リトルナイトメアシリーズを楽しんできた方の中には、「なぜ3作目で開発会社が変わったのか」「元の開発者たちは今なにを作っているのか」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
実際、シリーズの1作目と2作目を手がけたスタジオと、3作目を制作したスタジオはまったく異なります。
この背景には、企業買収やIP(知的財産権)の所有関係といった複雑な事情が絡んでいます。
この記事では、リトルナイトメアに関わる各会社の情報を整理しながら、開発元が変更された理由や最新の動向、そして元開発者たちによる新作REANIMALの評価まで、網羅的に解説していきます。
シリーズの全体像を把握することで、今後どの作品を遊ぶべきかの判断材料にもなるはずです。
リトルナイトメアの開発会社はどこ?シリーズ全作の制作元一覧
リトルナイトメアシリーズは、作品ごとに開発を担当した会社が異なります。
まずはシリーズ全体の構造を把握するために、各タイトルの開発元とパブリッシャーを整理しておきましょう。
| タイトル | 発売年 | 開発会社 | パブリッシャー |
|---|---|---|---|
| リトルナイトメア | 2017年 | Tarsier Studios | バンダイナムコ |
| リトルナイトメア2 | 2021年 | Tarsier Studios | バンダイナムコ |
| リトルナイトメア3 | 2025年 | Supermassive Games | バンダイナムコ |
| REANIMAL | 2026年 | Tarsier Studios | THQ Nordic |
1作目・2作目を手がけたTarsier Studiosとは
リトルナイトメアの1作目と2作目を開発したのは、スウェーデンのマルメに拠点を置くTarsier Studiosです。
2004年に設立された同スタジオは、もともとMedia MoleculeのLittleBigPlanet PS Vita版の開発協力で知名度を高めました。
2017年にリリースされた初代リトルナイトメアで一躍注目を集め、独特の不気味なアートデザインやUIを極力排した没入型の演出が高く評価されています。
シリーズの世界観やビジュアルスタイルの土台を築いたのは、まぎれもなくこのスタジオです。
3作目の開発会社がSupermassive Gamesに変わった経緯
リトルナイトメア3の開発を担当したのは、イギリスのサリー州ギルフォードに本社を構えるSupermassive Gamesです。
2008年に設立された同社は、「Until Dawn -惨劇の山荘-」や「The Dark Pictures Anthology」シリーズなど、ホラージャンルでの実績が豊富なスタジオとして知られています。
Tarsier Studiosがシリーズから離脱した後、バンダイナムコはホラーゲームの開発に定評のあるSupermassive Gamesを新たなパートナーとして選びました。
2023年8月に正式発表され、当初2024年発売予定でしたが、クオリティアップのため2025年10月10日に延期されてリリースされています。
シリーズのIP(知的財産権)を持つバンダイナムコの役割
シリーズ全体を通じて一貫しているのは、パブリッシャーがバンダイナムコエンターテインメントであるという点です。
リトルナイトメアというブランドのIP(知的財産権)は、開発元のTarsier Studiosではなくバンダイナムコが保有しています。
つまり、シリーズの続編を制作するかどうか、どのスタジオに開発を委託するかといった判断は、すべてバンダイナムコ側に決定権があるということです。
この権利関係が、後述する開発会社の変更に直結しています。
なぜリトルナイトメアの開発会社は変更されたのか?
多くのファンが最も気になるのは、なぜ評価の高かった元の開発スタジオから別の会社へと変わってしまったのかという点でしょう。
この変更は一つの理由ではなく、買収・方針転換・IP所有権という3つの要因が重なって生じたものです。
Tarsier StudiosがEmbracer Groupに買収された背景
2019年12月、Tarsier Studiosはスウェーデンの大手ゲームグループであるEmbracer Groupに買収されました。
買収額は約9,900万スウェーデンクローネ(当時の為替で約1,050万米ドル)で、スタジオの全従業員65名とTarsier Studios独自の知的財産権が取引に含まれています。
ただし、リトルナイトメアのIPはバンダイナムコが所有していたため、買収対象には含まれませんでした。
この時点で、Tarsier Studiosがリトルナイトメアの続編を開発し続けることは、構造的に困難な状況となったのです。
Tarsier Studiosが「新規IPに集中する」と表明した理由
2021年、リトルナイトメア2のリリースを終えたTarsier Studiosは、今後は新規IPの開発に集中するという方針を公式に発表しました。
Embracer Groupの傘下に入ったことで、同スタジオには自社IPを持つ新たなタイトルを生み出すことが期待されていたと考えられます。
他社が権利を持つシリーズの受託開発を続けるよりも、自分たちのクリエイティビティを最大限に発揮できるオリジナル作品に挑戦するという判断は、スタジオとしては自然な選択だったといえるでしょう。
この決断が、後のREANIMAL開発へとつながっていきます。
バンダイナムコが新たな開発パートナーを選んだ判断
Tarsier Studiosがシリーズから離脱した一方で、リトルナイトメアはシリーズ累計2,000万本を超える人気フランチャイズに成長していました。
バンダイナムコにとって、これほどの収益性を持つIPを休眠させるという選択肢は現実的ではなかったはずです。
そこで白羽の矢が立ったのが、ホラーアドベンチャーの開発で数々の実績を持つSupermassive Gamesでした。
BAFTA受賞歴もある同社の技術力と経験値が評価され、シリーズの新たな担い手として選ばれたのです。
開発会社の変更でリトルナイトメア3はどう変わった?
