エノトリアはソウルライクの常識を覆すか?全貌を徹底解説

イタリアの伝承や文化をベースにしたソウルライクと聞いて、気になっている方は多いのではないでしょうか。

「Enotria: The Last Song(エノトリア:ザ・ラスト・ソング)」は、暗くて重苦しい世界観が定番のソウルライクジャンルにおいて、太陽の光が降り注ぐ明るい舞台という異色のコンセプトで注目を集めた作品です。

仮面を切り替えながら戦う独自システムやパリィ重視の戦闘、そしてコンメディア・デッラルテに基づいた演劇的な物語は、従来のソウルライクファンにとっても新鮮に映ります。

一方で、発売時の技術的な問題や後半のゲームデザインについてはさまざまな意見があり、購入を迷っている方も少なくないでしょう。

この記事では、エノトリアの基本情報からゲームシステムの詳細、他のソウルライク作品との比較、そして最新のアップデート状況まで、購入判断に必要な情報を網羅的に解説していきます。

目次

エノトリアとは?イタリア発の異色ソウルライク

エノトリアは、イタリア・ミラノに拠点を置く独立系スタジオ「Jyamma Games」が開発・販売したソウルライク・アクションRPGです。

正式タイトルは「Enotria: The Last Song(エノトリア:ザ・ラスト・ソング)」で、2024年9月16日にPC(Steam/Epic Games Store)とPlayStation 5向けにリリースされました。

Xbox Series X|S版は当初同時発売の予定でしたが、開発元とMicrosoftの間で生じた問題により延期となり、最終的に2024年12月12日に配信が開始されています。

日本およびアジア地域では、セガがパブリッシャーとしてローカライズや販売を担当しました。

PS5のパッケージ版は2025年3月21日にセガから発売され、海外向けのパッケージ版はFireshine Gamesより2025年4月10日にリリースされています。

ゲームエンジンにはUnreal Engine 5を採用しており、美しいグラフィック表現が特徴のひとつです。

イタリアの伝承に基づいた唯一無二の世界観

エノトリア最大の特徴は、イタリアの民間伝承と演劇文化を全面に打ち出した世界観にあります。

多くのソウルライク作品がゴシックや中世ダークファンタジーの暗い雰囲気を採用するなか、本作はイタリアの海岸や街並みを思わせる、陽光に満ちた明るいステージが舞台です。

開発元はこのコンセプトを「サマーソウル」と表現しており、ジャンルの常識を覆す鮮やかなビジュアルが大きな話題を呼びました。

世界観の根底には「コンメディア・デッラルテ」と呼ばれるイタリアの即興仮面演劇があります。

プレイヤーは「変化の仮面(マスクレス・ワン)」という役割を持たない唯一の存在として、永遠の演劇に囚われた世界の解放を目指します。

ストーリーの概要と物語の魅力

物語の舞台は、さまざまな文化と国々が栄える豊かな大陸「エノトリア」です。

この世界は「カノヴァッチオ」と呼ばれる永遠の演劇に囚われており、「作者(Authors)」と呼ばれる強大な存在によって支配されています。

すべての住人は演劇の登場人物として決められた役割を演じ続けており、世界は停滞した状態に陥っています。

主人公である「変化の仮面」は、演劇における役割を持たない唯一の存在です。

作者たちを打ち倒し、カノヴァッチオを終わらせることで世界に自由を取り戻す、というのが物語の大筋となります。

イタリアの演劇や神話の要素がちりばめられた独特のストーリーテリングは、他のソウルライクでは味わえない雰囲気を楽しめるでしょう。

基本スペックと対応プラットフォーム一覧

エノトリアの製品情報とスペックを以下の表にまとめました。

項目 内容
正式名称 Enotria: The Last Song
ジャンル ソウルライク・アクションRPG
プレイ人数 シングルプレイ専用
開発元 Jyamma Games(イタリア・ミラノ)
アジア地域販売 セガ
対応機種 PC(Steam/Epic Games Store)、PS5、Xbox Series X/S
発売日(PC/PS5) 2024年9月16日
発売日(Xbox) 2024年12月12日
PS5パッケージ版 2025年3月21日(日本・アジア)
ゲームエンジン Unreal Engine 5
価格(デジタル版) 7,150円(税込)
日本語対応 テキスト・音声ともに対応
CERO 未確認

