ファイナルファンタジーVII(FF7)は、1997年の発売から今日に至るまで、多くのファンを魅了し続ける不朽の名作です。
その壮大なストーリーの中でも、特にエンディングは多くの謎を含んでおり、「意味不明だ」と感じるプレイヤーも少なくありません。
原作のエンディングが持つ深い意味合い、そして近年展開されているリメイクプロジェクト、特に最新作『FF7リバース』の結末は、さらなる考察を呼んでいます。
この記事では、原作のエンディングがなぜ難解と言われるのか、その考察から、リメイク版で示された運命の分岐、そしてリバースで描かれた衝撃のラストまで、ファンの間で議論されているポイントを網羅的に解説します。
エアリスの死亡シーンが物語に与えた影響や、500年後の世界が示す未来、そしてリバースでエアリス生存の可能性はあるのか、といった疑問に迫ります。
FF7の物語の核心を理解し、より深く楽しむための一助となれば幸いです。
なぜff7のエンディングは意味不明と言われる?原作の謎を解説

FF7のエンディング考察とファンの間での議論
原作FF7のエンディングは、直接的な答えを提示せず、プレイヤー一人ひとりの解釈に委ねる「オープンエンディング」という手法が取られています。
これが、エンディングが「意味不明」と感じられたり、長年にわたって活発な議論が交わされたりする大きな理由です。
物語の最終盤、クラウドたちはセフィロスを打ち破りますが、彼が発動した究極の破壊魔法「メテオ」は止まりません。
星を救う最後の希望は、エアリスが遺した究極の白魔法「ホーリー」でしたが、ホーリーの力だけではメテオを完全に防ぎきれずにいました。
そのとき、星自身の生命エネルギーである「ライフストリーム」が星の危機を救うために噴出し、ホーリーと合わさってメテオを押し返します。
ここまでが星の救済の描写ですが、問題はその後の人類の運命です。
エンディングムービーの最後で描かれるのは、戦いから500年後の世界。
そこでは、機械文明の象徴であった巨大都市ミッドガルが緑に覆われ、自然に還っています。
この光景をどう解釈するかで、ファンの意見は大きく二つに分かれました。
一つは、ムービーの最後に子供たちの笑い声が聞こえることから、「人類は滅びず、自然と調和する新しい形で存続した」という希望的な解釈です。
もう一つは、そこに人間の姿はなく、朽ち果てた文明の跡だけが映ることから、「人類は一度滅び、星だけが再生を遂げた」という、少し物悲しい解釈です。
このように、明確な答えがないからこそ、プレイヤーは物語のテーマであった「星と生命の循環」について深く考えさせられるのです。
この余韻と考察の余地こそが、FF7が単なるゲームを超えた作品として語り継がれる魅力の一つと言えるでしょう。
物語の核心となる「FF7 エアリス死亡シーン」
FF7の物語を語る上で、エアリスの死は絶対に避けては通れない、最も衝撃的で重要な出来事です。
このシーンは、単にヒロインを失うという悲劇に留まらず、物語全体のテーマ性を深め、主人公クラウドの成長を促す核心的な役割を担っています。
忘らるる都で、エアリスは星をメテオから守るため、古代種としての使命を果たすべく、たった一人でホーリーを発動させようと祈りを捧げます。
そこへ現れたセフィロスが、天から舞い降り、無防備な彼女を背後から貫くのです。
この突然の別れは、多くのプレイヤーに強烈な喪失感と衝撃を与えました。
しかし、この死には大きな意味が込められています。
まず、クラウドにとって、守るべき存在であったエアリスを目の前で失ったことは、計り知れない無力感と罪悪感を彼に植え付けました。
この深い心の傷と向き合い、乗り越えようとする過程が、彼の精神的な成長に不可欠な要素となります。
彼女の死をきっかけに、セフィロスへの個人的な憎しみは、「エアリスの遺志を継いで星を守る」という、より大きな目的意識へと昇華されていくのです。
