ファイナルファンタジー15(FF15)をプレイした方の中には、物語の核心にいる「剣神バハムート」に対して、どこか冷たく非情な印象を抱いた方もいるかもしれません。
しかし、SNSやファンの間では、その印象を通り越して「バハムートはクズだ」という声が上がっています。
ゲーム本編だけをプレイすると、なぜそこまで言われるのか疑問に思うかもしれません。
この記事では、FF15のバハムートが「クズ」と呼ばれる本当の理由を、開発中止となったDLCの物語をノベライズした小説『The Dawn Of The Future』の内容を基に徹底解説します。
ゲーム本編では語られなかったバハムートの正体、その真の目的、そして全ての悲劇の黒幕としての衝撃的な所業まで、物語の全貌を明らかにしていきます。
【結論】FF15のバハムートが「クズ」と呼ばれる最大の理由

小説版『The Dawn Of The Future』で全ての元凶だったことが判明したから
FF15のバハムートが「クズ」と断じられる最大の理由は、小説『The Dawn Of The Future』において、物語の全ての悲劇を引き起こした真の黒幕、全ての元凶であったことが明かされたからです。
ゲーム本編では、アーデンが元凶であるかのような描かれ方をしていますが、小説版ではそのアーデンすらもバハムートに利用された犠牲者の一人であったことが判明します。
2000年にわたるアーデンの絶望も、ノクティスやルナフレーナが背負った過酷な運命も、全てはバハムートの描いた筋書き通りだったのです。
独善的な目的のために全キャラクターの運命を弄んだ悪神だった
バハムートは「星を綺麗にする」という大義名分を掲げていますが、その実態は極めて独善的で傲慢なものでした。
彼は自身の目的を達成するためなら、人間はもちろん、他の神々さえも平気で駒として利用します。
善意で人々を救っていたアーデンを汚れた存在に仕立て上げ、死んだルナフレーナを都合よく蘇らせて利用するなど、その所業はまさに「悪神」そのものです。
キャラクターたちの想いや人生を全く顧みず、ただの道具として弄んだ点が、多くのファンから「クズ」と非難される要因となっています。
ゲーム本編の悲劇的な結末は全てバハムートの筋書きだった
ゲーム本編のエンディングは、主人公ノクティスが自らの命と引き換えに世界を救うという、非常に切なくも英雄的な結末でした。
しかし、この悲劇的な結末すらも、バハムートが仕組んだ計画の一部に過ぎなかったことが小説版で明らかになります。
「真の王」が命を捧げることで世界が救われるという使命そのものが、バハムートによって定められたものでした。
つまり、プレイヤーが感動したあの結末は、悪神の掌の上で踊らされていた結果だったのです。
この事実が、バハムートへの評価を決定的にしました。
ゲーム本編でのバハムートはどんな存在だった?

荘厳だが非情な「剣神」としての登場シーン
ゲーム本編において、バハムートはチャプター13の終盤、クリスタルに取り込まれたノクティスの前に姿を現します。
騎士のような姿で、数多の剣を従えるその姿は「剣神」の名にふさわしく、非常に荘厳で神々しい印象を与えました。
この時点では、彼が物語の黒幕であるとは誰も予想していなかったでしょう。
あくまでノクティスを導き、力を与える上位の存在として描かれています。
ノクティスに「命と引き換えに世界を救え」と使命を課す役割
バハムートはクリスタルの中でノクティスに対し、「真の王」としての使命を告げます。
それは、永遠の命を持つアーデンを討ち、世界に夜明けを取り戻すこと、そしてその力の解放には「お前の命と引き換え」にする必要があるという、非常に過酷なものでした。
淡々と、そして有無を言わせぬ態度で使命を課す姿は、人間的な感情を一切感じさせず、神としての冷徹さや非情さが際立っていました。
この時点では黒幕だと分かる?プレイヤーの反応まとめ
ゲーム本編をプレイした段階では、バハムートを「黒幕」や「クズ」だと認識したプレイヤーはほとんどいませんでした。
多くのプレイヤーは、彼を「厳しい使命を課す絶対的な神」として受け止めていたようです。
しかし、その高圧的な態度や上から目線の物言いに対して、「いけ好かないヤツだな」といった好意的ではない感想を持つプレイヤーも少なくありませんでした。
この時点での違和感が、後に小説版で真実が明かされた際の大きな衝撃に繋がったと言えるでしょう。
小説版で明かされたバハムートのクズな所業まとめ
