ゼノブレイドクロスをクリアした後、多くのプレイヤーが抱える最大の疑問。
それは「主人公は一体何者なのか」という問いではないでしょうか。
記憶喪失の理由、本来の姿、なぜアレスを動かせるのか。
Wii U版では謎のまま終わり、2025年3月発売のDE版(ディフィニティブエディション)でも完全には明かされなかった主人公の正体は、ネタバレを含む考察の世界でいまなお活発に議論されています。
この記事では、作中で判明している公式情報を整理したうえで、追加ストーリー第13章の内容や各種考察を網羅的にまとめました。
主人公の正体にまつわる伏線を一つひとつ読み解きながら、現時点で導き出せる答えに迫っていきます。
なお、記事の性質上、ゼノブレイドクロスおよびDE版の重大なネタバレを多数含みますのでご注意ください。
ゼノブレイドクロスの主人公とは何者か
ゼノブレイドクロスの主人公は、プレイヤー自身の分身として外見・性別・名前を自由に設定できるアバターキャラクターです。
物語の冒頭、惑星ミラの「原初の荒野」に落下していた救命ポッドの中から、エルマによって救出される形で登場します。
目覚めた時点で一切の記憶を失っており、自分が誰なのか、どこから来たのかすら分かりません。
その後、民間軍事組織「ブレイド」に入隊し、エルマチームの一員として活動を開始します。
公式なデフォルトネームは存在せず、海外のデモプレイで使用された「クロス」という名称が便宜上使われることがあるものの、正式名称ではありません。
ストーリー上ではエルマがチームリーダーとして物語を牽引するため、主人公は実質的に「もう一人の主人公」あるいは「傍観者」に近い立場で進行します。
この仕様は、開発途中でオンライン要素を導入する際、固定キャラクターからアバターへ変更する「大工事」が行われた結果であることが公式インタビューで明かされています。
主人公がミメオソーマであるという衝撃の事実
物語の序盤で最も衝撃的な展開の一つが、第5章で明らかになる「ミメオソーマ」の真実です。
ミメオソーマとは、人間の意識データを転送して動かす機械の義体を指します。
略称は「B.B.」で、ニューロサンゼルス(NLA)の住人は全員、生身の肉体ではなくこのミメオソーマで活動しています。
本来の肉体はセントラルライフ(ライフホールド・コア)の中に冷凍保存されており、そこから無線信号のように意識が送られている仕組みです。
主人公もまた例外ではなく、忘却の渓谷での戦闘中に左腕を切断された際、傷口から流れ出たのは血液ではなく機械部品と青白い液体でした。
ここで重要なのは、NLAの住人には「元となる本物の肉体」がセントラルライフに存在するはずだという点です。
しかし主人公の本来の姿については、作中で一切の手がかりが示されません。
記憶喪失であること、そして本来の肉体に関する情報が完全に欠落していることが、主人公の正体をめぐる最大の謎の出発点となっています。
セントラルライフのデータ全損が意味するもの
Wii U版の最終盤、第12章のクライマックスで判明するのが「セントラルライフのデータは既に全損していた」という衝撃の事実です。
ミラへの墜落時の衝撃により、ライフホールドの記憶媒体は数か月前に完全に破壊されていました。
本来の仕組みであれば、データが消えた時点でミメオソーマへの意識転送は途絶え、NLAの住人は全員活動を停止しているはずです。
にもかかわらず、主人公を含む人類は思考し、感情を持ち、戦い続けていました。
Wii U版ではこの矛盾に対して明確な答えが示されず、エルマが「この星そのものが私たちの意識を繋ぎ止めているのかもしれない」と仮説を口にしただけで物語は幕を閉じています。
この謎は主人公の正体と深く結びついています。
仮に主人公の本来の肉体がセントラルライフに存在していなかったとすれば、データ全損の影響を受けない理由も説明がつくためです。
セントラルライフに「元の自分」がいない存在とは何か。
この問いこそが、主人公の正体を考察するうえでの核心的な論点と言えるでしょう。
DE版追加ストーリーで判明した新事実
2025年3月に発売されたDE版では、追加ストーリーとして第13章が前編・中編・後編の三部構成で収録されました。
ここでは、Wii U版で残された多くの謎に回答が示されています。
まず、黒幕「ヴォイド」の正体が古代文明サマールの天才科学者であることが判明しました。
ヴォイドは高次元エネルギー機関「コンデュイット(ゲート)」を研究し、超兵器「アレス」や「ヴィータ」を開発した人物です。
しかしアレスの力は宇宙の理を歪め、結果として宇宙の免疫システムとも呼べる「ゴースト」を呼び寄せてしまいました。
地球を消滅させた真の原因は、グロウスではなくゴーストだったのです。
ヴォイドとアレスが存在する場所にゴーストが出現し、世界ごと破壊されるという因果の連鎖が明かされました。
