メタルギアソリッド4の配信禁止はなぜ?理由と今後の可能性を解説

「メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット(MGS4)を実況したいのにできない…」
「なぜ他のメタルギア作品は配信されているのに、MGS4だけがダメなの?」

ソリッド・スネークの物語の完結編として、今なお多くのファンに愛される伝説的な名作MGS4。

しかし、その一方でゲーム実況の世界では「配信禁止」という厚い壁が存在し、多くの配信者やファンが頭を悩ませています。

この記事では、なぜMGS4の配信がこれほどまでに難しいのか、その根深い理由を徹底的に解き明かします。

コナミの公式ガイドラインの現状から、ゲーム内に仕掛けられた複雑な権利問題、そしてリメイクの可能性まで、MGS4にまつわるあらゆる謎に迫ります。

目次

【結論】MGS4は「配信禁止」ではない?コナミのガイドラインが存在しない”許可の真空地帯”という現実

多くの人が「MGS4は配信禁止タイトルだ」と考えていますが、実はコナミが公式に「禁止」と明言しているわけではありません。

実態は、明確なガイドラインが存在しないために誰も公式な許可を得られず、事実上配信ができない「許可の真空地帯」となっているのです。

コナミ公式に「メタルギアソリッドシリーズ」の配信ガイドラインは存在しない

コナミでは、多くのゲームタイトルで個別の動画配信ガイドラインを公開しています。

しかし、2024年現在、「メタルギアソリッド」シリーズに関するガイドラインは、過去の作品から最新のコレクション版に至るまで、一度も公開されていません。

これは、コナミの公式サイトにある「著作物の利用について教えてください【その他】」のページでも確認でき、ガイドラインが公開されている作品の一覧にメタルギアシリーズの名はありません。

ガイドラインがないゲームはどうなる?個人への許諾は行われていないのが現状

では、ガイドラインが存在しないゲームの配信はどう扱われるのでしょうか。

コナミは公式に「お問い合わせを多くいただくため、個人のお客様への個別のご許諾は行っておりません」との見解を示しています。

つまり、ガイドラインという公式ルールがない以上、個人がコナミから配信の許可を得ることは不可能というのが現状です。

なぜ「許可の真空地帯」が生まれるのか?配信の法的リスクはすべて自己責任に

コナミが明確に「禁止」とせず、ガイドラインを出さない状態を維持しているのは、後述する複雑な権利問題が絡んでいるためと考えられます。

明確な許可も禁止もしないことで、万が一権利関係でトラブルが発生した場合の責任を回避し、そのリスクを配信者個人に委ねる形になっています。

これが「許可の真空地帯」の正体であり、配信者が安心してMGS4をプレイできない最大の理由です。

なぜメタルギアソリッド4だけ配信が特に難しいのか?考えられる3つの根深い理由

メタルギアシリーズの中でも、特にMGS4の配信や移植が困難とされるのには、2008年という時代背景から生まれた、大きく分けて3つの根深い理由が存在します。

理由①:ライセンスの地雷原|iPodなど多数の企業コラボ(プロダクトプレイスメント)

MGS4が配信できない最大の理由が、ゲーム内に含まれる膨大な数の「プロダクトプレイスメント(作品内広告)」です。

当時のAAAタイトルでは、現実世界のブランドとコラボすることでリアリティを高める手法が流行しており、MGS4はその象徴的な作品でした。

これらのライセンス契約は、PS3版での販売など特定の用途に限られている場合がほとんどです。

そのため、配信や移植を公式に許可するには、全ての企業と再契約を結ぶ必要があり、これは時間的にも費用的にも極めて困難な作業となります。

ブランド/製品ゲーム内での役割ライセンス再契約の課題
Apple (iPod)音楽再生ガジェットとして登場ブランド戦略の変化により旧製品の再契約は極めて困難
Triumph (バイク)主要キャラクターの愛車として活躍ブランドイメージの維持や高額な契約料の可能性
リゲイン回復アイテムとして登場製品のモデルチェンジや販売状況の変化
アサシン クリードアンロック可能なコスチューム他社IPであり、新たな交渉が必須
劇中歌・BGMiPodで再生される楽曲など音楽ライセンスは用途が厳しく、再契約は高コスト

理由②:技術的な幽閉状態|PS3の特殊CPU「Cellプロセッサ」という巨大な壁

ライセンス問題に加え、MGS4をPS3というハードに縛り付ける巨大な壁が、その心臓部である「Cell Broadband Engine(通称Cell)」という極めて特殊なCPUの存在です。

Cellは現代のCPUとは全く異なる設計思想で作られており、その性能を最大限に引き出すには非常に高度な開発技術が要求されました。

当時の小島プロダクションはこの難解なCPUを完全にてなずけ、MGS4のプログラムをCellの構造に極限まで最適化させました。

この「ハードウェアへの過剰な最適化」こそがMGS4を傑作たらしめた理由であると同時に、他のハードへ安易に移植することを技術的に不可能にしているのです。

理由③:PS3固有の機能|SixAxisコントローラーやサービス終了したMGO2との連携

MGS4は、ゲームシステム自体もPS3固有の機能と深く結びついています。

例えば、PS3のコントローラー(SixAxis/DUALSHOCK 3)が持つモーションセンサー機能を使った特殊な操作(気絶からの回復など)がゲーム内に組み込まれています。

また、現在はサービスを終了しているオンライン対戦モード『METAL GEAR ONLINE 2』(MGO2)と連携したアイテムも存在し、MGS4の体験のすべてを現行機で完全に再現することは不可能です。

MGS4を配信している人はいる?VTuberがプレイできるのはなぜ?