開発会社が変わったことで、リトルナイトメア3にはどのような影響が出たのでしょうか。
実際の評価データとファンの反応を見ていきましょう。
メタスコアとSteam評価に見る過去作との違い
リトルナイトメア3の評価は、過去作と比べて明確に低下しています。
| タイトル | メタスコア(PS版参考) | Steam評価 |
|---|---|---|
| リトルナイトメア | 83 | 非常に好評 |
| リトルナイトメア2 | 82 | 非常に好評 |
| リトルナイトメア3 | 72 | 賛否両論(好評47%) |
特にSteamでは、発売直後に約5,000件のレビューが集まった時点で好評率が47%にとどまり、「賛否両論」の評価となりました。
過去2作がいずれも80点台の高評価を安定して獲得していたことを考えると、3作目の数値は大きく見劣りしています。
ファンの間で賛否が分かれたポイントとは
多くのユーザーから指摘されている不満点は、主に以下の3つに集約されます。
1つ目は、過去作に比べて恐怖感や不気味さが薄れたという声です。
Tarsier Studios特有のアートスタイルや演出の妙が、3作目では別の方向性に変化しており、「リトルナイトメアらしさ」が希薄になったと感じるファンが少なくありません。
2つ目は、ゲームプレイの単調さです。
海外メディアのレビューでも「尖った部分を代償に万人向けになった」という評価が散見され、シリーズ入門としては無難だが熱心なファンには物足りないという意見が目立ちます。
3つ目は、発売時のバグの多さです。
特に協力プレイ時の不具合が報告されており、技術的な問題が評価を押し下げる要因となりました。
Tarsier Studiosが公式Discordで出した異例の声明
リトルナイトメア3の発売後、興味深い事態が起きています。
不満を抱えたファンが、Tarsier Studiosの公式Discordサーバーにリトルナイトメア3への批判を大量に投稿するという現象が発生しました。
これに対してTarsier Studiosは、「リトルナイトメア3の開発には我々は関与しておらず、批判を当スタジオのコミュニティに持ち込まないでほしい。
ただし、同作へのリスペクトは持っている」という趣旨の声明を発表しています。
また、REANIMALの公式Redditコミュニティでも、リトルナイトメア3との比較投稿を禁止する措置が取られるなど、コミュニティの分断を防ぐための対応が行われました。
リトルナイトメアの作者による新作REANIMALの評価は?
Tarsier Studiosがリトルナイトメアシリーズから離れた後、最初に発表したオリジナルタイトルがREANIMALです。
元の開発者たちが手がける新作として、発表当初から大きな注目を集めていました。
REANIMALはどんなゲーム?基本情報と特徴まとめ
REANIMALは、2026年2月13日にTarsier Studiosが開発し、THQ Nordicがパブリッシャーとしてリリースした協力型ホラーアドベンチャーゲームです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売日 | 2026年2月13日 |
| 開発 | Tarsier Studios |
| パブリッシャー | THQ Nordic |
| 対応機種 | PS5 / Nintendo Switch 2 / Xbox Series X |
| エンジン | Unreal Engine 5 |
| 価格 | 通常版5,720円 / デラックス版8,470円 |
| プレイ人数 | 1〜2人(フレンドパス対応) |
マスクを被った姉弟が行方不明の友人を探しながら恐ろしい島からの脱出を目指すというストーリーで、ソロでも2人協力でもプレイできる設計になっています。
過去のリトルナイトメアが横スクロール中心だったのに対し、REANIMALでは立体的な空間設計とダイナミックなカメラワークが採用されており、表現の幅が大きく広がった点が特徴です。
