Nintendo Switch用ソフト『ファイアーエムブレム 風花雪月』は、シリーズ屈指のヒット作として知られる一方で、「ストーリーがひどい」「脚本が雑」といった厳しい評価も散見されます。
購入を検討している方や、プレイしてモヤモヤした気持ちを抱えている方にとって、これらの評判の真偽は非常に気になるところでしょう。
本作は、重厚な世界観と魅力的なキャラクターが高い評価を得ている反面、シナリオの展開や伏線の扱いに関して賛否両論が巻き起こっています。特に、期待値が高かっただけに、消化不良を感じたプレイヤーからの落胆の声も少なくありません。
この記事では、「風花雪月」のストーリーがなぜ批判されるのか、その具体的な理由をルート別やシステム面から徹底的に分析します。
また、派生作品である「無双」の評価や、最新作「エンゲージ」との比較も交え、本作を最大限楽しむためのポイントを解説します。
なぜ「風花雪月 ストーリー ひどい」と言われるのか?5つの決定的理由
本作のストーリーが批判される背景には、プレイヤーの期待を裏切るいくつかの構造的な問題が存在します。ここでは、多くのユーザーが違和感を覚えた5つの主要なポイントについて解説します。
多くの謎が解明されないまま終わる「伏線未回収」と消化不良感
一つ目の理由は、物語の核心に関わる謎が多く残されたままエンディングを迎えてしまう点です。本作には「闇に蠢く者」と呼ばれる勢力や、主人公の出生、教団の真実など、数多くの謎が提示されます。
しかし、どのルートを選んでも、これら全ての謎がすっきりと解明されるわけではありません。
特定のルートではラスボスとなる存在が、別のルートでは全く触れられずにフェードアウトすることもあります。
プレイヤーは「世界の全貌を知りたい」と願って周回を重ねますが、4つのルート全てをクリアしてもなお、公式からの明確な回答が得られない部分が残ります。
この「投げっぱなし」とも取れる構成が、強い消化不良感を生む原因となっています。
時戻し能力があるのに救えない?「ご都合主義」な脚本への違和感
二つ目は、ゲームシステムとストーリー展開の乖離による「ご都合主義」への批判です。本作には「天刻の拍動」という時間を巻き戻す能力があり、戦闘中のミスをなかったことにできます。
しかし、ストーリー上の重要なムービーシーンで悲劇が起きた際、この能力を使えば防げたはずの事態に対して、主人公が十分な行動を起こさない、あるいは不可解な理由で失敗する場面があります。
特に、主人公の肉親に関わる悲劇的なイベントでは、プレイヤー心理として「なぜもっと前から時を戻さないのか」「なぜ一度の失敗で諦めるのか」という疑問が拭えません。
システムとして強力な能力を持っているがゆえに、脚本の都合で無力化されているように見えてしまい、物語への没入感を削いでいます。
戦争の動機が弱い?キャラクターの行動原理に対する「共感の難しさ」
三つ目は、主要キャラクターが戦争を起こす動機や行動原理に対して、プレイヤーが共感しにくい点です。
特に物語の引き金となる戦争を開始する陣営の主張に対し、「話し合いで解決できたのではないか」「そこまで過激な手段をとる必然性があるのか」と感じるユーザーは少なくありません。
各国の級長たちはそれぞれ確固たる信念を持っていますが、その描写が不足していたり、極端な論理に走ったりすることがあります。
プレイヤーは主人公として彼らに協力する立場にありますが、心からその大義に賛同できないまま、かつての学友たちと殺し合いをさせられる展開に、ストレスや徒労感を覚えることがあります。
周回プレイ前提なのに共通ルート(白雲の章)が長すぎて「飽きる」問題
四つ目は、ゲーム構成上の問題です。本作は複数のルートを楽しむことが前提の作りになっていますが、物語の前半にあたる「白雲の章(学園編)」は、どの学級を選んでも大筋の展開がほぼ同じです。
この共通パートが非常に長く、プレイ時間の半分近くを占めることもあります。
2周目以降も同じ課題、同じマップ、同じイベントを繰り返す必要があり、物語が分岐する後半にたどり着くまでに飽きてしまうプレイヤーが続出しました。
周回プレイを推奨する設計でありながら、その過程における重複部分のスキップ機能や短縮措置が不十分であることが、ストーリー評価を下げる一因となっています。
主人公が無口・無感情すぎて物語に没入できないという批判
五つ目は、主人公(ベレト/ベレス)のキャラクター造形に関する点です。本作の主人公は、プレイヤーの分身として設定されているためか、極端に口数が少なく、感情表現も乏しく描かれています。
