メタルギアソリッドシリーズに登場する人気キャラクター、雷電。
MGS2では生身の人間として登場した彼が、MGS4ではなぜサイボーグの姿になっていたのか、疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
この記事では、雷電がサイボーグになった理由を公式設定に基づき、MGS2以降の出来事を時系列に沿って詳しく解説していきます。
彼の身に起きた悲劇的な物語や、サイボーグの体の秘密、そしてその後の人生まで、雷電というキャラクターを深く理解するための一助となれば幸いです。
結論:雷電がサイボーグになった理由は「愛国者達」による非道な人体実験
「愛国者達」の実験体として体を改造されたのが直接の原因
雷電がサイボーグになった直接的な理由は、シリーズの黒幕である組織「愛国者達」に捕らえられ、次世代の強化外骨格開発プロジェクトにおける非人道的な人体実験の被験体にされたためです。
この実験により、彼の身体のほとんどが生体パーツから機械部品へと置き換えられました。
ゲーム本編では直接描かれていないサイボーグ化のストーリー
雷電がサイボーグへと変貌を遂げる過程は、実はゲーム本編のムービーなどで直接的に描かれてはいません。
MGS4などの作中におけるキャラクター同士の断片的な会話や、公式のデータベースから、その壮絶な経緯を読み解くことができます。
そのため、プレイヤーの間でも「いつの間にサイボーグになったのか」という疑問が生まれやすいポイントとなっています。
きっかけはMGS2後の精神的崩壊と、ある人物との約束だった
全ての始まりは、MGS2のビッグシェル事件後に雷電が経験した精神的な苦痛と、かつての戦友オルガ・ゴルルコビッチと交わした約束でした。
平和な日常に適応できず、過去のトラウマに苛まれた雷電は、オルガの娘であるサニーを救出するために再び危険な世界へと足を踏み入れます。
この行動が、結果的に彼をサイボーグ化という過酷な運命へと導くことになりました。
【時系列】雷電がサイボーグ化するまでの全貌(MGS2〜MGS4)
2009年:ビッグシェル事件後、過去のトラウマで精神が崩壊
ビッグシェル事件(MGS2)の後、雷電は恋人であるローズとの平和な生活を望みます。
しかし、事件の中で呼び覚まされた少年兵時代「ジャック・ザ・リッパー」の記憶とPTSDに苦しみ、次第にアルコールに溺れ、ローズとの関係も悪化していきました。
最終的に、ローズが自分との子供を流産したと思い込まされたことも重なり、彼女のもとを去ってしまいます。
2011年:オルガの娘「サニー」を救出するためビッグママと協力
世界を放浪する中で、雷電はオルガとの約束を果たすため、彼女の娘サニーの行方を追います。
その過程で、反「愛国者達」レジスタンス「失楽園の戦士」を率いるビッグママ(EVA)と接触。
ビッグママとの取引に応じ、彼女たちの協力を得てサニー救出作戦に臨むことになります。
2012年:エリア51で「愛国者達」に捕獲され、人体実験の被験体に
雷電はビッグママたちの協力のもと、ネバダ州のエリア51に囚われていたサニーの救出に成功します。
サニーをスネークとオタコンに託した後、雷電はビッグママが「ビッグボスの遺体」を奪還する時間を稼ぐため、自ら囮となってその場に残りました。
そして、追ってきた「愛国者達」に捕獲されてしまいます。
捕らえられた雷電は、サイボーグ兵士開発のための実験台とされ、頭部と脊椎以外の大半を機械化されるという壮絶な改造手術を施されました。
2013年:レジスタンスに救出され、サイボーグとしての体を手に入れる
「愛国者達」の施設に囚われていた雷電は、ビッグママ率いる「失楽園の戦士」によって救出されます。
その後、東欧に潜伏していたサイバネティクスの権威、ドラゴ・ペトロヴィッチ・マッドナー博士の治療を受けました。
マッドナーの手によって体内のナノマシンは除去され、血液は「ホワイトブラッド」と呼ばれる人工血液に置換。
こうして彼は、超人的な戦闘能力を持つサイボーグとして生まれ変わりました。
2014年:MGS4でソリッド・スネークの前にサイボーグとして現れる