PC版の必要スペックと推奨環境

PC版を快適にプレイするための動作環境は以下の通りです。

項目 最小要件
OS 64-bit Windows 10
CPU Intel Core i5-6600(3.3GHz)またはAMD Ryzen 5 1400(3.2GHz)
メモリ 16GB RAM
GPU NVIDIA GeForce GTX 1080 6GB またはAMD Radeon RX 580 8GB
DirectX Version 12

最小要件でもGTX 1080およびメモリ16GBが求められるため、それなりのスペックが必要です。

Unreal Engine 5を採用していることもあり、快適なプレイにはある程度のマシンパワーが前提となります。

なお、Steam Deckでのプレイについては、設定を最低にしても20〜30fps程度にとどまるとの報告が多く、携帯モードでの快適なプレイは難しいのが現状です。

日本語対応と声優情報

エノトリアは日本語テキストおよび日本語音声の両方に対応しています。

日本語吹き替え版では、主人公の冒険に同行する吟遊詩人「プルチネッラ」の声を杉田智和氏が担当しています。

杉田智和氏はトレーラーのナレーションも務めており、発売前にはセガ主催の公式生放送にも出演しました。

日本語版の音響制作やシナリオ校正は専門のローカライズ企業が担当しており、テキストの質についても一定の水準が保たれています。

イタリア発のインディーゲームでありながら日本語フルボイスに対応している点は、日本のプレイヤーにとって大きな魅力といえるでしょう。

仮面を切り替えて戦う独自の戦闘システム

エノトリアの戦闘は、ソウルライクの基本を踏襲しつつも独自のメカニクスを複数搭載しています。

最も特徴的なのは、仮面を切り替えることで戦闘スタイルがダイナミックに変化するシステムです。

本作には盾によるガードが存在せず、敵の攻撃を弾く「パリィ」と高速ステップによる「回避」の二択で立ち回るスタイルが基本となります。

パリィ中心の戦闘とSEKIROとの類似点

パリィを成功させると、敵の「露見ゲージ」を蓄積できます。

このシステムはSEKIROにおける「体幹ゲージ」に非常に近い仕組みで、ゲージが一定量に達するとクリティカル攻撃(致命の一撃)を繰り出すことが可能です。

通常攻撃で直接HPを削るよりも、パリィで露見ゲージを溜めて致命攻撃を狙う方が効率的なバランス設計となっています。

ただし、SEKIROが純粋なアクションゲームであるのに対し、エノトリアはRPG要素が強く、レベルアップや装備強化によって難易度を下げることもできます。

パリィが苦手なプレイヤーに向けては「ジェム」というアイテムが用意されており、パリィの受付時間を調整できる救済措置も存在します。

仮面システムと「革新者の道」によるビルド構築

ゲーム内には全29種類の仮面が存在し、装着する仮面によってステータスや能力が変化します。

仮面のセットは最大3つまで保持でき、戦闘中でもワンボタンで瞬時に切り替えが可能です。

ステータスの振り直しをせずに戦闘スタイルを変更できるため、状況に応じた柔軟な対応が求められます。

さらに「革新者の道(Path of Innovators)」と呼ばれるシステムでは、仮面にパーク(能力)をセットして自由にカスタマイズが行えます。

武器は8つのクラスに分かれており、総数は104種類以上。

120を超える能力や外見のバリエーションが用意されているため、自分だけのビルドを構築する楽しさがあります。

Ardore(アルドーレ)システムの仕組み

