2024年2月に発売され、世界中のファンが待ち望んだ「ファイナルファンタジー7 リバース」。
壮大な物語の続きに胸を躍らせた方も多いのではないでしょうか。
しかし、インターネット上では「最高傑作」という絶賛の声がある一方で、「FF7リバースはつまらない」「期待外れだった」といった手厳しい意見も少なくありません。
実際にプレイしていて「なんだか面白くないな…」と感じたり、多すぎるミニゲームにうんざりしたり、戦闘でイライラしてしまったり。
あるいは、購入を検討しているものの、こうした低評価を見てためらっている方もいるかもしれません。
この記事では、なぜFF7リバースが「つまらない」と言われてしまうのか、その理由を様々なレビューや感想をもとに徹底的に分析します。
また、批判的な意見だけでなく、高く評価されているポイントも合わせて解説することで、作品の全体像を公平にお伝えしていきます。
この記事を読み終える頃には、あなたが抱えるモヤモヤの正体がきっと明らかになるはずです。
なぜ「FF7リバースはつまらない」という意見があるのか
多すぎるミニゲームにプレイヤーはうんざり?
ファイナルファンタジー7 リバース(以下、FF7リバース)に対して「つまらない」という評価が下される大きな理由の一つに、ミニゲームの存在が挙げられます。
具体的には、その圧倒的な「量」と、一部のミニゲームの「強制感」や「質のばらつき」に対して、多くのプレイヤーが疲労感や不満を抱いているようです。
本作には、カードゲームからレース、シューティング、ステルスアクションに至るまで、実に30種類以上のミニゲームが収録されています。
このボリュームは、一見すると非常に豪華な要素に思えます。
しかし、多くのレビューで指摘されているのは、これらのミニゲームがプレイヤーの冒険体験を頻繁に中断させてしまうという点です。
特に問題視されているのが、ストーリー進行上、プレイが必須となるミニゲームの存在です。
多くのプレイヤーは重厚な物語やキャラクターとの旅を楽しみたいと考えていますが、その道中で突如として趣向の異なるミニゲームをプレイさせられることに、テンポの悪さや没入感の阻害を感じています。
あるレビューでは「冒険できるマリオパーティ」と揶揄されるほど、本編とは異なるゲーム体験が頻繁に挟み込まれる構成になっています。
さらに、全てのミニゲームが高いクオリティを保っているわけではない点も、不満が集まる要因となっています。
例えば、以下のようなミニゲームには、具体的な批判の声が寄せられています。
批判的な意見が目立つミニゲームの例
- チョコボ捕獲: 物陰に隠れながら進むステルス風のミニゲームですが、攻略ルートがほぼ固定されており、単調な待ち時間が長いタイミングゲームになりがちだと指摘されています。各エリアの探索に必須なため、避けられない点もストレスを増大させているようです。
- モーグリ・コープ(モグハウス): 子モーグリを柵に追い込むという内容ですが、楽しさを見出しにくく、後半の難易度上昇も相まって「苦行」と感じるプレイヤーが少なくありません。
- フープ・デ・チョコボ: 空チョコボの操作を学ぶミニゲームですが、一般的な飛行操作(スティックを手前に倒すと上昇)とは逆の操作系になっており、設定変更もできないため、直感的な操作ができずにストレスを感じるという意見が見られます。
これらの他にも、掃除機で魔晄を吸う、ニワトリを缶で誘導するといった、本編の延長線上にある「ミニ・ミニゲーム」と呼ばれるような単調な作業にも、「時間稼ぎではないか」といった厳しい評価が下されています。
もちろん、「クイーンズ・ブラッド」や「ピアノ演奏」のように、単体で発売できるほどのクオリティで非常に面白いと絶賛されているミニゲームも存在します。
しかし、その一方で、面白くないと感じるミニゲームを、貴重な報酬(武器やマテリアなど)のためにプレイせざるを得ない状況が、多くのプレイヤーに「やらされている感」を与え、結果として「うんざり」という感情を抱かせているのが実情のようです。
FF7リバースの戦闘はイライラするという声
FF7リバースの戦闘システムは、前作「リメイク」から正統進化を遂げ、戦略性が増したと評価される一方で、その複雑さや操作性、一部のゲームバランスに対して「イライラする」「ストレスが溜まる」といったネガティブな意見も少なくありません。