また、Wii U版のエンディング後に浜辺で目覚めたラオや、フードの人物「黒騎士」の正体も解明されています。
黒騎士は「アル(アロイス・ブルノルト)」という少年で、白鯨を守るためにオリジナル・アレスで戦った伝説の「英雄」そのものでした。
次元の狭間を漂流した後にミラへ帰還し、主人公たちと合流してヴォイドとの最終決戦に臨みます。
「英雄」アルと主人公の深い関係性
第13章で登場するアルは、物語上で主人公と最も深い関係性を持つキャラクターです。
アルは主人公に対して「未来のヒーロー」という呼び方をしており、自分が倒れたとしても「未来を託すことができる存在」だと明言しています。
第13章後編のタイトルが「英雄」であることも、主人公の特別な立ち位置を暗示する要素として見逃せません。
加えて、裏ボス戦では主人公がアレスを操縦するという展開があります。
アレスはアルにしか動かせないはずの機体であり、操縦にはサマールの血を引く英雄としての資質が求められます。
にもかかわらず主人公がアレスを起動できた事実は、主人公が「ただの地球人」ではないことを強く示唆しているのです。
アルが主人公の記憶喪失について意味深に問いかける場面もあり、アルは主人公の正体について何かを知っている、あるいは察しているような描写が確認できます。
ただし、作中ではアルが答えを直接語ることはなく、プレイヤーの考察に委ねる形で物語は進みます。
主人公の記憶喪失はなぜ解明されなかったのか
主人公が記憶を失っている理由は、DE版を含めても公式に回答が示されませんでした。
Wii U版の時点では「アバター主人公を物語に組み込むための便宜的な設定」と解釈するプレイヤーも多く、深い意味を持たないゲームデザイン上の都合だと考えられていました。
しかしDE版の追加ストーリーで、アルが主人公の記憶喪失について明確に言及する場面が追加されたことで、物語上の意味を持つ設定であることが確定しています。
考察の観点からは、記憶がないこと自体が主人公の正体に関わる最大のヒントと読み取れます。
NLAの他の住人は地球での記憶を保持しているのに対し、主人公だけが完全に白紙であるという異常性は、主人公のミメオソーマに転送された意識が「地球にいた誰かの記憶」ではない可能性を示しています。
つまり「思い出す記憶そのものが最初から存在しない」という仮説が成り立つのです。
この点は後述する各種考察においても最重要の論点として扱われています。
宇宙の深淵と意識のシステムから読み解く正体
DE版の追加ストーリーで最も壮大なスケールで語られたのが、「宇宙の深淵」と呼ばれる概念です。
アルの説明によれば、地球が存在する世界のさらに外側には、全宇宙のすべての意識が蓄積された深淵が存在しています。
セントラルライフが破壊されていたにもかかわらず人類が活動を続けられたのは、この深淵からミメオソーマへ直接意識が供給されていたためと解釈できます。
人類はセントラルライフを通じて意識を転送していたつもりでしたが、実際にはより大きなシステムが機能していたわけです。
この設定は主人公の正体を考えるうえで極めて重要な手がかりとなります。
深淵が全宇宙の意識の集合体であるならば、そこから新たな意識を生み出すことも理論上は可能です。
主人公の意識が「地球にいた特定の人物の記憶」ではなく「深淵から新たに形成されたもの」であれば、記憶がないこと、本来の肉体がセントラルライフに存在しないこと、そしてアレスを操縦できることのすべてに整合性が生まれます。
有力な考察を3つの仮説から比較する
主人公の正体については、ファンの間でいくつかの有力な仮説が提唱されています。
ここでは代表的な三つの考察を比較してみましょう。
一つ目は「ミラが生み出した英雄の器」という説です。
惑星ミラ、すなわち意識の深淵が、危機に瀕した人類を救うために集合無意識の中から新たな「英雄の器」を形成したという考え方で、主人公にはアルと同様の英雄的資質が備わっている理由を最もよく説明できます。
アレスを操縦できる点や、アルから「未来のヒーロー」と呼ばれる点とも整合します。
二つ目は「プレイヤー自身がメタ的に介入している存在」という説です。
主人公の行動をプレイヤーが決定するという仕組みそのものが設定に組み込まれており、主人公には地球での記憶がないのではなく、そもそもゲームの外からやってきた意識だから記憶が存在しないという解釈です。
クリア後考察では「ゼノブレイド3で未来を託された七人目はプレイヤー自身ではないか」という指摘もあり、シリーズを横断するメタ構造として成立する説と言えます。
三つ目は「最初から人間ではなかった」という説です。
主人公はミラの不思議な力によって生み出された存在であり、ミメオソーマに人格が宿ったのもミラの干渉によるものだという考え方です。