エノトリア独自のメカニクスとして「Ardore(アルドーレ)」システムがあります。

アルドーレを発動すると、リアルタイムで周囲の環境が変化し、敵の行動パターンや地形が変わります。

特定の場所でアルドーレを使うことで新たなルートが開かれたり、敵の弱点が変化したりと、探索と戦闘の両方に影響を与える重要な要素です。

このシステムによって、同じエリアでも異なるアプローチが可能となり、繰り返しプレイにおいても新鮮さが保たれる設計となっています。

属性(エレメント)と疫病ビルドの可能性

本作には「エレメント(元素)」と呼ばれる属性システムが存在します。

一般的な属性付与とは異なり、エレメントは単なるダメージ増加だけでなく、敵へのデバフ(弱体化)や自身へのバフ(強化)効果も含んでいます。

なかでも「疫病」属性を活用したビルドは非常に強力だと評されており、多くのプレイヤーが序盤から終盤にかけて活用しています。

属性の選択によって戦闘の展開が大きく変わるため、ビルドの自由度は想像以上に高いといえるでしょう。

難易度は選べる?ストーリーモードとソウルライクモードの違い

エノトリアではアップデートにより、2種類の難易度モードを選択できるようになりました。

発売当初は難易度選択の機能がなく、後のパッチで追加された経緯があります。

ストーリーモードの特徴

ストーリーモードは、アクションが苦手なプレイヤーでも物語を楽しめるように設計された低難度モードです。

敵の攻撃力やHPが抑えられており、パリィのタイミングも比較的緩く設定されています。

ソウルライクジャンルが初めてという方でも、世界観やストーリーを存分に味わうことができるでしょう。

ただし、多くのプレイヤーからは「簡単すぎる」という声も上がっており、アクションゲームとしての歯応えを求める場合には物足りなさを感じる可能性があります。

ソウルライクモードの手応え

ソウルライクモードは、本来のゲームバランスで挑戦できる高難度モードです。

こちらが開発元の想定する本来の難易度であり、ソウルライクジャンルに慣れたプレイヤー向けの設定となっています。

パリィのタイミングもシビアになり、敵のHPや攻撃パターンも容赦がありません。

なお、2周目以降のNG+(ニューゲームプラス)では難易度選択が適用されず、ソウルライク相当の難易度が自動的に適用されます。

一般的にNG+こそが「本来のソウルゲーム感覚に最も近い」と評されています。

発売時からの難易度変遷と注意点

難易度選択は発売後のパッチで追加されたため、パッチ適用前からプレイしていたセーブデータが自動的にストーリーモードに移行されてしまった事例が報告されています。

この場合、意図せず低難度でプレイしていたことに気づかないまま進行してしまうケースがありました。

新規で始める場合はゲーム開始時に難易度を選べるため、この問題は発生しません。

すでにプレイ中のデータがある場合は、設定画面で現在のモードを確認することをおすすめします。

他のソウルライク作品との比較で見るエノトリアの立ち位置

ソウルライクジャンルには数多くの作品が存在しますが、エノトリアはそのなかでどのような位置づけにあるのでしょうか。

代表的な作品と比較しながら、本作の特徴を整理していきます。

ダークソウルシリーズとの比較

エノトリアの基本的なゲーム構造は、ダークソウルシリーズに忠実です。

篝火に相当するチェックポイントシステム、ソウルに相当する通貨「メモリア」によるレベルアップ、立体的に入り組んだマップ構造など、ダークソウルを遊んだことがあるプレイヤーなら直感的に理解できる設計となっています。

