世界中のゲームファンが注目する「ゲーム・オブ・ザ・イヤー(GOTY)」。
毎年、その年を代表する最高のゲーム作品に贈られるこの賞は、ゲーム業界のアカデミー賞とも呼ばれています。
「今年のGOTYはどの作品が選ばれたのか?」
「歴代の受賞作を一覧で振り返りたい」
「そもそもGOTYにはどんな種類があるのか?」
このようにお考えの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、2025年の最新受賞結果から、過去に栄冠を手にした歴代の名作までを一覧で紹介します。
また、主要な4大ゲームアワードの特徴や、日本発のゲームが世界でどのように評価されてきたかについても詳しく解説します。
ゲームの歴史を彩る傑作の数々を、ぜひチェックしてみてください。
2025年最新!今年のGOTY受賞作品と注目の候補
2025年も数多くの素晴らしいゲームタイトルが発売され、激戦が繰り広げられました。
まずは、世界で最も注目されるアワードの結果と、ノミネートされた作品について見ていきましょう。
The Game Awards 2025の覇者は『Clair Obscur: Expedition 33』
2025年12月12日(日本時間)に開催された世界最大規模のゲーム表彰式典「The Game Awards 2025(TGA 2025)」において、栄えあるGame of the Year(GOTY)を獲得したのは『Clair Obscur: Expedition 33』でした。
Sandfall Interactiveが開発し、Kepler Interactiveから発売されたこのRPGは、ベル・エポック期に着想を得た幻想的な世界観と、ターン制コマンドバトルにアクション要素を融合させた革新的なシステムが高く評価されました。
本作はTGAにおいて、GOTYだけでなく「Best RPG」や「Best Game Direction」など複数の部門でも受賞を果たし、2025年を象徴する作品となりました。
また、もう一つの主要アワードである「Golden Joystick Awards 2025(GJA)」においても、ユーザー投票によって選ばれる「Ultimate Game of the Year」を受賞しており、批評家とユーザー双方から圧倒的な支持を集めたことが証明されています。
2025年のGOTYノミネート作品一覧
『Clair Obscur: Expedition 33』と共にGOTYを争ったノミネート作品も、非常にレベルの高いラインナップでした。
TGA 2025のGOTY候補としてノミネートされたのは、以下の6作品です。
- Clair Obscur: Expedition 33
- DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH(コジマプロダクション/SIE)
- ドンキーコング バナンザ(任天堂)
- Hades II(Supergiant Games)
- Hollow Knight: Silksong(Team Cherry)
- キングダムカム・デリバランス II(Warhorse Studios/Deep Silver)
小島秀夫監督の最新作『DEATH STRANDING 2』や、待望の続編となった『Hades II』『Hollow Knight: Silksong』など、続編タイトルが多く名を連ねた年でもありました。
その中で、完全新規IPである『Clair Obscur: Expedition 33』が受賞したことは、ゲーム業界に新たな風を吹き込む結果と言えるでしょう。
日本ゲーム大賞2025の結果と国内タイトルの評価
日本国内の市場を対象とした「日本ゲーム大賞2025」の結果も確認しておきましょう。
年間作品部門の大賞には、アトラスの『メタファー:リファンタジオ』が選出されました。
2024年10月に発売された本作は、ファンタジー世界を舞台にしたRPGとして国内外で高い評価を受け、その熱気が2025年の授賞式まで続いた形です。
また、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』が2024年に大賞を受賞したことに続き、日本のRPGやアクションアドベンチャーが依然として強力なコンテンツ力を保持していることがわかります。
【年代別】歴代ゲームオブザイヤー(GOTY)受賞作品一覧
ここからは、過去に「The Game Awards(TGA)」でGOTYを受賞した作品を中心に、歴代の名作を年代別に振り返ります。
TGAが創設された2014年以降のデータを見ていきましょう。
2020年代(2020~2025年)の受賞タイトル
2020年代は、圧倒的なボリュームと自由度を誇る作品や、物語性が重視された作品が評価される傾向にあります。
- 2025年:Clair Obscur: Expedition 33
- 2024年:アストロボット (Team ASOBI/SIE)
- 2023年:バルダーズ・ゲート3 (Larian Studios)
- 2022年:ELDEN RING (フロム・ソフトウェア)
- 2021年:It Takes Two (Hazelight Studios)
- 2020年:The Last of Us Part II (Naughty Dog)
2024年の『アストロボット』は、プラットフォーマーとしての完成度の高さと、PlayStationの歴史を詰め込んだ愛あふれる内容で受賞しました。
2023年の『バルダーズ・ゲート3』や2022年の『ELDEN RING』は、主要なゲームアワードを総なめにする歴史的な快挙を成し遂げています。
2010年代(2010~2019年)の受賞タイトル
2010年代後半は、オープンワールドゲームの進化や、eスポーツタイトルの台頭が目立ちました。
- 2019年:SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE (フロム・ソフトウェア)
- 2018年:ゴッド・オブ・ウォー (SIE サンタモニカスタジオ)
- 2017年:ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド (任天堂)
- 2016年:オーバーウォッチ (Blizzard Entertainment)
- 2015年:ウィッチャー3 ワイルドハント (CD Projekt RED)
- 2014年:ドラゴンエイジ:インクイジション (BioWare)
特に2017年の『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は、「当たり前を見直す」というコンセプトのもと、オープンワールドの定義を再構築した傑作として、今なお語り継がれています。