海外のファンコミュニティでも古くから提唱されている説で、セントラルライフとの無関係性を最もシンプルに説明できます。
| 仮説 | 記憶喪失の説明 | アレス操縦の説明 | 弱点 |
|---|---|---|---|
| ミラが生み出した英雄の器 | 新たに形成された意識のため記憶がない | 英雄の資質を持って生まれた | 公式に明言されていない |
| プレイヤー自身のメタ的存在 | ゲーム外の意識なので記憶が存在しない | メタ的な主人公補正 | 物語内の論理で完結しない |
| 最初から人間ではない存在 | 人間としての過去がないため | ミラの力による特殊能力 | 具体的な正体が不明のまま |
いずれの説も作中の描写と矛盾しない部分を持ちつつ、公式に確定されてはいません。
現時点では、複数の仮説を重ね合わせて読み解くのが最も妥当なアプローチでしょう。
エルマの正体との比較で見える主人公像
主人公の正体を考察するうえで、エルマとの比較は欠かせない視点です。
エルマの正体はDE版で完全に確定しており、古代文明サマールの正統な末裔である異星人であることが明かされました。
本来の姿は銀髪に褐色の肌を持つ美しい姿で、人類を守るために約30年前に地球へ降り立ち、ミメオソーマに意識を転送して地球人として活動していたのです。
エルマの場合、地球での30年間の記憶があり、自分の正体も自覚しています。
セントラルライフには彼女の地球人としてのデータが登録されていますが、本来の肉体はサマールのものです。
一方、主人公には記憶も自覚もなく、セントラルライフに本来の肉体が存在する確証もありません。
エルマが「自分の意志で正体を隠している異星人」であるのに対し、主人公は「正体を知ることすらできない謎の存在」として対比的に描かれています。
この対比構造から浮かび上がるのは、主人公がエルマとは異なるルーツを持つ存在だという可能性です。
サマールの末裔でもなく、地球人でもない第三のカテゴリーに属する何者かが、主人公の正体なのかもしれません。
DE版でも残された未解明の謎
DE版は多くの伏線を回収した一方で、いくつかの重要な謎を解明しないまま物語を閉じています。
主人公の正体と直接関わるものだけでも、以下の疑問が残されました。
まず、主人公の記憶喪失の具体的な原因です。
深淵から生まれた存在だとすれば記憶がないのは当然ですが、作中でその因果関係が明示されることはありませんでした。
次に、主人公がアレスを操縦できた理由です。
アレスの起動にはサマールの英雄としての資質が必要とされていますが、主人公にどのような資質があるのかは語られていません。
さらに、異星人と言葉が通じる理由も未解明のままです。
タツには主人公たちが「流暢なノポン語」を話しているように聞こえているという描写があり、翻訳機による解決ではないことが示唆されています。
惑星ミラ自体が持つ意識接続の力が関与している可能性がありますが、公式な説明はありません。
そのほか、タツがゼノブレイドシリーズに共通する特定の言葉を知っていた理由や、ルーの仲間の所在なども未解明です。
これらの謎は、将来の続編やシリーズ展開で回答される余地を残した伏線と解釈するのが自然でしょう。
ゼノブレイドシリーズ全体との繋がりを検証する
DE版のエンディングで描かれた映像は、ゼノブレイドクロスがシリーズの独立した外伝ではなく、本流の世界と繋がる物語であることを示唆しています。
崩壊するミラから脱出した一行が次元を超えた先で目にしたのは、リング状の大地を持つ青い惑星でした。
この惑星は、ゼノブレイド3の追加コンテンツ「新たなる未来」で描かれた、クラウスの実験によって分かたれた二つの世界が融合・再生された地球と酷似しています。
また、ゴーストという敵の性質がゼノサーガのグノーシスと極めて類似していることや、消失現象がゼノブレイド3で描かれた類似の現象と共通点を持つことも、シリーズ横断の考察で頻繁に指摘されています。
宇宙の深淵という概念も、ゼノブレイド3のオリジンが持つ「全人類の魂と遺伝子をデータ化して保存・再生するシステム」と本質的に同じ機能を持つ可能性があるのです。
もしゼノブレイドクロスの世界がシリーズ全体の時間軸に組み込まれるのであれば、主人公の正体もまたシリーズ全体の文脈で語られる日が来るかもしれません。
現時点では続編の正式発表はありませんが、DE版が残した伏線の数々は、物語がまだ完結していないことを雄弁に物語っています。
主人公の正体が明かされなかった理由を考える
ゲームデザインの視点から、主人公の正体を意図的に曖昧にした理由も検討しておく必要があります。
ゼノブレイドクロスはもともと固定キャラクターの主人公を想定してストーリーが構築されていましたが、開発途中でアバター方式に変更されました。
