2016年に発売されたファイナルファンタジー15は、シリーズの中でも特に賛否が分かれる作品として知られています。
「ストーリーがひどい」「意味がわからない」という声がある一方で、「仲間との絆に感動した」「エンディングで泣いた」という評価も少なくありません。
実際にFF15のストーリーには、開発体制の問題に起因する構造的な欠陥が存在します。
しかし、アップデートやDLCによる補完を経た現在、発売当初とは異なる評価を受けている側面もあります。
この記事では、FF15のストーリーが批判される具体的な理由から、知られざる開発の裏側、そして再評価されているポイントまでを徹底的に解説します。
これからプレイを検討している方にとって、購入判断の参考になる情報をお届けします。
FF15のストーリーが「ひどい」と批判される本当の理由
FF15のストーリーが批判される最大の原因は、本編が未完成のまま発売されたことにあります。
開発期間の問題や体制変更により、本来描かれるべきシナリオが大幅にカットされた状態で世に出てしまいました。
その結果、多くのプレイヤーが物語を理解できないまま、消化不良のエンディングを迎えることになったのです。
未完成のまま発売された断片的なシナリオ
FF15のシナリオは、プレイヤーを置いてけぼりにする断片的な構成になっています。
「そういうものだ」と自分で納得しながら進めなければ、最後まで疑問符が頭に浮かび続ける作りです。
なぜ六神の力が必要なのか、なぜ歴代王の力を借りなければならないのか、クリスタルとは一体何なのか。
これらの根本的な設定が本編ではほとんど説明されません。
ムービーシーンは壮大で力が入っているものの、シーンとシーンを繋ぐ部分があまりにもお粗末です。
やりたいことをやりたいときにやっただけという印象を受けるプレイヤーが多く、開発スケジュールや予算の問題が透けて見える仕上がりとなっています。
本編だけでは理解できない説明不足の設定
FF15の物語を完全に理解するには、ゲーム本編だけでは不十分です。
発売前に公開された映画「KINGSGLAIVE」やアニメ「BROTHERHOOD」を視聴していないと、キャラクターの背景や物語の前提条件がわかりません。
本来ゲーム内で描かれるべき重要なエピソードが、別メディアに分散されてしまっているのです。
さらに、開発中止となったDLCの内容は小説「The Dawn of the Future」でしか読めません。
つまり、FF15の完全なストーリーを知るためには、ゲーム、映画、アニメ、小説というすべてのメディアを追いかける必要があります。
これは一つのゲーム作品として致命的な欠陥と言わざるを得ません。
キャラクターの感情変化が唐突すぎる問題
プレイヤーから多く指摘される問題点として、キャラクターの「喋らされてる感」があります。
脚本通りにキャラクターが動かされている印象が強く、いきなり感情がヒートアップしたり、唐突に落ち込んだりします。
探索パートでは仲間と楽しく冗談を言い合っているのに、メインシナリオに入ると急に深刻なムードになる。
このギャップが激しすぎて、キャラクターに人間味を感じられないというのがプレイヤーの正直な感想です。
感情の起伏に説得力がないため、せっかくの感動シーンでも心が動かないという声が少なくありません。
ルナフレーナとのロマンス描写の致命的な不足
FF15は主人公ノクティスと婚約者ルナフレーナの物語でもあります。
しかし、二人が直接会話するシーンは驚くほど少なく、ロマンス要素はほぼ描かれていません。
幼少期の回想と手帳のやり取りだけで、プレイヤーは二人の絆を想像するしかない状態です。
ルナフレーナの死というクライマックスシーンでさえ、十分な感情移入ができないまま迎えることになります。
本来は物語の柱の一つであるはずのロマンス要素が、開発の都合でほぼ切り捨てられた形です。
彼女の存在感があまりに薄く、「ひどいロマンスストーリー」という批判が絶えない原因となっています。
悪名高いチャプター13は何がそんなにひどかったのか
FF15において最も批判を集めたのが、チャプター13「奪還」です。
「トラウマ章」とも呼ばれるこのパートは、発売当初から激しい非難を浴び、後にアップデートで改善が試みられました。
しかし、根本的な問題は解消されておらず、今でも多くのプレイヤーにとって苦痛な体験となっています。
武器封印と単独行動を強いられるストレス
チャプター13では、主人公ノクティスが仲間と離れ離れになり、単独で帝国の施設に潜入します。
さらに悪いことに、敵のアーデンによって武器召喚の力を封じられ、まともに戦えない状態に陥ります。