真の黒幕:2000年前から続く悲劇のシナリオライターだった
小説版でバハムートは、2000年前にアーデンとソムヌスの兄弟を引き裂いた時から、全ての悲劇のシナリオを描いていた真の黒幕として描かれます。
アーデンにシガイを吸収する力を与えながらも、いざという時には「不浄の存在」として切り捨てるなど、全ては彼の計画通りでした。
アーデンがルシス王家への憎しみを募らせるよう仕向けたのも、全ては星を浄化するための壮大な計画の駒として利用するためだったのです。
アーデンを利用し、絶望の淵に叩き落とす
民を救うために自らの身を犠牲にした聖者アーデン。
バハムートは、そんな彼にシガイ吸収能力を与えながら、最終的にクリスタルに拒絶させ、恋人も弟も全てを失わせます。
そして、2000年もの間、死ぬこともできずに絶望の中で生き続けさせました。
アーデンが抱える計り知れない憎悪と苦しみは、元をたどれば全てバハムートの非道な策略によるものだったのです。
ルナフレーナを蘇らせ「シガイの王」として再利用
アーデンに殺された神凪ルナフレーナを、バハムートは自らの目的のために蘇生させます。
そして、アーデンと同じシガイ吸収能力を与え、シガイを浄化させるという新たな使命を与えました。
しかし、その真の目的は、ルナフレーナに大量のシガイを吸収させ、最終的に彼女を「シガイの王」へと変貌させ、星を滅ぼすための依り代として利用することでした。
死者さえも弄ぶそのやり方は、神の所業とは思えません。
人間を「星を汚す害虫」と見下す傲慢な思想
バハムートは、星の病である「シガイ」だけでなく、人間そのものも「星を汚す害虫」と見なしています。
彼の目的は、シガイを一掃した後、最終的には人間も根絶することでした。
「星を綺麗にする」という彼の言葉の裏には、人間に対する深い侮蔑と傲慢な思想が隠されています。
この独善的な考え方が、彼の全ての非道な行いの根源にあるのです。
最終目的はテラフレアによる全生命体の抹消
バハムートの真の目的は、星の浄化などではなく、究極召喚「テラフレア」を発動させ、シガイや人間を含めた星に生きる全ての生命体を消し去ることでした。
かつて魔大戦の際に一度失敗したこの計画を、今度こそ成功させるためにアーデンやルナフレーナ、ノクティスを利用していたのです。
星を守る神でありながら、その星の生命全てを滅ぼそうとする矛盾した行動は、まさに狂気と言えるでしょう。
他の五神さえも道具扱いし、最後は敵対される始末
バハムートの傲慢さは、人間だけでなく他の六神(シヴァ、イフリート、タイタン、ラムウ、リヴァイサン)に対しても向けられます。
彼は他の五神を見下しており、自らの計画の道具としか考えていませんでした。
その悪辣な計画が明らかになると、さすがに他の五神も彼を看過できず、最終的にはノクティス側に味方してバハムートに反旗を翻します。
同胞であるはずの神々からさえも見限られる様は、彼がいかに独善的で歪んだ存在であるかを物語っています。
バハムートの正体や目的は?その他の疑問に回答

バハムートの正体とは?六神の中でも上位の特別な神
小説版の設定では、剣神バハムートは他の五神よりも格上であり、天と共にある「上位神」という特別な存在であることが語られています。
他の神々が星(イオス)に根ざしているのに対し、バハムートはより高次元の存在であり、それゆえに星に生きる生命への関心が薄いとされています。
この設定が、彼の人間や他の神々に対する傲慢な態度の根拠となっています。
仮面の下の素顔はノクティスに似ているって本当?
小説版『The Dawn Of The Future』の終盤には、ノクティスとの戦いでバハムートの仮面が砕ける場面があります。
その際に「仮面の奥の素顔が、ノクティスやソムヌスと酷似していた」という描写が存在します。
最初と最後の王には、バハムートと同じ顔が与えられていた、とされており、王家の血筋とバハムートの間に何らかの深いつながりがあることを示唆しています。
なぜ星と人間を滅ぼそうとしたのか?その目的を考察
バハムートが全生命体の抹消を目論むようになったきっかけは、遥か昔に起こった「魔大戦」にあります。
この戦いで神々と人間が争う姿に嫌気が差し、全てをリセットするためにテラフレアで星ごと滅ぼそうとしました。
しかし、この試みは他の神々によって阻止されます。
この失敗から、今度こそ確実に目的を遂行するため、2000年という長い年月をかけてアーデンや王家を利用する計画を立てたと考えられます。
クズなバハムートを倒した後の世界はどうなった?
