ファイナルファンタジーVIIリメイク(FF7R)をプレイして、多くの人が疑問に思ったであろう謎の存在「フィーラー」。
原作には登場しなかった黒い影のような彼らは、一体何者で、どのような目的で行動しているのでしょうか。
物語の重要な場面で現れては、クラウドたちの行動に干渉するフィーラーの存在は、多くのプレイヤーに衝撃と混乱を与えました。
この記事では、「ff7 フィーラー とは」という疑問に答えるべく、リメイクとリバースにおけるフィーラーの正体、目的、そしてセフィロスとの関係性まで、様々な情報を基に徹底的に解説していきます。
フィーラーの謎を解き明かすことは、リメイク三部作の物語をより深く理解するための鍵となるでしょう。
FF7リメイクのフィーラーとは?その正体と役割
FF7フィーラーの正体は「運命の番人」
FF7リメイクにおけるフィーラーの正体は、作中でレッドXIIIが語る通り「星の運命の番人」です。
彼らは、この世界の出来事が、定められた運命通りに進むように監視し、歴史の流れを修正する役割を担っています。
この「定められた運命」とは、1997年に発売されたオリジナル版『ファイナルファンタジーVII』のストーリーそのものを指していると考えられます。
例えば、物語の序盤でフィーラーはエアリスに付きまとうように現れますが、これはクラウドとエアリスが確実に出会うという運命を紡ぐための行動でした。
また、神羅ビルでセフィロス(ジェノバの擬態)にバレットが刺された際には、原作では死なない運命にあるバレットをフィーラーが治療して救っています。
このように、フィーラーは単純な敵や味方というわけではなく、「原作の物語を守る」という絶対的な目的の下で動く、中立的かつ超越的な存在として描かれているのです。
彼らが姿を現すのは、運命が原作から逸脱しそうになる瞬間であり、その行動はすべて物語を本来あるべき姿に戻すための軌道修正と言えるでしょう。
FF7のフィーラーと原作ストーリーの関係
フィーラーと原作ストーリーの関係は、切っても切れないものです。
彼らの存在意義そのものが、「原作FF7の物語を維持すること」にあるからです。
フィーラーの行動原理を理解する上で重要なのは、彼らが物語の「大きな流れ」や「結末」を重視している点です。
例えば、七番街プレートの落下は原作における重要なターニングポイントですが、リメイクでクラウドたちがプレート落下を阻止しようと奮闘する場面では、フィーラーが妨害に入ります。
これは、プレートが落下するという「結果」を維持するための介入です。
一方で、原作のストーリーに直接的な影響を与えない細かな差異については、フィーラーは介入しない傾向があります。
リメイクでは、プレート落下前にウェッジが避難を呼びかけたことで、原作よりも多くのスラム住人が助かっていますが、この点についてフィーラーが修正を行うことはありませんでした。
このことから、フィーラーは過程の細かな違いよりも、歴史の分岐点となる「出来事の結果」が原作通りであることを最優先していると解釈できます。
彼らの存在は、リメイクの物語が常に原作という名のレールの上を走っていることをプレイヤーに意識させ、そのレールから外れることの意味を問いかける役割を担っているのです。
FF7リメイクのフィーラーはなぜ登場したのか
FF7リメイクにフィーラーが登場した理由は、単なるリメイク作品に留まらない、新たな物語としての方向性をプレイヤーに示すためです。
彼らは、リメイク三部作が原作の物語をなぞるだけでなく、「運命に抗い、未来を変える物語」であることを象徴する存在と言えます。
もしリメイクが、グラフィックやシステムを現代風に刷新しただけの作品であれば、フィーラーのような原作にない要素は必要ありませんでした。
しかし、制作陣はリメイクを「再創造」と位置づけ、新たな体験を提供することを目指しました。
そのための仕掛けが、フィーラーという「原作の運命」を擬人化した存在なのです。
物語の最終盤、チャプター18でクラウドたちはこのフィーラーと対決し、打ち破ります。
これは、原作通りの運命が定められたレールから脱線し、未来が白紙になったことを意味します。
エアリスが言う「この壁を超えたら、みんなも変わってしまう」「未来は白紙だよ」というセリフは、まさにこのことを示唆しています。
フィーラーを倒した結果として、原作では死んだはずのザックスが生存しているパラレルワールドが描かれ、今後の物語が誰も知らない領域へと踏み出したことを強く印象付けました。
また、ミッドガル脱出までを描くリメイク第一作のクライマックスを飾るラスボスとして、原作のモーターボールよりもドラマチックで壮大な敵が必要だったという制作上の都合も、フィーラーが登場した理由の一つ考えられるでしょう。
FF7リメイクのフィーラーは原作厨のメタファー?
