FF15はなぜ叩かれる?黒歴史とまで言われる5つの理由を解説

FF15(ファイナルファンタジー15)は、発売前から大きな期待を集めながらも、リリース後は「ひどい」「黒歴史」といった厳しい批判に晒されました。

しかし一方で、「面白いじゃん」という肯定的な声も存在し、評価が大きく分かれる作品でもあります。

なぜFF15はこれほどまでに叩かれることになったのでしょうか。

この記事では、FF15が叩かれる理由を5つの大きな観点から深掘りし、シナリオやキャラクターの問題点、開発の経緯、そして現在の評価までを網羅的に解説します。

目次

【結論】FF15が「黒歴史」「ひどい」とまで叩かれる5つの大きな理由

ファイナルファンタジー15が多くのプレイヤーから厳しい批判を受けた理由は、単一の問題ではなく、複数の深刻な欠点が複合的に絡み合っているためです。

ここでは、その中でも特に大きな原因とされる5つのポイントを結論として先に示します。

理由①:物語が未完成のまま発売されたシナリオ問題

FF15が最も批判される点は、物語が未完成のまま発売されたかのようなシナリオです。

ゲーム本編だけでは説明が不足しており、物語の全容を理解するためには、別売りの映画やDLC(ダウンロードコンテンツ)での補完が必須でした。

これにより、多くのプレイヤーがストーリーに没入できず、不満を抱く結果となりました。

理由②:10年に及ぶ開発の迷走が招いた「中途半端」な完成度

本作はもともと『ファイナルファンタジー ヴェルサスXIII』として発表されてから、実際にFF15として発売されるまで約10年という長い歳月を要しました。

この間、ディレクターの交代や開発方針の大幅な変更があり、結果としてゲームの各要素がちぐはぐで「中途半端」な印象を与えるものになってしまいました。

理由③:「男だけ」「気持ち悪い」と賛否を呼んだキャラクター描写

主人公たちが男性4人組であることや、彼らの会話の一部が「ホモ臭い」「気持ち悪い」と受け取られ、大きな賛否両論を巻き起こしました。

これは元々の外伝作品としての構想が影響していますが、ナンバリングタイトルとしては異質に映り、従来のファン層から受け入れられない一因となりました。

理由④:期待を裏切った「スカスカ」なオープンワールド

FFシリーズ初の本格的なオープンワールド採用は大きな期待を集めましたが、実際には広大なマップに対してコンテンツが乏しく「スカスカ」だと批判されました。

単調なサブクエストや移動の不便さも相まって、探索する楽しみが薄いと感じたプレイヤーが多かったのです。

理由⑤:信頼を損ねたDLC商法と制作陣の姿勢

物語の核心部分を補完する内容が有料DLCとして切り売りされた商法は、多くのファンの反感を買いました。

さらに、当初予定されていたDLCが開発中止になるなど、最後まで物語を届けられなかった制作陣の姿勢も、ブランドへの信頼を大きく損なう結果につながっています。

FF15最大の批判点:シナリオはなぜ「意味不明」と言われるのか?

FF15への批判の多くは、そのシナリオに向けられています。

壮大な世界観や魅力的な設定がありながら、なぜ「意味不明」「感情移入できない」と言われてしまうのか、具体的な理由を解説します。

本編だけでは理解不能?映画やDLCでの補完が必須なストーリー構成

FF15の物語を完全に理解するためには、ゲーム本編のプレイだけでは不十分です。

物語の前日譚を描くCG映画『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』や、各キャラクターの行動を補完するDLCエピソードを視聴・プレイすることが前提のような作りになっています。

例えば、主人公の故郷がなぜ崩壊したのか、仲間が一時的に離脱した間に何をしていたのかといった重要な情報が本編では断片的にしか語られません。

この手法は、ゲーム単体での物語体験を著しく損なうものとして、大きな批判を浴びました。

ヒロインや重要キャラの描写不足で感情移入できないという声

物語の鍵を握るヒロイン「ルナフレーナ」や、敵対する帝国の皇帝、将軍といった重要キャラクターたちの描写が極端に少ないことも問題点です。

彼らが何を考え、どのような背景を持っているのかがほとんど描かれないため、プレイヤーは物語の展開に感情移入することが困難でした。

特にヒロインは登場シーンが少なく、主人公との関係性も希薄に感じられるため、彼女の迎える結末にカタルシスを得にくいという声が多く上がりました。

有名な「やっぱつれぇわ」シーンはなぜネタにされてしまったのか?

