ポケモンSVのランクマッチで「グライオン」に手も足も出なかった経験はないでしょうか。
まもるとみがわりを交互に繰り返しながら、毒ダメージでじわじわと削られていく――いわゆる「みがまも」戦術は、対策を知らないと一方的に完封されてしまう厄介な戦法です。
一方で、自分がグライオンを使いこなせれば、ランクマッチの勝率を大きく引き上げる武器にもなります。
この記事では、グライオンの基本的な種族値や特性から、育成論、おすすめのテラスタイプ、具体的な対策ポケモンまでを網羅的に解説していきます。
グライオンを「使う側」にも「倒す側」にも役立つ情報を、ぜひ最後までご覧ください。
グライオンの基本情報|種族値・タイプ・特性
グライオンは第四世代(ダイヤモンド・パール)で初登場した「じめん/ひこう」複合タイプのポケモンです。
ポケモンSVではDLC「ゼロの秘宝 前編・碧の仮面」で使用可能になりました。
同じタイプ複合を持つポケモンはランドロスだけであり、非常に希少な耐性を持っています。
種族値と特徴
グライオンの種族値は以下のとおりです。
| ステータス | 種族値 | 順位の目安 |
|---|---|---|
| HP | 75 | 約328位 |
| 攻撃 | 95 | 約280位 |
| 防御 | 125 | 約38位 |
| 特攻 | 45 | 約723位 |
| 特防 | 75 | 約368位 |
| 素早さ | 95 | 約192位 |
| 合計 | 510 | ― |
防御種族値125が突出しており、物理方面の耐久に優れていることがわかります。
攻撃と素早さはともに95と中程度で、火力よりも耐久と搦め手を活かす戦い方が主流です。
特攻は45と極端に低いため、特殊技を採用する意味はほとんどありません。
タイプ相性
じめんとひこうの複合タイプにより、独特の耐性を持っています。
| 相性 | タイプ |
|---|---|
| 4倍弱点 | こおり |
| 2倍弱点 | みず |
| 半減 | かくとう、どく、むし |
| 無効 | でんき、じめん |
でんきとじめんを完全に無効化できる点は非常に優秀です。
物理アタッカーに多いかくとうタイプも半減で受けられるため、物理受けとしての適性が高いといえます。
ただし、こおりタイプの技が4倍弱点となる点は常に意識しなければなりません。
環境にはこおり技を持つポケモンが多く、不用意に居座ると一撃で倒されるリスクがあります。
特性の比較
グライオンが持つ3つの特性を整理します。
| 特性名 | 種別 | 効果 |
|---|---|---|
| かいりきバサミ | 通常特性 | 相手の技や特性で攻撃ランクを下げられない |
| すながくれ | 通常特性 | 砂嵐時に回避率が1.25倍になり、砂嵐ダメージも受けない |
| ポイズンヒール | 隠れ特性 | 毒・猛毒状態のとき、ダメージを受けず毎ターン最大HPの1/8を回復する |
対戦で採用されるグライオンの大半が隠れ特性のポイズンヒールを選んでいます。
毒状態でダメージを受けるどころか回復に変換してしまうこの特性は、グライオンの戦術の根幹を支える最重要要素です。
かいりきバサミは起点作り型で稀に見かける程度で、すながくれは実用面でほぼ採用されていません。
グライオンの入手方法と進化条件
ポケモンSVでグライオンを手に入れるには、進化前のグライガーから育てる方法が基本です。
グライガーはDLC「碧の仮面」の舞台であるキタカミの里に野生で出現します。
進化に必要な条件
グライガーをグライオンに進化させるには、2つの条件を同時に満たす必要があります。
1つ目は、グライガーに「するどいキバ」を持たせることです。
2つ目は、ゲーム内の時間帯が「夜」のときにレベルアップさせることです。
昼間にいくらレベルを上げても進化しないため、時間帯の確認を忘れないようにしましょう。
するどいキバの入手方法
するどいキバは、キタカミ図鑑を110匹以上登録した際の図鑑報酬として受け取ることができます。
入手手段が限られているため、DLCのストーリーを進めながら図鑑埋めを並行して行うのが効率的です。
なお、隠れ特性のポイズンヒールを持つグライガーを用意するには、テラレイドバトルで夢特性「めんえき」のグライガーを捕まえる方法が一般的です。
ポイズンヒールが強い理由|グライオンの核心
グライオンが対戦環境で高い評価を受けている最大の理由は、隠れ特性ポイズンヒールの存在にあります。
通常、毒状態になったポケモンは毎ターンHPが減少していきます。
しかしポイズンヒールを持つグライオンは、毒によるダメージを受けないばかりか、毎ターン最大HPの1/8を回復するという破格の恩恵を得られるのです。