FF7リメイクの発売後、プレイヤーの間で活発に議論された考察の一つに、「フィーラーは原作厨(原作原理主義者)のメタファーではないか」というものがあります。
この説は、フィーラーの行動原理が、リメイク作品に対して「原作の物語を変えるな」と主張する一部のファンの心理と酷似している点に着目したものです。
フィーラーは、物語が原作から少しでも外れそうになると現れ、「こっちの展開の方が正しいんだ」とでも言うように強制的に軌道修正を行います。
この姿が、原作への強い思い入れからリメイク版の変更点をなかなか受け入れられないファンの姿と重なって見える、というわけです。
この解釈に基づくと、物語の最後にクラウドたちがフィーラーを打ち破る展開は、非常に象徴的な意味を持ちます。
それは、「原作の呪縛からの解放」であり、「私たちは原作通りの物語を作るつもりはない」という制作陣からの力強いメッセージだと捉えることができます。
プレイヤー(クラウドたち)が、過去の思い出(フィーラー)と決別し、新たな未来へ進むという構図は、リメイクというプロジェクトそのものの在り方を表現しているのかもしれません。
ただし、フィーラーはリメイクで追加された新キャラクターやオリジナルエピソードには干渉しないため、単純に「原作厨のメタファー」と断定することはできません。
しかし、多くのプレイヤーがそう感じたということは、フィーラーという存在が、リメイク作品とファンの関係性を巧みに映し出す鏡のような役割を果たしていたことの証明と言えるでしょう。
FF7リバースのフィーラーとは?セフィロスとの関係
FF7リバースでのフィーラーの新たな役割
FF7リバースにおいて、フィーラーはリメイクとは異なる新たな役割を持って登場します。
リメイクで「運命の番人」としての役割を終えた彼らは、大きく分けて「黒いフィーラー」と「白いフィーラー」の2種類に分かれ、物語により深く関わってきます。
黒いフィーラー
リメイクのラストでセフィロスに取り込まれたフィーラーが進化した存在です。
目が紫色に光っているのが特徴で、もはや運命の番人ではなく、セフィロスの意思を実行するための手先として行動します。
彼らは単にクラウドたちの行く手を阻むだけでなく、セフィロスが描く筋書き通りに一行を誘導するような、不気味な動きを見せます。
セフィロスが運命を自らの手で操ろうとしていることを象徴する存在です。
白いフィーラー
星の意思、あるいはライフストリームそのものを体現する存在と考えられます。
黒いフィーラーとは敵対関係にあり、星本来の運命を守ろうとします。
しかし、彼らは必ずしもクラウドたちの味方というわけではありません。
例えば、忘らるる都では、ある目的のためにクラウドたちの行く手を阻む場面もありました。
白いフィーラーは、セフィロスの干渉によって歪められた運命を元に戻そうとする、より根源的で純粋な力の奔流と言えるかもしれません。
このように、リバースにおけるフィーラーは、セフィロスの野望と星の意思がぶつかり合う、壮大な代理戦争の兵士のような役割を担っており、物語の対立構造をより複雑で奥深いものにしています。
FF7リメイクのフィーラー=ロッソとは?
フィーラー=ロッソは、FF7リメイクのチャプター18で戦うボス、フィーラー=プラエコから分離して現れる個体の一人です。
フィーラー=プラエコは多数のフィーラーの集合体であり、戦闘中に3体の特徴的な個体に分離します。
それが、ロッソ、ヴェルデ、ジャッロです。
フィーラー名 | 色 | 武器 | 対応キャラ | 特徴 |
---|---|---|---|---|
フィーラー=ロッソ | 赤 | 剣 | クラウド | 剣を駆使した素早い連続攻撃が主体。クラウドを執拗に狙う。カウンター戦法が有効。 |
フィーラー=ヴェルデ | 緑 | 体術 | ティファ | 格闘技と地面への衝撃波で攻撃。ティファに対応する存在。遠距離からの魔法攻撃が効果的。 |
フィーラー=ジャッロ | 黄 | 銃 | バレット | 銃による遠距離射撃で他のメンバーを狙う。バレットに対応する存在。優先的に倒したい相手。 |
フィーラー=ロッソはイタリア語で「赤」を意味し、その名の通り赤いオーラをまとっています。
彼は剣を武器とし、主にクラウドを狙って激しい攻撃を仕掛けてきます。
興味深いのは、この3体のフィーラーの戦闘スタイルが、それぞれクラウド、ティファ、バレットというパーティメンバーに対応している点です。
これは、クラウドたちが「自分たち自身の運命」と戦っていることのメタファーであると考察されています。
さらに、この3体は合体して「フィーラー=バハムート」へと姿を変えます。
この一連の流れや、各フィーラーが使う技の名前などから、FF7の映像作品『アドベントチルドレン』に登場したカダージュ、ヤズー、ロッズの思念体との関連性を指摘する声も多く、フィーラーの正体がジェノバやセフィロスの思念と深く関わっている可能性を示唆しています。
フィーラーとセフィロスの関係と目的は?
