FF9リマスターはひどい?不評の理由と改善された追加要素を解説

2000年にPlayStationで発売された「FINAL FANTASY IX(以下FF9)」は、シリーズの原点回帰を掲げた名作として知られています。
しかし、現行機で遊べるリマスター版に対しては「ひどい」「ガッカリした」という声が一部で上がっているのも事実です。

かつての感動を期待して購入したプレイヤーが、なぜ不満を抱いてしまうのでしょうか。
リマスター版特有の仕様や、オリジナル版との細かな違いにその原因が隠されています。

この記事では、FF9リマスターが「ひどい」と言われる具体的な理由から、評価されている追加要素、各ハードごとの違いまで詳しく解説します。
最後まで読むことで、あなたがリマスター版を購入すべきかどうかが明確に判断できるようになります。

目次

FF9リマスターが「ひどい」と言われる5つの理由とは?

リマスター版が批判される主な理由は、現代のゲーム基準で見ると調整不足に感じられる技術的な仕様にあります。
特にグラフィックのアンバランスさや、操作性の違和感が不評の原因となっています。

背景グラフィックの低解像度とキャラ浮き問題

キャラクターやムービーが高解像度化された一方で、背景のグラフィックが当時のまま据え置かれている点が大きな違和感を生んでいます。
高精細になったジタンやビビが、ぼやけた背景の中に浮き上がって見えるため、画面全体の一体感が損なわれていると感じるプレイヤーが多いようです。

マップの細部が視認しづらく、どこが通れる道なのか判断に迷う場面も散見されます。
背景も含めたフルリメイクを期待していた層にとっては、この「ちぐはぐさ」が不評の大きな要因となりました。

バトル開始時のロード時間とテンポの悪さ

バトルの演出に入る前のロード時間が、オリジナル版と同様かそれ以上に長く感じられる点も批判の対象です。
エンカウントした瞬間、画面がホワイトアウトしてからコマンド入力が可能になるまで数秒の待ち時間が発生します。

スピーディーな戦闘に慣れた現代のプレイヤーにとって、このテンポの悪さは大きなストレスに繋がります。
特にレベル上げやアイテム収集を目的とした連続戦闘では、この数秒の積み重ねがプレイ体験を損なわせています。

スマホ版ベースのUI(ユーザーインターフェース)が操作しにくい

家庭用ゲーム機版のリマスターは、先行して配信されたスマートフォン版をベースに移植されています。
そのため、画面上のボタンが大きく、タッチ操作を前提としたUIデザインのままになっている箇所があります。

メニュー画面のレイアウトやフォントが、FF9が持つ本来の中世ファンタジーらしい情緒を壊しているという意見も少なくありません。
コントローラーで操作する場合、このスマホ向けUIは画面を占有しすぎているように映る場合があります。

アナログ移動ができない?8方向移動の制限による違和感

オリジナル版のPlayStationではアナログスティックによるスムーズな360度移動が可能でしたが、リマスター版では基本的に8方向移動へと制限されています。
これにより、キャラクターの動きがカクカクとしたぎこちないものに感じられます。

斜め方向への移動がスムーズに行えず、背景の角に引っかかるような感覚を覚えることもあります。
移動の自由度が低下したことは、探索が重要なRPGにおいて無視できないマイナスポイントとなりました。

ミニゲーム「なわとび」のラグとトロフィー取得の難易度

FF9屈指の難関ミニゲームである「なわとび」ですが、リマスター版では入力ラグの影響で難易度がさらに上がっていると感じる声があります。
特にトロフィーや実績の獲得条件である1000回達成は、リマスター版の環境では極めて困難です。

特定のタイミングでボタンを押すだけの単純なゲームゆえに、わずかな遅延が致命的なミスに繋がります。
やり込み要素を重視するファンにとって、この入力精度の不安定さは「ひどい」と感じさせる象徴的な出来事となりました。

FF9リマスター版とオリジナル版の違い・変更点まとめ

批判的な意見がある一方で、リマスター版には快適なプレイを支える多くの新機能が搭載されています。
オリジナル版の良さを守りつつ、現代的な遊び方を提案する調整が行われています。

