エルデンリングに登場するNPC「ディアロス・ホスロー」。
最初は口ばかりで行動が伴わない「へなちょこ無能男」という印象を抱いたプレイヤーも多いかもしれません。
しかし、彼の物語を最後まで追いかけることで、その人物像は大きく変化していきます。
この記事では、ディアロスの全イベントの軌跡を追いながら、彼の行動原理や物語に隠された謎を徹底的に考察します。
なぜ彼は「無能」と呼ばれたのか、そして彼が最期に見せた本当の強さとは何だったのか。
ホスロー家の家訓や兄ユーノとの関係性、攻略上の注意点まで、ディアロスのすべてを解説します。
エルデンリングのディアロスとは?「へなちょこ無能」と呼ばれた男の物語
高貴な生まれ「ホスロー家」の次男という出自
ディアロスは、狭間の地の外で生まれた貴族「ホスロー家」の次男です。
ホスロー家は武芸に秀でた名門であり、「ホスローは血潮で物語る」という家訓を掲げています。
これは言葉ではなく、戦いにおける実績、すなわち敵の血を流すことで自らの価値を証明するという、非常に攻撃的な意思表示です。
しかしディアロス自身は、最初の会話で「狭間の地では、いかに立派な家名とて、無意味だからな」と語っており、自らの出自を鼻にかける様子はありません。
なぜ「無能」と呼ばれるのか?その理由とプレイヤーからの第一印象
ディアロスが「無能」と呼ばれる最大の理由は、彼の言動が伴わない意志の弱さにあります。
従者ラニアの復讐を誓ったにもかかわらず、火山館の主タニスに「英雄になれる」と唆されると、あっさりとその目的を翻してしまいます。
この芯の無さや、口先ばかりで覚悟が足りない姿から、多くのプレイヤーに「へなちょこ」「無能男」という第一印象を与えました。
その評価は作中の人物からも同様で、フーテンのパッチからも「覚悟が足りない」と評されています。
物語を理解する鍵となる人物:従者ラニアと兄ユーノ・ホスロー
ディアロスの物語を深く理解するためには、二人の重要人物の存在が欠かせません。
一人は、幼馴染でもある従者の「ラニア」。
彼は行方不明になったラニアを心から心配し、彼女の死を知った際には激しい怒りと悲しみを見せます。
もう一人は、兄である「ユーノ・ホスロー」。
彼は寡黙にして冷徹、戦士として非常に優秀で、ディアロスにとっては憧れであると同時に、強烈なコンプレックスの対象でもありました。
この二人との関係性が、ディアロスの行動原理に大きな影響を与えています。
ディアロスの全イベントを時系列で解説|円卓から壺村までの軌跡
従者ラニアの行方を捜して円卓へ
プレイヤーがディアロスと初めて出会うのは、円卓です。
彼はそこで、行方をくらませた従者ラニアを探しており、プレイヤーにも情報提供を求めます。
ラニアのことを「まったく、あのおてんばめ」と親しげに語る様子から、二人が単なる主従関係ではなく、幼馴染として深い絆で結ばれていたことがうかがえます。
ラニアの死に復讐を誓う「ホスローは血潮で物語る」
ディアロスの捜索もむなしく、ラニアはリエーニエの「学院の門前町」で遺体となって発見されます。
変わり果てたラニアの姿を前に、ディアロスは犯人である「背律者」への復讐を決意。
ここで彼は「ホスローは血潮で物語る。このディアロスが、それを思い知らせてやる」と、家の名誉を懸けて戦うことを誓います。
「英雄」の甘言に乗り火山館へ…復讐の断念と挫折
復讐を誓ったディアロスは、犯人のアジトである火山館に乗り込みます。
しかし、館の主タニスから「私には、英雄の道を行く資質があるという」という甘言を受けると、復讐の志はあっさりと揺らぎます。
彼は「英雄は敢えてこそ、汚れた道を行くものだ」という言葉を信じ、ラニアの死さえも英雄になるための試練と自分に言い聞かせ、火山館の一員となってしまうのです。
