リトルナイトメア 7つの大罪との関係を全シリーズで徹底考察

リトルナイトメアシリーズをプレイしていると、作中に散りばめられた不気味なモチーフの数々が気になってくるものです。

特に「このゲームには七つの大罪が隠されているのではないか」という疑問は、初代リトルナイトメアの発売直後から世界中のファンの間で議論され続けてきました。

主人公の名前に隠された数字の意味、敵キャラクターが体現する欲望の正体、そしてシリーズ全体を貫くテーマとは一体何なのか。

この記事では、シリーズ3作品を横断しながら、リトルナイトメアと七つの大罪の関係性を多角的に掘り下げていきます。

各キャラクターと大罪の対応関係から、3作目で浮上した新たな論点、さらにはゲーム全体が描こうとしている深いメッセージまで、考察に必要な情報を網羅的に整理しました。

目次

リトルナイトメアにおける七つの大罪とは何か

リトルナイトメアにおける七つの大罪とは、シリーズに登場するキャラクターや世界観が、キリスト教で説かれる7つの罪源と深く結びついているとするファン発の考察理論です。

この理論の核心は、主人公たちの名前に隠された「数字」にあります。

初代の主人公シックス(Six)は英語で「6」を意味し、2作目の主人公モノ(Mono)はギリシャ語で「1」を表します。

そして、ダンテの叙事詩「神曲」煉獄篇に記された七つの大罪の順序を参照すると、1番目が「傲慢」、6番目が「暴食」に該当するのです。

作中でシックスが激しい空腹に苦しみ、ネズミやノームを貪り食う姿は、まさに暴食そのものといえるでしょう。

一方でモノは、シックスを必ず救えるという過信に駆られ、最終的にはノッポ男へと変貌する運命をたどります。

自らの力を過大に見積もる姿は、傲慢の体現として解釈されています。

ただし、注意すべき点があります。

この七つの大罪理論は、あくまでファンコミュニティから生まれた考察であり、開発元やパブリッシャーのバンダイナムコエンターテインメントが公式に認めたものではありません。

それでも多くのプレイヤーが支持する背景には、あまりにも符合する要素の多さがあるといえます。

七つの大罪の順序問題を理解する

七つの大罪理論を正しく読み解くためには、「どの順序体系を採用するか」という前提条件を理解しておく必要があります。

実は、七つの大罪の並び順は一つではありません。

代表的なものだけでも、カトリック教会で広く知られる一般的な順序と、ダンテ「神曲」煉獄篇に基づく順序の2種類が存在します。

以下の表で比較してみましょう。

番号 カトリック教会の一般的順序 ダンテ煉獄篇の順序
1 傲慢(Pride) 傲慢(Pride)
2 強欲(Greed) 嫉妬(Envy)
3 色欲(Lust) 憤怒(Wrath)
4 嫉妬(Envy) 怠惰(Sloth)
5 暴食(Gluttony) 強欲(Greed)
6 憤怒(Wrath) 暴食(Gluttony)
7 怠惰(Sloth) 色欲(Lust)

リトルナイトメアのファン考察においては、圧倒的にダンテ煉獄篇の順序が支持されています。

カトリックの一般的な順序を当てはめると、6番目は「憤怒」となりますが、シックスの作中描写は怒りよりも飢えに圧倒的に寄っているためです。

煉獄篇の順序であれば、6番目が暴食に該当し、シックスの行動と完全に一致します。

しかし、開発者がダンテを直接参照していたという証拠は存在しません。

「結果として辻褄が合う」という事実が根拠の中心であるため、あくまで蓋然性の高い仮説として捉える姿勢が大切です。

主人公の名前に隠された数字の意味

シックス(Six)=6=暴食

シックスという名前が英語の「6」を意味することは明白です。

そしてダンテ煉獄篇の6番目の大罪は暴食にあたります。

ゲーム中、シックスは何度も激しい空腹に襲われ、序盤ではネズミ、中盤ではノーム、そして最終的にはレディの力すら「食べて」しまいます。

暴食とは単に大量に食べる行為だけを指すのではなく、節制を失った飽くなき欲望を象徴するものです。

シックスの行動はまさにこの定義と一致しており、名前と大罪の対応を裏付ける最も強力な証拠とされています。

なお、ゲームの仮タイトルが「Hunger(飢え)」であったことも広く知られており、食欲や欲望がシリーズの根幹テーマであることを開発陣自身が示唆しているともいえるでしょう。