賞賛の声も多い戦闘システムですが、なぜ一部のプレイヤーは不満を感じるのでしょうか。
その理由は、主に以下の4つのポイントに集約されているようです。
1. ガード・ジャストガードの使いにくさ
本作では敵の攻撃を防ぐ手段としてガードが重要ですが、この操作性にストレスを感じるという声があります。
具体的には、「ガードの発生がやや遅く、敵の素早い攻撃に対してジャストガードを狙いにくい」「攻撃の先行入力が効きすぎるため、攻撃を中断してガードに移行したい場面で意図しない攻撃が出てしまう」といった指摘が見られます。
アクションの快適性を重視するプレイヤーにとって、防御の根幹となるシステムの使いにくさは、戦闘全体の楽しさを損なう大きな要因となっています。
2. 不自然さを感じるAIの挙動
操作キャラクター以外の仲間(AI)の挙動にも、違和感を覚えるプレイヤーがいます。
味方AIは、デフォルトの状態ではアビリティや魔法を自律的に使用しません。
これらを使わせるには特定のマテリアを装備させる必要がありますが、この仕様に対して「なぜマテリアでAIの行動を制御するのか。世界観にそぐわない」という根本的な疑問が呈されています。
また、敵のAIが常にプレイヤーの操作キャラクターを狙ってくる傾向が強い点も、「操作キャラを切り替えた瞬間に敵のターゲットも切り替わるのは不自然」と指摘されています。
ゲーム的な都合は理解できるものの、戦闘の没入感を損なう要因と捉えられています。
3. 「みやぶる」前提のゲームバランス
本作の戦闘は、敵の弱点やHEAT(バーストさせやすい)状態にする条件を知ることが攻略の鍵となります。
そのために「みやぶる」というアビリティが事実上必須ですが、この前提にもかかわらず、システム的な配慮が不足しているという不満があります。
FF7リバースでは、シナリオの都合でパーティーメンバーの入れ替えが頻繁に発生します。
そのため、意識していないと「みやぶる」を使えるキャラクターが誰もいない状態でボス戦に突入してしまうケースが頻発し、やり直しを余儀なくされるプレイヤーが後を絶ちません。
ここまで重要なアビリティであれば、デフォルトで使えるようにするなど、何らかの救済措置が欲しかったという意見が多く見られます。
4. 理不尽な難易度のバトルコンテンツ
やりこみ要素である「バトルシミュレーター」の一部には、理不尽とも言える難易度のステージが存在します。
特に多くのプレイヤーを悩ませたのが「一陣の魔風」というミッションです。
「ボスを先に倒す」という達成条件があるにもかかわらず、HPの低い雑魚敵が味方AIの攻撃や自爆ですぐに倒れてしまい、失敗を繰り返すことになります。
このような納得感の薄い意地悪な条件設定は、プレイヤーのモチベーションを大きく削ぎ、戦闘コンテンツ全体への信頼を失わせる結果に繋がっています。
これらの要素が組み合わさることで、進化したはずの戦闘システムが、一部のプレイヤーにとっては爽快感よりもストレスを感じさせるものになってしまっているようです。
ストーリーやキャラクターのノリがきついという評価
FF7リバースの物語やキャラクター描写は、多くのファンを魅了する一方で、その独特の「ノリ」が合わない、きついと感じるプレイヤーもいるようです。
特に、原作から27年の時を経て現代に蘇った作品だからこそ、演出やセリフ回しの古さがノイズになっているという指摘が見受けられます。
1. 令和の感覚とズレたキャラクターの言動
一部のキャラクター、特にエアリスやユフィの言動について、「ノリが古い」「痛々しい」と感じるという意見があります。
例えば、エアリスの「ヒリヒリでひゅーひゅーだね」といった独特のセリフ回しは、キャラクターの天真爛漫さを表現する演出ですが、プレイヤーによっては違和感や気恥ずかしさを覚えてしまうようです。
キャラクターの掘り下げ自体は歓迎されているものの、その表現方法が現代の感性から少しズレていると感じる層が一定数存在します。
2. シリアスな展開を破壊する余韻のない構成
物語の構成にも、批判的な意見が寄せられています。
本作では、シリアスで感動的なシーンの直後に、コミカルなミニゲームやイベントが挿入されることが多々あります。