フィーラーとセフィロスの関係は、リメイクの物語が進むにつれて「運命の番人と監視対象」から「支配者と手駒」へと劇的に変化します。
セフィロスは、フィーラーの存在とその役割を当初から理解していたと考えられます。
彼は、自らが望む未来を創造するために、まず「原作通りの運命」という名の檻を破壊する必要がありました。
しかし、セフィロス自身は運命に干渉できても、それを根本から覆す「運命の壁」を自力で超えることはできなかったようです。
そこで彼は、クラウドたちを利用します。
クラウドたちにフィーラーを倒させることで運命の壁を破壊させ、未来を白紙の状態に戻したのです。
リメイクのラストで、フィーラーを倒したクラウドの前にセフィロスが現れ、まるでフィーラーの力を吸収するかのような描写があったのは、この支配関係の始まりを象徴しています。
リバースではこの関係がより明確になり、セフィロスは黒いフィーラーを完全に従え、自らの目的、すなわち「すべての世界線をリユニオン(再統合)し、神として君臨する」ために使役します。
フィーラーはもはや運命の番人ではなく、セフィロスという新たな主を得て、彼の野望を実現するための道具となり果てたのです。
この関係性の変化は、リメイク三部作の物語が、単なる運命への反逆劇ではなく、セフィロスという絶対的な存在との知略と意志を巡る戦いであることを示しています。
FF7リメイクでフィーラーがいらないと言われる理由
FF7リメイクにおいて、フィーラーが一部のプレイヤーから「いらない」と言われてしまうのには、いくつかの理由があります。
その最も大きな理由は、原作にはなかった「後付けの設定」によって、物語が過度に複雑化し、分かりにくくなったと感じる人がいるためです。
オリジナル版FF7の物語は、比較的ストレートで理解しやすいものでした。
しかし、リメイクにフィーラーが登場したことで、パラレルワールド、運命の分岐、世界の多重構造といった複雑な概念が持ち込まれました。
これにより、「話が難しくてついていけない」「シンプルな冒険活劇が好きだったのに」といった不満の声が上がったのです。
また、フィーラーの存在自体が非常にメタ的(物語を俯瞰する視点)であることも、没入感を削ぐ一因となっています。
「運命の番人」や「原作厨のメタファー」といった存在がゲーム内に登場することに、冷めてしまったり、不快感を覚えたりするプレイヤーも少なくありません。
さらに、フィーラーとの戦闘や関連イベントが、物語のテンポを悪くしている「尺稼ぎ」のように感じられたという意見もあります。
ただし、これらの否定的な意見がある一方で、「今後の展開が全く読めなくてワクワクする」「リメイクならではの挑戦で面白い」といった肯定的な声も多数存在します。
フィーラーという存在は、確かに物語を複雑にしましたが、同時に「この先、何が起こるか分からない」という強烈な期待感を生み出した功労者でもあります。
彼らの存在を巡る賛否両論こそが、FF7リメイクが単なる焼き直しではない、挑戦的な作品であることの証と言えるでしょう。
まとめ:FF7のフィーラーとは何か、その謎を解き明かす
- フィーラーの正体は「星の運命の番人」である
- 原作FF7の物語通りに歴史を修正しようと行動する
- リメイクでフィーラーを倒したことで運命が分岐し始めた
- ザックスの生存など、原作とは異なるパラレルワールドの存在が示唆された
- 一部では「原作厨」のメタファーではないかと考察されている
- リバースでは「黒」と「白」の2種類のフィーラーが登場する
- 黒いフィーラーはセフィロスに、白いフィーラーは星の意思に従っている
- セフィロスはフィーラーを利用して自らの目的を果たそうとしている
- フィーラーの存在は物語を複雑化させたが、今後の展開への期待も生んでいる
- フィーラーの謎を理解することが、FF7リメイク三部作を深く楽しむ鍵となる
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