2024年2月に発売され、世界中のゲームファンを熱狂の渦に巻き込んだ「ファイナルファンタジーVII リバース」。
壮大なストーリー、広大なワールドマップ、そして進化したバトルシステムなど、多くの点で高い評価を受けました。
しかしその一方で、多くのプレイヤーを混乱させ、活発な議論を呼んでいるのが、本作のエンディングです。
特に、シリーズ最大の悲劇として知られるエアリスの運命がどう描かれるのかは、発売前から最大の注目点でした。
「エンディングが分岐して、エアリスの生存ルートがあるのでは?」「結局エアリスはどうなったの?」「エンディングの意味がよくわからない」といった声が、インターネット上には溢れています。
この記事では、そんな「FF7リバース」のエンディングの謎、特に分岐の可能性とエアリスの生死について、作中の描写や情報を基に徹底的に考察し、分かりやすく解説していきます。
FF7リバースのエンディング分岐とエアリスの生死の謎

FF7リバースのエンディングを徹底考察
「FF7リバース」のエンディングを理解するためには、まずリメイクシリーズから導入された「多元世界(マルチバース)」という概念を把握する必要があります。
前作「FF7リメイク」のラストで、クラウドたちは運命の番人「フィーラー」を倒し、「運命の壁」を破壊しました。
これにより、本来定められていた運命から解き放たれ、無数の新たな世界線が生まれる可能性が示唆されました。
その象徴が、原作では死亡したはずのザックスが生存している世界の存在です。
リバースのエンディングは、この多元世界の設定をさらに推し進めたものになっています。
物語のクライマックス、忘らるる都でクラウドがセフィロスの凶刃からエアリスを守ろうとした瞬間、世界は決定的に分岐します。
具体的には、「エアリスが原作通りに死亡する世界」と、「クラウドがエアリスを守り抜いた生存する世界」の二つが同時に存在する状態になったと考えられます。
エンディングで描かれる一連のシーンは、これらの異なる世界線が複雑に交錯し、プレイヤーに提示されているのです。
クラウドだけがその両方の世界を認識できるような描写がされており、他の仲間たちが見ている世界とは異なる景色を見ている場面が随所に描かれます。
この複雑な構造こそが、エンディング考察の出発点となります。
結局エアリスはどうなった?生死を解説
多くのプレイヤーが最も知りたいであろう「結局エアリスはどうなったのか?」という問いに対する答えは、「エアリスは死亡した。しかし、同時に生存してもいる」という、一見矛盾したものです。
これは、前述の通り、世界が分岐した結果と考えられます。
エアリスが死亡した世界(正史世界)
ティファやバレットをはじめとする仲間たちが認識しているのは、こちらの世界です。
セフィロスの刃に貫かれ、エアリスは命を落とします。
仲間たちが悲しみに暮れる様子や、血に濡れた祭壇の描写は、この世界の出来事です。
原作の悲劇的な運命が、この世界線では踏襲された形となります。
エアリスが生存した世界(分岐世界)
一方で、クラウドだけが認識しているように見えるのが、こちらの世界です。
クラウドはセフィロスの攻撃を防ぎ、エアリスは無傷で生き延びています。
エンディングでクラウドがエアリスと自然に会話を交わしているのは、この生存している世界のエアリスを見ているためです。
しかし、この世界の空には不吉な亀裂が見えており、不安定な状態であることが示唆されています。
つまり、エンディングにおけるエアリスは、死亡した世界の悲劇のヒロインであり、同時に、分岐した世界で生存している希望の象徴でもあるのです。
クラウドだけが、その二つの世界の狭間に立ち、両方を認識してしまっている極めて特殊で危険な状態にある、というのがエンディングの核心部分と言えるでしょう。
エアリスは死なない?生存の可能性を考察
「FF7リバース」では、エアリスが死なない、つまり生存する可能性が明確に示されています。
その最大の根拠は、忘らるる都でクラウドがセフィロスの攻撃を弾き、エアリスを守り抜いたシーンがはっきりと描かれている点です。
この描写は、単なるクラウドの願望や幻覚ではなく、「エアリスが生存した世界線」が確かに生まれたことを示しています。
エンディングでクラウドとエアリスが交わす会話も、生存の可能性を裏付けています。
彼女は「ここで祈り続ける」と自らの役目を語り、クラウドに未来を託します。
これは、死者の霊が語りかけているというよりは、別の場所にいながらも生きている存在としての言葉と解釈するのが自然です。
また、物語の序盤でエアリスの白マテリアが透明になってしまうイベントも、生存の可能性を示唆する重要な伏線でした。
ホーリーを発動する力を失ったことで、原作で彼女が殺される理由の一つが消滅したかに見えました。
(後に別の世界線のエアリスから新たな白マテリアを受け取ることで、再び死亡フラグが立ってしまいますが)
これらの描写から、リメイクシリーズの物語は、原作通りの死という運命に抗い、エアリスが生存する未来を勝ち取る可能性を秘めていると言えます。
ただし、前述の通り、生存している世界の空には亀裂が走っており、その世界が今後どうなるのかは不透明です。
「生存はしたものの、その世界自体が消滅の危機にある」という、新たな問題が浮上している可能性も考えられます。
ネタバレ!エアリス生存ルートの真相
「エアリス生存ルート」という言葉から、特定の選択肢や行動によって到達できるエンディング分岐を想像するかもしれません。