選択肢によって意思表示は行いますが、周囲のキャラクターが激しく感情を動かすシリアスな場面でも、主人公だけが棒立ちで無反応に見えるシーンが散見されます。
物語の中心にいるはずの主人公が、周囲のドラマに対して当事者意識が希薄に見えるため、プレイヤー自身も物語に入り込めず、置いてけぼり感を味わうことがあります。
ルート別のシナリオ評価と不満点【紅花・銀雪・翠風・蒼月】
本作は選んだ学級によって後半のストーリーが大きく分岐します。それぞれのルートには独自の魅力がある一方で、特有の不満点や批判も存在します。各ルートの評価を具体的に見ていきます。
紅花(帝国)ルートは尺不足?ストーリーが短く唐突に終わる理由
黒鷲の学級を選び、特定の条件を満たすと進める「紅花(帝国)ルート」は、既存の秩序に反旗を翻す革新的な展開が魅力です。しかし、他のルートに比べて章数が明らかに少なく、物語が駆け足で進むという欠点があります。
特に、作中の元凶とも言える「闇に蠢く者」との決着が、ゲームプレイとして描かれず、エンディングの後日談テキストのみで処理されてしまう点は大きな批判対象です。
「俺たちの戦いはこれからだ」という打ち切り漫画のような終わり方に、カタルシスを感じられなかったという声が多く聞かれます。
銀雪(教会)と翠風(金鹿)の展開がほぼ同じで「手抜き」と感じる点
黒鷲の学級で分岐するもう一つの「銀雪(教会)ルート」と、金鹿の学級の「翠風ルート」は、物語の展開や攻略するマップが驚くほど酷似しています。
登場人物や視点は異なりますが、大まかな流れやラスボスに至るまでの過程がほぼ使い回しであるため、両方のルートをプレイした際に「手抜きではないか」と感じるプレイヤーが多いです。
特に、金鹿ルートは世界の謎に迫る内容であるため、本来なら独自性が際立つはずですが、教会ルートとの共通化によって、級長であるクロードの活躍や策謀が十分に描かれていないという不満も生じています。
蒼月(王国)は高評価だがディミトリの豹変についていけない人も
青獅子の学級の「蒼月ルート」は、王道的な大河ドラマとしてシナリオ評価が比較的高いルートです。級長ディミトリの苦悩と成長、そして救済が丁寧に描かれます。
しかし、第二部開始直後のディミトリの極端な豹変ぶりや、復讐に囚われた言動に対して、ドン引きしてしまうプレイヤーもいます。
また、彼が正気を取り戻すきっかけとなるイベントについて、積み重ねが不十分に感じられたり、展開が急すぎると感じたりする場合もあり、感情移入の度合いによって評価が分かれる傾向にあります。
正史はどれ?全ルートクリアしても「世界の全貌」が見えないモヤモヤ
どのルートも、一つの視点から見た歴史に過ぎず、本作には公式に定められた「正史」が存在しません。
これは多様な視点を提供するという意図によるものですが、結果として「どのルートを選んでも何かが犠牲になり、何かが解明されない」という状態に陥ります。
例えば、あるルートでは敵対した国が、別のルートでは協力関係になるなど、キャラクターの関係性や結末が大きく異なります。
全ルートをクリアすることでパズルのピースが埋まることを期待したプレイヤーにとっては、最後まで全体像がぼやけたままであることに、徒労感やモヤモヤを感じさせる要因となっています。
ストーリーの没入感を阻害するゲームシステム面の「ひどい」要素
ストーリーそのものだけでなく、ゲームの進行を妨げるシステム面の要素が、結果的に物語への評価を下げている側面もあります。
「散策」パートが面倒くさい!学園生活の作業化がテンポを悪化させる
学園パートでの「散策」は、キャラクターとの交流を深める重要な要素ですが、毎節行う必要があるため、周回を重ねるごとに作業感が強くなります。
落とし物を届けたり、食事を共にしたりといった行動は、初回こそ楽しいものの、ストーリーの先が気になる場面では足かせとなりがちです。
散策をスキップすることも可能ですが、キャラクターの育成効率が落ちるため、難易度の高いモードでは無視できないというジレンマがあります。このテンポの悪さが、ストーリーへの集中力を削ぐ要因となっています。
難易度調整のバランス崩壊?「夜明けの追討戦」が理不尽すぎる件
第二部の冒頭に発生する「夜明けの追討戦」というマップは、難易度調整が極端であるとして悪名高いステージです。事前の準備が十分にできないまま連戦となり、育成状況によっては詰んでしまう可能性があります。
特に高難易度モード(ルナティック)では、理不尽とも言える敵の配置や増援があり、ストーリーの盛り上がりを楽しむどころではなくなるプレイヤーが続出しました。ゲームバランスの悪さが、物語体験に水を差す典型例と言えます。
