【FF7】ファズの歪んだ愛情とは?エアリスとの関係を小説から解説

『ファイナルファンタジーVII リメイク』シリーズの物語を補完する小説、『Traces of Two Pasts』は、ティファやエアリスの知られざる過去に光を当てる作品として、多くのファンから注目されています。

特にエアリス編では、ゲーム本編では断片的にしか語られなかった、彼女の幼少期や神羅カンパニーとの複雑な関係が詳細に描かれています。

この記事では、エアリスの過去を語る上で欠かせない重要人物、「ファズ」に焦点を当てます。

ファズは、エアリスの母イファルナに協力した優しい人物として登場しますが、その後の再会で彼の愛情は歪んだものへと変貌していました。

本記事では、小説『Traces of Two Pasts』の内容を基に、ff7におけるファズの正体と、エアリス親子に向けられた彼の複雑な感情、そしてその衝撃的な結末について詳しく解説していきます。

目次

ff7のファズとは何者?エアリス親子との最初の接点

神羅の研究員だったファズの正体

ファズは、『ファイナルファンタジーVII』の物語の核心に深く関わる神羅カンパニーに所属していた一人の研究員です。

ゲーム本編にはその名前が登場しないため、多くのプレイヤーにとっては馴染みのない人物かもしれません。

しかし、小説『Traces of Two Pasts』において、彼はエアリスと彼女の母イファルナの運命に大きな影響を与えたキーパーソンとして描かれています。

彼は、神羅ビルの高層階にある研究施設で働いていました。

この施設は、古代種の生き残りであるイファルナと、その能力を受け継ぐ娘エアリスを捕らえ、非人道的な実験を繰り返す場所でした。

ファズは、宝条のような狂気的な科学者とは一線を画し、良心の呵責に苛まれる、ごく普通の人間として描写されています。

母イファルナに示した優しさと協力

ファズが他の神羅スタッフと決定的に違ったのは、実験体として扱われるイファルナに対して人間的な情けをかけていた点です。

イファルナは、古代種の秘密である「約束の地」の情報を引き出すため、宝条による拷問のような実験に日夜耐えていました。

その結果、彼女の心身は衰弱し、痛み止めがなければ日常生活すらままならない状態にまで追い込まれていたのです。

このような絶望的な状況の中で、ファズは自身の危険を顧みず、イファルナに内緒で痛み止めの薬と注射器を渡すという行動に出ました。

神羅の厳格な管理体制を考えると、彼のこの行動は反逆ともとれる非常にリスクの高いものでした。

彼のこの優しさが、後にイファルナとエアリスの運命を大きく動かすきっかけとなります。

親子の神羅ビル脱出を手助けした過去

ファズの協力は、単なる薬の提供だけにとどまりませんでした。

彼は最終的に、イファルナと幼いエアリスが神羅ビルから脱出するための手引きをします。

衰弱しきったイファルナを連れての脱出は困難を極めましたが、ファズの協力がなければ決して成功しなかったでしょう。

彼は、二人が無事に外の世界へ逃げられるよう、自身の知識と立場を利用して計画を練り、実行に移しました。

しかし、脱出劇の結末は悲劇的なものでした。

長年の実験によってイファルナの体力は限界を超えており、ミッドガルのスラム街にある駅にたどり着いた直後、彼女は息を引き取ってしまいます。

母を失い、一人残されたエアリスが、後に育ての親となるエルミナと出会うのはこの直後の出来事です。

ファズの行動がなければ、エアリスがエルミナと出会う未来もなかったかもしれません。

イファルナに特別な感情を抱いていた

ファズがこれほどまでに危険を冒してイファルナに協力した背景には、彼女に対する特別な感情がありました。

小説の描写から、彼がイファルナに好意、あるいは愛情に近い想いを抱いていたことがうかがえます。

毎日続く過酷な実験に耐えながらも、娘のエアリスを守ろうとするイファルナの姿に、彼は心を動かされたのでしょう。

彼の行動は、単なる同情や憐れみから来るものではなく、一人の女性としてイファルナを想う気持ちが原動力となっていました。

この純粋だったはずの想いが、長い年月を経て、再会したエアリスに向けられる際には、恐ろしいほどに歪んだ執着へと姿を変えてしまうのです。

この時点での彼の行動は善意によるものでしたが、後の悲劇の萌芽は確かにここに存在していました。

ff7のファズがみせた歪んだ愛情とその結末