操作面でもR1で攻撃、R2で強攻撃、丸ボタンで回避といった配置がエルデンリングに近く、シリーズ経験者であればスムーズに操作に慣れることができるでしょう。

一方で、盾ガードが存在しない点はダークソウルとは大きく異なります。

ガードを多用するプレイスタイルに慣れている方は、パリィと回避のみで立ち回る本作の戦闘に最初は戸惑うかもしれません。

Lies of Pとの比較

エノトリアと同時期にリリースされたソウルライクとして、Lies of Pがよく比較対象に挙げられます。

Metacriticのスコアではエノトリアが69〜70点に対してLies of Pは80点台と、メディア評価ではLies of Pに軍配が上がっています。

戦闘の洗練度やゲーム全体のポリッシュ(磨き込み)という観点でも、Lies of Pの方が高く評価される傾向にあります。

一方、マップ探索の自由度や分岐の豊かさではエノトリアが上回るとの意見も多く見られます。

Lies of Pが比較的一本道のステージ構成であるのに対し、エノトリアでは立体的で入り組んだマップを自由に探索できる点が差別化ポイントです。

エルデンリング・SEKIROとの比較

エルデンリングと比較した場合、最大の違いはゲームの規模です。

エルデンリングが広大なオープンワールドを舞台にした大作であるのに対し、エノトリアはエリア探索型の中規模タイトルとなっています。

メインストーリーのクリア時間は約12.5時間、100%達成でも約25時間と、ボリュームには差があります。

SEKIROとの比較では、パリィ中心の戦闘設計に共通点が多く見られます。

露見ゲージを溜めて致命攻撃を狙う流れはSEKIROの体幹システムに近い感覚です。

ただし、RPG要素の有無が大きな違いであり、エノトリアではレベルアップや装備強化で難易度を緩和できる点がSEKIROにはない特徴です。

比較項目 エノトリア ダークソウル3 SEKIRO Lies of P エルデンリング
世界観 明るいイタリア風 ダークファンタジー 戦国日本 ダーク童話風 ダークファンタジー
盾ガード なし あり なし あり あり
パリィ重視度 非常に高い 中程度 非常に高い 高い 低〜中
マップ構造 エリア探索型 エリア探索型 エリア探索型 ほぼ一本道 オープンワールド
難易度選択 あり なし なし なし なし
マルチプレイ なし あり なし なし あり
クリア時間目安 約12.5時間 約30時間 約25時間 約30時間 約60時間以上

メディア評価とユーザーの評判を徹底検証

エノトリアの評価は発売時と現在で大きく変化しています。

メディアレビューとユーザーレビューの両面から、本作の評判を検証していきましょう。

Metacritic・OpenCriticのスコア

メディアレビューの集約サイトにおけるスコアは以下の通りです。

サイト スコア
Metacritic(PC版) 69/100
Metacritic(PS5版) 70/100
OpenCritic 平均69点(推奨率31%)
IGN 7/10
RPGamer 4/5
TechRadar 3.5/5
PC Gamer(UK) 57/100