モノ(Mono)=1=傲慢

モノという名前は、ギリシャ語の接頭辞「mono-」に由来し、「1」や「単独」を表します。

ダンテ煉獄篇の1番目に位置する大罪は傲慢です。

モノの傲慢をどう解釈するかについては、大きく分けて2つの見方があります。

1つ目は「積極的な傲慢」の解釈で、シックスを自分の力で守りきれると過信したことが罪であるというものです。

結果としてモノは裏切られ、ノッポ男へと成長し、自らの過去の姿を追い続ける永遠のループに閉じ込められます。

2つ目は「受動的な傲慢」の解釈です。

テレビの向こう側へ何度も引き寄せられるモノの姿は、危険を警告するシックスの制止を無視しているとも受け取れます。

自分だけは大丈夫だという根拠のない自信が、傲慢の表れだとする見方です。

いずれの解釈でも、モノの運命が傲慢の代償として描かれている点は共通しています。

モノとシックスの合算「1+6=7」の意味

ファンの間では、モノの1とシックスの6を足した「7」にも意味があるとする説が広がっています。

ダンテ煉獄篇の7番目の大罪は色欲にあたり、2人が手を繋ぎながら冒険するゲームシステム自体が、親密な関係性の暗示であるという解釈です。

また、「7」は七つの大罪そのものの完成数でもあり、2人が揃うことで全ての罪が成就するという壮大な見方も存在します。

ただし、色欲の順番は文献によって3番目や4番目に置かれることもあるため、この説については支持と懐疑の両方が拮抗している状況です。

初代リトルナイトメアの敵キャラクターと七つの大罪の対応

初代リトルナイトメアの舞台「モウ」に登場する敵キャラクターたちは、それぞれが特定の大罪を体現しているとして、古くから考察の対象になってきました。

ゲスト(客たち)は最もわかりやすい存在です。

食べては吐いてを繰り返す異常な食欲は、暴食の罪を視覚的にこれ以上ないほど表現しています。

ツインシェフ(双子のシェフ)は、暴食を支える「供給者」として機能する存在であり、大罪そのものというよりは暴食のシステムを維持する歯車として解釈されることが多いようです。

