ファイナルファンタジーVII(FF7)シリーズには、数多くの魅力的なキャラクターが登場しますが、その中でも「カンセル」という名前に聞き覚えがある方もいるのではないでしょうか。
特に、クライシスコア(CCFF7)やFF7リメイクをプレイした方にとって、彼の存在は印象深いものかもしれません。
しかし、カンセルは物語の核心に大きく関わるキャラクターではないため、「一体どんな人物なの?」「クラウドやザックスとどういう関係?」といった疑問を持つ人も少なくないでしょう。
彼は常にヘルメットで顔を隠しており、その正体は多くの謎に包まれています。
この記事では、FF7シリーズにおけるカンセルの正体、ザックスやクラウドとの関係性、そしてFF7リメイクでの登場について、これまでに判明している情報を基に詳しく解説していきます。
FF7のカンセルとは?その正体と魅力を解説
FF7のカンセルとは?謎多きソルジャー
結論として、カンセルはFF7のスピンオフ作品「クライシスコア -ファイナルファンタジーVII-(CCFF7)」に登場する、神羅カンパニーのソルジャー・クラス2ndです。
主人公ザックスの同僚であり、親しい友人という間柄になります。
彼の最大の特徴は、作中で一度もヘルメットを脱がず、素顔が一切明かされない点です。
口調や仕草から10代の若い少年であると推測されていますが、その正体は謎に包まれています。
また、カンセルは神羅の内部情報に非常に詳しい情報通としての一面も持っています。
ザックスに対して様々なアドバイスをしたり、重要な情報をメールで送ったりと、物語の進行をサポートするお助けキャラのような役割を担っていました。
しかし、CCFF7以降の作品、特にFF7本編には登場しないため、彼のその後の消息についてはファンの間で様々な憶測が飛び交っており、「死亡したのではないか」という説も根強く語られています。
このように、カンセルは少ない出番ながらも、そのミステリアスな存在感とザックスへの友情によって、プレイヤーに強い印象を残したキャラクターなのです。
カンセルは仲間想いの「いいやつ」
カンセルは、その仲間想いの性格から、ファンの間で「いいやつ」として非常に高く評価されています。
彼の行動や言動の端々から、友人であるザックスを心から大切に思っていることが伝わってくるからです。
例えば、ザックスが神羅から追われる身となり、ニブルヘイムの神羅屋敷で被検体として囚われている間も、カンセルは彼の身を案じ続けていました。
彼は危険を顧みず、ザックスに神羅内部の情報をメールで送り続け、精神的な支えとなります。
そのメールの内容も、単なる情報伝達だけではありません。
「遊びに誘う」「悩みがあったら相談しろ」といった気さくな内容や、「白衣の天使」「りんごくいてぇ」といったユニークな件名で送られてくるメールは、彼の明るくおせっかいな人柄をよく表しています。
ザックスが消息不明になってから年月が経過しても、彼を信じ続け、友人であり続けたカンセルの姿は、多くのプレイヤーの心を打ちました。
このような一貫した友情の厚さが、カンセルが「いいやつ」と呼ばれる最大の理由と言えるでしょう。
ザックスとカンセルの友情
ザックスとカンセルの関係は、単なるソルジャーの同僚という言葉だけでは表せない、深い友情で結ばれています。
CCFF7の物語を通して、二人が互いを信頼し、支え合っている様子が丁寧に描かれているからです。
カンセルは、ザックスにとって良き相談相手でした。
任務のことだけでなく、ザックスがエアリスに抱く想いについても、親身になってアドバイスを送っています。
ニブルヘイムへ向かうという重大な任務の前には、エアリスに会いに行くようザックスの背中を押すなど、二人の関係進展を応援するような場面も見られました。
さらに、ザックスが神羅から追われる立場になった後も、カンセルの友情は揺らぎません。
彼はザックスの代わりにエアリスの様子を見守りに行くなど、友人の大切な人を守ろうと行動します。
このような行動は、彼がザックスをどれだけ深く信頼し、大切に思っていたかを物語っています。