たべのこしを超える回復量
たべのこしの回復量は毎ターン最大HPの1/16ですが、ポイズンヒールはその2倍にあたる1/8を回復します。
しかも持ち物の枠は「どくどくだま」で埋まるものの、回復アイテムを別途持たせる必要がない点も大きなメリットです。
実質的に、毎ターン自動で高い回復ソースを確保できている状態になります。
状態異常への耐性
自ら毒状態になるため、やけどやねむりといった他の状態異常にかからなくなります。
物理アタッカーにとって致命的な「おにび」による攻撃半減を受けないのは非常に心強い利点です。
また、相手からの「どくどく」も自分がすでに毒状態であるため無効化できます。
こうした副次的な効果により、単なる回復手段を超えた防御的なメリットを複数同時に享受できるのがポイズンヒールの強みです。
グライオンの育成論|ポイヒみがまも型
ランクマッチで最も多く見かけるグライオンの型が、ポイズンヒールとみがまもを組み合わせた耐久型です。
どくどくだまで自ら毒状態になり、まもるとみがわりを交互に使うことで、HPを減らさずに相手を毒ダメージで削り続ける戦術を得意としています。
基本の型(HB特殊受け意識)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 特性 | ポイズンヒール |
| 性格 | わんぱく(防御↑ 特攻↓) |
| 持ち物 | どくどくだま |
| テラスタイプ | みず |
| 努力値 | HP228 / 防御36 / 特防244 |
| 技構成 | まもる / みがわり / どくどく / じしん |
HPの実数値を179(16n+3)に調整することで、まもるで1ターン、みがわりで1ターンの計2ターンで消費するHPとポイズンヒールの回復量がちょうど釣り合います。
この調整により、みがわりを何度でも出し続けられる「無限ループ」が成立するのです。
技構成の意図
まもるは初ターンにどくどくだまを安全に発動させる役割に加え、以降のターン稼ぎにも使います。
みがわりは相手の変化技や交代を透かしつつ、身代わり越しに安全にどくどくを当てたり、攻撃したりするために欠かせません。
どくどくは相手に猛毒を入れるためのメインウェポンで、毒が入った時点で「まもる⇔みがわり」を繰り返すだけで相手のHPをゼロにできます。
じしんは毒が効かないどくタイプやはがねタイプへの打点として採用されています。
みずテラスタイプの意義
みずテラスタイプを選ぶことで、本来の弱点であるこおりタイプとみずタイプの技をどちらも半減に抑えられます。
弱点が少ない単タイプになるため、みがまもループの継続力がさらに高まるのが魅力です。
ただし、フリーズドライだけはみずタイプに対しても抜群で通ってしまうため、この点には注意が必要です。
グライオンの育成論|悪テラス最速型
近年のメタゲームの変化に対応した、もう一つの主流型が悪テラスの最速型です。
グライオン対策として広まった「サイコノイズ」を無効化できる点が最大のセールスポイントになっています。
基本の型
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 特性 | ポイズンヒール |
| 性格 | ようき(素早さ↑ 特攻↓) |
| 持ち物 | どくどくだま |
| テラスタイプ | あく |
| 努力値 | HP228 / 特防28 / 素早さ252 |
| 技構成 | まもる / みがわり / どくどく / じごくづき |
素早さに全振りすることで、同族のグライオンミラーやコノヨザルなどの90族に先手を取れるようになります。
じごくづきを採用すると、悪テラスタイプの恩恵で威力が上がるだけでなく、相手の音技を2ターン封じる追加効果も得られます。
サイコノイズへのメタ
サイコノイズはエスパータイプの音技で、みがわりを貫通しつつポイズンヒールによる回復を封じるため、グライオンにとって最大級の天敵とされています。
悪テラスタイプに変えることで、エスパー技であるサイコノイズを完全に無効化できるようになります。
メタゲームが進むほど相手のパーティにサイコノイズが仕込まれるケースが増えているため、悪テラス型の価値は上昇傾向にあります。
みず型との使い分け
みずテラス型はこおり技やみず技に強い反面、サイコノイズには無力です。
一方で悪テラス型はサイコノイズを封じられるものの、こおり技やみず技への耐性は元のまま変わりません。
パーティ全体の構成や想定する仮想敵に応じて、どちらのテラスタイプを採用するか判断することが重要です。