ジャニター(管理人)は、異様に長い腕で何もかもを掴み取ろうとする姿から、強欲と結びつけられています。

手当たり次第に子どもたちを捕まえる行動は、所有欲の暴走そのものです。

レディ(船の支配者)については意見が分かれます。

妖艶な佇まいから色欲を連想させるという見方がある一方で、顔を隠し、鏡を恐れる描写から嫉妬を表しているとする説も根強く支持されています。

他者の容姿や地位を羨む感情が、顔を決して見せないという行動に表れているという解釈です。

このように、同じキャラクターに対して複数の大罪が当てはめられるケースが多く、「唯一の正解」は存在しないという認識が重要になります。

リトルナイトメア2の敵キャラクターと七つの大罪の対応

2作目の舞台「ペイルシティ」に登場する敵たちも、それぞれ異なる大罪と関連づけて議論されています。

ティーチャー(教師)は、暴力的に生徒を支配する姿から憤怒の象徴と見なされています。

首が異常に伸びて教室全体を監視する描写は、怒りに任せた権力の行使そのものといえるでしょう。

ペイルシティの住人たちは、テレビの画面に吸い寄せられ、一切の行動を放棄している点から怠惰の体現とされています。

建物から身を投げてまでテレビに近づこうとする姿は、現代社会における画面依存の風刺としても読み取れます。

シンマン(ノッポ男)は、モノの成長した姿であることがエンディングで判明します。

傲慢の果てにたどり着いた存在であり、自らの若い姿を追い続けるという行為は、過去の過ちを認められない傲慢さの延長線上にあると解釈されています。

ドクターについては、定まった見解がありません。

患者の体を弄ぶ異常性から色欲とする説、他者の健康な体を欲しがる姿から嫉妬とする説など、複数の解釈が併存しています。

リトルナイトメア3で七つの大罪理論はどう変化したか

新主人公ロゥとアローンの名前の謎

3作目の主人公はロゥ(Low)とアローン(Alone)です。

この2人の名前には、前2作のように明確な数字が含まれていません。

ロゥには「低い」「元気がない」「塞ぎ込む」といった英語の意味があり、アローンは「独り」を表します。

発売前には、ロゥが「怠惰」にアローンが「強欲」に対応するのではないかという予想がありました。

また、ロゥが古代ギリシャ語のρ(ロー=数字の100)や中国語の六(ロー)に由来するという説も一部で唱えられていました。

しかし発売後の評価としては、「明確な数字との対応がなく、七つの大罪理論を直接適用するのは難しい」という見方が一般的です。

ロゥがペストマスクに似た仮面を着用している点から、疫病や病気のモチーフが七つの大罪よりも前面に出ているとする指摘もあります。

3作目のボスキャラクターと大罪の対応

3作目には4体のボスが登場します。

チャプター1のモンスターベイビーは、遊び相手を求めてさまよう巨大な人形です。

チャプター2のスーパーバイザー(工場長)は、キャンディ工場を監視・管理する存在で、監視カメラが至る所に設置されています。

チャプター3のパペットは操り人形にまつわる敵であり、チャプター4のヒプノティスト(催眠術師)は手に付いた目が特徴的なラスボスです。

前2作のボスに比べると、七つの大罪との明確な対応が見出しにくいと多くのファンが指摘しています。

工場長の監視的な性格は強欲に、ヒプノティストの催眠は怠惰に結びつけられる可能性がありますが、定説には至っていません。

開発元の変更がもたらした影響

3作目で七つの大罪理論が揺らいだ最大の要因として、開発元の変更が挙げられます。

1作目と2作目を手がけたのはスウェーデンのTarsier Studiosでしたが、3作目の開発は英国のSupermassive Gamesが担当しています。

Tarsier Studiosは2021年にシリーズからの離脱を表明し、IPの権利を持つバンダイナムコが新たな開発元を選定しました。

この変更により、仮にTarsier Studiosが七つの大罪を意図的にゲームデザインに組み込んでいたとしても、3作目にその設計思想が引き継がれているかどうかは不透明です。

実際に発売後、一部のファンがTarsier Studiosの公式Discordサーバーで3作目への批判を展開するという事態も発生しました。

Tarsier Studios側は「自社は3作目の開発に無関係であり、批判をこのサーバーで行わないでほしい」と声明を出しつつ、「開発チームへのリスペクトは持っている」と付け加えています。

シリーズ全体を貫く真のテーマは「欲望と支配」

七つの大罪の個別対応にとらわれすぎると、シリーズが本当に描こうとしているものを見逃してしまう可能性があります。

全3作を俯瞰すると、七つの大罪は個々のキャラクター設定にとどまらず、「欲望を利用した支配構造」というより大きなテーマを表現するための装置として機能していることが見えてきます。

そもそも七つの大罪とは、罪そのものというより、人に罪を犯させるような感情や欲望を指す概念です。

強欲は所有欲、色欲は性欲、暴食は食欲と対応し、怠惰すら「怠惰欲」という言葉で表現されることがあります。

傲慢は他者より優位に立ちたいという欲求であり、嫉妬は独占欲と結びつきます。

リトルナイトメアの世界では、権力者がこうした欲望を巧みに刺激し、民衆を支配しています。

モウではゲストたちに食事を提供することで暴食の欲を満たし、ペイルシティではテレビという娯楽で住民を動けなくさせ、3作目のカルネヴァーレではサーカスやキャンディで客を酔わせています。