キャラクターモデルとムービーの高解像度化

メインキャラクターや召喚獣などのポリゴンモデルは、すべて高解像度のテクスチャに作り直されています。
ジタンの表情や衣装のディテールが非常に鮮明になり、物語への没入感が高まりました。

プリレンダムービーもアップコンバート処理が施されており、大画面で見ても耐えうる画質になっています。
美しい映像で名シーンを振り返ることができる点は、リマスター版最大のメリットと言えるでしょう。

オートセーブ機能の追加による利便性の向上

リマスター版では、エリアを切り替えるごとに自動でセーブが行われる「オートセーブ機能」が追加されました。
セーブポイントを見つける前に全滅してしまった場合でも、直前のマップからやり直すことが可能です。

これにより、探索中のリスクが大幅に軽減されました。
オリジナル版では数時間の苦労が水の泡になることもありましたが、リマスター版では安心して冒険を進められます。

ポーズ画面から設定できる4つの「ブースト機能」

ゲームプレイをサポートする「ブースト機能」が4種類搭載されています。
これらはポーズメニューからいつでもオン・オフの切り替えが可能です。

  • 高速モード:移動や戦闘などのゲーム全体のスピードを数倍に加速させる。

  • エンカウントなし:ワールドマップやダンジョンでの敵との遭遇を無効化する。

  • ゲージMAX:戦闘中にHP、MP、ATB、トランスゲージが常に最大になる。

  • ダメージ9999固定:与えるダメージが常に9999に固定される。

これらの機能を活用することで、忙しい方でも短時間でストーリーを楽しむことができます。

コンフィグから変更する3つの「チート系機能」

ポーズ画面のブーストとは別に、システム設定(コンフィグ)からのみ有効化できる強力な機能が3つあります。
ただし、これらは一度使うと元に戻せず、トロフィーや実績の獲得ができなくなる点に注意が必要です。

  • アビリティーマスター:装備しているアイテムのアビリティを即座に習得する。

  • レベル魔石力MAX:全キャラクターのレベルと魔石力を最大にする。

  • ギルMAX:所持金を最大にする。

純粋に物語だけを追いたい、あるいは二周目以降のプレイで手間を省きたい場合に有効な機能です。

各ハード別の評価と現在の価格比較

FF9リマスターは、PlayStation 4、Nintendo Switch、Steam(PC)など、主要なプラットフォームすべてで展開されています。
基本の内容は同じですが、ハードごとに細かな特性や価格の違いがあります。

PS4・Switch・Steam版のスペックと違い

各ハードにおけるゲーム内容の差はほとんどありませんが、プレイスタイルによって最適な選択肢が変わります。
PS4版はトロフィー機能の収集を楽しみたい方に、Switch版は携帯モードで場所を選ばず遊びたい方に適しています。

Steam版は、後述するModを利用できる点が最大の強みです。
ハードの性能に関わらず、背景の解像度不足といったリマスター版の弱点をハードの力でカバーすることはできませんが、安定性はどの機種も高い水準にあります。

Switch版の値段とセール時の最安値は?

Nintendo Switch版の通常価格は2,547円(税込)です。
しかし、スクウェア・エニックスの定期的なセール対象になることが多く、その際は50%オフから60%オフの価格で購入可能です。

項目 内容
通常価格 2,547円
セール時目安 約1,018円〜1,273円
ダウンロード容量 約5.0GB

セール期間中であれば、非常にコストパフォーマンスの高いタイトルとなります。

PC(Steam)版のみで可能な「Mod」によるグラフィック改善

Steam版の大きな特徴として、有志が作成した「Moguri Mod」などの拡張機能を利用できる点が挙げられます。
これは、リマスター版で不評だった背景グラフィックをAI技術で高精細化し、本来の美しさを取り戻すModです。