物語の補完役でありながら、そのユーモアあふれる言動とザックスへの変わらぬ友情により、カンセルは多くのファンから愛されるキャラクターとなったのです。
出世欲が強いルクシーレとの違い
CCFF7には、カンセルと同じソルジャー・クラス2ndとして「ルクシーレ」というキャラクターが登場します。
このルクシーレとカンセルは、ザックスに対する態度が実に対照的に描かれており、その違いによってカンセルの人の良さが一層際立っています。
結論から言うと、カンセルが純粋な友情でザックスを支えるのに対し、ルクシーレは出世欲が強く、打算的な人物として描かれています。
ルクシーレも当初はザックスを慕うような丁寧な言葉遣いで接してきますが、それはあくまで表面的なもの。
物語が進むにつれて、彼は自身の出世のためにザックスを利用しようとする本性を現していきます。
特にその違いが顕著になるのが、ザックスが神羅から追われる身になった後のことです。
カンセルがザックスの無事を信じ、励ましのメールを送り続けたのとは対照的に、ルクシーレは「自分の出世のために捕まってくれれば、助命してやる」という、友情を微塵も感じさせない冷酷な内容のメールを送ってきます。
この二人の違いを以下の表にまとめました。
項目 | カンセル | ルクシーレ |
---|---|---|
性格 | 仲間想い、おせっかい、情報通 | 出世欲が強い、打算的、おべっか使い |
ザックスへの態度 | 純粋な友情、心配、支援 | 出世の道具、利用 |
メールの内容 | 励まし、情報提供、気遣い | 助命をちらつかせた降伏勧告 |
ファンからの印象 | いいやつ、親友 | 嫌なやつ、対照的なキャラ |
このように、純粋で仲間想いのカンセルと、利己的で打算的なルクシーレという対照的なキャラクターを配置することで、CCFF7の物語はより深みを増し、カンセルの魅力が一層引き立つ結果となりました。
FF7リメイクでのカンセルと仲間たちとの関係
FF7リメイクでカンセルの名前が登場
CCFF7以降、長らく消息が不明だったカンセルですが、FF7リメイクにおいて彼の名前が登場し、ファンを驚かせました。
これは、彼が生存している可能性を示唆する、非常に重要なシーンです。
カンセルの名前が登場するのは、チャプター16の神羅ビルでの出来事です。
ティファ、バレットと共に神羅ビルに潜入したクラウドが、見回りをしていた神羅兵に声をかけられます。
その神羅兵はクラウドの同期だったようで、クラウドの無事を喜んだ後、「ちょっと待ってろ。カンセルたちも呼んでくる」と言い残してその場を去っていきます。
CCFF7でザックスとの悲しい別れを経験し、その後の行方が描かれなかったため、多くのファンが彼の安否を気にしていました。
中には「本編でクラウドに倒されたザコ敵の中にいたのでは」といった説や、死亡説も囁かれていたほどです。
そんな中での突然の言及は、カンセルが少なくともFF7本編の序盤時点では生存し、神羅兵として勤務を続けていることを示しています。
このサプライズは、CCFF7のファンにとって大きな喜びとなり、今後のリメイクシリーズ作品で彼が本格的に登場することへの期待を大きく膨らませました。
「大丈夫、同期のクラウドだよ」のシーン
FF7リメイクでカンセルの名前が出たシーンは、クラウドの複雑な心境を描く上でも非常に重要な場面となっています。
神羅兵がクラウドに親しげに「大丈夫、同期のクラウドだよ」と声をかけるこのシーンは、多くの示唆に富んでいます。
この時のクラウドは、ジェノバ細胞の影響とザックスの記憶が混濁し、自身の過去を正しく認識できていない状態です。
彼は自分を元ソルジャー・クラス1stだと信じ込んでいますが、実際にはソルジャーになれなかった一介の神羅兵でした。
そんな彼にとって、過去の自分を知る「同期」の登場は、自身のアイデンティティを揺るがす脅威に他なりません。
同期の神羅兵に声をかけられたクラウドは、明らかに動揺し、気まずそうな表情を浮かべます。
そして、記憶の矛盾からか、激しい頭痛に襲われてしまいます。
この一連の反応は、クラウドが抱える精神的な脆さと、彼の記憶がいかに不確かであるかをプレイヤーに強く印象付けます。