メタスコア80点の高評価と「精神的続編」と呼ばれる理由
REANIMALのメタスコアは、PS5版が80点、Xbox Series X版が84点、PC版が79点と、各プラットフォームで高い評価を獲得しています。
この数値は、リトルナイトメア1作目の83点やリトルナイトメア2の82点とほぼ同水準であり、一方でリトルナイトメア3の72点を明確に上回っています。
多くのゲームメディアやユーザーの間では、「Tarsier Studiosが作った事実上のリトルナイトメア3」「精神的続編」と評する声が広がっています。
UIを極力排した没入感のある演出、グロテスクながらも美しいビジュアル、そしてプレイヤーの恐怖心を巧みに刺激するレベルデザインは、まさにリトルナイトメアの遺伝子を受け継いだ作品といえるでしょう。
プレイ時間とボリュームに対する注意点
一方で、購入前に知っておくべきデメリットもあります。
REANIMALのメインストーリーのクリア時間は約4〜6時間と報告されており、5,720円という価格に対してボリュームが少ないと感じるユーザーが一定数います。
Steamのユーザーレビューでは、発売から約1週間で6,485件が寄せられ「やや好評」という評価に落ち着いています。
ゲームの質自体は高く評価されているものの、「価格に対するプレイ時間の短さ」と「発売時点でフレンドパス機能が未実装だった」という2点が不満の主因です。
セール時期を待つことを推奨する声も一般的に見られるため、購入タイミングは慎重に検討するのがよいでしょう。
リトルナイトメア3とREANIMALを徹底比較
どちらを遊ぶべきか迷っている方のために、両作品の違いを具体的に比較していきます。
開発会社の作風とゲームデザインの違い
Tarsier Studios(REANIMAL)とSupermassive Games(リトルナイトメア3)では、ホラーゲームに対するアプローチが根本的に異なります。
Tarsier Studiosの作風は、環境そのものが恐怖を語る「雰囲気重視型」です。
セリフやUIを極力排し、プレイヤーの想像力に恐怖を委ねるデザインが特徴で、REANIMALでもこの哲学は健在です。
一方のSupermassive Gamesは、「Until Dawn」シリーズに見られるように、映画的な演出と選択肢による分岐を重視する「ナラティブ主導型」のスタジオです。
リトルナイトメア3ではこの特性が活かされ、協力プレイを前提としたパズル設計やストーリー展開が取り入れられています。
どちらが優れているかではなく、ホラー体験に求めるものによって好みが分かれるといえるでしょう。
協力プレイ・ソロプレイそれぞれの体験の差
リトルナイトメア3は、オンライン協力プレイを前提にデザインされた初のシリーズ作品です。
2人のプレイヤーがそれぞれ異なるキャラクターを操作し、協力してパズルを解く仕組みが採用されています。
ソロプレイ時はAIがパートナーを操作しますが、一部のユーザーからはAIの挙動に不満の声も挙がっています。
REANIMALも1〜2人でのプレイに対応していますが、ソロでの体験も十分に成立するよう設計されている点が異なります。
フレンドパスに対応しているため、1本のソフトを購入すれば友人と無料で協力プレイを楽しめるのも魅力の一つです。
どちらを先にプレイすべき?目的別のおすすめ
結局どちらを先に遊ぶべきかは、プレイヤーの目的によって変わります。
シリーズの物語を時系列で追いたいなら、リトルナイトメア3が正統な続編であるため、こちらを先にプレイするのが自然です。
一方、リトルナイトメア1・2の雰囲気が好きで、あの独特の世界観をもう一度味わいたいという方には、同じスタジオが手がけたREANIMALを先に体験することをおすすめします。
両作品は世界観のつながりはなく、どちらから遊んでも問題ありません。
価格やプレイ時間のコストパフォーマンスを重視するなら、約6時間のリトルナイトメア3の方がボリューム面ではやや優位といえます。
リトルナイトメア関連の開発会社は今後どうなる?