総監督の高橋哲哉が持つ原案は「書籍化できるほど膨大」とされており、ゲームに収録されたのはその一部にすぎません。
アバター方式への変更に伴い、主人公に固有の背景設定を持たせることが難しくなったという制作上の事情は無視できないでしょう。
一方で、DE版の追加ストーリーが主人公の正体に踏み込む姿勢を見せつつも最終的に回答を留保した点は、制作上の都合だけでは説明しきれません。
アルが主人公の記憶喪失に言及し、主人公をアレスに搭乗させ、「英雄」というタイトルの章で物語を締めくくるという構成は、明らかに意図的な伏線の配置です。
つまり、主人公の正体は「答えがない」のではなく「まだ語られていない」と考えるのが妥当です。
今後のシリーズ展開で真相が明かされることを前提に、あえて最後の一枚だけカードを伏せたまま物語を閉じた可能性が高いと言えるでしょう。
まとめ:ゼノブレイドクロス主人公の正体に関する全考察
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ゼノブレイドクロスの主人公はプレイヤーが作成するアバターで、公式なデフォルトネームは存在しない
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主人公は記憶を完全に喪失した状態で救命ポッドから救出され、過去の素性は一切不明である
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NLAの住人は全員ミメオソーマ(機械の義体)で活動しているが、主人公の本来の肉体についてはセントラルライフ内にも手がかりがない
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DE版の追加ストーリーでヴォイド、アル、ゴーストといった存在の正体は解明されたが、主人公の正体だけは明かされなかった
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アルが主人公を「未来のヒーロー」と呼び、「未来を託せる存在」と評価していることから、主人公には英雄と同等の資質がある
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アレスを操縦できたという事実は、主人公が通常の地球人ではないことを示す最有力の根拠である
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有力な考察として「ミラ(深淵)が生み出した英雄の器」「プレイヤー自身のメタ的存在」「最初から人間ではなかった説」の三つが存在する
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宇宙の深淵という意識の集合体が主人公を形成したとすれば、記憶喪失やアレス操縦の謎に整合性が生まれる
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DE版エンディングのリング状の惑星はゼノブレイドシリーズ本流との接続を示唆しており、主人公の正体もシリーズ全体で語られる可能性がある
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現時点で公式確定した回答はなく、続編やシリーズ新作で真相が明かされることが期待されている
ゼノブレイドクロスの主人公はプレイヤーが作成するアバターで、公式なデフォルトネームは存在しない
主人公は記憶を完全に喪失した状態で救命ポッドから救出され、過去の素性は一切不明である
NLAの住人は全員ミメオソーマ(機械の義体)で活動しているが、主人公の本来の肉体についてはセントラルライフ内にも手がかりがない
DE版の追加ストーリーでヴォイド、アル、ゴーストといった存在の正体は解明されたが、主人公の正体だけは明かされなかった
アルが主人公を「未来のヒーロー」と呼び、「未来を託せる存在」と評価していることから、主人公には英雄と同等の資質がある
アレスを操縦できたという事実は、主人公が通常の地球人ではないことを示す最有力の根拠である
有力な考察として「ミラ(深淵)が生み出した英雄の器」「プレイヤー自身のメタ的存在」「最初から人間ではなかった説」の三つが存在する
宇宙の深淵という意識の集合体が主人公を形成したとすれば、記憶喪失やアレス操縦の謎に整合性が生まれる
DE版エンディングのリング状の惑星はゼノブレイドシリーズ本流との接続を示唆しており、主人公の正体もシリーズ全体で語られる可能性がある
現時点で公式確定した回答はなく、続編やシリーズ新作で真相が明かされることが期待されている

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