例えば、コレルエリアでのバレットとダインを巡る重いイベントの後、すぐにパルマーとのシューティングミニゲームが始まるといった展開です。
このような構成は、プレイヤーが物語に浸る「余韻」を完全に断ち切ってしまい、感情移入を妨げると指摘されています。
悲しみや切なさを感じていたはずが、すぐに別のテンションを要求されるため、物語全体への集中力が削がれてしまうのです。
3. プレイヤー置いてけぼりの「見せたいだけ」の演出
ゴールドソーサーでのミュージカル風の演劇や、エアリスが主題歌を熱唱するシーンなど、大掛かりな演出に対しても賛否が分かれています。
これらのシーンは、開発陣が「見せたかった」であろうことは伝わってくるものの、物語上の必然性やキャラクターのイメージとの乖離から、素直に楽しめなかったという声があります。
「なぜこのキャラクターが突然歌い出すのか」といった唐突さに、プレイヤーが置いてけぼりにされている感覚を抱いてしまうのです。
4. エアリス中心の展開へのうんざり
リメイクプロジェクト全体を通して、エアリスの存在が大きくクローズアップされていますが、その描き方にも不満の声が上がっています。
特にリバースでは、エアリスに関連するクエストの多くがクラウドとのデートイベントのようになっており、「旅の目的を見失っている」「他の仲間との絆が描かれていない」と感じるプレイヤーもいます。
また、物語の結末もエアリスの運命を巡る謎が深まるばかりで、4年間待ったプレイヤーに対して更なる「お預け」を食らわせる形となったことに、大きなモヤモヤ感を訴える意見が多数見られます。
これらの要素が、一部のプレイヤーにとってFF7リバースのストーリー体験を「きつい」「楽しめない」ものにしていると考えられます。
戦闘以外でもストレスを感じるテンポの悪さ
FF7リバースが「つまらない」と感じられる要因は、戦闘やミニゲームだけに留まりません。
むしろ、冒険の大部分を占める移動や探索、各種システムの操作性といった、ゲームプレイの根幹部分に潜む数々の「テンポの悪さ」が、プレイヤーのストレスをじわじわと蓄積させているようです。
1. 快適とは言えないフィールド移動
ミッドガルを抜け出し、広大な世界を旅することがリバースの大きな魅力ですが、その移動手段には多くの不満が寄せられています。
- チョコボの操作性: すぐに止まれなかったり、方向転換にもたつきがあったり、小さな障害物にぶつかるだけで大きく怯んでしまったりと、直感的な操作が難しい仕様になっています。お宝探しなどで細かな操作が求められる場面では、このもっさりとした動きが大きなストレスとなります。
- 分かりにくいパルクール: 段差を乗り越えたり飛び降りたりできるパルクールアクションですが、どこが利用可能でどこが不可能なのかの判別がつきにくいです。行けそうだと思って進んだら壁に阻まれるという体験が頻発し、探索の快適性を損なっています。
- 複雑なマップ: 特に中盤以降の「ゴンガガ」や「コスモキャニオン」といったエリアは高低差が激しく、マップを見ても道の繋がりが非常に分かりにくいです。目的地が見えているのになかなか辿り着けないという状況が、プレイヤーの疲労感を増大させます。
2. 時間稼ぎに感じる単調なギミック
ダンジョンなどに設置されているギミックも、テンポの悪さを助長しています。
ボタンを長押ししてバルブを回す、L2R2ボタンを交互に押してゆっくり匍匐前進する、掃除機のような機械で魔晄ガスを吸うといった、PS2〜PS3時代を彷彿とさせるスローテンポなアクションが随所に挟まれます。
これらの操作は、ゲームとしての面白さを提供するものではなく、単なる「時間稼ぎ」や「ボリュームの水増し」ではないかと邪推する声も上がるほど、退屈な時間としてプレイヤーに認識されています。
3. 不親切なUI(ユーザーインターフェース)
メニュー画面や情報表示といったUIの不親切さも、ストレスの一因です。
- 検索機能の欠如: 膨大な数になるアクセサリーや、みやぶったモンスターの情報に、検索やフィルター機能がありません。「石化を防ぐアクセサリーを探したい」といった場合に、リストを上から順に目で探すしかなく、非常に手間がかかります。
- 情報不足: マップ画面では、表示されているアイコンが何を示しているのかの説明がなかったり、ゲーム上通行不可能なエリアと未探索エリアの区別がつかなかったりと、プレイヤーへの情報提供が不足している場面が目立ちます。