シリーズを取り巻く各社の状況は、2026年現在も大きく動いています。
今後の展開を予測するためにも、最新の動向を押さえておきましょう。
Supermassive Gamesの人員削減と今後の動向
リトルナイトメア3を開発したSupermassive Gamesは、2024年と2025年に相次いで人員削減を実施しています。
2025年7月には最大36名規模のレイオフが発表されましたが、同社はリトルナイトメア3の開発・発売スケジュールには影響がないと声明を出しています。
また、同社の別タイトル「Directive 8020」は2026年前半への発売延期が発表されており、スタジオ全体として厳しい経営環境にあることが伺えます。
リトルナイトメアシリーズの今後にSupermassive Gamesが引き続き関わるかどうかは、現時点では不透明な状況です。
元開発者が設立したSection 9 Interactiveの新作End of Abyss
リトルナイトメアの元開発者たちの動きは、Tarsier Studios内にとどまりません。
同スタジオを退社したクリエイティブディレクターやアートディレクターらが、新たに「Section 9 Interactive」というスタジオをスウェーデンのマルメに設立しています。
同スタジオは2025年6月のSummer Game Festで新作「End of Abyss」を正式発表しました。
見下ろし型のツインスティックシューターとメトロイドヴァニア探索を融合させたアクションゲームで、パブリッシャーはEpic Games Publishingが担当します。
2026年内の発売が予定されており、リトルナイトメアの遺伝子を受け継ぐ新たなタイトルとして期待が高まっています。
VR新作Altered Echoesやシリーズのメディア展開の可能性
バンダイナムコはリトルナイトメアIPの多角的な展開を進めています。
2025年6月には「Little Nightmares VR: Altered Echoes」が正式発表されました。
VRならではの没入感でリトルナイトメアの世界を体験できる新作として注目されていますが、対応VR機器や開発スタジオ、発売日などの詳細はまだ明かされていません。
さらに、2025年10月には初代リトルナイトメアの「Enhanced Edition」がPS5やXbox Series X|S向けにリリースされており、高解像度化やレイトレーシング対応といったグラフィック面の強化が施されています。
ゲーム以外のメディア展開としては、シリーズ初の音声ドラマ「サウンド・オブ・リトルナイトメア」が2023年に配信されているほか、デジタルコミックアプリも存在します。
シリーズ累計2,000万本を超えるフランチャイズだけに、今後も新たな展開が続く可能性は十分にあるでしょう。
リトルナイトメアの会社に関するよくある質問
シリーズの開発会社について、ファンの間でよく挙がる疑問をまとめて回答します。
Tarsier StudiosとSupermassive Gamesの関係は敵対的?
両社の関係は敵対的ではありません。
Tarsier Studiosの一部スタッフがリトルナイトメア3の開発を手伝ったという情報もあり、業界内では友好的な関係にあるとされています。
前述のDiscord声明でも、Tarsier Studiosはリトルナイトメア3に対して「リスペクトを持っている」と明言しています。
ファンの間では両作品の優劣を巡る議論が活発ですが、スタジオ間に対立構造があるわけではない点は理解しておくべきでしょう。
リトルナイトメアのシリーズ累計販売本数は?
リトルナイトメアシリーズの累計販売本数は、2025年6月時点で全世界2,000万本を突破しています。
2023年4月の時点では1,200万本だったため、わずか約2年で800万本が上積みされた計算です。
1作目単体でも2020年時点で200万本以上を売り上げており、インディーゲームの枠を超えた世界的なフランチャイズに成長しています。
この圧倒的な販売実績が、バンダイナムコが開発スタジオを変えてでもシリーズを継続させた最大の理由といえます。
Enhanced Editionは初代と何が違うのか
2025年10月にリリースされた「Little Nightmares Enhanced Edition」は、初代リトルナイトメアのリマスター版です。
主な変更点は、高解像度テクスチャの採用、ボリュメトリックライティングの追加、レイトレーシング対応、そしてパーティクルエフェクトの増加といったグラフィック面の強化です。
クオリティモードとパフォーマンスモードを選択でき、ビジュアル重視か滑らかさ重視かをプレイヤーが切り替えられるようになっています。
ゲーム内容自体は原作と同一のため、ストーリーやステージ構成に変化はありません。
PS5やXbox Series X|Sの性能を活かして、より美しい映像で初代の世界を体験し直したい方に向けたバージョンです。
まとめ:リトルナイトメアの会社を理解してシリーズをもっと楽しもう
- リトルナイトメア1・2の開発会社はスウェーデンのTarsier Studios、3作目はイギリスのSupermassive Gamesが担当
- シリーズのIP(知的財産権)はバンダイナムコが保有しており、開発スタジオに決定権はない
- 開発会社の変更は、Tarsier StudiosのEmbracer Group買収と新規IP方針への転換が主因である
- リトルナイトメア3はメタスコア72点・Steam評価「賛否両論」と過去作から大きく低下した
- 元の作者たちによる新作REANIMALはメタスコア80点前後の高評価を獲得している
- REANIMALは「精神的続編」と呼ばれるが、プレイ時間4〜6時間に対し価格面での不満も存在する
- Tarsier StudiosとSupermassive Gamesは敵対関係ではなく、友好的な関係を維持している
- 元開発者の一部はSection 9 Interactiveを設立し、新作End of Abyssを2026年内に発売予定である
- バンダイナムコはVR新作Altered EchoesやEnhanced Editionなど、IPの多角展開を推進中である
- シリーズ累計販売本数は2,000万本を突破しており、今後も新展開が期待される大型フランチャイズである

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