Metacriticでは「mixed or average(賛否両論〜平均的)」の評価区分に該当しています。

独創的な世界観やアートディレクションが高く評価される一方、技術的な問題や独自性の不足が減点要因となりました。

Steamユーザーレビューの推移と現在の評価

Steamでのユーザーレビューは、興味深い推移を見せています。

全期間の評価は「賛否両論」で、全1,957件中69%が好評です。

しかし直近30日間に限定すると「非常に好評」に転じており、28件中92%が好評となっています。

この変化は、発売後に実施された複数のパッチによりゲームの品質が大幅に改善されたことを如実に示しています。

発売直後のネガティブな印象だけで購入を見送っている方は、現在の評価を改めて確認する価値があるでしょう。

高く評価されている点

多くのユーザーやメディアに共通して高く評価されている点を整理すると、以下のようになります。

まず、イタリア文化に根差した明るく美しい世界観が、ジャンルの中で際立った個性として受け入れられています。

コンメディア・デッラルテや仮面演劇に基づいた退廃的でありながら華やかなビジュアルは、フォトモードがないことが惜しまれるほどです。

仮面の切り替えによる戦闘スタイルの変化や、パリィを軸にした爽快感のある戦闘も好評です。

また、立体的に構成されたマップの探索要素はダークソウルの影響を色濃く受けており、ショートカットを発見したときの達成感は本家に引けを取りません。

厳しい評価を受けている点

一方で、以下の点については批判的な意見が多く見られます。

発売時点でのフレームレート低下や進行不能バグなどの技術的問題が、初期の印象を大きく損なったのは事実です。

後半に進むにつれてレベルデザインの質が低下するとの指摘もあり、前半と後半で体験の質にばらつきがあるという声は根強く残っています。

終盤のボスについてはHPが過剰に高く、戦闘が冗長に感じられるとの意見が目立ちます。

通常敵のバリエーション不足も指摘されており、探索中の戦闘が単調になりやすい点はデメリットといえるでしょう。

エンディング分岐と周回要素の詳細

エノトリアには複数のエンディングが用意されており、周回プレイによってすべてを見届ける設計になっています。

トロフィーやアチーブメントのコンプリートを目指す場合は、特に注意すべき点があります。

3種類のエンディングと分岐条件

本作にはエンディングが3種類存在します。

1周で到達できるエンディングは1つのみであり、すべてのエンディングを見るには最低3周のプレイが必要です。

エンディングの分岐は、装着する仮面の選択と特定のNPCに対する行動(戦うか否かなど)によって決定されます。

重要なのは、NPCイベントが時限式になっている点です。

特定のタイミングを逃すとイベントが進行できなくなり、目当てのエンディングに到達できなくなる可能性があります。

周回プレイを前提に計画的にNPCイベントを消化していくことが推奨されています。

トロフィー・実績コンプリートの注意事項

トロフィーや実績の100%達成には、3周のプレイが必須です。

一部の収集物はNG++(3周目)でしか入手できない仕様となっているためです。

また、PS5版とXbox版では、全武器や全仮面をコンプリートしてもトロフィーが正常にアンロックされないバグが報告されていました。

Xbox版については2025年1月のパッチで修正されています。

PS5版では武器や仮面を全て取得した後に特定の操作を行う回避策が共有されていましたが、現在はパッチで改善が進んでいます。

発売後のアップデートと現在のゲーム状態

エノトリアは発売後に精力的なアップデートが実施され、ゲームの品質が大幅に向上しました。

発売時の状態と現在ではプレイ体験が大きく異なるため、アップデートの経緯を把握しておくことは重要です。

ロードマップに基づく改善パッチの全貌

発売直後の2024年9月に開発元からアップデートのロードマップが公開され、2024年9月から2025年3月にかけて段階的な改善パッチの配信が約束されました。

ロードマップに含まれていた主な改善内容は、武器モーションの多様化、戦闘バランスの調整、バグ修正、パフォーマンスの最適化などです。

V1.005、V1.006といった複数のパッチが順次配信され、2025年4月頃にはロードマップの全パッチが完了しています。

2026年2月時点でもSteamDB上には更新記録があり、最低限のメンテナンスは継続されている状況です。

発売時と現在の比較

発売直後は「良作だがバグが多い」という評価が主流でした。

フレームレートの不安定さ、NPCの挙動バグ、進行不能になるケースなど、技術面の問題が目立っていたのは否めません。

しかし、全パッチ適用後の現在は安定性が格段に向上しています。

Steamの直近レビューが92%好評に達している事実は、この改善をユーザーが実感していることの証といえるでしょう。

2026年3月現在が、最も安定した状態でエノトリアを楽しめるタイミングです。

DLC情報と今後の展望

2026年3月時点で、正式なDLCの発表は確認されていません。

ただし、デラックスエディションが販売されていることや、コミュニティ内でDLC発表の可能性が話題になっていることから、追加コンテンツへの期待は残っています。

一方、開発元のJyamma Gamesは2025年8月のgamescom 2025にて新作「La Divina Commedia(ラ・ディヴィナ・コメディア)」を発表しました。

ダンテの「神曲」をモチーフにしたダークファンタジー・アクションRPGで、エノトリアの明るい世界観とは対照的な暗い雰囲気が特徴です。

発売日は未定ですが、PC版(Steam)での配信が確定しています。

売上・プレイヤー数のデータから見る市場評価

売上やプレイヤー数のデータから、エノトリアの市場における立ち位置を確認していきます。

Steamの販売実績

SteamSpyの推計によると、Steam版の所有者数は50,000〜100,000本の範囲です。

推定売上高は約150万ドルとされており、インディータイトルとしては一定の成果を上げていると評価できます。

Steamでの同時接続プレイヤー数のピークは発売翌日の2024年9月17日に記録された1,045人でした。

2026年2月時点での直近30日間の平均プレイヤー数は約21人で、ピーク時は50人となっています。

プレイヤー数は発売直後をピークに大幅に減少していますが、ストーリー主導のシングルプレイ専用タイトルとしては一般的な推移です。

受賞歴と業界での評価

エノトリアは2025年6月に開催されたItalian Video Game Awards 2025において、「Outstanding Art(優秀アート賞)」と「Community Spotlight Award(コミュニティ・スポットライト賞)」の2部門を受賞しました。

イタリア国内のゲーム業界では高く評価されており、独自の芸術的ビジョンが認められた形です。

Metacriticスコアこそ平均的な水準にとどまっていますが、アート面での評価やパッチ後のユーザー満足度の向上を踏まえると、「隠れた良作」としての地位を確立しつつあるといえます。