さらに、彼女の死は決して無駄ではありませんでした。
彼女が命を賭して発動したホーリーこそが、最終的にライフストリームの助けを得てメテオを破壊する鍵となります。
つまり、彼女の死は物語の結末に直接繋がる、最大の伏線だったと言えます。
悲劇的でありながらも、その死が希望へと繋がるという感動的な構成が、FF7のストーリーをより一層深みのあるものにしています。
このシーンがあったからこそ、FF7はゲーム史に残る名作として人々の記憶に刻まれているのです。
「ff7 エンディングの500年後」が意味するもの
FF7のエンディングで描かれる「500年後」のシーンは、物語全体のテーマを凝縮し、象徴的に表現した非常に重要な場面です。
この短い映像は、プレイヤーに多くの解釈を促し、物語の余韻を深く心に残します。
このシーンが意味する最も大きなことは、「星(自然)の勝利と再生」です。
物語を通じて、神羅カンパニーは星の生命エネルギーであるライフストリームを「魔晄エネルギー」として一方的に搾取し、巨大都市ミッドガルに象徴されるような、自然を破壊する機械文明を築き上げました。
しかし、500年後の世界では、そのミッドガルが完全に緑に覆われ、静かに朽ち果てています。
これは、たとえ人間がどれだけ環境を破壊しても、星は自らの生命力で傷を癒やし、再生する力を持っていることを力強く示しています。
人間中心の文明が終わりを告げ、星が本来の姿を取り戻した、というメッセージが読み取れます。
そして、もう一つの重要な描写が、レッドXIII(ナナキ)が彼自身の子供たちを連れて、緑に還ったミッドガルを見下ろす姿です。
これは「生命の循環」と「世代の継承」を象徴しています。
500年という長い年月が経過し、仲間たちの中で最も長命な種族であるレッドXIIIが次の世代へと命を繋いでいる。
このことから、星に生きる生命そのものは滅びていないことがわかります。
前述の通り、最後に聞こえる子供たちの笑い声が、人類もまた自然と共存する形で生き残ったことを示唆しているのか、あるいは新たな知的生命体の誕生を意味するのかは、プレイヤーの想像に委ねられています。
いずれにしても、この500年後のシーンは、人間の営みがいかにちっぽけで儚いものであるかと同時に、星という存在の雄大さと生命のたくましさを感じさせる、見事な締めくくりと言えるでしょう。
画面が「ff7 エンディングで終わらない」理由
原作FF7をクリアした多くのプレイヤーが経験する現象として、「エンディングムービーが終わった後、宇宙の映像とBGMが延々と流れ続ける」というものがあります。
これをバグやフリーズだと勘違いし、リセットボタンを押してしまった方も少なくないかもしれません。
しかし、これは意図的に作られた演出であり、バグではありません。
この現象には、プレイヤーに物語の深い余韻を味わってもらうための、開発者の狙いが込められています。
当時の開発スタッフへのインタビューによれば、このエンディング後の映像部分は、当初スタッフクレジットを流すために用意されていた空間だったとされています。
最終的にはクレジットは別の形で表示されることになり、この幻想的な宇宙の映像だけが残りました。
結果として、この「何も起こらない時間」が、プレイヤーにとって非常に重要な意味を持つことになったのです。
壮大な冒険を終え、星の運命を見届けた後、プレイヤーはこの静かな時間の中で、物語全体を振り返ることができます。
エアリスの死、仲間たちとの旅、セフィロスとの因縁、そして星と生命の循環という壮大なテーマ。
これらの出来事や感情をゆっくりと反芻し、自分なりの解釈を構築するための「間」として機能しているわけです。
星々が静かに流れていく映像は、500年という悠久の時の流れや、物語の宇宙的なスケールをプレイヤーに体感させます。
