しかし、この事実は現在の歴史からは抹消されており、知ること自体が禁忌とされています。
淵下宮の民は、この最も古い時代の記憶を持つ、数少ない生き残りと言えるでしょう。
第二の王座の降臨と大戦の爪痕
平和な時代は、天から「第二の玉座」が訪れたことで終わりを告げます。
第一の玉座と第二の玉座の間で、天地を揺るがすほどの大戦が勃発しました。
この戦いの余波で大地は割れ、当時地上にあった国の一部が深海へと崩落してしまいます。
これこそが、現在の淵下宮の成り立ちですね。
地下に落ちた人々は、光のない暗闇の中で、先住生物であるアビサルヴィシャップの脅威に怯えることになります。
この「暗黒の時代」に、唯一彼らを見捨てなかった神がいました。
それが「時の執政」とも呼ばれる時の神、イスタロトです。
イスタロトの導きにより、淵下宮の民は生き延びる術を見出し、長い地下生活の歴史を刻み始めることになったのです。
太陽の子「パエトーン」たちはみな踊る悲劇の考察
淵下宮のストーリーを語る上で避けて通れないのが、かつて行われていた残酷な統治システムです。
世界任務「パエトーンたちはみな踊る」などで語られる、7人の「太陽の子」たちの運命は、多くの旅人にトラウマ級の衝撃を与えました。
なぜ、罪のない子供たちが犠牲にならなければならなかったのか。
ここでは、淵下宮の闇とも言える傀儡政治の実態に迫っていきます。
傀儡の王と残酷な儀式「帰日の祭」
地下世界でヴィシャップに対抗するため、人々は人工太陽「大日御輿」を頼りに生活していました。
この大日御輿を崇拝する過程で生まれたのが、「太陽の子」と呼ばれる幼い王を擁立する制度です。
表向きは神聖な君主として扱われていましたが、その実態は、欲にまみれた貴族たちが政治の実権を握るための「傀儡(操り人形)」に過ぎませんでした。
太陽の子として選ばれた子供たちは、善悪の判断もつかないまま、貴族たちの言いなりとなって圧政の片棒を担がされます。
そして最も恐ろしいのが、彼らが成長し自我を持ち始めた時に行われる「帰日の祭」という儀式です。
これは、成長した太陽の子を大日御輿の中に入れ、人工太陽の熱で焼き殺すという処刑でした。
「太陽のもとへ帰る」という美しい名目で、貴族たちは使い終わった傀儡を次々と始末し、また新たな幼子を王に据えていたのです。
賢者アブラクサスと大日御輿の真実
この狂った体制に対し、抵抗を試みた人物がいました。
それが大日御輿(ヘリオス)の設計者であり、賢者と呼ばれたアブラクサス(阿倍良久)です。
彼は時の神イスタロトの啓示を受け、光る物質「ハイペリオン」を発見し、淵下宮に光をもたらした英雄でした。
しかし、彼が作った光は、皮肉にも貴族たちが権力を維持するための道具として利用されてしまいます。
アブラクサスは太陽の子を利用した政治に反対しましたが、貴族たちの策略により反逆者の汚名を着せられます。
そしてあろうことか、自身が設計した大日御輿の頂上に幽閉され、その生涯を終えることになりました。
彼の魂は死後も引き裂かれ、各地に封印されていましたが、旅人の手によってようやく解放されることになります。
淵下宮の歴史は、こうした英雄の犠牲と子供たちの悲劇の上に成り立っていた、というわけです。
魔神オロバシが隠した「禁忌の知識」とは
絶望的な淵下宮の状況を一変させたのが、外の世界から逃げ込んできた魔神オロバシ(海祇大御神)との出会いでした。
オロバシは太陽の子の体制を打倒し、民の守り神となりますが、やがて自らの命と引き換えにある決断を下します。
ここでは、オロバシがなぜ死を選ばなければならなかったのか、その真相を考察していきます。
白夜国から海祇島へ続くオロバシの犠牲
オロバシは淵下宮の民を地上へ連れ戻すため、自らの体にある珊瑚を折って大地を作り、現在の海祇島を築き上げました。
しかし、彼はその過程で決して触れてはならない「パンドラの箱」を開けてしまっていたのです。
それが、先述した『日月前事』に記された世界の真実でした。
