『エルデンリング』の広大な世界には、多くの謎めいたNPCが登場します。
その中でも、ケイリッドのボロ家でプレイヤーを待つ「賢者ゴーリー」は、物語の核心に触れる重要な人物の一人です。
彼は病に苦しむ少女ミリセントを救うよう依頼してきますが、その親切な態度の裏には、恐ろしい真の目的が隠されています。
この記事では、ゴーリーの正体、ミリセントとの関係、そして彼の行動の背後にある「腐敗の律」について、ゲーム内のセリフやアイテムのテキストを基に徹底的に考察します。
『エルデンリング』賢者ゴーリーの正体を徹底考察【ネタバレ注意】

結論:ゴーリーの正体はマレニアを崇拝する「腐敗の眷属」
賢者ゴーリーの正体は、人間ではなく「腐敗の眷属」と呼ばれる虫のような存在です。
彼の目的は、最強のデミゴッドであるマレニアを新たな神とし、世界を「朱い腐敗」の理で満たすことにあります。
この事実は、ゴーリーを攻撃した際の彼の姿やセリフから明らかになります。
老賢者の姿は、褪せ人であるプレイヤーを利用するための偽りの姿に過ぎません。
ゴーリーの真の目的は「腐敗の律」を確立させること
ゴーリーが目指すのは、彼が「艶めかしい腐敗の律」「爛熟輪廻の理」と呼ぶ、新たな世界の秩序を確立することです。
これは、生命が朱い腐敗によって生まれ、成熟し、そして再び腐敗を撒き散らすことで新たな生命を生み出す、永遠の輪廻を意味します。
ゴーリーは、女王マリカに代わる新たな神としてマレニアを据え、この腐敗の律によって世界を統治させようと企んでいます。
彼自身のセリフ「マレニア様と、その艶めかしい腐敗の律に。爛熟輪廻の理にね…」からは、狂信的とも言えるほどの強い信仰心がうかがえます。
ミリセントは腐敗の律を成就させるための「蕾」だった
ゴーリーにとって、養い娘であるミリセントは、この壮大な計画を成就させるための重要な駒、すなわち「蕾」でした。
彼はミリセントを、いずれマレニアのように腐敗の力を完全に開花させ、世界に腐敗を広げる存在になることを期待していたのです。
ゴーリーがミリセントを「私が見た中でも、最上の蕾なのですよ」と語るように、彼はミリセントを特別視していました。
また、ミリセントの他にも4人の姉妹が存在することから、ゴーリーが複数の「蕾」を育て、腐敗の律を確立するために周到な準備を進めていたことがわかります。
ゴーリーとミリセントの物語|イベントのセリフから行動の真意を読み解く

なぜゴーリーはミリセントを育てたのか?
ゴーリーは、マレニアがラダーンとの戦いで朱い腐敗の花を咲かせた場所、エオニアの沼で赤子だったミリセントを拾い上げたと語ります。
一見すると、病に苦しむ孤児を救った心優しき老人のように思えます。
しかし、彼の真の目的は、マレニアの分け身とも言えるミリセントを、マレニアに代わる、あるいはマレニアを完全な女神へと昇華させるための生贄として育てることでした。
彼の親切な態度は、すべてが計画のための演技だったのです。
「無垢金の針」に隠された本当の狙いとは?
ゴーリーがプレイヤーに探させる「無垢金の針」は、ミリセントの腐れ病を治療するためのアイテムと説明されます。
しかし、この針の本当の役割は、腐敗の力を完全に消し去るのではなく、暴走を「抑制」し、ミリセントを彼の望む形で「成熟」させることにありました。
腐敗をコントロール下に置くことで、ミリセントが自身の意志を保ったまま力を増し、最終的に腐敗の花として咲き誇ることを狙っていたと考えられます。
針は治療具であると同時に、彼の計画を進行させるための重要な制御装置だったのです。
ゴーリーはミリセントを娘として愛していた?セリフから考察
ゴーリーのミリセントに対する感情は非常に複雑です。
彼はミリセントを「私の愛しい娘の、一人なのです」と呼び、計画の道具として扱いながらも、ある種の愛情や執着を見せます。
特に、ミリセントが自ら死を選んだ後の彼の悲嘆は、単なる計画の失敗を嘆いているだけとは思えない深さがあります。
これは、人間的な親子愛とは異質のものであり、自らが信仰する神(マレニア)の分身であり、自分たちの種族(腐敗の眷属)の未来を担う存在に対する、歪んだ形での愛情だったのかもしれません。
ミリセントの最期とゴーリーの計画の結末
物語の終盤、ミリセントはゴーリーの操り人形になることを拒絶します。
「私は、私でない何かとして咲くくらいなら 私は、私のまま腐りゆくことを選ぶ」という力強い言葉を残し、自ら無垢金の針を抜いて、人としての尊厳を保ったまま死を選びます。
これにより、ゴーリーの長年の計画は完全に頓挫しました。
計画の失敗を知ったゴーリーは「…ミリセント。…マレニア様。…そんなにも、我らがお嫌いですか?…」と、自らが崇拝する神と、その娘に拒絶された絶望を吐露するのでした。
ゴーリーの正体は虫?「腐敗の眷属」とは何者か