Xbox版をめぐった騒動の経緯と顛末

エノトリアの発売において最も大きな話題となったのが、Xbox版の無期限延期をめぐる騒動です。

この経緯はインディーゲーム開発者とプラットフォーマーの関係性を考えるうえで注目を集めました。

延期の原因と開発元CEOの批判

Xbox版は当初、PC版やPS5版と同時にリリースされる予定でした。

しかし発売の約2週間前、2024年9月にXbox版の無期限延期が突如発表されました。

Jyamma GamesのCEOは、Microsoftの「コミュニケーション不足」と「認証プロセスの遅延」を原因として公に批判する声明を出しています。

「彼らはエノトリアのことも、あなたたち(ユーザー)のことも気にしていない」という強い表現が含まれた発言は、業界内で大きな注目を集めました。

MicrosoftのXbox部門との和解とリリース

この批判がSNS上で拡散されたことを受け、Microsoftのゲーム部門責任者のアカウントを通じて開発元との直接対話が実現しました。

Jyamma GamesのCEOはXboxコミュニティに対して「強いられた選択だった」と謝罪し、Xbox版のリリースに向けた作業が進められることとなりました。

最終的にXbox版は2024年12月12日にリリースされ、騒動は収束しています。

この一連の出来事は、小規模な独立系スタジオがプラットフォーム審査のプロセスで直面しうる困難を浮き彫りにしたケースとして認知されています。

エノトリアをおすすめできる人・できない人

ここまでの情報を踏まえ、エノトリアがどのようなプレイヤーに向いているか、また向いていないかを整理します。

おすすめできる人の特徴

ソウルライクジャンルが好きで、新しい世界観やテーマ性を求めている方には強くおすすめできます。

暗い雰囲気に飽きてしまった方にとって、太陽の光に満ちたイタリアの風景のなかで繰り広げられるアクションは新鮮に感じられるでしょう。

SEKIROのパリィ戦闘が好みの方にも相性が良い作品です。

パリィの受付時間をジェムで調整できるため、アクションの腕前に自信がない方でも段階的に上達を目指せます。

ストーリーモードが用意されているため、ソウルライク初心者が世界観を楽しむ入口としても適しています。

おすすめが難しい人の特徴

マルチプレイや協力プレイを重視する方には向きません。

本作はシングルプレイ専用であり、友人と一緒にボスに挑むような体験は提供されていません。

完璧に磨き上げられたゲーム体験を求める方にも注意が必要です。

パッチにより大幅に改善されたとはいえ、大手スタジオのAAAタイトルと同等の品質を期待するとギャップを感じる可能性があります。

Steam Deckでのプレイを想定している方も、パフォーマンスの制約を理解したうえで検討すべきでしょう。

まとめ:エノトリアはソウルライクファンにこそ遊んでほしい一作

  • 「Enotria: The Last Song」はイタリアの独立系スタジオJyamma Gamesが開発したソウルライク・アクションRPGである
  • イタリアの民間伝承やコンメディア・デッラルテに基づいた、太陽光あふれる明るい世界観がジャンル内で唯一無二の個性を持つ
  • 全29種類の仮面を切り替えて戦闘スタイルを変化させる独自システムが戦略性を高めている
  • 戦闘はパリィを軸に設計されており、SEKIROの体幹システムに近い感覚で楽しめる
  • ストーリーモードとソウルライクモードの2段階の難易度選択があり、初心者から上級者まで対応している
  • Metacriticスコアは69〜70点と平均的だが、Steamの直近レビューは92%好評とパッチ後の品質向上が顕著である
  • 発売時の技術的な不具合は段階的なパッチで大幅に改善され、2026年3月現在が最も安定したプレイ環境である
  • エンディングは3種類あり全回収には最低3周必要で、NPCイベントは時限式のため計画的な進行が求められる
  • マルチプレイには非対応のシングルプレイ専用タイトルであり、協力プレイを求める方には向かない
  • 開発元は次回作「La Divina Commedia」をgamescom 2025で発表しており、ダンテの「神曲」をモチーフにしたダークファンタジー路線へ展開を予定している
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