ポリコレゲームが売れない理由とゲーマーが「うんざり」している理由

最近のゲーム、特に海外のAAAタイトルに対して、「ポリコレ要素が多すぎて楽しめない」「なぜかキャラクターに魅力がない」と感じていませんか。

その感覚は、あなただけのものではありません。

「ポリコレ」や「DEI」といった言葉が頻繁に使われるようになった結果、多くのゲーマーが同じような「うんざり」とした気持ちを抱えています。

なぜ、ゲームは売れないと分かっていながらポリコレを推進するのでしょうか。

この記事では、多くのゲーマーがポリコレにうんざりしている根本的な理由から、ゲーム会社がそれに従う背景、そして国内外のリアルな反応までを深く掘り下げて解説します。

この記事を読めば、ゲーム業界で今何が起きているのか、その全体像を理解し、一人のゲーマーとしてどう向き合えば良いのかが見えてくるでしょう。

目次

なぜ多くのゲーマーは「ポリコレ」にうんざりしているのか?

多くのゲーマーが「ポリコレ」にうんざりしている最大の理由は、ゲーム本来の「面白さ」や「非日常的な体験」が、特定の思想や配慮によって損なわれていると感じるからです。

エンターテイメントであるはずのゲームが、楽しむことよりもメッセージ性を優先しているように見えることが、プレイヤーの反発を招いています。

そもそも「ポリコレ」「DEI」とは?ゲームで問題視される理由をわかりやすく解説

「ポリコレ」とは「ポリティカル・コレクトネス」の略で、人種や性別などによる差別や偏見を含まない、中立的な表現を使うべきだとする考え方です。

そして「DEI」は「多様性(Diversity)、公平性(Equity)、包括性(Inclusion)」の頭文字を取った言葉で、誰もが尊重され、組織や社会に参加できる状態を目指す経営理念を指します。

これらは現実社会において重要な概念ですが、ゲームの世界に過度に持ち込まれると問題が生じます。

なぜなら、多くのプレイヤーはゲームに現実世界の社会問題の反映ではなく、現実から離れた「夢中になれる体験」や「空想の世界への没入感」を求めているからです。

その期待が、行き過ぎたポリコレ要素によって裏切られることが、問題視される根本的な理由となっています。

面白さより思想が優先される?没入感を削ぐ不自然な要素

ゲーマーがうんざりする一因として、ゲームの面白さよりも特定の思想を優先しているように見える点が挙げられます。

例えば、ストーリーの流れとは無関係に、唐突に多様性をアピールするような設定が差し込まれたり、本来のゲーム体験を阻害するようなメッセージ性が強調されたりすることがあります。

プレイヤーは、開発者の思想を学ぶためにゲームをプレイしているのではありません。

純粋なエンターテイメントとして楽しみたいのに、説教されているかのような感覚に陥ることが、没入感を著しく削いでしまうのです。

「美男美女がいない」キャラクターデザインへの不満

キャラクターへの不満、特に「美男美女がいない」という点は、ポリコレに対する反発の中でも特に大きな割合を占めています。

多くのプレイヤーは、非日常的な世界で、魅力的でカッコいい、あるいは美しいキャラクターに自己を投影して冒険を楽しみたいと考えています。

しかし、ポリコレを意識するあまり、意図的に容姿の魅力を抑えたキャラクターや、現実世界の平均的な容姿を反映したとされるキャラクターが主人公になるケースが増えました。