これまで爽快なアクションバトルを楽しんでいたプレイヤーにとって、突然の制限は大きなストレスです。
使えるのは「指輪の力」のみで、敵を倒すにも時間がかかり、テンポの悪さが際立ちます。
仲間との連携が楽しいゲームだったのに、その良さを完全に封じられた状態が延々と続くのです。
ゲーム内最長のダンジョンと唐突なホラー演出
チャプター13のダンジョンは、ゲーム内で最も長いダンジョンとなっています。
暗い通路をひたすら進み、唐突に挿入されるホラー演出に怯えながら、出口の見えない道を歩き続けます。
FFシリーズにホラー要素を期待していたプレイヤーは少なく、この方向転換は多くの人を困惑させました。
しかもダンジョン構成に変化が乏しく、同じような景色が続くため、単調さと長さが相まって苦痛が増幅されます。
ストーリー的にも重要な展開があるパートなのに、ゲームプレイとしての楽しさが完全に欠如しているのが問題です。
アップデート後も残る構造的な問題点
発売後のアップデートで、チャプター13には「グラディオルート」という別ルートが追加されました。
グラディオルートは難易度が下がり、プレイ時間も短縮されています。
しかし、グラディオルートだけを進むと、ノクトルートで起こった出来事が一切説明されません。
結局、両方のルートをプレイしないと話の全体像がわからないという、二度手間な構成になってしまいました。
アップデートはあくまで応急処置であり、チャプター13の根本的な問題を解決するには至っていません。
ストーリー理解に必須の関連作品と視聴順序
FF15の物語を十分に理解するためには、ゲーム本編以外の関連作品にも触れる必要があります。
これは本来あるべき姿ではありませんが、現実として受け入れるしかありません。
ここでは、最大限にFF15を楽しむための視聴順序とタイミングを解説します。
映画キングスグレイブで描かれる重要な前日譚
映画「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」は、ゲーム本編の前日譚を描いた作品です。
ノクティスの父であるレギス国王と、王都インソムニアの陥落が描かれます。
この映画を見ていないと、ゲーム冒頭でなぜノクティスたちが旅に出ているのか、背景がわかりません。
全編CGで制作された映像クオリティは非常に高く、映像作品としての評価は上々です。
ただし、内容的には本編に入れるべきものだったという批判も根強くあります。
ゲームを始める前に、まずこの映画を視聴することを強くおすすめします。
アニメBROTHERHOODで補完される仲間の背景
アニメ「BROTHERHOOD FINAL FANTASY XV」は、ノクティスと3人の仲間の過去を描いた短編シリーズです。
グラディオラス、イグニス、プロンプトがなぜノクティスに忠誠を誓っているのか、その理由が明かされます。
ゲーム本編では仲間たちの背景はほとんど語られないため、このアニメを見ているかどうかで印象が大きく変わります。
各話は10分程度で、YouTubeで無料公開されています。
映画よりも気軽に視聴できるので、こちらもゲーム開始前に見ておくとよいでしょう。
DLCエピソードのおすすめプレイタイミング
FF15には複数のDLCエピソードが存在し、本編では描かれなかったストーリーが補完されています。
最適なプレイタイミングは以下の通りです。
| DLC名 | おすすめタイミング |
|---|---|
| エピソード グラディオラス | チャプター8序盤(グラディオラス復帰後) |
| エピソード プロンプト | チャプター13中盤(プロンプト復帰後) |
| エピソード イグニス | 本編クリア後 |
| エピソード アーデン | 本編クリア後 |
本編の進行に合わせてDLCをプレイすることで、物語への理解と感情移入が深まります。
ロイヤルエディションを購入すれば、これらのDLCがすべて同梱されています。
小説でしか読めない本当の結末とは
FF15には当初、4本の追加DLCが予定されていました。
しかし、ディレクター田畑端氏の退社に伴い、3本が開発中止となりました。
開発中止となった「エピソード アラネア」「エピソード ルナフレーナ」「エピソード ノクティス」の内容は、小説「FINAL FANTASY XV -The Dawn Of The Future-」で補完されています。
この小説では、ゲームとは異なるもう一つの結末が描かれており、ファンからの評価は高いです。
FF15の物語を完全に知りたい場合は、この小説にも手を伸ばす必要があります。
開発の裏側から見るストーリー崩壊の原因