しかし、「FF7リバース」における真相は少し異なります。
結論から言うと、プレイヤーの選択によって物語が大きく分岐する、いわゆる「マルチエンディング」のような明確な生存ルートは、現時点では存在しません。
好感度によってデートイベントの相手は変わりますが、それがエアリスの生死という物語の根幹を左右することはないのです。
本作で描かれたのは、プレイヤーの選択の結果としての「ルート分岐」ではなく、物語の構造そのものとしての「世界の分岐」です。
忘らるる都での一件により、物語は自動的に「エアリス死亡世界」と「エアリス生存世界」に分岐しました。
プレイヤーは、その両方の結末を、主にクラウドの視点を通して断片的に見せられている、というのが真相です。
つまり、「エアリス生存ルート」は選んで進む道ではなく、物語の中で必然的に発生した一つの可能性として、すでに存在しているのです。
そして、主人公であるクラウドは、ジェノバ細胞の影響や、運命の壁を越えた影響により、その二つの世界線を同時に認識できる特異な存在となってしまいました。
今後の3作目で、この分岐した世界がどのように収束していくのか、あるいはプレイヤーがどちらかの世界を選択する展開が待っているのか。
それが、リメイクプロジェクト全体の最大の謎となっています。
FF7リバースのエンディング分岐、意味不明な点の考察

エンディングが意味不明と言われる理由
「FF7リバース」のエンディングが「意味不明」「分かりにくい」と言われるのには、いくつかの明確な理由があります。
これらは単に物語が難解というだけでなく、演出方法やシリーズの背景が複雑に絡み合った結果と言えるでしょう。
1. 複数の世界線が同時に描かれる演出
最大の理由は、異なる世界線の出来事が、明確な説明なしに目まぐるしく交錯する演出にあります。
エアリスが血を流して倒れているシーンと、無傷で微笑んでいるシーンが交互に映し出されるため、プレイヤーは何が「現実」で何が「幻」なのか判断がつきにくくなります。
この意図的な混乱を誘う演出が、「意味不明」という感想に直結しています。
2. クラウドが「信頼できない語り手」であること
主人公であるクラウドの視点は、必ずしも真実を映しているとは限りません。
原作でも描かれたように、彼はジェノバ細胞の影響で記憶が混濁しており、精神的に非常に不安定な状態にあります。
リバースのエンディングでは、その不安定さに「世界の分岐を認識してしまう」という要素が加わり、彼の見ているものが客観的な事実なのか、彼の精神が生み出した幻なのか、プレイヤーには判別できなくなっています。
主人公の視点そのものが揺らいでいるため、物語の全容を掴むのが困難になっているのです。
3. 原作の知識が前提となる部分と、大胆な改変の混在
リメイクシリーズは、原作を知っているファンであればニヤリとできる小ネタや展開が多く含まれています。
しかしエンディングに関しては、原作の最も象徴的な悲劇を根底から覆すような大胆な改変が加えられました。
原作通りに進むかと思えば全く違う展開になり、かと思えば原作を彷彿とさせるセリフが登場するなど、予測のつかない展開が続きます。
このため、原作ファンであっても「結局どういうこと?」と混乱しやすく、初見のプレイヤーにとってはさらに難解なものとなっています。
これらの要因が複合的に絡み合うことで、多くのプレイヤーがエンディングに対して「意味不明」という印象を抱くことになったのです。
原作との違いは?エンディングの変更点
「FF7リバース」のエンディングは、1997年に発売された原作「ファイナルファンタジーVII」から、物語の根幹に関わる重大な変更が加えられています。
その違いを理解することが、リメイク版のテーマを読み解く鍵となります。
項目 | 原作『ファイナルファンタジーVII』 | 『ファイナルファンタジーVII リバース』 |
---|---|---|
エアリスの運命 | セフィロスに殺され、その死は確定的な悲劇として描かれる。 | 死亡する世界と生存する世界に分岐。生死が曖昧に描かれる。 |
世界の構造 | 単一の世界で物語が進行する。 | 多元世界(マルチバース)の概念が存在し、複数の世界線が交錯する。 |
ザックスの存在 | 物語開始時点ですでに故人。回想シーンでのみ登場。 | 別の世界線で生存しており、物語に直接的・間接的に関与する。 |
クラウドの状態 | エアリスの死を悲しみ、受け入れようと苦悩する。 | エアリスの死を認識できていないかのように振る舞い、生存している彼女と会話する。 |
結末の提示 | エアリスの死という悲劇を乗り越え、星を救うという明確な結末に向かう。 | 複数の可能性が提示され、多くの謎を残したまま次回作へ続く。 |
最も大きな違いは、やはり「エアリスの生死」の扱いです。
原作では避けられない運命として描かれた彼女の死が、リバースでは「覆される可能性のある運命」として描かれています。
これは、リメイクシリーズのテーマが単なる過去作の再現ではなく、「運命への抗い」であることを象徴しています。
また、原作には存在しなかった「多元世界」や「生存しているザックス」といった要素が、物語に深みと複雑さをもたらし、エンディングをより多義的なものへと変化させました。
原作が一本道の悲劇だったとすれば、リバースは無数の可能性を秘めたミステリーと言えるかもしれません。
エアリス生存ルートへの分岐条件とは?