ただ映像が終わるのではなく、プレイヤー自身が「終わらせる」選択をすることで、初めて物語が完結するという、非常にユニークな体験を提供する演出なのです。
リバースのff7エンディングも意味不明?分岐する世界の謎

「ff7 リメイクのエンディング」で示された運命の分岐
2020年に発売された『FF7 リメイク』のエンディングは、原作ファンに大きな衝撃と興奮をもたらしました。
なぜなら、原作の物語をなぞるだけのリメイクではなく、未来が書き換わる可能性を示唆する、全く新しい展開が描かれたからです。
物語の終盤、クラウドたちは「運命の番人」と呼ばれる謎の存在「フィーラー」と対峙します。
フィーラーは、本来あるべき運命から物語が逸脱しないように監視・修正する存在です。
クラウドたちがこの運命の番人を打ち破ったことで、「定められた運命の壁」が壊れ、未来は白紙になりました。
このエンディングが「運命の分岐」を決定的に示したのが、原作ではセフィロスに殺され命を落としたソルジャー、ザックス・フェアが生存している世界の描写です。
ミッドガルへと向かうザックスが、本来なら敗北するはずの神羅兵との戦いを生き延びる。
このシーンは、クラウドたちがいる世界とは別の、新たな「パラレルワールド」が誕生したことを示唆しています。
この分岐は、様々な形で表現されています。
例えば、作中に登場する「忠犬スタンプ」というキャラクターのデザインが、世界線によって異なっています。
また、エアリス自身が未来に起こる出来事を知っているかのような言動を見せ、「未来は白紙だよ」と語るシーンは、彼女が運命を変えようとしていることを強く印象付けました。
このリメイクのエンディングによって、「原作では避けられなかったエアリスの死を、今回は回避できるのではないか?」という大きな期待が生まれました。
定められた運命に抗い、未知の結末へと向かう。
これがリメイクプロジェクト全体のテーマであることを高らかに宣言し、続く『FF7 リバース』への最大のフックとなったのです。
ネタバレ注意!ff7リバースでのエアリス生存の可能性
『FF7 リバース』のエンディングは、リメイクで提示された「運命の分岐」というテーマをさらに推し進め、非常に複雑で難解な結末を迎えました。
エアリスが生存するのか、それとも原作通り死を迎えるのか。
その答えは、単純な二者択一ではなく、「生存する世界」と「死亡する世界」が混在するかのような、曖昧な形で描かれています。
このエンディングが「意味不明」に感じられる最大の要因は、主人公クラウドと他の仲間たちとの間で、「エアリスの生死」に対する認識が完全に異なっている点にあります。
クライマックス後、クラウドの視点では、エアリスはすぐ傍にいて、普通に会話を交わすことができます。
しかし、ティファやバレット、レッドXIIIといった仲間たちの視点では、エアリスはセフィロスに殺されており、その亡骸を前に悲しみに暮れています。
この食い違いは、プレイヤーを極度の混乱に陥れます。
クラウドだけが、精神的なショックからエアリスの幻を見ている(現実逃避している)のか。
それとも、彼は特殊な能力によって、仲間たちには見えない「生存しているエアリスの世界線」を同時に認識しているのか。
作中では、クラウドだけが空に世界の境界線のような「亀裂」を見上げるシーンや、仲間たちから「誰と話しているんだ?」と訝しがられる描写が挿入され、この謎をさらに深めています。
ファンの間では、クラウドと会話するエアリスは「エアリスゴースト」などと呼ばれ、彼女がどのような存在なのか、様々な考察が飛び交っています。
現時点では、エアリスが完全に生存したとは断言できず、かといって原作通りに死が確定したわけでもない。
この「生死不明瞭」な状態こそがリバースの結末であり、物語の真相は3作目に持ち越されることになりました。
ff7でエアリスの死亡は回避できるのか?