物語終盤、主人公ノクティスが仲間たちに本音を吐露する「やっぱつれぇわ」というセリフは、本来であれば感動的なシーンのはずでした。

しかし、そこに至るまでの仲間との絆や主人公の葛藤の描写が不足していたため、多くのプレイヤーには唐突な弱音に映ってしまいました。

結果として、このシーンは感動を呼ぶどころか、インターネット上でネタとして消費される象徴的な場面となってしまったのです。

シナリオライターはクビになった?腐女子向けと批判された作風の真相

FF15のシナリオライター(板室紗織氏)が、一部のユーザーから「腐女子向け」の作風であると批判されたことも事実です。

男性キャラクター同士の親密なやり取りや、特定の関係性を想起させるセリフ回しが、従来のFFファンや男性プレイヤーから「気持ち悪い」と受け取られることがありました。

公私混同とも取れる趣味的な要素が作品に持ち込まれたのではないかという憶測を呼び、シナリオライター個人への批判につながった側面もあります。

ただし、「クビになった」という事実は確認されておらず、憶測の域を出ません。

なぜパーティは男だけ?「気持ち悪い」とまで言われるキャラクターの問題点

FF15の大きな特徴である「男4人旅」という設定は、作品の評価を二分する大きな要因となりました。

なぜこのような設定になったのか、そしてどのような点が問題視されたのかを解説します。

もともとは外伝作品『ヴェルサス13』の構想が原因だった

パーティが男性キャラクターのみで構成されている理由は、この作品がもともと『ファイナルファンタジー ヴェルサスXIII』というFF13の外伝として構想されていたことに起因します。

当時のディレクターであった野村哲也氏は、外伝であることを前提に「男だけの旅」という挑戦的で異色なコンセプトを打ち出していました。

しかし、この構想がナンバリングタイトルであるFF15にそのまま引き継がれた結果、シリーズの伝統を期待するファンにとっては違和感のある設定となってしまったのです。

一部の会話やノリが「ホモ臭い」「不自然」と受け取られた理由

仲間同士の会話には、友情を描くための親密なやり取りが多く含まれています。

しかし、その一部が過剰に感じられたり、男性同士の会話としては不自然に聞こえたりすることがありました。

特に、一部の女性ファン層を意識したかのようなセリフやシチュエーションは、「ホモ臭い」「腐女子に媚びている」といった批判を呼び、男性プレイヤーを中心に敬遠される原因となりました。

仲間への共感が難しい?グラディオラスの唐突な激昂シーンとは

仲間キャラクターの行動や言動に共感しにくい場面があったことも、批判の一因です。

特に、仲間の一人であるグラディオラスが、物語中盤で主人公ノクティスに対して理由も不明瞭なまま唐突に激昂するシーンは多くのプレイヤーを困惑させました。

キャラクターの感情の起伏が唐突で理解しがたく、プレイヤーが置いてきぼりにされてしまうような描写が散見されたのです。

ゲームプレイへの不満点:オープンワールドやシステムは何がひどいのか

FF15は物語だけでなく、ゲームプレイの面でも多くの不満点を抱えていました。

期待の大きかったオープンワールドや戦闘システムなどが、なぜ「ひどい」と評価されたのかを具体的に見ていきます。

広大だが中身がない?単調なお使いクエストが多かったマップ

FF15のオープンワールドは、そのグラフィックの美しさとは裏腹に、探索できる場所やイベントが少なく「広大だが中身はスカスカ」と評されました。

サブクエストのほとんどが「〇〇を取ってきて」「〇〇を倒してきて」といった単調な「お使い」であり、作業感が強いものでした。

世界を旅しているという感覚よりも、退屈な移動を繰り返しているという印象を多くのプレイヤーに与えてしまいました。

全プレイヤーが絶望した「第13章」の苦痛なゲーム体験

物語の終盤に位置する「第13章」は、FF15を象徴する悪評の高いパートです。

この章では、突如として仲間と引き離され、武器やアビリティも制限された状態で、一本道の暗いダンジョンを延々と進まされます。

それまでのオープンワールドの開放感とは真逆の、非常に窮屈でストレスの溜まるゲームプレイが長時間続くため、多くのプレイヤーが苦痛を感じ、ここでプレイを断念する人も少なくありませんでした。

発売当初のバグ多発や遊びにくい魔法など、調整不足の問題

発売初期のFF15は、キャラクターがおかしな挙動をする、進行不能になるといった大小さまざまなバグが多発し、完成度の低さが指摘されました。

また、戦闘システムにおいても、味方にダメージを与えてしまう使い勝手の悪い魔法や、単調になりがちなバトルなど、調整不足が目立ちました。

これらの問題は後のアップデートで多くが改善されましたが、発売当初の悪い印象を覆すには至りませんでした。

FF15はなぜ「黒歴史」に?開発の迷走とブランド失墜の経緯

FF15が「黒歴史」とまで呼ばれるようになった背景には、単なるゲーム内容の問題だけでなく、10年にわたる開発の迷走と、それに伴うブランドイメージの低下があります。

期待作『ヴェルサス13』からの大幅な路線変更とディレクター交代

前述の通り、FF15はもともと『ヴェルサス13』として発表され、ダークでスタイリッシュな作風に多くのファンが期待を寄せていました。

しかし、開発が長期化する中でディレクターが田畑端氏に交代し、タイトルもFF15へと変更。

それに伴い、物語のプロットやゲームデザインも大幅に変更されました。

この路線変更は、初期からのファンの期待を裏切る形となり、多くの失望を呼びました。

長期開発なのに突貫工事?ちぐはぐなゲームデザインになった背景

約10年という長い開発期間にもかかわらず、最終的な製品版は多くの点で完成度が低いものでした。

これは、ディレクター交代後の実質的な開発期間が2~3年程度しかなかったためと言われています。

旧チームの構想と新チームの方針が衝突し、結果としてオープンワールドと一本道シナリオ、アクション戦闘とパーティシステムといった各要素がうまく噛み合わない、ちぐはぐなゲームデザインになってしまったと考えられます。