神羅兵の「カンセルたちも呼んでくる」という言葉は、クラウドとカンセル、そして他の神羅兵たちの間に、過去には確かに繋がりがあったことを示しています。
しかし、クラウドはその記憶を失っているのです。
このシーンは、クラウドの記憶の謎という物語の核心に触れると同時に、カンセルという存在をリメイクの世界に繋ぎ止める重要な役割を果たしているのです。
ネットの反応「同期のクラウドだよな」
FF7リメイクにおける「大丈夫、同期のクラウドだよ」のシーンは、その絶妙なシチュエーションから、ファンの間で大きな話題を呼びました。
特に「同期のクラウドだよな」というフレーズは、ネット上で一種のミーム(流行語)として定着しています。
このシーンが話題になった理由は、クラウドの気まずい状況が、多くの人にとって共感できる、あるいは面白いものとして受け止められたからです。
例えば、「高校デビューしてイケてるグループに入ったのに、街中で中学時代のオタク友達にばったり会ってしまった時の気まずさ」といった、非常に的確な例えで語られることが多くありました。
元ソルジャー1stを自称し、クールに振る舞っているクラウド。
その彼の前に、過去を知る人の良さそうな同期が現れ、彼のメッキが剥がれそうになる。
このギャップと、クラウドの何とも言えない情けない表情が、多くのプレイヤーの笑いを誘ったのです。
一方で、クラウドの精神状態を知っている原作ファンにとっては、彼の苦悩が伝わる切ないシーンとしても受け止められました。
このように、面白さと切なさが同居するこの場面は、多くの人の心に残り、「同期のクラウドだよな」という言葉と共に、FF7リメイクを象徴する名シーンの一つとして語り継がれています。
ザックスとカンセルのお別れのシーン
ザックスとカンセルの関係を語る上で、CCFF7で描かれた二人の「お別れ」のシーンは避けて通れません。
この場面は、ザックスのその後の過酷な運命を予感させる、非常に切なく象徴的なシーンとしてプレイヤーの記憶に刻まれています。
このお別れは、ザックスがセフィロス、そして一兵卒のクラウドと共に、ニブルヘイムへの調査任務へ向かう直前に訪れます。
神羅ビルのソルジャーフロアで、カンセルはザックスに「ここで待つのか?」と問いかけます。
ここでプレイヤーは、ストーリーを進めるために「もう心残りはない!」という選択肢を選ばなくてはなりません。
この選択は、ザックスがエアリスやミッドガルでの日常に別れを告げ、悲劇へと向かう覚悟を決めることを意味します。
選択後、ザックスはカンセルに対して「いろいろありがとな。さっさと任務を終えてミッドガルに帰ってくるぜ」と、明るく言い放ちます。
しかし、FF7シリーズの物語を知るプレイヤーにとって、このセリフは決して叶わぬ約束であり、強力な「死亡フラグ」として響きます。
このニブルヘイムでの任務を境に、ザックスとカンセルが直接顔を合わせることは二度とありませんでした。
だからこそ、この何気ない友人との会話が、事実上の永遠の別れとなってしまったのです。
このどうしようもない切なさが、ザックスとカンセルの友情をより一層深いものとしてプレイヤーに印象付けています。
まとめ:FF7のカンセル、その謎と友情の物語
- カンセルはCCFF7に登場するソルジャー・クラス2ndである
- 主人公ザックスの同僚であり、親しい友人という間柄だ
- 常にヘルメットを被っており、素顔は明かされていない
- 非常に仲間想いの性格で、ファンからは「いいやつ」と評される
- ザックスが追われる身になっても、彼を信じ支援し続けた
- 出世欲の強い同僚ルクシーレとは対照的な存在として描かれる
- FF7リメイクでは、神羅兵のセリフの中で名前が登場する
- リメイクの時点で生存している可能性が非常に高い
- 「大丈夫、同期のクラウドだよ」のシーンはネットで大きな話題となった
- CCFF7でのニブルヘイム任務前の会話が、ザックスとの事実上の別れの場面である
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