4. 作業感が強まるワールドレポート
各エリアに点在する探索ポイントを巡る「ワールドレポート」も、序盤は楽しいものの、後半になるにつれて単調な作業になりがちです。
エリアごとにやることはほぼ同じであるため、新しいエリアに進むたびにまた同じ作業の繰り返しが待っていることに、精神的な疲労を感じるという意見が多く見られます。
これらの戦闘以外の細かなストレス要素が積み重なることで、ゲーム全体のテンポが悪化し、「プレイしていて疲れる」「快適に遊べない」というネガティブな評価に繋がっていると考えられます。
「FF7リバースはつまらない」だけではない多角的な評価
一方で「最高傑作」と絶賛する意見も多数
ここまで「FF7リバース」に対する批判的な意見を中心に見てきましたが、本作の評価は決してネガティブなものだけではありません。
むしろ、国内外のレビューサイトでは高得点が並び、多くのプレイヤーから「最高傑作」「神ゲー」と手放しで絶賛されているのもまた事実です。
では、なぜ本作はこれほどまでに高く評価されているのでしょうか。
その理由は、批判点を補って余りあるほどの圧倒的な魅力が、本作には備わっているからです。
1. 想像を絶するボリュームと圧倒的な作り込み
本作をプレイした多くの人がまず驚くのが、その凄まじいボリュームです。
あるレビューでは「50時間遊んでも全容が見えてこない」と評されるほど、メインストーリー以外にも膨大なコンテンツが用意されています。
そして特筆すべきは、そのボリュームが単なる水増しではなく、非常に高い密度とクオリティを伴っている点です。
広大なフィールド探索、個性豊かな街の観光、多彩なダンジョンギミック、質の高いサイドクエスト、作り込まれたミニゲームなど、常に新しい刺激と発見に満ちています。
2. PS5の性能を遺憾なく発揮した美麗なグラフィック
PS5専用タイトルとして開発された本作のグラフィックは、現行ゲームの中でも最高レベルと評されています。
ミッドガルの閉塞感から解放され、初めて目の当たりにするグラスランドの青空や、コスモキャニオンの荘厳な儀式、美しい水や光の描写は、多くのプレイヤーに感動を与えました。
この美しい世界を自由に旅するだけでも、本作をプレイする価値があると語るファンは少なくありません。
3. さらに深みを増した戦略的なバトルシステム
前述の通り批判的な意見もありますが、戦闘システムを高く評価する声も非常に多いです。
前作のシステムをベースに、「連携アクション」「連携アビリティ」といった新要素が加わったことで、仲間との共闘感が大幅にアップしました。
どのキャラクターを組み合わせ、どのアビリティを使って敵をバーストさせるかといった戦略を考える楽しさは、本作の大きな魅力の一つです。
アクションの爽快感とコマンドバトルの戦略性が見事に融合しており、歯ごたえのある戦闘が楽しめると好評です。
4. 原作以上に深掘りされた魅力的なキャラクター
本作では、ボイスやリアルな表情描写によって、キャラクターたちの魅力が原作以上に引き出されています。
メインキャラクターはもちろん、サブキャラクターに至るまで丁寧に掘り下げられており、彼らの言動や葛藤に深く感情移入することができます。
特に、原作ではやや幼稚な印象もあったバレットが、酸いも甘いも噛み分けた頼れる大人として描かれている点や、クラウドが時折見せる人間らしい表情などは、多くの原作ファンを喜ばせました。
このように、FF7リバースはいくつかの欠点を抱えながらも、それを凌駕するほどの圧倒的な物量と情熱、そして技術力で作り上げられた作品です。
これらのポジティブな要素が、多くのプレイヤーにとって「最高傑作」と評価するに足る、かけがえのないゲーム体験を提供しているのです。
なぜ低評価?シリーズファンからの期待と現実
FF7リバースに寄せられる低評価や「つまらない」という声の根底には、長年のシリーズファン、特に原作や前作「リメイク」をプレイしたファンが抱いていた「期待」と、実際に提供されたゲーム内容との間に生じた「ギャップ」が大きく影響していると考えられます。
1. 名シーンの改変や省略に対する失望
原作FF7には、ファンの心に深く刻まれている数多くの名シーンが存在します。