MGS4の物語が始まる2014年、雷電はリキッド・オセロットの野望を阻止すべく活動していたソリッド・スネーク(オールド・スネーク)の前に、サイボーグの姿で現れます。
かつてスネークに導かれた未熟な兵士は、今度は自らがスネークの道を切り開くため、その身を賭して戦いに身を投じていくのでした。
なぜ雷電は捕まった?サイボーグ化の引き金となった「サニー救出作戦」
MGS2で交わしたオルガ・ゴルルコビッチとの約束
サイボーグ化の遠因は、MGS2のプラント編で共闘したオルガ・ゴルルコビッチとの約束にあります。
オルガは「愛国者達」に娘のサニーを人質に取られ、雷電を監視するよう強いられていました。
最終的に彼女は雷電を守って命を落としますが、その際に「娘を助けて」と雷電に託します。
この約束が、事件後も雷電を突き動かす大きな動機となりました。
ビッグママとの取引:サニーの居場所とビッグボスの遺体
雷電はサニーの行方を追う中で、反「愛国者達」組織を率いるビッグママと接触します。
彼は、自身が持つ「愛国者達」の中枢AI「G.W.」に関する情報と引き換えに、ビッグママからサニーがエリア51に囚われているという情報を得ました。
これが、危険なエリア51への潜入作戦へと繋がっていきます。
エリア51への潜入とサニー救出の成功
ビッグママと彼女が率いる「失楽園の戦士」の支援を受け、雷電はエリア51への潜入作戦を決行します。
作戦は成功し、彼は無事にオルガの娘サニーを救出することに成功しました。
救出されたサニーは、その後スネークとオタコンに保護され、彼らと共に生活することになります。
仲間を逃がすための自己犠牲が捕獲に繋がった
サニーを救出した後、雷電はビッグママが「愛国者達」からビッグボスの遺体を奪還するための時間を稼ぐため、自らがおとりとなる道を選びます。
仲間を無事に逃がすための自己犠牲的な行動でしたが、これが仇となり、彼は「愛国者達」に捕らえられてしまいました。
この捕獲が、彼の体を無残なサイボーグへと変える直接の引き金となったのです。
サイボーグになった雷電の体はどうなっている?人間と機械の境界線
雷電の体で人間として残っている部分はどこ?脳だけという噂は本当か
ファンの間では、雷電の体で有機物として残っているのは脳だけ、あるいは顎から上の頭部と脊椎だけではないか、と考察されています。
MGS4の設定では、頭部と脊椎を基盤に強化外骨格が接続されていると示唆されており、体の大部分が機械であることは間違いありません。
MGRでは食事も可能になるなど義体の性能は向上していますが、人間としての部分はごくわずかだと考えられます。
MGS4時代の強化外骨格:旧式の人工血液「ホワイトブラッド」と定期的な透析
MGS4で登場した際のサイボーグボディは、血液の代わりに「ホワイトブラッド」と呼ばれる旧式の軍用人工血液が使用されていました。
この人工血液は、定期的に専用の機械で透析を行わないと自家中毒症状を起こしてしまうという欠点を抱えています。
その代償として、多少の出血では失血死しない驚異的な生命力と、人間離れした身体能力を獲得しました。
MGR時代の特殊作戦用義体:食事も可能な高性能ボディへの進化
MGS4から4年後を描いたMGR(メタルギア ライジング リベンジェンス)では、雷電の義体はさらに進化しています。
高出力なカーボンナノチューブ筋繊維が採用され、ホワイトブラッドのような透析が必要な人工血液は不要になりました。
さらに、味覚センサーのON/OFF機能も搭載され、食事を摂ることも可能になるなど、利便性が大幅に向上しています。
雷電の愛刀「高周波ブレード」の性能と変遷
雷電を象徴する武器が、高周波振動によってあらゆるものを切断する「高周波ブレード」です。
MGS2でオルガの形見としてスネークから渡されて以来、彼のメインウェポンであり続けています。
MGS4で使用したブレードから、MGRで登場する敵のエネルギーを吸収する機能を持つ新型ブレード、そしてライバルであるサムの愛刀「ムラサマブレード」まで、物語の進行と共にその性能も変化していきました。