ですが、戦士としての適性がなかった彼は同胞狩りを成し遂げることができず、「やはり私はただの無能だったのか」と深く絶望し、火山館から姿を消します。
戦いを捨てたどり着いた安住の地「壺村」の壺師へ
火山館から失踪したディアロスが流れ着いたのは、生き壺たちが暮らすリエーニエの「壺村」でした。
彼はそこで、戦うことをやめ、壺たちの世話をする「壺師」としての日々を送り始めます。
かつて彼が「ホスローの恥部」とコンプレックスを抱いていた「戦士のものではない、生白い手」は、壺たちを優しく磨くのに最適でした。
ディアロスはプレイヤーに対し、「私は初めて、真っ当に生きている気がするんだ」と、穏やかな表情で語ります。
密猟者から壺たちを守り抜いた最期と小壺への継承
壺村での平穏な日々は、密猟者の襲撃によって終わりを告げます。
復讐のためにも、英雄になるためにも剣を抜けなかったディアロスは、初めて守るべき存在である壺たちのために、たった一人で密猟者に立ち向かいました。
彼は命と引き換えに密猟者を撃退しますが、自らも深手を負い、息を引き取ります。
その勇敢な姿は、生き残った「小壺」に強く焼き付きます。
小壺はディアロスの遺志を継ぎ、「いくじなしでも、みんなを守れる英雄に」なることを誓うのでした。
【ディアロス徹底考察】物語に隠された4つの謎を解き明かす
考察①:「ホスローは血潮で物語る」という家訓の真の意味とは?
ホスロー家の家訓「ホスローは血潮で物語る」は、本来「敵を打ち負かし、その血を流すことで武功と名誉を示す」という攻撃的な意味合いを持っています。
これは兄ユーノ・ホスローの生き様そのものでした。
しかし、ディアロスの物語を通じて、この言葉には新たな意味が加わります。
それは、「自らの血を流してでも、守るべきものを守り抜くという意志を示す」という、自己犠牲の精神です。
小壺が受け継いだのは、まさに後者の意味であり、ディアロスの生き様が家訓の意味を昇華させたと言えるでしょう。
考察②:兄ユーノ・ホスローはなぜ強い?弟を「無能」と評した理由を考察
ユーノ・ホスローは、火山館からの勧誘を「血塗られた道なら、既に歩いている。だが俺は自分を決して英雄とは呼ばない」と一蹴するほどの確固たる信念を持つ強い戦士です。
装備品のテキストには「弟の無能が故に…兄は、弟を愛することを許された」とあり、彼がディアロスを深く愛していたことがわかります。
ここから推測されるのは、ユーノは弟の優しい性格を理解しており、自分と同じ血塗られた道を歩んでほしくないという愛情から、あえて「無能」という強い言葉で突き放し、戦いの道から遠ざけようとしたのではないか、という可能性です。
兄の真意と弟の憧れは、悲しくもすれ違ってしまったのかもしれません。
考察③:従者ラニアを殺害した犯人は誰か?
ラニアを殺害した犯人は、ライカードに仕える火山館の関係者で間違いありません。
ディアロス自身が「背律者、同胞を狩る褪せ人…その唾棄すべき連中の隠れ家を」突き止めたと語っています。
火山館は「二本指」に導かれる褪せ人を敵視し、組織的に狩りを行っているため、従者であるラニアもその犠牲になったと考えられます。
考察④:なぜ彼は「稀人のルーン」を持つのか?女王マリカとの関係性
ディアロスは死亡後、「稀人のルーン」をドロップします。
このルーンの説明文には「稀人は、かつて狭間の外からやってきた女王マリカの同族であるという」と記されています。
これは、ディアロス、ひいてはホスロー家全体が、女王マリカと同じ「稀人」の血を引く一族であったことを強く示唆しています。
また、稀人のルーンが得られるルーン量は「英雄のルーン」の一つ下であることから、「英雄に届かなかった男」という意味合いも込められている、というダブルミーニングも考えられます。
再評価:ディアロスは本当に「無能」だったのか?