天空の島(天理)にとって、外来の神であるパネースや、統一文明の存在は知られてはならない不都合な歴史です。
オロバシはこの禁忌の知識を知ってしまったことで、天空の島から「死刑宣告」を受けたとされています。
民を地上で生かす条件として、オロバシ自身が死ぬこと、そして淵下宮の歴史を封印することが求められたのでしょう。
彼は民を守るために、あえて勝てないと分かっている雷電将軍への侵攻を行い、無想の一太刀を受けて散りました。
ヤシオリ島に残る巨大な骨は、民のために罪と罰を一身に背負った神の最期の姿、というわけですね。
天空の島が恐れた『日月前事』の内容
オロバシが命を懸けて隠蔽しようとした『日月前事』には、具体的に何が書かれていたのか。
最も重要な点は、「天空の島(天理)もまた、外から来た侵略者である可能性がある」という示唆です。
もし第一の玉座が現在の天理でないとすれば、今の支配体制の正当性が揺らぐことになります。
また、人間が神の支配を受けずに高度な文明を築いていた過去も、天理にとっては都合が悪いのかもしれません。
淵下宮の民が地上に出る際、独自の言語や文化を捨て、稲妻風の文化に同化しようとしたのも、異質な存在として天理に目を付けられないためのオロバシの配慮だったと考えられます。
淵下宮が「怖い」と言われる理由は、単なる雰囲気だけでなく、こうした世界の上位存在による冷酷な粛清の歴史が垣間見えるからでしょう。
淵下宮とカーンルイアの意外な共通点と時の神イスタロト
淵下宮の探索を進めると、滅びた国カーンルイアとの奇妙な共通点に気づかされます。
また、謎多き「時の神」の痕跡も随所に見られます。
最後に、これらの要素から原神世界の深層設定を考察していきます。
建築様式と「闇の外海」の関係性
淵下宮の建築様式は、独特の幾何学模様や塔の形状などが、カーンルイアの遺跡と酷似しています。
これは、両者が同じ「統一文明」の流れを汲んでいるか、あるいは同じように地下世界で独自に発展した文明だからではないかと推測されます。
実際、『日月前事』を求めてカーンルイアの使節団が淵下宮を訪れていたという記録も残っています。
彼らもまた、天理に隠された世界の真実を求めていたのでしょう。
淵下宮もカーンルイアも、七神の支配が及ばない「闇の外海」に近い領域に存在します。
神の視線から外れた場所だからこそ、禁忌の知識や技術が残り、そして滅ぼされる運命にあったのかもしれません。
忘れ去られた時の執政イスタロトの影
淵下宮の歴史において、唯一の救いとして描かれる時の神イスタロト。
彼女は「千の風と日月の秤」とも呼ばれ、モンドで信仰されていた時の神と同一存在である可能性が高いです。
しかし現在のテイワットでは、彼女に関する記憶や信仰はほとんど失われています。
なぜ彼女は歴史の表舞台から消えたのか。
あるいは、どこかで今も世界の行方を見守っているのか。
雷電将軍の伝説任務において、眞の意識空間で起きた奇跡にもイスタロトの関与が示唆されています。
淵下宮に残された「時間」にまつわるギミックや伝承は、今後の物語で彼女が再び重要な役割を果たす伏線なのかもしれません。
まとめ
淵下宮は、幻想的な景観の裏側に、原神世界でも屈指の闇深い歴史と重要な設定を秘めた場所です。
禁書『日月前事』が語る第一の玉座と天地創造の真実。
太陽の子パエトーンたちを犠牲にした、人間の欲望と狂気。
そして、民を守るために禁忌の知識と共に散った魔神オロバシの悲しい決断。
これらの物語は、テイワットという世界が単なる勧善懲悪のファンタジーではなく、勝者によって書き換えられた歴史の上に成り立っていることを示唆しています。
淵下宮の探索を終えた後、空に浮かぶ天空の島を見上げる時、今までとは違った恐怖や畏敬の念を感じることになるでしょう。
まだ淵下宮の任務を完了していない方は、ぜひその目で隠された真実を確かめてみてください。


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