多くのファンは、それらのシーンが現代の美麗なグラフィックとボイスで、どのように再現されるのかを心待ちにしていました。
しかしリバースでは、一部の名シーンが改変されたり、あるいは感動に浸る余韻もなくあっさりと処理されたりする場面が見受けられます。
その最たる例が、物語のクライマックスである「忘らるる都」での出来事です。
原作ファンが最も見たかったであろう象徴的なシーンの描き方が、期待とは大きく異なっていたことに、深い失望や戸惑いを覚えたという意見が数多く投稿されています。
「これが見たかったわけではない」という思いが、低評価に直結しているのです。
2. 「作り直す」ことへの期待とのズレ
前作「リメイク」のラストで、運命に抗う姿勢が示されたことから、このリメイクプロジェクトは単なる原作の焼き直しではなく、物語を大胆に「作り直す」のではないか、という期待感が高まりました。
しかし、リバースの物語は、大筋では原作をなぞりながらも、細かな部分で不可解な変更が加えられるという、どっちつかずな印象を与えるものになっています。
大胆な改変を期待していたファンにとっては物足りず、原作通りの展開を望んでいたファンにとっては余計な改変が多く感じられるという、どこの層にも完全には響かない構成になってしまった、という指摘があります。
3. 「プレイヤーが遊びたいもの」との乖離
ゲーム全体から、「制作側が作りたかったもの」と「プレイヤーが遊びたいもの」の間に、大きな溝があるように感じられる、というレビューも散見されます。
例えば、開発陣が力を入れて作り込んだであろう膨大なミニゲームや、リアルさを追求したであろうチョコボの操作性、プレイヤーの行動を制限するパーティーレベルといったシステムが、結果として多くのプレイヤーにとってはストレス要素や不要なものとして受け止められています。
「プレイヤーを楽しませること」よりも「これだけのものを作れる」という開発者の自己満足が優先されているのではないか、という厳しい見方が、低評価の一因となっているのです。
これらのギャップが積み重なり、ファンが長年抱いてきたFF7への愛情や期待が、裏切られたという感情に変化してしまったケースが、低評価の背景にあると言えるでしょう。
売上は炎上レベル?リメイク続編が抱える課題
FF7リバースの発売後、一部のメディアやSNS上で「売上が爆死」「史上最低」といった過激な言葉とともに、販売不振を指摘する声が上がりました。
しかし、この「売上」に関する評価は、いくつかの側面から慎重に判断する必要があります。
確かに、パッケージ版の初週売上本数だけを見ると、前作「リメイク」やFFシリーズの他作品と比較して見劣りする数字であったことは事実です。
この数字だけを切り取って「炎上」「爆死」と結論付けるのは早計であり、そこにはリメイクプロジェクトの続編ならではの、構造的な課題が存在します。
1. 三部作の「中間」であるという宿命
FF7リバースは、壮大な物語の第二部に過ぎず、本作単体ではストーリーが完結しません。
物語の結末が気になるプレイヤーの中には、「三部作が全て出揃ってからまとめてプレイしよう」と考える層や、前作の結末に納得できず今作の購入を一旦見送る「様子見」の層が一定数存在することは想像に難くありません。
特に、前作から4年という長い期間が空いたことも、ファンの熱量を維持する上での課題となった可能性があります。
2. PS5独占タイトルというハードルの高さ
本作はPS5専用タイトルとして発売されました。
前作「リメイク」が発売されたPS4と比較すると、PS5の普及台数はまだ発展途上にあります。
つまり、ゲームをプレイしたくても、そのためには高価なPS5本体を購入しなければならないという、高いハードルが存在するのです。
このハードの制約が、潜在的な購入者層を狭めていることは間違いありません。
3. 新規プレイヤーが参入しにくい構造
ストーリーが前作から地続きであるため、本作を最大限に楽しむためには、最低でも前作「リメイク」のプレイが推奨されます。
可能であれば、原作FF7や関連作品の知識もある方がより深く楽しめます。
このような背景から、全くの新規プレイヤーが本作から気軽に手を出すのは非常に難しく、購入者層が既存のファンに限定されやすいという構造的な問題を抱えています。