ガイドラインが存在しないにもかかわらず、一部でMGS4を配信しているケースを見かけることがあります。

これには、個人と法人での扱いの違いが関係しています。

個人配信は絶対にNG?無許諾で動画投稿した場合のリスク

個人が無許諾でMGS4を配信することは、著作権侵害にあたる可能性が非常に高い行為です。

発覚した場合、動画の削除やアカウントの停止、さらには権利者から損害賠償を請求されるといった法的措置に発展するリスクもゼロではありません。

「他の人もやっているから大丈夫」という安易な考えで配信することは、絶対に避けるべきです。

ホロライブなど企業所属VTuberが配信できる理由|法人向けの個別許諾契約とは

一方で、ホロライブなどに所属する企業VTuberがMGS4を含むガイドラインのないゲームを配信していることがあります。

これは、所属する法人がコナミとの間で個別の利用許諾契約を結んでいるためです。

企業は法務部門を通じて正式な手続きを踏み、許諾を得ることで配信が可能になりますが、これは個人がアクセスできるルートではありません。

MGS4が今後配信解禁される可能性は?リマスター・リメイクの展望

多くのファンが待ち望むMGS4の復活ですが、その道は決して平坦ではありません。

単純なグラフィック向上版である「リマスター」は技術的に不可能であり、復活には「フルリメイク」しか道はないとされています。

なぜ単純な移植(リマスター)は技術的に不可能なのか?

前述の通り、MGS4のプログラムはPS3の特殊なCPU「Cell」に依存しきっています。

そのため、元のプログラムを流用して解像度などを向上させるリマスターという手法は通用しません。

これを無理やり他のハードで動かそうとすれば、天文学的なコストと時間がかかり、現実的ではないのです。

唯一の道はフルリメイク|MGS3リメイク『MGSデルタ』が成功の鍵

MGS4復活のための唯一の現実的な道は、原作を設計図として、現代のゲームエンジン(Unreal Engine 5など)を使ってプログラムもアセットも全てゼロから作り直す「フルリメイク」です。

これは、コナミが現在進めている『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』(MGS3のリメイク)で実際に採用しているアプローチです。

したがって、まずは『MGSデルタ』が商業的に成功し、ブランドへの信頼を回復させることが、最も困難なMGS4のリメイクプロジェクトへ進むための絶対条件と言えるでしょう。

リメイク版発売における最大の壁はやはりライセンス問題の再契約

仮にフルリメイクのプロジェクトが始動したとしても、最大の壁として立ちはだかるのが、冒頭で触れたプロダクトプレイスメントのライセンス問題です。

ゲームをゼロから作り直す以上、これらの権利についても全て再交渉が必要になります。

当時の契約を再現することが困難なものも多く、リメイク版では該当箇所が別のアイテムやデザインに差し替えられる可能性も考えられます。

メタルギアソリッド4を今からプレイする方法

現状、MGS4をプレイするには、発売当時のハードであるPlayStation 3(PS3)を入手するしか方法がありません。

現在MGS4を遊べるハードはPlayStation 3(PS3)のみ

MGS4は、PlayStation 4やPlayStation 5、Nintendo Switch、PC(Steam)など、現行のどのプラットフォームにも移植されていません。

PlayStation Plusのクラウドゲーミングサービスでも提供されておらず、プレイするにはPS3の実機が必須となります。

PS3本体とソフト(パッケージ版・ダウンロード版)の入手方法まとめ

PS3本体はすでに生産を終了しているため、中古ゲームショップやオンラインのフリマサイトなどで探す必要があります。

購入する際は、本体の動作状況やコントローラーなどの付属品が揃っているかをよく確認しましょう。

ソフトには、中古のパッケージ版を購入する方法と、PS3のPlayStation Storeでダウンロード版を購入する方法があります。

ダウンロード版は現在も購入可能ですが、将来的には販売が終了する可能性もあるため、注意が必要です。

まとめ:メタルギアソリッド4 配信禁止の謎を徹底解剖

  • MGS4に公式な「配信禁止令」はなく、ガイドラインが存在しない「許可の真空地帯」である
  • コナミはメタルギアシリーズ全体の配信ガイドラインを公開していない
  • ガイドラインがないため、個人が配信許可を得ることは不可能である
  • 配信の法的リスクはすべて配信者個人が負うことになる
  • 配信が困難な最大の理由は、iPodなど多数の企業コラボ(プロダクトプレイスメント)にある
  • ライセンスの再契約が極めて困難なため、コナミは公式な許可を出せない
  • PS3の特殊CPU「Cell」への過度な最適化が、他ハードへの移植を技術的に阻んでいる
  • 復活の道はゼロから作り直す「フルリメイク」のみだが、莫大なコストがかかる
  • 『MGSデルタ』の商業的成功が、MGS4リメイクプロジェクトの鍵を握っている
  • 現在MGS4をプレイできるのはPlayStation 3の実機のみである
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