これが、ゲームの持つファンタジーとしての魅力を失わせ、「わざわざお金を払ってまで、地味なキャラクターを操作したくない」という不満に繋がっています。

歴史や設定を無視したストーリー改変への反発

ゲームの世界観や歴史的背景を、現代の価値観に基づいて無理やり改変することへの反発も強まっています。

特に、特定の時代や文化を舞台にしたゲームにおいて、史実や本来の設定を無視して多様性のあるキャラクターを登場させると、プレイヤーは強い違和感を覚えます。

これは物語の一貫性を失わせるだけでなく、作品が持つ本来の世界観を破壊する行為と受け取られかねません。

プレイヤーは作り込まれた世界に浸りたいのであり、その土台となる設定を安易に変更されることは、作品への信頼を損なう大きな要因となります。

「ポリコレで売れない」は本当?爆死したとされるゲーム事例

「ポリコレを重視したゲームは売れない」という言説は、近年の複数のAAAタイトルの興行的な失敗によって、単なる憶測ではなく現実味を帯びてきています。

開発に巨額の費用を投じながらも、ゲーマーの支持を得られずに商業的に大失敗した事例が相次いでいるのが現状です。

巨額の損失?近年の代表的な失敗事例一覧

近年、ポリコレやDEIの要素が強いと指摘され、売上不振に終わった代表的なゲームは少なくありません。

ゲームタイトル発売年指摘されている点結果
CONCORD2024年魅力に欠けるキャラクターデザイン、多様性の強調発売前にβ版が不評、発売中止の可能性も
スーサイド・スクワッド:キル・ザ・ジャスティス・リーグ2024年原作とかけ離れたストーリー、不評なライブサービス要素ワーナーに約310億円の損失を与えたと報道
Saints Row (リブート版)2022年過激さが売りの原作からマイルドな作風に変更売上不振で開発スタジオが閉鎖
FORSPOKEN2023年主人公の言動、ポリコレを意識したとされるセリフ売上が目標に届かず、開発スタジオがスクエニに吸収

これらの事例は、ゲームの売上が思想や理念だけでは担保されず、最終的にはプレイヤーの「面白いと感じるか」という点が最も重要であることを示唆しています。

『アサシン クリード シャドウズ』は何が問題だったのか?

2025年発売予定の『アサシン クリード シャドウズ』は、発表直後から大きな炎上を引き起こしました。

最大の問題点は、安土桃山時代の日本を舞台にしながら、主人公の一人に黒人侍「弥助」を起用したことです。

史実の弥助が侍であったかについては議論があり、「歴史に忠実」と宣伝しながら、多くのプレイヤーが期待する「日本の侍」像とは異なる主人公を据えたことに強い反発が生まれました。

これが「日本の歴史を舞台に、ポリコレ的な配慮を優先した結果ではないか」という疑念を呼び、歴史の改竄であるとの批判にまで発展したのです。

『CONCORD』や『スーサイド・スクワッド』の失敗から見える共通点

これらのゲームの失敗に見える共通点は、開発者が「プレイヤーが何を求めているか」よりも、「自分たちが伝えたいメッセージ」を優先してしまった点にあります。

キャラクターの多様性を揃えることに注力するあまり、個々のキャラクターの魅力や、プレイヤーが感情移入できるような背景設定が疎かになってしまいました。

結果として、誰にも響かない、表面的で魅力に欠けるキャラクター群が生まれ、プレイヤーの購買意欲を刺激できなかったと考えられます。

ゲームの根幹である「楽しさ」や「魅力的なキャラクター」という要素が、DEIという目標の下で二の次にされてしまったことが、失敗の大きな要因と言えるでしょう。

なぜ失敗が続くのにゲーム会社はポリコレを推進するのか?

これだけ商業的な失敗が続いているにもかかわらず、多くの大手ゲーム会社がポリコレを推進し続けるのには、単純なゲームの売上以外の理由が存在します。

それは、企業の評価や資金調達に関わる、より大きな構造的な問題です。

次章では、その「裏の事情」について詳しく見ていきましょう。

ゲーム会社がポリコレに従う「裏の事情」とは?

ゲーム会社がプレイヤーの反発を招いてまでポリコレを推進する背景には、コンサルティング会社の存在、企業の歴史的経緯、そして投資家からの圧力という、複雑な「裏の事情」が絡み合っています。

Sweet Baby Inc.(スイートベイビー社)とは何者か?

Sweet Baby Inc.は、カナダに拠点を置くナラティブ(物語)コンサルティング会社です。

元Ubisoftの社員らによって設立され、ゲーム開発スタジオに対して、シナリオやキャラクター設定における多様性(DEI)の導入を助言する業務を行っています。

彼らが関わったとされるゲームが軒並みポリコレ色が強いと指摘されたことから、「ゲームをつまらなくする元凶」としてゲーマーから厳しい批判の対象となりました。

彼らのビジネスは、ゲームを面白くすることではなく、DEIの基準を満たすことであり、その目的の違いがゲーマーの求めるものとの乖離を生んでいると見られています。

Ubisoft(ユービーアイソフト)とポリコレの根深い関係

フランスの大手ゲーム会社であるUbisoftは、ポリコレ問題の震源地の一つと見なされています。

前述のSweet Baby Inc.の設立者が元社員であることからも分かる通り、社内には以前からDEIを重視する文化が根付いていたと考えられます。

特に『アサシン クリード』シリーズでは、以前から歴史的背景に対して現代的な解釈や多様なキャラクターを盛り込む傾向があり、その積み重ねが『シャドウズ』の炎上に繋がったとも言えるでしょう。

長年にわたりポリコレ的な作風を推進してきたUbisoftの姿勢が、業界全体に大きな影響を与えているのは間違いありません。

投資家向けの「DEIスコア」が売上より重要?