公式ではありませんが、導入することで背景とキャラクターの違和感が解消され、究極のFF9リマスターへと進化します。
PCでのプレイ環境がある場合は、この拡張性を考慮してSteam版を選ぶのが最も賢い選択と言えるかもしれません。

リマスター版を快適に遊ぶための「ブースト機能」活用術

リマスター版を「ひどい」と感じないためには、搭載されているブースト機能を適切に使うことが鍵となります。
オリジナル版のバランスを崩しすぎず、かつストレスを排除する活用法を紹介します。

高速モードで戦闘や移動のストレスを解消する方法

高速モードは、リマスター版で最も推奨される機能の一つです。
前述したバトル開始時のロード待ちや、キャラクターの歩行速度の遅さを劇的に改善してくれます。

レベル上げの作業時間を短縮するだけでなく、演出の長い召喚魔法のシーンも素早く終わらせることが可能です。
ストーリーのテンポを崩さずに、現代的なスピード感で楽しむためには欠かせない機能です。

エンカウントなし機能でストーリーをサクサク進める

ダンジョンの仕掛けを解いている最中や、街から街へ移動するだけの時にエンカウントなし機能が役立ちます。
「今は戦いたくない」というプレイヤーの意思を反映できるため、探索のストレスが大幅に軽減されます。

特に、HPが削られてピンチの状態でセーブポイントまで走る際など、戦略的にオン・オフを切り替えるのがおすすめです。

ダメージ9999固定やゲージMAX機能を使うべき場面

これらの強力なブーストは、基本的には使用を控えたほうがゲーム本来の楽しさを損ないません。
しかし、どうしても勝てないボスに遭遇した時や、純粋に物語の結末を早く見たいという場合には心強い味方になります。

かつてオリジナル版を遊び尽くした人が、ストーリーの再確認のために短時間でクリアしたいという場面において、これらの「公式チート」は非常に有用なツールとなります。

ひどいという評価の一方で「やはり名作」と絶賛される理由

技術的な不満が多く聞かれる一方で、FF9という作品そのものへの評価は今なお揺るぎません。
リマスター版であっても、その根幹にある「魂」は多くのプレイヤーを魅了し続けています。

ビビを中心に描かれる「生と死」の深いストーリー

FF9の物語は、黒魔導士の少年ビビの成長と葛藤が中心的な役割を果たしています。
「自分の命には限りがある」という残酷な真実に直面した彼が、どのようにして自分の存在意義を見出していくのかというテーマは、大人の鑑賞に耐えうる深みを持っています。

ジタンやガーネットも、それぞれの悩みや出生の秘密を抱えながら、懸命に「生きる」ことを選択していきます。
この普遍的で重厚なシナリオこそが、FF9が不動の人気を誇る最大の理由です。

植松伸夫氏によるFFシリーズ屈指のBGMと主題歌

音楽を担当した植松伸夫氏が「自身の最高傑作の一つ」と語る通り、BGMの質は極めて高いです。
メインテーマ「いつか帰るところ」や、主題歌「Melodies Of Life」は、聴くだけで涙が出るというファンも少なくありません。

リマスター版では音源が劣化することなく収録されており、名シーンを彩る旋律がプレイヤーの感情を強く揺さぶります。
音楽だけでもプレイする価値があると言われるほど、そのクオリティは圧倒的です。

原点回帰した王道ファンタジーの世界観とキャラクターの魅力

近未来的な要素が強かった前二作(FF7、FF8)から一転し、FF9は騎士や魔法、お城といった王道のファンタジー世界を描いています。
絵本のような温かみのあるグラフィック(背景)は、当時多くのプレイヤーに安らぎを与えました。

個性的でありながら人間味あふれるパーティーメンバーたちも魅力です。
最初は反目し合っていたジタンとスタイナーが、旅を通じて信頼を築いていく過程など、群像劇としての面白さも詰まっています。

エンディングの考察と24年経っても色あせない感動

FF9のエンディングは、シリーズの中でも屈指の完成度と満足度を誇ります。
物語のすべての伏線が回収され、キャラクターたちが導き出した「生きる」ことへの答えが提示される瞬間は圧巻です。