戦士には不向きだった「生白い手」が壺師の適性だったという皮肉
ディアロスが長年コンプレックスに感じていた「戦士のものではない、生白い手」。
それは武門の家柄において、紛れもなく欠点でした。
しかし、その手が壺村では「壺師に最適」と認められ、彼の新たな居場所を作るきっかけとなったのは、運命の皮肉と言えるでしょう。
これは、誰にでも向き不向きがあり、一つの価値観だけが全てではないという、物語からのメッセージなのかもしれません。
彼は弱かったのか?守るべき者のために戦えた真の強さ
ディアロスは、確かに戦士としての才能や覚悟には欠けていたかもしれません。
しかし、彼は守るべき存在ができたとき、誰よりも強くあろうとしました。
「強くなったから戦えた」のではなく、「守るものができたから戦えた」のです。
自らの名誉や復讐心のためではなく、他者のために命を懸けられるその姿は、決して「弱い」ものではなく、むしろ本当の意味での「心の強さ」を持っていた証拠と言えます。
ディアロスの生き様は無駄ではなかった?小壺に受け継がれた英雄譚
歴史に名を残すような大英雄にはなれなかったディアロスですが、彼の生き様は決して無駄ではありませんでした。
彼が命を懸けて守った壺村で、その姿を見ていた「小壺」という小さな戦士が、彼の意志と「ホスロー」の名を受け継ぎました。
誰にも知られずひっそりと散った彼の物語は、小壺の中で永遠に語り継がれる「英雄譚」となったのです。
【攻略】ディアロスのイベントが進まない・いない時の対処法
ディアロスが消えた?イベントが進行しない主な原因一覧
ディアロスのイベントが進行しなくなったり、彼がいなくなったりする主な原因は、イベントのフラグを正しい順序で踏んでいないことにあります。
彼の居場所は「円卓」→「リエーニエ(学院の門前町)」→「火山館」→「壺村」と順番に移動します。
もし姿が見えない場合は、前のイベントを完了しているか、次の移動先にいないかを確認しましょう。
ディアロスが壺村に来ない場合のフラグと解決策
ディアロスが火山館から壺村へ移動するには、いくつかの条件を満たす必要があります。
まず、火山館の依頼を進め、ディアロスが「私はひどい無能でした」と後悔を口にして失踪するイベントを見る必要があります。
その後、壺村でNPC「小壺」と複数回会話し、ディアロスの話題が出るまでイベントを進めると、ディアロスが壺村の小屋に出現します。
最重要:火山館のボス「ライカード」を倒すタイミングに注意
ディアロスのイベントを最後まで進める上で、最も注意すべき点が火山館のボス「冒涜の君主、ライカード」を倒すタイミングです。
ディアロスが火山館に到着する前にライカードを倒してしまうと、ディアロスは火山館に現れず、そのまま失踪してイベントが進行不能になってしまいます。
必ず、ディアロスが火山館の客間に移動し、会話イベントを済ませた後にライカードを討伐するようにしましょう。
ホスロー家のイベント(兄ユーノ・ホスロー)の発生条件
ディアロスの兄である「血潮の騎士、ユーノ・ホスロー」は、火山館の依頼イベントのターゲットとして登場します。
タニスから受けられる依頼を3回目まで進めると、巨人たちの山嶺に彼の侵入サインが出現します。
非常に手ごわい相手ですが、撃破することでホスロー家の装備一式を入手できます。
エルデンリングのディアロスの考察まとめ
- ディアロスは名門ホスロー家の次男である
- 当初は口先ばかりの「へなちょこ無能男」として描かれる
- 従者ラニアの死をきっかけに復讐を誓うも火山館で挫折する
- 彼の物語には優秀な兄ユーノ・ホスローが深く関わる
- 最終的に壺村で「壺師」という自分の居場所を見つける
- 密猟者から壺たちを守るため戦い、小壺にとっての英雄となる
- 家訓「ホスローは血潮で物語る」には二つの意味が込められている
- 彼が持つ「稀人のルーン」はマリカとの関係を示唆する
- ディアロスは弱くとも、守る者のために戦える真の強さを持っていた
- イベント進行にはライカードの討伐タイミングが重要である
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