ゴーリーを攻撃すると虫の姿になる理由
賢者ゴーリーに攻撃を加えると、彼の人間としての姿は消え失せ、醜い虫のような異形の正体を現します。
そして彼は「…貴方様、またお会いしましょう 蟲は何匹もいるのですから」という言葉を残します。
これは、ゴーリーという個人が存在するのではなく、「ゴーリー」という老人の姿は腐敗の眷属たちが共有するアバターのようなものであり、一体が倒されても別の個体がすぐに入れ替わることを示唆しています。
彼の不死性は、個の生命ではなく、集合体としての性質に由来するものです。
腐敗の眷属の正体とマレニアとの関係性
アイテム「腐敗の眷属の遺灰」や「蟲糸」のテキストによると、腐敗の眷属は「腐敗の女神の眷属」であり、「女神の落とし子」であるとされています。
彼らは、マレニアがエオニアの地で咲かせた朱い腐敗から生まれた存在であり、母であるマレニアを神として絶対的に崇拝しています。
ゴーリーの行動原理は、すべてこのマレニアへの狂信的な信仰心に基づいているのです。
なぜ人の姿をしていた?ゴーリーという存在の謎
腐敗の眷属であるゴーリーが人の姿をしていたのは、褪せ人であるプレイヤーに接触し、協力を取り付けるためと考えられます。
異形の虫の姿では警戒されるだけで、誰も彼の話に耳を貸さないでしょう。
「賢者」と名乗り、穏やかな老人の姿を装うことで、プレイヤーを信用させ、ミリセントのイベントに関わらせるよう仕向けたのです。
彼の知性と狡猾さは、単なる獣ではない知的生命体であることを物語っています。
物語の元ネタ?エドワード・ゴーリー作『蟲の神』との関連性

登場人物の名前の一致と酷似した物語
『エルデンリング』のゴーリーとミリセントの物語は、アメリカの絵本作家エドワード・ゴーリーの作品『蟲の神』に強い影響を受けていると考えられています。
この絵本には、「ミリセント」という名前の少女が、巨大な「蟲」たちに攫われ、彼らの「神」への生贄にされるという不気味な物語が描かれています。
作者の名前が「ゴーリー」であること、登場人物の名前が「ミリセント」であること、そして「蟲」と「生贄」というテーマが酷似していることから、オマージュ元であることはほぼ間違いないでしょう。
元ネタを知ると見えるゴーリーの行動の不気味さ
『蟲の神』の物語を知っていると、『エルデンリング』におけるゴーリーの言動がより一層不気味に感じられます。
ミリセントを「愛しい娘」と呼ぶ彼の言葉の裏に、生贄を育てる蟲の姿が透けて見えてきます。
ゲームの物語をより深く味わう上で、この元ネタに関する知識は、ゴーリーというキャラクターの恐ろしさと哀れさを際立たせてくれる要素と言えるでしょう。
ゴーリーに関するQ&A|イベント攻略とよくある質問
ゴーリーのイベントを最後まで進めるには?
ゴーリーのイベントは、ミリセントのイベントと完全に連動しています。
ミリセントのイベントをチャートに沿って進め、節目節目でケイリッドの「ゴーリーのボロ家」を訪れ、彼と会話することでイベントが進行します。
イベント終盤でゴーリーが死なない(無限復活する)のはなぜ?
ミリセントのイベントが完了し、彼の計画が成功または失敗という結末を迎えるまで、ゴーリーは不死身です。
これは前述の通り、彼が個体ではなく「腐敗の眷属」という集合体であり、一体倒されてもすぐに別の個体が入れ替わるためです。
イベントを最後まで進め、彼が絶望した状態になった後でのみ、完全に倒すことが可能になります。
ボロ家の周りにいる犬に殺される時の対処法
ゴーリーのボロ家の周囲には敵対的な犬が徘徊しており、プレイヤーとの戦闘の流れ弾などでゴーリーが死んでしまうことがあります。
しかし、彼が死んでしまっても、祝福で休むなどしてエリアをロードし直せば、何事もなかったかのように復活します。
落ち着いて対処すれば問題ありませんが、会話を邪魔されたくない場合は、先に周囲の敵を掃討しておくことをお勧めします。
ゴーリーの印象的なセリフ一覧
ゴーリーのキャラクターを深く理解するために、彼の印象的なセリフをいくつか紹介します。
状況 | セリフ |
---|---|
初対面時 | …貴方様に、是非にお願いがあるのです |
ミリセントについて | あれは、私の愛しい娘の、一人なのです |
目的を語る時 | マレニア様と、その艶めかしい腐敗の律に。爛熟輪廻の理にね… |
計画が失敗した後 | …そんなにも、我らがお嫌いですか?… |
攻撃された時 | …貴方様、またお会いしましょう 蟲は何匹もいるのですから |
ミリセントイベント完了後、ゴーリーはどうするべき?
ミリセントのイベントを協力ルートで完了させると、ゴーリーはボロ家で絶望に打ちひしがれています。
この状態の彼を倒すと、祈祷の効果を高めるタリスマン「集う信徒の誓布」と「ゴーリーの鈴玉」を入手できます。
物語の結末を見届けた後、彼の最期を見届けるのも一つの選択と言えるでしょう。
まとめ:エルデン リング ゴーリー 考察
- ゴーリーの正体は腐敗の眷属という虫である
- 彼の目的はマレニアを神とし「腐敗の律」を確立すること
- ミリセントは目的達成のための「蕾」として育てられた
- ゴーリーの言動には計画のための偽りと複雑な感情が混在する
- 彼の正体は攻撃すると明らかになる
- 腐敗の眷属はマレニアの腐敗から生まれた落とし子
- 物語の元ネタはエドワード・ゴーリー作『蟲の神』の可能性が高い
- ミリセントのイベントを完遂しない限りゴーリーは不死身である
- 周囲の犬に殺されてもロードすれば復活する
- イベント完遂後、彼を倒すことで特別なタリスマンを入手できる
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