FF15のストーリーが不完全な理由は、開発体制の問題に根本的な原因があります。
約10年という異例の開発期間、途中での大幅な方針転換、そしてプロジェクトの突然の終焉。
これらの事情を知ることで、なぜFF15がこのような形で発売されたのかが見えてきます。
外伝から本編へ変更された異例の開発経緯
FF15は、もともと「ファイナルファンタジーXIII ヴェルサス」という外伝作品として開発が始まりました。
外伝として構想された作品だったため、パーティが男性キャラだけだったり、現代日本風の世界観だったりと、ナンバリング作品としては異色の要素が多く含まれていました。
しかしスクウェア・エニックスは、この外伝作品をFF15として発売することを決定します。
外伝として許容されていた実験的な要素が、ナンバリング作品としては奇抜すぎるものになってしまいました。
仮に内容が完璧だったとしても、賛否が分かれる作風であることは避けられなかったでしょう。
分作構想を1作に圧縮した弊害
当初のディレクター野村哲也氏は、FF15を複数作品に分けて発売することを構想していました。
現代の高品質な3Dグラフィックで長大なストーリーを描くには、1本のソフトでは収まりきらないためです。
しかし、開発体制の変更に伴い、この分作構想は破棄されます。
複数作品分のシナリオを1本に圧縮した結果、多くのイベントやエピソードが削除・改変されました。
オープンワールドで始まったゲームが後半で一本道になるのも、本来は別の作品で描かれるはずだった部分を無理やり詰め込んだ結果です。
ディレクター交代と突貫工事の実態
FF15の開発は途中で大きく体制が変わり、ディレクターが野村哲也氏から田畑端氏に交代しました。
シナリオライターの野島一成氏もチームから外れ、スタッフが大幅に入れ替わっています。
開発期間は約10年と言われていますが、体制変更後から発売までは実質2〜3年程度しかありません。
つまり、FF15は相当な突貫工事で完成に至ったことが想像できます。
成長システムの粗さやサブクエストの単調さなど、細部の完成度が低い理由はここにあります。
新旧チームの構想が衝突し、ゲームデザインにも一貫性が欠ける結果となりました。
DLC3本中止とプロジェクトの終焉
2018年11月、スクウェア・エニックスは衝撃的な発表を行いました。
制作中だったDLC4本のうち3本の開発中止と、ディレクター田畑端氏の退社です。
リリースされたのは「エピソード アーデン」のみで、残り3本は永遠に世に出ることはありませんでした。
田畑氏は後に、DLCの中止は自分の決断ではなかったと語っています。
FF15プロジェクトは未完のまま幕を閉じ、ストーリーの補完は小説という形で行われることになりました。
ファンにとっては、待ち望んでいたコンテンツが突然打ち切られた形です。
批判だけではないFF15ストーリーの評価される点
FF15のストーリーには多くの問題がありますが、高く評価されている要素も存在します。
特に4人の仲間との絆を描いた部分については、シリーズ屈指の出来という声もあります。
批判一辺倒ではない、FF15の魅力を見ていきましょう。
4人の仲間との旅と絆の描写
FF15最大の魅力は、ノクティス、グラディオラス、イグニス、プロンプトの4人で旅をする体験にあります。
広大なフィールドを愛車レガリアで走り、夜はキャンプをして、仲間と他愛のない会話を楽しむ。
この「旅をしている」という実感は、他のゲームでは味わえない唯一無二のものです。
仲間たちは移動中も常に話しかけてきますし、戦闘中も掛け合いがあります。
プロンプトが撮影した写真を夜に眺める時間は、本当に旅の思い出を振り返っているような気持ちになれます。
固定メンバーだからこそ描けた、濃密な仲間との時間がFF15にはあります。
「悪い、やっぱ辛えわ」に込められた重み
FF15で最も有名なセリフが、ノクティスの「悪い、やっぱ辛えわ」です。
このセリフは、最終決戦を前にした夜、仲間たちだけに打ち明けられた本音です。
王としての使命を果たすため、死ぬ覚悟を決めて旅を続けてきたノクティス。
しかし、やはり辛い。
その弱音を、ずっと一緒にいた3人にだけ見せたのです。
仲間たちは「そりゃつれぇでしょ」「ちゃんと言えたじゃねぇか」「聞けてよかった」と受け止めます。
逃げろとは言わない。
ノクティスの覚悟を踏みにじらずに、ただ弱音を受け入れる。
このシーンの重みは、4人と長い時間を過ごしたプレイヤーほど深く感じられます。
写真を1枚選ぶ演出が生む感動
最終決戦を前に、これまでプロンプトが撮影してきた写真の中から、たった1枚だけ選ぶ演出があります。