恐ろしいのは、支配されている側がそのことに気づいていない点です。

自分の意志で食べ、自分の意志でテレビを見ていると思い込んでいるゲストや住人たちは、実のところ欲望を操作されているに過ぎません。

監視と個性の剥奪──「目」のモチーフが意味するもの

シリーズ全体に繰り返し登場する「目」のモチーフも、七つの大罪との関連で語られることが多い要素です。

ダンテの煉獄篇では、嫉妬深き者への罰として目を針金で縫い閉じるという描写があります。

他者の不幸を見て快楽を得る嫉妬の罪に対し、見ること自体を奪うという罰が与えられるのです。

リトルナイトメアでは、この「目」が監視の象徴として作品全体に配置されています。

初代のPVではシックスが巨大な目の中に佇く映像がタイトルロゴへと変化し、隠し部屋の監視モニターは目の形をしています。

2作目のシグナルタワーは街の中心にそびえ立つ監視塔を彷彿とさせ、3作目の工場にはより直接的に監視カメラが設置されています。

敵キャラクターたちが役職名のみで呼ばれ、多くが顔を隠している点も注目に値します。

管理人、シェフ、レディ、ハンター、教師、ドクター、工場長。

固有名詞を持たず、代替可能な部品のように扱われる姿は、権力社会における個性の剥奪を象徴しているとする解釈が広く支持されています。

七つの大罪理論の限界と注意点

ここまで七つの大罪理論の魅力を解説してきましたが、この理論にはいくつかの明確な限界があることも理解しておく必要があります。

第一に、確証バイアスの問題です。

七つの大罪という枠組みを先に設定してしまうと、あらゆるゲーム内要素を無理やり対応させてしまう傾向が生じます。

ゲームデザインや演出上の都合で採用された要素に、必要以上の宗教的意味を読み込んでしまう危険性は常につきまといます。

第二に、順序体系の根拠の薄さがあります。

ダンテ煉獄篇の順序が採用される根拠は「結果としてうまく合う」という点に集約されており、開発者がダンテを参照したという直接的な証拠は存在しません。

第三に、3作目による理論の動揺です。

前述の通り、ロゥとアローンの名前に明確な数字の対応がなく、ボスキャラクターと大罪の結びつきも希薄になりました。

開発元の変更を考慮すると、七つの大罪理論がシリーズ全体を貫く「意図された設計」であるかどうかは、改めて慎重に検討すべき段階に来ているといえます。

それでもなお、この理論がシリーズの魅力を深く味わうための優れた「レンズ」であることは間違いありません。

公式の正解がないからこそ、プレイヤー一人ひとりが自分なりの解釈を持ち寄り、議論できることがリトルナイトメアの醍醐味なのです。

シリーズの最新動向と今後の展開

リトルナイトメア3は2025年10月10日に発売され、メタスコアはPS5版73点、PC版69点という評価を受けました。

Steam上では発売直後に「賛否両論」の評価区分となり、雰囲気やアートデザインを評価する声がある一方で、恐怖演出の薄さやパズルの単調さを指摘する声も多く上がっています。

シリーズ累計販売本数は2025年6月時点で全世界2,000万本を突破しており、ブランドとしての人気は依然として高い水準を維持しています。

今後の展開としては、エキスパンションパス「Secrets of The Spiral」による追加チャプターが2026年中に2回に分けて配信される予定です。

メインストーリーとは直接関わらないものの、「スパイラル」の世界の秘密を掘り下げる内容とされており、七つの大罪に関する新たな手がかりが含まれる可能性にファンの期待が寄せられています。

また、2025年6月にはバンダイナムコからストップモーションアニメプロジェクトのティーザーも公開されました。

シリーズ第4作については2026年2月時点で公式発表はありませんが、バンダイナムコはIPの継続に前向きな姿勢を示しています。

旧開発元のTarsier Studiosは独自の新作「REANIMAL」に注力しており、多くのファンから「リトルナイトメアの精神的後継」として注目を集めている状況です。

まとめ:リトルナイトメアと七つの大罪が描く欲望の物語

  • リトルナイトメアと七つの大罪の関連は、ファン考察として広く支持されているが公式に確認された事実ではない
  • 主人公名の数字とダンテ煉獄篇の順序を照合すると、シックス=暴食、モノ=傲慢という対応が成立する
  • 七つの大罪の順序はカトリック教会版とダンテ煉獄篇版で異なり、リトルナイトメアの考察では後者が主流である
  • 初代のゲストは暴食、ジャニターは強欲、レディは嫉妬または色欲と結びつけられている
  • 2作目のテレビ視聴者は怠惰、ティーチャーは憤怒、シンマンは傲慢の象徴として解釈されている
  • モノの1とシックスの6を合算した7は「色欲」や「大罪の完成」を表すとする説がある
  • 3作目のロゥとアローンは数字との明確な対応がなく、七つの大罪理論の直接適用には疑問が生じている
  • 開発元がTarsier StudiosからSupermassive Gamesに変更されたことで、設計思想の継承に不透明さがある
  • 七つの大罪の個別対応を超えた「欲望を利用した支配構造」こそがシリーズ全体の真のテーマである
  • 2026年配信予定のDLC「Secrets of The Spiral」で新たな手がかりが得られる可能性がある
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