『FF7 リバース』における最大の注目点、「エアリスの死亡は回避できるのか?」という問いに対して、本作は「一度は回避に成功したが、物語全体としての完全な生存は未確定」という、極めて巧妙な答えを提示しました。
物語のクライマックス、忘らるる都の祭壇で祈るエアリスに、セフィロスの凶刃が迫ります。
原作では為す術もなかったこの場面で、リバースのクラウドは強い意志で運命に介入し、セフィロスの剣を弾き飛ばすことに成功します。
この瞬間、プレイヤーは「運命は変えられた」と確信しますが、事態はそう単純ではありませんでした。
直後、画面にノイズが走り、まるで世界が分岐したかのように、血に濡れたセフィロスの刀と倒れゆくエアリスの姿が映し出されます。
これは、クラウドがエアリスを守った世界線と、守れなかった世界線が同時に生まれてしまったことを示唆しています。
この後のラストバトルでは、異なる世界線からザックスやエアリスが助けに来るなど、複数の世界が互いに影響を及ぼし合う様子が描かれます。
つまり、エアリスの死を回避しようとするクラウドの行動が、かえって世界をより複雑な状態にしてしまったのです。
以下の表は、原作とリバースにおけるエアリスの死の場面を比較したものです。
表:原作とリバースのエアリス死亡シーンの比較
項目 | 原作 (1997年) | FF7リバース (2024年) |
結末 | セフィロスに殺され、明確に死亡する | 死亡する世界と生存する世界が混在し、生死が不明瞭になる |
クラウドの行動 | セフィロスに操られ、行動を止められなかった | 強い意志でセフィロスの攻撃を防ぐことに一度は成功する |
仲間の認識 | 全員がエアリスの死を認識し、悲しみに暮れる | クラウドは生存を、他の仲間は死亡を認識し、ズレが生じる |
水葬シーン | クラウドの手で湖に亡骸を沈める象徴的なシーンがある | 明確な水葬シーンはカットされ、死の実感が薄められている |
テーマ | 避けられない運命と死の受容 | 運命への抗いと、その結果生まれる世界の分岐 |
このように、リバースではエアリスの死という運命に一石を投じたものの、それがハッピーエンドに直結するわけではないことが示されました。
彼女の運命が最終的にどうなるのかは、3部作の完結編で描かれる最大の謎となっています。
ff7エンディング後の物語はどうなる?
FF7リメイクプロジェクトの物語が最終的にどこへ向かうのか。
その行方を占う上で最も重要なヒントとなるのが、公式から「物語が繋がる」と示唆されている映像作品『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン(FF7AC)』の存在です。
FF7ACは、原作のエンディングから2年後の世界を描いた続編です。
この物語の根幹には、「エアリスとザックスの死に対する罪悪感から立ち直れずにいるクラウドの葛藤と再生」というテーマがあります。
劇中でクラウドは、「(エアリスを)見殺しにしたんだぞ…」と苦悩を吐露します。
このことからも分かるように、ACの物語はエアリスの死が前提となって成立しているのです。
もし、リメイクプロジェクトでエアリスが完全に生存する結末を迎えた場合、このACの物語の前提が根底から覆ってしまいます。
この矛盾をどのように解消するのかが、ファンの間での大きな考察ポイントとなっています。
考えられる可能性はいくつかあります。
一つは、「最終的には原作通りエアリスの死が確定する」という説です。
リバースで描かれた生存世界線は一時的なもので、3作目で何らかの形で収束し、悲劇的な運命に戻るのかもしれません。
もう一つは、「ACに繋がりはするが、全く新しい物語になる」という説です。
例えば、エアリスは生存するものの、その代償として別の大きな悲劇が起こり、クラウドが新たな罪悪感を抱くことになる、といった展開も考えられます。
リメイクプロジェクトは、単なる原作の再現ではなく、「FF7という物語を知っているプレイヤー」の予想を裏切ることも一つの目的としています。
そのため、私たちが知っているACの物語にそのまま繋がるのではなく、驚くような形で過去の作品と結びつく可能性も十分にあります。
いずれにせよ、エンディング後の物語は、過去の全てのFF7作品を踏まえた上で、全く新しい結末を迎えることになるでしょう。
まとめ:ff7のエンディングが意味不明な理由とリメイク版の謎
- 原作FF7のエンディングはプレイヤーの解釈に委ねる手法が取られている
- エアリスの死は物語の核心であり、クラウドの成長と結末に不可欠な要素である
- 原作の500年後のシーンは、人間文明の終焉と星の再生を象徴している
- FF7リメイクの結末は、運命への抗いとパラレルワールドの存在を示唆した
- FF7リバースのエンディングでは、エアリスが生存する世界と死亡する世界が混在する
- リバースではクラウドと他の仲間とでエアリスの生死に対する認識が異なっている
- クラウドが運命に介入した結果、エアリスの死を完全に回避できたかは不明瞭である
- 原作にあった象徴的な「水葬シーン」がリバースではカットされている
- リメイクシリーズの物語は続編『アドベントチルドレン』に繋がると示唆されている
- 物語の全ての謎とエアリスの最終的な運命は、3部作の完結編で明らかになる
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