現代の企業経営において、特に大企業は投資家からの評価を非常に重視します。

ブラックロックなどの大手資産運用会社は、投資先の企業を評価する際に「ESG投資」という基準を用いており、その中にはDEIへの取り組みも含まれています。

DEIへの取り組みが進んでいる企業は「DEIスコア」が高くなり、投資を受けやすくなるという側面があります。

そのため、ゲーム会社の経営陣にとっては、目先のゲーム1本の売上よりも、投資家からの評価を維持し、巨額の資金を確保することの方が重要になるケースがあるのです。

IGNなど海外ゲームメディアとの癒着問題

ゲームメディア、特に海外大手のIGNなどは、ポリコレに準拠したゲームを高く評価し、そうでないゲーム(例えば『黒神話:悟空』や『ステラーブレイド』)に対しては批判的な記事を掲載する傾向が見られます。

これは、メディアとSweet Baby Inc.のようなコンサル会社、そして開発会社との間に、ある種の協力関係、あるいは「癒着」とも言える構造があるのではないかと疑念を抱かせる一因です。

メディアが公正なレビューではなく、特定の思想を擁護するような姿勢を取ることで、プレイヤーの不信感はさらに増大しています。

海外の反応は?世界中のゲーマーが感じていること

ゲームにおけるポリコレ問題への「うんざり」とした感情は、決して日本国内に限ったものではありません。

むしろ、欧米のゲーマーコミュニティでは、より以前から活発な議論と強い反発が巻き起こっています。

日本だけの問題ではない?海外ゲーマーのリアルな声

海外のゲーマーも、日本人ゲーマーと全く同じ点に不満を抱いています。

YouTubeやRedditなどのコミュニティでは、「魅力のないキャラクター」「説教くさいストーリー」「原作や歴史の破壊」といった批判が日常的に交わされています。

特に、自分たちが慣れ親しんだシリーズがポリコレによって変質してしまうことへの失望は大きく、「もうこの会社のゲームは買わない」といったボイコットの動きに繋がることも少なくありません。

この問題は、文化や言語を超えた、ゲーマー共通の悩みと言えます。

「Woke(ウォーク)」カルチャーへの反発とその背景

海外では、ポリコレとほぼ同義の言葉として「Woke(ウォーク)」というスラングが使われます。

元々は「社会的な差別に目覚めた」という肯定的な意味でしたが、現在では「行き過ぎた、独善的な正義を振りかざす人々」を揶揄する言葉として使われることがほとんどです。

エンターテイメントにおける「Woke」カルチャーへの反発は非常に強く、映画やドラマ、そしてゲームに至るまで、多くの作品がその対象となり、ファンとの間で激しい論争を引き起こしています。

ポリコレ推進派と反対派の議論のポイントまとめ

この問題における両者の主張は、しばしば平行線を辿ります。

推進派の主張反対派(多くのゲーマー)の主張
表現について多様な人々が表現されるべきだ魅力的なキャラクターで非日常を体験したい
物語について現代社会の問題を反映させるべきだゲームの世界観や設定を尊重してほしい
企業の役割社会的責任としてDEIを推進すべきだ面白いゲームを作ることが最大の責任だ
評価の基準包括性やメッセージ性が重要だ純粋な「面白さ」や「楽しさ」が全てだ

このように、根本的な価値観の違いが、議論が噛み合わない原因となっています。

ポリコレを気にしない・無視したゲームはある?