4. 販売形態の変化
近年、ゲームの販売はパッケージ版からダウンロード版へと大きくシフトしています。
初週のパッケージ売上だけでは、作品全体の販売動向を正確に把握することは困難です。
事実、発売元のスクウェア・エニックスは、本作の販売本数について「極めて順調」との見解を示しており、ダウンロード版を含めた累計販売本数は好調に推移していることが示唆されています。
結論として、FF7リバースの売上は、作品の面白さとは別の次元にある、続編ならではの課題や市場の変化といった複数の要因が複雑に絡み合った結果と見るべきでしょう。
売上本数の一部だけを見て「炎上」や「失敗」と断じるのは、やや短絡的な見方と言えるかもしれません。
結局面白くない?賛否両論のポイントまとめ
ここまで様々な角度からFF7リバースの評価を見てきましたが、「結局のところ、このゲームは面白いのか、面白くないのか」という問いに対する答えは、非常にシンプルです。
それは、「プレイヤーが何を重視するかによって、評価が真っ二つに分かれる作品である」ということです。
FF7リバースは、多くのレビューで「加点部分に対して減点部分もすさまじかった」「面白い箇所はとても面白くて、苦痛な箇所はとても苦痛」と評されるように、長所と短所が極端に入り混じった「怪作」と言えるでしょう。
高く評価されているポイント(面白いと感じる理由)
- 圧倒的な世界観とグラフィック: PS5で描かれる美しい世界は、探索するだけで価値があると絶賛されています。
- 壮大な物語とキャラクター: 原作以上に深掘りされたキャラクターたちのドラマは、多くのプレイヤーの心を打ちました。
- 進化した戦闘システム: 仲間との連携が楽しい、戦略性豊かで歯ごたえのあるバトルは、本作の大きな魅力です。
- 膨大なボリューム: メインストーリーだけでなく、街の探索やサブクエスト、一部の高品質なミニゲームなど、遊び尽くせないほどのコンテンツが詰まっています。
低く評価されているポイント(面白くないと感じる理由)
- 快適性を損なう操作性: ストレスのたまる移動や、分かりにくいパルクールなど、ゲームプレイの根幹部分に不満が集中しています。
- 多すぎるミニゲーム: 量が多く、強制感のあるミニゲームの数々は、冒険のテンポを損ない、プレイヤーをうんざりさせています。
- 不親切なシステム: 検索機能のないUIや、単調な作業になりがちなワールドレポートなど、プレイヤーへの配慮が欠けていると感じる部分が散見されます。
- 納得感の薄い展開: 一部のストーリー展開や理不尽なバトルなど、プレイヤーを置いてけぼりにするような構成に批判が集まっています。
このように、FF7リバースは、壮大なストーリーや世界観を体験することに重きを置くプレイヤーからは「最高傑作」と評価される一方で、快適な操作性やテンポの良いゲームプレイを求めるプレイヤーからは「つまらない」「ストレスが溜まる」と評価される傾向にあります。
もしあなたが、多少の不便さやストレスには目をつむってでも、壮大なFF7の世界に浸りたいと考えるなら、本作はかけがえのない体験を提供してくれるでしょう。
しかし、ゲームは快適に、ストレスなく楽しみたいと考えるなら、本作のプレイは慎重に検討した方が良いかもしれません。
最終的に、FF7リバースが「面白い」か「面白くない」かを決めるのは、あなた自身の価値観ということになります。
まとめ:「FF7リバースはつまらない」は本当?評価の全貌
- ミニゲームの多さと強制感が不満の一因である
- 戦闘や移動の操作性、テンポの悪さがストレス要因となっている
- ストーリーのノリや展開に違和感を覚えるプレイヤーもいる
- UIの不親切さや作業的な探索要素も指摘されている
- 一方で、圧倒的なボリュームとグラフィックは高く評価されている
- 進化した戦闘システムやキャラクター描写を絶賛する声も多い
- 原作ファンからの期待とのギャップが低評価に繋がっている側面がある
- 三部作の中間であることやPS5独占という販売上の課題も存在する
- 評価はプレイヤーが何を重視するかで大きく分かれる傾向にある
- 総じて、面白い点と不満点が混在する賛否両論の作品といえる
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