広大な世界観に対してマップの使い回しが多く「飽き」を加速させる
フォドラという広大な大陸を舞台にしていながら、戦闘マップのバリエーションが乏しいことも指摘されています。異なる国や地域での戦いであるはずが、以前見たことのある地形やマップが使い回されていることが多々あります。
ストーリー上は遠征しているはずなのに、代わり映えのしない風景での戦闘が続くことで、冒険している感覚が薄れ、飽きを加速させてしまいます。これがストーリーの壮大さを損なう一因となっています。
【番外編】「風花雪月無双」のストーリーもひどい?炎上の原因
本編のパラレルワールドを描いたアクションゲーム『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』もまた、シナリオ面で賛否両論を呼びました。本編の不満点を解消することを期待された本作が、なぜ批判されたのかを解説します。
エンディングが「打ち切り」のようであっけない?無双独自の結末への不満
無双版のストーリーにおける最大の批判点は、どのルートも結末が曖昧で、「俺たちの戦いはこれからだ」という打ち切りエンドのように終わってしまうことです。
戦争の決着が明確につかないままスタッフロールが流れるため、本編以上の消化不良感を感じたプレイヤーが多くいました。
本編とは異なる「ハッピーエンド」や「大団円」を期待していた層にとっては、何も解決しないまま終わる結末は受け入れがたいものでした。
黄燎の章でのクロードのキャラ崩壊・改変が「ひどい」と言われる理由
特に金鹿の学級をベースにした「黄燎の章」では、級長クロードの性格や行動が本編と大きく異なり、「キャラ崩壊」だとして批判が集まりました。
本編では策士でありながらも仲間想いだった彼が、無双版では味方を見殺しにする非情な策を用いたり、兄弟を殺害したりする描写があります。
また、本編では友好的だった勢力と敵対するなど、行動原理の変更に対して違和感を覚えるファンが少なくありませんでした。これを「別の可能性」として楽しめるか、「改悪」と捉えるかで評価が分かれています。
原作ファンを逆撫でする?シェズ(主人公)とベレトス(先生)の対立構造
無双版では、新主人公「シェズ」が登場し、本編の主人公であるベレト/ベレス(先生)が敵役として立ちはだかります。
原作プレイヤーにとって愛着のある「先生」が、冷徹な強敵として描かれ、場合によっては倒さなければならない展開に対して、拒否反応を示すファンもいました。
原作主人公を敵に回すという設定自体は挑戦的ですが、その扱い方や結末がファンの期待とズレていたことが、炎上の一因となったと言えます。
酷評だけではない!それでも「風花雪月」が神ゲーと絶賛される魅力
ここまで批判的な意見を中心に紹介してきましたが、それでも本作が多くのファンに愛され、「神ゲー」と称賛されるには確かな理由があります。ストーリーの粗さを補って余りある魅力について触れます。
圧倒的なテキスト量!キャラクター同士の「支援会話」の深さと関係性
本作の最大の魅力は、膨大なテキスト量で描かれるキャラクター同士の「支援会話」です。単なるステータスアップの要素にとどまらず、各キャラクターの生い立ち、悩み、価値観が深く掘り下げられます。
メインストーリーでは語られない背景が支援会話で明かされることも多く、キャラクターへの愛着が深まります。戦争という極限状態の中で育まれる人間関係や、ペアエンドと呼ばれる多様な後日談は、プレイヤーに深い感動を与えます。
フォドラの歴史や貴族社会の設定が緻密で「考察」が止まらない面白さ
ストーリー上の「語られなさ」は批判点でもありますが、同時にファンの「考察」を活性化させる要素でもあります。
フォドラの歴史、紋章の成り立ち、貴族社会の複雑な政治背景などは非常に緻密に設定されており、ゲーム内の書物や断片的な情報を繋ぎ合わせることで、見えなかった真実が浮かび上がってきます。
この情報のパズルを解き明かす楽しさは本作特有のものであり、考察好きのプレイヤーにとってはたまらない魅力となっています。
シナリオの粗さを補って余りある「BGM(音楽)」と演出の素晴らしさ
本作を彩る音楽の評価は極めて高いです。主題歌「フレスベルグの少女」をはじめ、戦闘曲やイベント曲が物語の雰囲気を最高潮に盛り上げます。特に第二部の戦闘曲は、悲壮感と高揚感が入り混じった名曲として人気があります。
優れた楽曲と声優陣の熱演による演出は、シナリオの細かな粗を気にならなくさせるほどのパワーを持っており、プレイヤーの感情を強く揺さぶります。
結局買うべき?「風花雪月」と「エンゲージ」どっちがおすすめ?