サイボーグ化は悲劇の始まり?雷電が「かわいそう」と言われる4つの理由
理由1:少年兵「ジャック・ザ・リッパー」としての悲惨な過去
雷電はリベリア内戦で両親を殺され、ソリダス・スネークによって少年兵として育てられました。
「白い悪魔」「ジャック・ザ・リッパー」の異名で恐れられるほどの戦果をあげましたが、その記憶は後に「愛国者達」によって操作・封印されていました。
MGS2での出来事を通じてこの忌まわしい過去と向き合うことになり、彼の精神を深く蝕む原因となります。
理由2:恋人ローズとのすれ違いと偽りの流産
戦いから解放され、唯一の心の拠り所であったはずの恋人ローズとの関係も、彼のPTSDによって破綻してしまいます。
さらに、ローズが「愛国者達」のスパイであったこと、そして彼女が雷電を守るために「子供を流産し、キャンベル大佐と結婚した」という偽装を行っていたことを知らず、長く孤独と絶望の中にいました。
理由3:人間性を奪われた非人道的な人体実験
前述の通り、雷電は「愛国者達」によって強制的に人体を改造されました。
戦うための道具として、意思とは無関係に人間としての肉体を奪われたことは、彼の人生における最大の悲劇の一つと言えるでしょう。
サイボーグ化された後も、彼は戦いの中にしか自分の存在意義を見出せないという苦悩を抱え続けることになります。
理由4:スネークを守るために自らの両腕を犠牲にする覚悟
MGS4のクライマックスでは、巨大戦艦アウターヘイブンの突進からスネークを守るため、瓦礫に挟まれた自らの腕を切り落とし、残った片腕で戦艦を食い止めようとします。
結果的に両腕を失うことになりますが、彼が唯一の「現実」と信じたスネークのために命を賭す姿は、多くのプレイヤーに衝撃と感動を与えました。
雷電のその後と結末|死亡説の真相と家族との関係
雷電は最後に死亡する?シリーズにおける結末を解説
一部で噂される雷電の死亡説ですが、メタルギアシリーズの物語の中で彼が死亡する描写はありません。
MGS4では瀕死の重傷を負いますが、オタコンに救助され一命を取り留めています。
最新の時系列であるMGRのエンディング後も、彼は生存しています。
すべての戦いの後、ローズと復縁し息子ジョンと再会
MGS4のエンディングで、雷電の物語は一つの救いを迎えます。
「愛国者達」が崩壊した後、病院で療養していた彼の前にローズが現れ、今までの偽装が全て雷電と息子を守るためだったという真実を告白します。
流産したと思っていた息子ジョンとも初めて対面し、雷電は失われたと思っていた家族の絆を取り戻し、共に生きていくことを決意しました。
MGRのエンディング後、雷電は「個人の闘争」を続ける道を選ぶ
家族との平和な生活を取り戻したかに見えましたが、サイボーグの体と殺人衝動を抱える雷電が一般社会に完全に適応するのは困難でした。
彼は民間軍事警備会社(PMSC)に所属し、再び戦場に身を置きます。
MGRの物語の末、雷電は会社を辞め、法に縛られず弱者を守るための「個人の闘争」を続けていく道を選びました。
まとめ:メタルギアの雷電がサイボーグになった理由
- 雷電のサイボーグ化は「愛国者達」による非道な人体実験が直接の原因である
- サイボーグ化の経緯はゲーム内で直接描かれておらず、会話などから読み解く必要がある
- きっかけはMGS2後の精神的崩壊と、オルガの娘サニーを救出する約束であった
- サニー救出後、仲間を逃がすために自らおとりとなり「愛国者達」に捕獲された
- MGS4時点では頭部と脊椎以外はほぼ機械化され、人工血液で活動していた
- MGRでは義体が進化し、透析が不要になり食事も可能になった
- 雷電が「かわいそう」と言われるのは、少年兵時代の過去や恋人との悲劇が理由である
- シリーズを通して雷電が死亡したという事実はなく、生存している
- MGS4の最後には恋人ローズと復縁し、息子ジョンとも再会を果たした
- MGRの後、彼は組織を離れ、弱者を守るための個人的な戦いを続けている
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