グライオンのおすすめテラスタイプ一覧
テラスタルはグライオンの運用を大きく左右する要素です。
みずと悪以外にも有力な選択肢が存在するため、主要なテラスタイプの特徴を整理します。
| テラスタイプ | 主な利点 | 注意点 |
|---|---|---|
| みず | こおり・みず技を半減、弱点が少ない | フリーズドライは抜群で通る |
| あく | サイコノイズを無効化、じごくづきの火力強化 | こおり・みず弱点がそのまま残る |
| はがね | こおり半減、ほとんどの連続技・音技に耐性 | どくどくだま発動前に注意(毒状態になれない)、フレアソングに弱い |
| ほのお | こおり半減、やけど無効 | みず技が一貫する |
| でんき | 弱点がじめんのみ | 打点となる電気技が乏しい |
はがねテラスタイプは耐性の数が非常に多く、連続技に対しても強くなれる選択肢として注目されています。
ただし、はがねや毒テラスタイプの場合、テラスタル中はどくどくだまによる毒状態が成立しません。
事前にどくどくだまが発動してから(毒状態になってから)テラスタルを切るという順序を守る必要があります。
グライオンのランクマッチでの使用率と環境での立ち位置
グライオンはポケモンSVの対戦環境において、一般ポケモンの中で屈指の使用率を誇っています。
シングルバトルでの推移
DLC「碧の仮面」で解禁された当初、グライオンの使用率は決して高くありませんでした。
はねやすめやハサミギロチンを失ったことで、過去世代ほどの汎用性はないと見なされていたのです。
しかし、受けサイクル構築の需要が高まるにつれて徐々に採用率が上昇していきました。
禁止伝説2体が使えるルールになった2025年前半には、シーズン31の上位帯で5位に入る高い採用率を記録しています。
2026年3月時点のシーズン40でも、シングルバトルで17位前後を維持しており、安定してTOP20圏内に居続けています。
ダブルバトルでは不向き
一方、ダブルバトルではグライオンの使用率はほぼ圏外です。
みがまも戦術はシングルバトルの1対1の状況で真価を発揮するものであり、2対2で集中攻撃を受けやすいダブルバトルとは相性が良くありません。
グライオンを使うなら、シングルバトルでの運用が基本だと考えておきましょう。
伝説ルールで需要が急増した背景
禁止伝説が使えるルールでは、コライドンやミライドンといった超高火力のポケモンが環境を支配します。
こうした環境では、対面構築だけでなく受け回し構築の価値が相対的に上がります。
グライオン自身の性能は変わっていないにもかかわらず使用率が跳ね上がったのは、環境全体の構築バランスがグライオンに追い風となったためです。
グライオンの対策方法|倒し方を知れば怖くない
グライオンのみがまも戦術は強力ですが、対策方法をしっかり理解していれば突破は十分に可能です。
連続技でみがわりを貫通する
みがわりを壊しながら本体にもダメージを与えられる連続技は、グライオンにとって最も厄介な攻撃手段です。
つららばりはこおり4倍弱点を突けるため、テラスタルされなければほぼ確実に倒せます。
連撃ウーラオスのすいりゅうれんだも、みず弱点かつ確定3回ヒットのため非常に有効な対策です。
音技でみがわりを無視する
音技はみがわりを貫通して直接本体にダメージを与えられます。
特にサイコノイズは、命中した相手のHP回復を2ターン封じる追加効果があり、ポイズンヒールの回復すら止めてしまいます。
ハバタクカミやテツノツツミなどが搭載していることが多い技です。
ただし前述のとおり、悪テラスタイプのグライオンにはサイコノイズが無効化されてしまう点は覚えておきましょう。
ちょうはつで変化技を封じる
まもる・みがわり・どくどくはすべて変化技であるため、ちょうはつを先に撃てればグライオンの戦術は完全に崩壊します。
グライオンより速いポケモンでちょうはつを打てる状況を作れれば、一気に有利になれるでしょう。
フリーズドライで水テラスごと突破する
みずテラスタイプに変化したグライオンに対して、通常のこおり技は半減されてしまいます。
しかしフリーズドライはみずタイプに対しても抜群で通る特殊なこおり技であるため、テラスタルの上からでも大きなダメージを期待できます。
テツノツツミやラプラスなど、フリーズドライを習得するポケモンはグライオン対策として特に重宝されています。
おすすめの対策ポケモン
| ポケモン名 | 有効な対策手段 |
|---|---|
| 連撃ウーラオス | すいりゅうれんだ(連続技+水弱点) |
| パオジアン | つららばり(連続氷技+高速) |