ポリコレへのうんざり感が広がる一方で、プレイヤーが本当に求めているものを提供し、高い評価を得ているゲームも存在します。

これらの作品は、ポリコレを意識するのではなく、ゲームとしての面白さやキャラクターの魅力を追求しているのが特徴です。

ゲーマーから高評価!ポリコレに配慮しない人気ゲームの例

近年、特にゲーマーから支持を集めているのは、開発者が自らの作りたいものを追求した結果、ポリコレ的な配慮とは一線を画した作品です。

  • エルデンリング:作り込まれたダークファンタジーの世界観と、プレイヤーに媚びない高難易度で世界的な大ヒットを記録。
  • ペルソナシリーズ:日本の学園を舞台に、スタイリッシュな演出と魅力的なキャラクターで海外からも絶大な人気を誇る。
  • ニーア オートマタ:美しいキャラクターデザインと、深く哲学的なストーリーが多くのファンを生んだ。

これらのゲームは、特定の思想ではなく、独自の世界観とゲーム性でプレイヤーを魅了しています。

『ステラーブレイド』や『黒神話:悟空』が支持される理由

2024年に発売された『ステラーブレイド』と、2024年8月に発売された『黒神話:悟空』は、ポリコレへの反発の受け皿として象徴的な存在となりました。

『ステラーブレイド』は、主人公のセクシーで魅力的なデザインが、ポリコレに疲れたゲーマーから熱狂的に歓迎されました。

また、『黒神話:悟空』は、Sweet Baby Inc.からのコンサルティングを拒否したと噂され、その毅然とした態度が「プレイヤーの方を向いている」と高く評価されました。

これらのゲームの成功は、多くのゲーマーが魅力的なキャラクターと純粋な面白さを渇望していることの何よりの証明です。

日本のゲーム制作スタイルが世界で再評価される流れ

海外の大手スタジオがポリコレやDEIを重視する中で、日本のゲーム制作スタイルが相対的に再評価されています。

日本の多くのデベロッパーは、全世界の最大公約数を狙うのではなく、特定のターゲット層(日本のゲーマーやアニメファンなど)に深く刺さるような、尖った作品作りを得意としています。

その結果、海外のゲームとは異なる独自の魅力を持つ作品が生まれ、かえって世界中の熱心なファンを獲得するという流れが生まれています。

「ライザのアトリエ」シリーズの成功などは、その典型的な例と言えるでしょう。

まとめ:「ポリコレゲームは売れない、うんざり」と感じるあなたへ

この記事では、多くのゲーマーがなぜポリコレにうんざりし、それがゲームの売上にどう影響しているのか、そしてその背景にある業界の構造について解説しました。

この複雑な問題に対して、私たち一人のゲーマーができることは限られているかもしれません。

しかし、自身の考えを持ち、行動することで、少しずつでも業界の流れに影響を与えることは可能です。

自分の価値観に合うゲームを選んで「投票」する

ゲーマーにとって最も直接的で強力な意思表示は、「どのゲームにお金を払うか」です。

ポリコレ要素が強いと感じるゲームの購入を控え、自分が本当に面白い、応援したいと思うゲームを購入すること。

この「財布による投票」が積み重なることで、ゲーム会社はプレイヤーが何を求めているのかを真剣に考えざるを得なくなります。

不満を表明し、健全な議論を促すことの重要性

自身の意見を、SNSやレビューサイトで表明することも重要です。

ただし、それは特定の個人やグループを攻撃するヘイトスピーチではなく、なぜそのゲームに魅力を感じないのか、どうすればもっと良くなると思うのか、といった建設的な批判であるべきです。

健全な議論の積み重ねが、開発者とプレイヤーの間の溝を埋める一助となります。

これからのゲーム業界の動向と未来予測

今後、ゲーム業界は二極化していく可能性があります。

一つは、これまで通りDEIを重視し、投資家や社会的な評価を意識したAAAタイトルを作り続ける大手企業の路線です。

もう一つは、プレイヤーの直接的な支持を基盤に、よりニッチでクリエイターの作家性を重視したゲームを作るインディーや日本、中国などのスタジオの路線です。

私たちゲーマーは、どちらの未来を支持するのか、その選択を常に問われ続けることになるでしょう。

  • ポリコレとは差別をなくす考え方だが、ゲームでは行き過ぎが問題視される
  • DEIは多様性・公平性・包括性を指し、企業の評価指標にもなる
  • 面白さより思想が優先されるとゲーマーは感じ、没入感が損なわれる
  • キャラクターの魅力が失われることに強い不満を持つユーザーは多い
  • 『アサクリ シャドウズ』など歴史改変とも取れる設定が炎上を招いた
  • Sweet Baby Inc.のようなコンサル会社の存在が影響を与えている
  • 投資家向けのDEIスコアがゲームの売上より優先される場合がある
  • この問題は海外でも「Woke」カルチャーへの反発として存在する
  • 『ステラーブレイド』などポリコレを無視したゲームは高く評価される傾向にある
  • 最終的にゲーマーは購入するゲームを選ぶことで意思表示が可能である
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