2000年代以前の歴史的受賞タイトル
TGAの前身と言われる「Spike Video Game Awards(VGA)」や、歴史ある「Golden Joystick Awards」などの記録から、2000年代の代表的な受賞作をいくつかピックアップします。
- 2013年:グランド・セフト・オートV
- 2011年:The Elder Scrolls V: Skyrim
- 2005年:バイオハザード4
- 1998年:ゼルダの伝説 時のオカリナ
- 1997年:ファイナルファンタジーVII
これらの作品は、ジャンルそのもののスタンダードを確立したり、3Dグラフィックスの進化を決定づけたりと、ゲーム史における重要な転換点となりました。
GOTY(ゲーム・オブ・ザ・イヤー)とは?主要4大アワードを解説
一口に「GOTY」と言っても、世界中には数多くのメディアや団体が主催する賞が存在します。
その中でも特に権威があり、業界への影響力が大きいとされる「4大GOTY(4大アワード)」について解説します。
世界最大級の影響力「The Game Awards (TGA)」
開催時期: 12月
特徴:
ジェフ・キーリー氏が主催する、現在世界で最も注目度の高いゲームアワードです。
授賞式は豪華なステージで行われ、受賞発表だけでなく、新作タイトルの「ワールドプレミア(初公開)」が行われる場としても有名です。
メディアによる審査員投票(90%)とファン投票(10%)によって決定されます。
最も歴史ある「Golden Joystick Awards (GJA)」
開催時期: 11月
特徴:
1983年から続く、現存する最古のゲームアワードです。
最大の特徴は、受賞作が一般ユーザーのオンライン投票のみで決定される点です(一部部門を除く)。
そのため、批評家の評価よりも、プレイヤーの熱量や人気がダイレクトに反映されやすい傾向があります。
クリエイターが選ぶ「GDC Awards」と「D.I.C.E. Awards」
Game Developers Choice Awards (GDC Awards)
開催時期: 3月
特徴:
世界中のゲーム開発者が集まるカンファレンス「GDC」の中で開催されます。
同業者である開発者の投票によって選ばれるため、技術的な革新性やゲームデザインの巧みさが評価される玄人好みの賞と言えます。
D.I.C.E. Awards
開催時期: 2月
特徴:
「AIAS(インタラクティブ芸術科学アカデミー)」が主催し、こちらもゲーム業界のプロフェッショナルによる投票で決定されます。
「ゲーム業界のアカデミー賞」とも称され、芸術性やエンターテインメントとしての完成度が重視されます。
4大GOTY制覇・5大GOTY制覇の定義と達成作品
上記の4つのアワード(TGA、GJA、GDC、D.I.C.E.)すべてのGOTYを受賞することを「4大GOTY制覇(グランドスラム)」と呼びます。
さらに、英国アカデミー賞ゲーム部門(BAFTA Games Awards)を加えて「5大GOTY」と呼ぶこともあります。
過去の主な制覇タイトル:
- ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド (2017)
- ELDEN RING (2022)
- バルダーズ・ゲート3 (2023)
これらの作品は、批評家、開発者、ユーザーの全方位から満場一致で「その年最高」と認められた伝説的なタイトルです。
日本のゲームは世界でどう評価されている?歴代の快挙
日本のゲームメーカーやクリエイターは、世界のGOTYレースにおいて常に重要な位置を占めてきました。
日本発のタイトルがどのように評価されてきたのかを見てみましょう。
エルデンリングやゼルダなど日本発のGOTY受賞作
日本のゲームは、その独自の世界観や緻密なゲームデザインで世界中を魅了してきました。
特に任天堂とフロム・ソフトウェアの活躍は目覚ましく、以下のようなタイトルがTGAでGOTYを獲得しています。
- ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド (任天堂)
- SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE (フロム・ソフトウェア)
- ELDEN RING (フロム・ソフトウェア)
また、2024年にはソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の『アストロボット』がTGAのGOTYを受賞しました。
『アストロボット』を開発したTeam ASOBIは東京を拠点とするスタジオであり、日本の開発力が依然として世界トップクラスであることを証明しました。
日本のメーカー・クリエイターによる最多受賞記録
GOTYの受賞数において、任天堂とフロム・ソフトウェアは世界的に見てもトップクラスの実績を誇ります。
特にフロム・ソフトウェアは、宮崎英高氏のディレクションのもと、『SEKIRO』と『ELDEN RING』で短期間に2度のTGA GOTYを獲得するという離れ業をやってのけました。
これは、日本の職人的なゲーム作りと、妥協のない難易度調整、そして圧倒的な世界観構築が、国境を超えて熱狂的に支持されていることの証左です。
2025年のTGAでも、小島秀夫監督の『DEATH STRANDING 2』や任天堂の『ドンキーコング バナンザ』がノミネートされており、日本勢の存在感は年々増しています。
まとめ:GOTY歴代一覧から見るゲーム業界の進化
- 2025年のTGA GOTYは『Clair Obscur: Expedition 33』が受賞した
- 『Clair Obscur』はGJA 2025でもUltimate GOTYを受賞し、2冠を達成している
- 2024年は『アストロボット』、2023年は『バルダーズ・ゲート3』が受賞した
- TGA、GJA、GDC、D.I.C.E.が世界的に権威のある「4大GOTY」と呼ばれる
- 4大アワードすべてを制覇した作品には『ゼルダの伝説 BotW』や『ELDEN RING』がある
- 日本のゲームは世界中で高く評価されており、多くのGOTYを獲得している
- GOTYの歴史を振り返ることは、ゲーム技術と表現の進化を知ることにつながる
- 受賞作は面白さが保証されているため、遊ぶゲームに迷った時の指標になる
- 歴代の受賞作をプレイすることで、ゲーム史に残る体験を味わえる
- 毎年12月のTGAは、受賞結果だけでなく新作発表の場としても必見である

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