これからファイアーエムブレムシリーズを始めようと考えている方にとって、「風花雪月」と次回作「エンゲージ」のどちらを選ぶべきかは悩みどころです。それぞれの特徴を踏まえたおすすめの選び方を提案します。
【比較】重厚な「ストーリー」重視なら風花雪月、快適な「戦闘」重視ならエンゲージ
端的に言えば、世界観やキャラクターの深掘り、重厚な群像劇を楽しみたいなら「風花雪月」がおすすめです。一方、シミュレーションRPGとしての戦略性やマップ攻略の面白さ、UIの快適さを重視するなら「エンゲージ」が適しています。
「風花雪月」は育成や交流に重きを置いた作品であり、「エンゲージ」は戦闘と戦術に特化した、より古典的なファイアーエムブレムらしさを持った作品と言えます。
「風花雪月」を楽しめる人・つまらなくて「ひどい」と感じる人の特徴
「風花雪月」を心から楽しめるのは、キャラクターの背景を知るのが好きな人、行間を読んで考察するのが好きな人、多少の作業も愛着で乗り越えられる人です。
逆に、物語の整合性や完全な伏線回収を求める人、テンポよくゲームを進めたい人、主人公に強い個性を求める人にとっては、「ひどい」「面倒くさい」と感じる可能性が高いでしょう。
購入前に知っておくべき「楽しむための心構え」と推奨プレイ順
本作を楽しむためには、「全ての謎が解けるわけではない」という前提を受け入れ、それぞれの正義がぶつかり合う群像劇として捉えることが大切です。また、最初のルート選びも重要です。
王道的なストーリーを楽しみたい場合は「青獅子の学級(蒼月)」から始めるのが比較的満足度が高いと言われています。
世界の謎を知りたい場合は「金鹿の学級(翠風)」が適しています。「黒鷲の学級」は展開が特殊なため、2周目以降にプレイするとより楽しめるかもしれません。
まとめ:ファイアーエムブレム風花雪月 ストーリー ひどい
- 「風花雪月」のストーリーは伏線未回収やご都合主義的な展開により賛否が分かれている。
- 全ルートをクリアしても世界の完全な全貌は明らかにならず、モヤモヤ感が残ることがある。
- 共通パートである学園編が長く、周回プレイ時に飽きやすい構造になっている。
- 帝国ルートの尺不足や、教会・金鹿ルートの使い回しなど、ルートごとの作り込みに差がある。
- 主人公が無口で感情移入しにくい点や、キャラクターの極端な行動原理も批判の対象である。
- 「散策」の作業感やマップの使い回しなど、システム面がストーリーへの没入を阻害している。
- 無双版も結末の曖昧さやキャラクターの改変により、本編の不満を解消するには至らなかった。
- 一方で、膨大な支援会話や緻密な世界観設定、考察の楽しさは非常に高く評価されている。
- ストーリー重視なら「風花雪月」、戦闘システム重視なら「エンゲージ」が推奨される。
- 「全ては語られない」群像劇であることを理解してプレイすれば、唯一無二の体験が得られる。

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