ストーリーの根幹を切り売り?ロイヤルエディションでも批判されたDLC商法

FF15は発売後、物語を補完するための有料DLCを複数リリースしました。

しかし、本来であれば本編に収録されているべきキャラクターの掘り下げや物語の核心部分を切り売りするような商法は、「未完成品を売っておいて、完全版は別料金か」という強い批判を浴びました。

全てのDLCが含まれた『ロイヤルエディション』が後に発売されましたが、それでも開発中止になったDLCが存在するなど、最後まで物語を完結させられなかった事実は、FFブランドへの信頼を大きく損ないました。

一方で「面白いじゃん」の声も!FF15の現在の評価と唯一無二の魅力

これまでに述べたようにFF15は数多くの批判を受けましたが、その一方で熱心なファンが存在し、「面白いじゃん」「最高のゲーム」と評価する声があるのも事実です。

ここでは、FF15が持つ唯一無二の魅力と現在の評価について解説します。

アップデートでどう変わった?今なら「面白くなった」は本当か

発売後の度重なるアップデートにより、FF15は当初の問題点の多くを改善しています。

悪名高かった第13章はルートが追加されて遊びやすくなり、仲間キャラクターを操作できる機能や新たなボス、やり込み要素も追加されました。

バグのほとんども修正され、現在プレイするならば、発売当初よりもはるかに快適で充実した体験が可能です。

そのため、「今プレイしたら普通に面白い良ゲー」という評価は、決して間違いではありません。

唯一無二の「仲間との旅」体験と写真システムが高く評価される理由

FF15が最も高く評価されている点は、「仲間との旅」を疑似体験できるゲームデザインです。

ドライブ中の何気ない会話、キャンプでの食事、共に強敵に立ち向かう戦闘など、4人の仲間と旅をしている感覚は、他のゲームでは味わえない独特の魅力を持っています。

特に、仲間の一人プロンプトが旅の途中で撮影してくれる「写真システム」は秀逸です。

一日の終わりにその日の写真を見返すことで、プレイヤー自身の旅の思い出が積み重なっていく感覚を味わうことができ、物語の結末をより感動的なものにしています。

音楽とグラフィックはシリーズ最高峰という意見も多数

批判の多いFF15ですが、音楽とグラフィックのクオリティに関しては、多くの人がシリーズ最高峰であると認めています。

下村陽子氏が手掛けた壮大で美しい楽曲の数々は、旅の雰囲気を大いに盛り上げます。

また、7年以上前のゲームとは思えないほど美麗なグラフィックで描かれる世界や、非常においしそうに描写される料理の数々も、本作の大きな魅力の一つです。

まとめ:FF15がなぜ叩かれるのか、その理由と現在の評価

FF15がなぜ叩かれるのか、その理由と現在の評価について解説しました。

発売当初は多くの問題点を抱えていましたが、アップデートを重ね、唯一無二の魅力を持つ作品として再評価する声も増えています。

  • FF15が叩かれる最大の理由は未完成なシナリオにある
  • 物語の全容理解には映画やDLCでの補完が必須だった
  • 10年に及ぶ開発の迷走がゲーム全体の中途半端さを招いた
  • 「男だけのパーティ」は元々外伝作品の構想が原因である
  • 一部のキャラクター描写が「気持ち悪い」と賛否を呼んだ
  • オープンワールドは広大だがコンテンツが乏しく「スカスカ」と批判された
  • 悪名高い「第13章」は多くのプレイヤーに苦痛を与えた
  • 物語の核心を切り売りするDLC商法がファンの反感を買った
  • アップデートにより現在では多くの問題点が改善されている
  • 「仲間との旅」の体験は他のゲームにはない唯一無二の魅力と評価される

FF15のプレイをおすすめできる人と、そうでない人の特徴

これまでの情報を踏まえると、FF15は万人におすすめできる作品とは言えません。

ストーリーの整合性や完成度を最も重視する人、従来のFFのような重厚なファンタジーを求める人には、本作の欠点が目についてしまう可能性が高いでしょう。

一方で、仲間とのコミュニケーションや旅の雰囲気を楽しみたい人、キャラクターに感情移入してロールプレイングを楽しめる人にとっては、忘れられない特別な体験ができる可能性があります。

これから遊ぶならどのバージョン?ロイヤルエディションの内容と注意点

もしこれからFF15をプレイするのであれば、本編に加えて主要なDLCがセットになった『ファイナルファンタジーXV ロイヤルエディション』一択です。

通常版を中古で安く購入しても、DLCを追加購入していくと結果的に割高になります。

ただし、ロイヤルエディションをもってしても、開発が中止された「エピソード・アーデン」以降のDLCは含まれていません。

物語の完全な結末は小説『FINAL FANTASY XV -The Dawn Of The Future-』で語られているため、その点には注意が必要です。

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