プレイヤーがFF15で過ごしてきた時間を振り返る、メタ的な演出です。
サブクエストをこなし、マップを探索し、寄り道をたくさんしてきたプレイヤーほど、この瞬間の感慨は深くなります。
「このクエストあったな」「ここで撮った写真だ」と、自分の旅の記憶が蘇ってきます。
選んだ1枚がエンディングで使われるため、どれを選ぶか真剣に悩むプレイヤーも多いです。
ゲームと現実の境界を曖昧にする、印象的な演出となっています。
シリーズ屈指のエンディングという評価
FF15のエンディングは、シリーズの中でも特に感動的という評価があります。
道中の問題点を吹き飛ばすほどの衝撃があるという意見も少なくありません。
仲間との最後の別れ、王としての使命を果たすノクティス、そして流れる「Stand By Me」。
すべてが完璧に噛み合った瞬間、多くのプレイヤーの涙を誘いました。
ストーリー全体の評価は低くても、エンディングだけは認めるという声は根強いです。
最高到達点はシリーズ屈指という評価は、決して誇張ではありません。
今からFF15をプレイする人への注意点とおすすめ
FF15を今からプレイしようと考えている方に向けて、知っておくべき情報をまとめます。
購入するエディションの選択や、自分に向いているかどうかの判断材料を提供します。
後悔のない選択をするための参考にしてください。
通常版とロイヤルエディションの違い
FF15を今から購入する場合、選択肢は主に2つあります。
| 項目 | 通常版 | ロイヤルエディション |
|---|---|---|
| 価格 | 安い | やや高い |
| DLCエピソード | なし | 4本すべて同梱 |
| インソムニア拡張マップ | なし | あり |
| 真・ファントムソード | なし | あり |
| ファーストパーソンモード | なし | あり |
結論として、今からプレイするならロイヤルエディション一択です。
通常版を購入してDLCを別途買うよりも、ロイヤルエディションの方がお得になります。
ストーリーを補完するDLCが含まれているため、より完成された状態でプレイできます。
ストーリー重視の人は買うべきか
FF15を買うべきかどうかは、何を重視するかによって変わります。
ストーリーの整合性や説明の丁寧さを重視する人には、正直おすすめできません。
どれだけDLCや関連作品で補完しても、本編のストーリーテリングに問題があることは変わりません。
一方で、仲間との旅や絆を楽しみたい人には、強くおすすめできます。
4人で過ごす時間の温かさは、FF15でしか味わえない唯一無二の体験です。
アクション要素を楽しみたい人にも、シフトブレイクを駆使した爽快な戦闘は満足できるでしょう。
FF16との比較でわかる向き不向き
FF15とFF16で迷っている方のために、両者を比較します。
| 項目 | FF15 | FF16 |
|---|---|---|
| ストーリー | 未完成だがエンディングは感動的 | 完成度は高いが説明が多い |
| 世界観 | 現代とファンタジーの融合 | ダークファンタジー |
| 戦闘 | 仲間との連携、簡単め | 本格アクション、爽快 |
| 自由度 | オープンワールド(後半一本道) | 基本的に一本道 |
| 旅感 | 4人の仲間との旅が高評価 | 仲間との絡みは控えめ |
| 年齢制限 | 全年齢向け | CERO D(グロ・性描写あり) |
旅をしている感覚を味わいたいならFF15、本格的なアクションRPGを楽しみたいならFF16が向いています。
家族でリビングでプレイしたい場合は、年齢制限の関係でFF15の方が安心です。
まとめ:FF15のストーリー評価と再評価の現在地
FF15のストーリーに関する重要なポイントを整理します。
- ストーリーが批判される最大の原因は未完成のまま発売されたこと
- 本編だけでは物語を理解できず関連作品の視聴が必須
- チャプター13は武器封印と長すぎるダンジョンで悪名高い
- 開発体制の問題により分作構想が1作に圧縮された
- DLC4本中3本が開発中止となり小説で補完された
- 4人の仲間との旅と絆の描写は高く評価されている
- 「悪い、やっぱ辛えわ」のシーンはプレイ時間が長いほど感動できる
- エンディングはシリーズ屈指の出来という評価がある
- 今から購入するならロイヤルエディションが必須
- ストーリー重視の人には非推奨だが旅感を楽しみたい人にはおすすめ

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