リマスター版で初めてエンディングを迎える読者も、最後には技術的な不満を忘れ、物語の余韻に浸ることでしょう。
この感動を共有できるからこそ、多少の不備があっても「プレイして良かった」という評価に落ち着くのです。

【結論】FF9リマスターは買うべき?おすすめできる人とできない人

FF9リマスターは、決して完璧な作品ではありません。
あなたの期待するポイントによって、満足度は大きく左右されます。

古き良きRPGのテンポを楽しめるなら「買い」

多少の不備やロード時間の長さを「昔のゲームらしさ」として許容できる方には、自信を持っておすすめできます。
むしろ、ブースト機能のおかげでオリジナル版よりも遥かに遊びやすくなっている面もあります。

ストーリー、音楽、世界観の3要素においては、今なおJRPGの頂点に位置する作品の一つです。
セール時の安価なタイミングであれば、買って後悔するリスクは極めて低いと言えます。

最新のフルリメイク品質を期待するなら注意が必要

FF7リメイクのような、グラフィックもシステムも一新された現代基準のゲームを期待している方は注意が必要です。
本作はあくまで「当時のゲームを現在のハードで動かせるようにしたリマスター」に過ぎません。

背景の解像度不足や8方向移動の制限など、古臭さを感じる部分は確実に存在します。
それらを「ひどい」と感じてしまう可能性があるなら、購入前にプレイ動画などで実際の画面を確認しておくべきです。

今からFF9をプレイするならどのハードが最適か?

利便性とクオリティのバランスで選ぶなら、以下の基準が目安となります。

  • 背景の解像度を究極まで高めたい:Steam版(Mod導入前提)

  • 外出先やベッドの上で気軽に遊びたい:Nintendo Switch版

  • 最も安価なセール価格を狙いたい:PS4版 または Switch版

特にこだわりがなければ、セールの頻度が高く、携帯性も兼ね備えたNintendo Switch版が最もバランスが取れています。

FF9リマスターに関するよくある質問

購入前に解消しておきたい、よくある疑問点にお答えします。

スマホ版ベースのUI(ユーザーインターフェース)が操作しにくい

前述の通り、メニュー画面などがスマートフォン向けに最適化されているため、コントローラー操作では少し大きく感じられます。
しかし、これによってゲームの進行が不可能になるようなことはありません。
数時間プレイすれば慣れる程度の問題ですので、過度に心配する必要はないでしょう。

追加要素でストーリーに変更はある?

ストーリーの内容や結末に変更は一切ありません。
リマスター版で追加されたのは、あくまでシステム面のブースト機能やグラフィックの改善、オートセーブなどです。
オリジナル版の物語を忠実に再現しているため、昔のファンも安心してプレイできます。

FF9のリメイク版が出るという噂は本当?

近年、FF9のフルリメイクに関する噂が国内外で絶えません。
しかし、現時点でスクウェア・エニックスからの公式な発表はありません。
リメイクを待つのも一つの手ですが、今の物語を体験するのであれば、このリマスター版が唯一かつ最新の選択肢となります。

まとめ:FF9リマスターが「ひどい」と言われる真相と作品の本質

  • 背景の解像度不足やロード時間の長さが主な「ひどい」と言われる原因である

  • キャラクターモデルやムービーは高解像度化されており非常に美しい

  • 高速モードやオートセーブなどのブースト機能で遊びやすさは向上している

  • 操作系がスマホ版ベースのため、アナログ移動やUIに違和感がある

  • ストーリー、音楽、キャラクターの魅力は今なおシリーズ最高峰である

  • ビビを中心に描かれる「生と死」のテーマは現代でも深く心に響く

  • Steam版ではModを利用することで背景グラフィックを改善できる可能性がある

  • セール期間中であれば1,000円程度で購入でき、コスパは非常に高い

  • フルリメイクではなく、当時の体験を現代に持ち込むためのリマスターである

  • 技術的な不備を差し引いても、物語の感動は体験する価値が十分にある

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