家出したエアリスとの衝撃的な再会

イファルナの死後、ファズの行方は分からなくなっていましたが、数年の時を経て、彼は成長したエアリスの前に再び姿を現します。

再会のきっかけは、当時10代だったエアリスの家出でした。

育ての親であるエルミナの深い愛情を窮屈に感じ、反抗期をこじらせていたエアリスは、些細な口論から家を飛び出してしまいます。

その道中で、彼女は偶然ファズと再会を果たしたのです。

ファズは、神羅を抜けた後もずっと、イファルナとエアリスの身を案じ、彼女たちの行方を探し続けていたと語ります。

最初は昔の恩人との再会を懐かしむエアリスでしたが、彼の様子にどこか違和感を覚え始めます。

この再会が、エアリスに新たな恐怖をもたらすことになりました。

エアリスに向けられた歪んだ愛情の恐怖

再会したファズがエアリスに向けた感情は、かつてイファルナに抱いていた純粋なものとは全く異なっていました。

彼の愛情は、長い年月の中で「歪んだ愛情」へと変質していたのです。

彼は、成長したエアリスの姿に、かつて想いを寄せたイファルナの面影を重ねて見ていました。

そして、エアリスに対して「自分と一緒に暮らさないか」と提案してきます。

その提案には、保護者としての優しさはなく、エアリスを自分の所有物としたいという一方的な執着が滲み出ていました。

ファズは、かつてイファルナを守れなかった後悔と、彼女への叶わなかった想いを、娘であるエアリスに投影し、その代償を求めようとしていたのです。

エアリスは、彼の瞳の奥に宿る狂気を感じ取り、強い恐怖を覚えます。

エアリスを「イファルナ」と呼ぶ豹変

エアリスの恐怖が頂点に達したのは、ファズが彼女のことを「イファルナ」と呼んだ瞬間でした。

「君はイファルナだ」と囁き、笑う彼の目には、もうエアリス自身の姿は映っていませんでした。

彼にとって、目の前にいる少女は「エアリス」ではなく、亡き「イファルナ」の代用品でしかなかったのです。

この言葉で、エアリスは彼の精神が正常ではないことを確信します。

恐怖のあまりその場から逃げ出すエアリスを、ファズは執拗に追いかけます。

かつて自分たち親子を救ってくれた恩人が、今や自分を脅かす恐怖の対象へと豹変してしまった事実に、エアリスは絶望的な気持ちになったことでしょう。

この出来事は、彼女の心に深い傷を残すことになります。

タークスに阻まれたファズの行動

逃げ場を失い、ファズに捕まりそうになったエアリス。

その絶体絶命の窮地に、助けが現れます。

駆けつけた母エルミナとタークスの介入

まず駆けつけたのは、家出したエアリスを心配して後を追ってきた母エルミナでした。

エルミナは必死にファズを撃退しようとしますが、大柄な男性である彼を止めることはできません。

万策尽きたかと思われたその時、どこからともなく一発の銃声が鳴り響き、ファズの肩を撃ち抜きます。

姿を見せない狙撃手の正体は、神羅の精鋭部隊「タークス」でした。

神羅は、古代種であるエアリスを監視するため、彼女が住むエリアを「特別区」に指定し、タークスに常時監視させていたのです。

タークスにとってエアリスは「保護対象」であると同時に、神羅の貴重な「資産」でした。

そのため、ファズがエアリスに危害を加えることを見過ごすわけにはいかなかったのです。

皮肉にも、エアリスはこの時、自身を監視する神羅の組織によって命を救われる形となりました。

この一件により、ファズの歪んだ愛情は終わりを告げ、エアリスはタークスという複雑な存在に守られている現実を改めて知ることになるのでした。

まとめ:ff7のファズとは?エアリス親子との悲しい関係性の結末

  • ファズは神羅カンパニーの研究員であった
  • 宝条の非人道的な実験に苦しむイファルナを見ていた
  • 自身の危険を顧みず、イファルナに痛み止めを渡していた
  • イファルナと幼いエアリスの神羅ビル脱出を手引きした
  • 彼の協力の背景にはイファルナへの特別な想いがあった
  • 数年後、家出したエアリスの前に再び姿を現す
  • 彼の愛情はエアリスへの歪んだ執着へと変貌していた
  • 成長したエアリスにイファルナの面影を重ね、「イファルナ」と呼んだ
  • エアリスを連れ去ろうとしたが、エルミナが抵抗した
  • 最終的に、監視していたタークスによって阻まれ、その行動は終わる
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