小説版ではバハムートが真のラスボスに
ゲーム本編のラスボスはアーデンでしたが、小説版では物語の真の黒幕であるバハムートがラスボスとなります。
アーデンとノクティス、そして仲間たちや他の五神までが力を合わせ、この傲慢な神に立ち向かうという、ゲーム本編とは全く異なるクライマックスが描かれます。
全ての因縁がバハムートへと収束し、壮大な最終決戦が繰り広げられます。
ノクティスとアーデンの共闘という胸熱展開
小説版の最大の見どころの一つが、長年の宿敵であったノクティスとアーデンの共闘です。
共通の敵であるバハムートを倒すため、二人は恩讐を超えて手を取り合います。
ノクティスはアーデンを「救うべき世界の一部」と認め、光耀の指輪を託します。
この展開は多くのファンを熱くさせ、「これが見たかった」という声が多数上がりました。
FF15にハッピーエンドは存在する?ルナフレーナ生存ルートの結末
バハムートを打ち倒した後、小説版の物語はゲーム本編とは異なるハッピーエンドを迎えます。
ノクティスは命を落とすことなく、シガイの呪いから解放されたルナフレーナと再会を果たします。
そしてエピローグでは、多くの人々に祝福されながら、二人の結婚式が執り行われる様子が描かれます。
これは、多くのファンが望んだ「ルナフレーナ生存ルート」であり、全ての苦難を乗り越えた先にある、まさに「未来への夜明け」と呼べる結末です。
なぜバハムートは後付けで黒幕になったのか?FF15が抱える問題点

ゲーム本編のストーリーは未完成だった?描写不足への批判
FF15のゲーム本編は、発売当初からストーリーの描写不足や説明不足な点が多くのプレイヤーから指摘されていました。
特に中盤以降の展開は駆け足気味で、キャラクターの心情の変化や世界の状況などが十分に描かれていないという批判がありました。
バハムートが後付けで黒幕となった背景には、こうした本編だけでは語りきれなかった物語を補完し、より深みのある話として完成させたいという意図があったと考えられます。
DLC開発中止の救済措置としての小説化という経緯
当初、FF15はアーデン、アラネア、ルナフレーナ、ノクティスの4人を主役とした追加DLCの配信を予定していました。
このDLCで、ゲーム本編とは異なるもう一つの結末が描かれるはずでした。
しかし、「エピソード・アーデン」を最後にDLCの開発は中止となってしまいます。
その救済措置として、開発中止となったDLCのシナリオを基にノベライズされたのが、小説『The Dawn Of The Future』なのです。
そのため、バハムートが黒幕という設定は「後付け」であることは間違いありません。
「後付け」でもファンが熱狂した理由とは
「後付け」という批判はありながらも、小説版のストーリーは多くのファンから高く評価されています。
その理由は、ゲーム本編で消化不良だった多くの謎や因縁に一つの明確な答えを示し、キャラクターたちの行動原理を深く掘り下げてくれたからです。
何より、多くのファンが望んだ「ノクティスとルナフレーナが幸せになる未来」を描き切ったことが、熱狂的な支持に繋がりました。
たとえ後付けであっても、それだけのカタルシスと面白さが小説版にはあったのです。
まとめ:ff15 バハムート クズ
- FF15のバハムートが「クズ」と呼ばれる主な理由は小説版での所業にある
- ゲーム本編では荘厳だが、どこか非情で高圧的な神として描かれる
- 小説版では全生命体の抹消を企む、全ての悲劇の真の黒幕であったことが判明
- アーデンの2000年にわたる悲劇は、全てバハムートによって仕組まれたもの
- 死んだルナフレーナを蘇生させ、星を滅ぼすための「シガイの王」として利用
- 人間を「星を汚す害虫」と見下し、他の五神さえも駒として扱う傲慢な存在
- 小説版ではノクティスとアーデンが共闘し、真のラスボスであるバハムートを倒す
- その結末はノクティスとルナフレーナが結婚するハッピーエンドである
- バハムートが黒幕という設定は、DLC開発中止に伴う「後付け」である
- 物語の全貌と真の結末を知るには小説『The Dawn Of The Future』が不可欠
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