| ガチグマ(アカツキ) | ブラッドムーン(高火力特殊技) |
| テツノツツミ | フリーズドライ(水テラス貫通) |
| ハバタクカミ | サイコノイズ(回復封じ)、ムーンフォース |
上記のポケモンをパーティに1体でも組み込んでおくことで、グライオン入りの構築に対する勝率を大きく改善できます。
グライオンと相性が良いパートナーポケモン
グライオンを自分のパーティで使う場合、弱点を補完できる相方を用意することが不可欠です。
ドヒドイデとの鉄板コンビ
グライオンが苦手とする高火力の特殊アタッカーを、ドヒドイデの高い特殊耐久と特性「さいせいりょく」で受け流すことができます。
ドヒドイデは毒タイプを持つため、相手のどくびしを回収する役割も担えます。
この2体を軸にした受けサイクルは、ランクマッチの上位帯でも非常に高い完成度を誇る組み合わせです。
てんねん持ちのポケモン
グライオンがまもるを使ったターンに、相手が積み技で能力を上げてくるケースは少なくありません。
ヘイラッシャやドオーといった特性「てんねん」を持つポケモンを控えに置いておけば、積み技を無視して受け出しが可能です。
ママンボウ・キョジオーン
ママンボウは「みがわり」を持たせたサイクル型として、グライオンと交互に出し入れする戦術が成立します。
キョジオーンも高い耐久で詰ませ性能に優れており、受け構築全体の安定感を底上げしてくれます。
グライオンの注意点とデメリット
強力なグライオンにも明確な弱点や注意すべきポイントがあります。
使う側として把握しておくことで、不利な状況を避けやすくなるでしょう。
技のバリエーションが限定的
ポケモンSVでは、過去世代で使えたはねやすめとハサミギロチンが習得不可になりました。
これにより、まもる・みがわり・どくどく・攻撃技1枠という構成にほぼ固定されてしまっています。
型が読まれやすく、相手に的確な対策を取られるリスクが高い点は無視できません。
素早さ95族は微妙なライン
素早さ95は環境全体で見ると中速に位置し、上から殴られる場面が多々あります。
自分より速いポケモンに対してはみがまものループが成立しないため、先手を取られるだけで戦術の根幹が揺らぎます。
最速にすることでミラーや90族には勝てるものの、耐久を犠牲にする必要があるためトレードオフの判断が求められます。
特殊耐久の低さ
特防75は数値として心もとなく、特殊アタッカーの一致高火力技を受けると大きなダメージを負います。
ガチグマ(アカツキ)のブラッドムーンやハバタクカミのムーンフォースなどは、努力値で補強しても耐えきれないケースが珍しくありません。
どくどくが効かない相手への火力不足
はがねタイプやどくタイプにはどくどくが通りません。
じしんで弱点を突けるはがねタイプはまだ対処しやすいものの、攻撃種族値95の無振りでは火力が不十分な場面もあります。
特にサーフゴーは「おうごんのからだ」でどくどくを無効化しつつ、はがねタイプでじしんの通りも悪くないため、グライオンにとって非常に厳しい相手です。
TOD(時間切れ勝ち)への依存
みがまも戦術は試合時間を大幅に消費します。
毒ダメージで相手を倒しきれない場合、残りHP割合の多い方が勝つTOD決着に持ち込むことも少なくありません。
対戦における時間管理が苦手なプレイヤーにとっては、この特殊な勝ち筋に慣れるまで時間がかかるかもしれません。
まとめ:ポケモンSVグライオンの育成と対策ガイド
- グライオンはじめん/ひこう複合タイプで、防御種族値125を活かした物理受けが得意なポケモンである
- 隠れ特性ポイズンヒールが最大の強みで、毒状態で毎ターン最大HPの1/8を回復できる
- まもるとみがわりを交互に繰り返す「みがまも」戦術により、低速ポケモンをほぼ完封できる
- 進化にはグライガーに「するどいキバ」を持たせて夜にレベルアップさせる必要がある
- 主流の型は「みずテラスHB型」と「悪テラス最速型」の2パターンが存在する
- 悪テラスタイプはグライオンの天敵であるサイコノイズを無効化できるメタとして注目されている
- シーズン40のシングルバトルで17位前後を維持しており、一般ポケモンとしてはトップクラスの採用率を誇る
- 連続技(つららばり・すいりゅうれんだ)や音技、ちょうはつが明確な対策手段となる
- パートナーにはドヒドイデやてんねん持ちなど、グライオンの弱点を補完できるポケモンが必須である
- はねやすめとハサミギロチンの没収により技構成がほぼ固定化されており、型が読まれやすい点がデメリットである

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