「FF7リバース」をプレイする上で、「どうすればエアリス生存ルートに行けるのか?」という疑問を持つのは自然なことです。
しかし、この問いに対する答えは「プレイヤーが任意で選択できる分岐条件は存在しない」となります。
ゲーム中には、仲間との好感度を上げるための選択肢や、様々なサブクエストが存在します。
これらは、ゴールドソーサーでのデートイベントの相手を決定するなど、物語の一部の展開に影響を与えます。
しかし、エアリスの生死という物語の根幹に関わる部分については、これらのプレイヤーの行動によって変化することはありません。
エアリスが生存する世界の描写は、特定の条件を満たしたプレイヤーだけが見られるご褒美のようなものではなく、全プレイヤーが共通して体験する正規のストーリーの一部なのです。
言い換えれば、「エアリス生存」は攻略して到達する「ルート」ではなく、物語のテーマを描くために用意された「設定」です。
リメイクシリーズが描こうとしている「運命との戦い」という大きな物語の中で、世界そのものが分岐してしまった結果であり、プレイヤーがその流れを直接コントロールすることはできません。
したがって、「エアリス生存ルート」を探して何度もプレイするというよりは、なぜ物語がこのように分岐したのか、そしてこの分岐した世界が今後どうなっていくのかを考察することに、本作の楽しみ方の本質があると言えるでしょう。
FF7リバース攻略!エンディングの伏線
「FF7リバース」の複雑なエンディングは、決して唐突に現れたわけではありません。
物語の道中には、その結末を理解するための重要な伏線がいくつも散りばめられています。
これらの伏線を意識することで、エンディングの解釈がより深まるはずです。
白マテリアの変質
物語の序盤、エアリスが持っていたはずの白マテリアが、いつの間にか輝きを失い「透明なマテリア」になっていたことが判明します。
これは、運命の壁を越えた影響で、エアリスがホーリーを紡ぐための記憶や力を失ってしまったことを示唆しています。
この時点で、原作とは異なる運命を辿る可能性が示されていました。
別の世界線からのマテリア
古代種の神殿から落下したクラウドは、一時的に別の世界線へと迷い込みます。
そこで出会った別の世界のエアリスから、輝きを取り戻した「白マテリア」を託されます。
この出来事により、複数の世界線が存在し、互いに影響を与えうることが明確に示されました。
忠犬スタンプのデザイン
ザックスが主人公となるパートでは、様々なデザインの「忠犬スタンプ」が登場します。
これは、ザックスが複数の異なるパラレルワールドを渡り歩いていることを示す、分かりやすい目印となっています。
世界が一つではないことを示す、重要な視覚的情報です。
クラウドだけが越える「運命の壁」
忘らるる都の入り口で、クラウドは仲間たちと分断され、一人で「運命の壁」を越えます。
この描写は、クラウドが他の仲間たちとは異なる、特殊な運命を歩み始めることを象徴しています。
彼だけが世界の分岐を認識できるようになったのは、この出来事がきっかけである可能性が高いです。
クラウドが持つ黒マテリア
エンディングの最後、セフィロスに渡したはずの「黒マテリア」を、なぜかクラウドが手にしています。
これがどこから来たものなのかは一切説明されませんが、彼が世界の狭間にいること、そしてセフィロスと深く繋がっていることを示す不気味な伏線となっています。
これらの伏線を繋ぎ合わせることで、一見「意味不明」に思えるエンディングも、計算され尽くした物語の一部であることが見えてくるでしょう。
まとめ:FF7リバースのエンディング分岐、その謎と考察
- FF7リバースのエンディングは、プレイヤーの選択による分岐ではない
- 物語の構造として「エアリス死亡世界」と「エアリス生存世界」が同時に存在する
- クラウドだけが、その両方の世界線を認識できる特殊な状態にある
- 仲間たちはエアリスが死亡した世界を、クラウドは生存した世界を主に見ている
- 「エアリス生存ルート」は攻略して到達するものではなく、物語の必然的な帰結である
- エンディングが意味不明に感じるのは、複数の世界線の交錯や、信頼できない語り手(クラウド)による演出が原因である
- 原作との最大の違いは、エアリスの死が確定的な悲劇ではなく、覆される可能性のある運命として描かれている点である
- ザックスが生存している多元世界の存在が、物語をより複雑で多義的なものにしている
- 白マテリアの変質や、忠犬スタンプのデザインなどが、エンディングに繋がる重要な伏線となっている
- 全ての謎は完結編となる3作目で明らかになることが予想される
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