エルデンリングのDLC「Shadow of the Erdtree」は、その壮大なストーリーと複雑に絡み合う謎で多くのプレイヤーを魅了しています。
しかし、本編以上に難解な時系列や、ミケラをはじめとする登場人物たちの真意が掴めず、考察を楽しみたいけれど情報が整理できないと感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、DLCのストーリーを時系列に沿って分かりやすく解説し、ミケラの真の目的やラダーンがラスボスである理由、そしてメリナの正体など、物語の核心に迫るネタバレ考察を網羅的にご紹介します。
【ネタバレ注意】エルデンリングDLCのストーリーを時系列で完全解説
物語の舞台「影の地」とは?黄金樹の影に隠されたマリカの故郷
物語の舞台となる「影の地」は、女王マリカが神となり、黄金樹と黄金律が誕生した場所です。
しかしマリカは神になった後、この地をベールで覆い隠し、息子メスメルに命じて焼き払わせました。
かつては「都人(つのびと)」と呼ばれる角を持つ種族が支配しており、黄金樹とは異なる「影樹(えいじゅ)」がそびえ立っています。
この影樹は黄金樹の影であり、マリカの負の感情の象徴とも考察されています。
影の地は、狭間の地の地図で雲に覆われていた中央部分に元々存在した地域と考えられており、物理的に隔離された禁足地でした。
本編との時系列はいつ?ゲームの流れに沿ったストーリーの全貌
DLCの物語は、本編で血の君主モーグを撃破した直後から始まります。
主人公(褪せ人)は、モーグウィン王朝にある神人眠りの繭に触れることで、ミケラが向かったとされる影の地へと導かれます。
影の地で褪せ人は、ミケラを追う針の騎士レダや、かつてモーグの部下であったアンスバッハといったNPCたちと出会い、彼らと共にミケラの痕跡を追うことになります。
旅の道中で様々なボスを撃破し、影の城でメスメルを倒した後、ミケラの計画の真相が徐々に明らかになっていきます。
最終的に褪せ人は、ミケラが復活させようとしている「約束の王」ラダーンと対峙することになります。
DLCの主要人物と相関図:ミケラを中心に誰が味方で誰が敵か?
DLCの物語は、神人ミケラを中心に展開されます。
彼の行動に魅了された者たちが「ミケラ騎士団」とも呼べる集団を形成しますが、その関係は一枚岩ではありません。
| 人物名 | 立場・関係性 |
|---|---|
| ミケラ | 物語の中心人物。神となるため、そして「約束の王」を復活させるため影の地へ向かう。 |
| 針の騎士レダ | ミケラの熱心な信奉者。褪せ人を導くが、後にミケラの計画のため敵対する。 |
| アンスバッハ | 元モーグの配下。ミケラの純粋さに惹かれるが、その危うさも感じている。 |
| ムーア | ミケラに魅了された商人。 |
| 串刺し公メスメル | マリカの息子でミケラの兄。母の命令で影の地を焼いた。レラーナに愛されている。 |
| 双月の騎士レラーナ | 女王レナラの妹。メスメルを守るため、影の城への道を阻む。 |
| 星砕きのラダーン | かつての英雄。ミケラが復活させようとしている「約束の王」。 |
当初はミケラを追うという共通目的で協力しますが、物語が進みミケラの大ルーンが壊れると、それぞれの思惑が交錯し、敵対関係へと変化していきます。
【最重要考察】ミケラは何がしたかったのか?その目的と謎に迫る
ミケラの最終目的は「優しい理」の実現だったのか?
ミケラの最終的な目的は、あらゆる者が見捨てられることのない「優しい理(ことわり)」を新たな律として世界に確立することだったと考えられます。
本編においてミケラは、妹マレニアの腐敗を治すために黄金律に見切りをつけ、無垢なる黄金の聖樹を育てようとしていました。
DLCのエンディングで語られる「世界を、優しくしたいのです」という言葉からも、彼の根底にある願いは一貫していたことがうかがえます。
しかし、その純粋すぎる願いを実現するため、彼は他者の意思を無視するような強引な手段を取っていくことになります。
なぜミケラは身体や感情を捨てた?各地の「十字」が示す苦悩
影の地の各地には「ミケラの十字」と呼ばれる目印が点在しており、そこには彼が捨てていったものが記されています。
「我が身体を、ここに棄てる」「我が愛を、ここに棄てる」「全ての恐れを、ここに棄てる」といった言葉からは、ミケラが神になるという目的のために、自らの人間性や弱さを切り捨てていった過程が読み取れます。
これは、非情な計画を遂行するための覚悟の表れであり、彼の純粋さが狂気へと変貌していく様子を示唆しているのかもしれません。
レダやアンスバッハを惹きつけた「魅了」の力の正体
ミケラは、あらゆる者から愛されることを強いる「魅了」の能力を持っています。
DLCに登場する多くのNPCが、この力によって彼の信奉者となっていました。
アンスバッハはミケラの大ルーンが壊れて正気を取り戻した際、「あの方は化け物です。純粋で、輝きに満ち、ただ愛によって人の心を漂白する」と語っており、その能力が抗いがたいものであることを示しています。
この魅了の力こそ、ミケラの計画を推し進める原動力であり、同時に彼の最も恐ろしい側面でもあります。
黒幕説を検証:「陰謀の夜」の真犯人はミケラだった?
DLCで明らかになった情報から、本編の重要事件「陰謀の夜」にミケラが関与していた可能性が浮上しています。
陰謀の夜とは、デミゴッドで最初の死者となった黄金のゴッドウィンが殺害された事件です。
ゴッドウィンの肉体は、ミケラが「約束の王」を復活させるための「依り代」として格好の標的でした。
ミケラの半身であるトリーナが「眠り」を司ることから、彼らを眠らせて無力化し、ラニと手を組んで事を運んだ、という黒幕説も有力な考察の一つです。
ミケラの半身「トリーナ」が「ミケラを殺して」と願った理由とは
影の地の奥深くで出会うトリーナは、ミケラのもう一つの側面、あるいは別人格であるとされています。
彼女は褪せ人に対し、無理をして神になろうとしているミケラを止めてほしい、殺してほしいと願います。
これは、目的のために手段を選ばなくなったミケラの暴走を憂い、純粋だった頃の彼を取り戻したいという悲痛な叫びだったのかもしれません。
あるいは、ミケラの計画が世界にとって危険すぎると判断し、それを阻止しようとしたとも考えられます。
なぜラダーンがラスボスなのか?「約束の王」の正体を徹底考察
ミケラとラダーンの「約束」とは?幼き日の願いの真相
ミケラがラダーンを「約束の王」と呼ぶ理由は、彼らの幼き日に交わされた約束にあります。
追憶のテキストによれば、幼いミケラは脆弱な自分たちにはない強さと優しさを持つラダーンに王の姿を見出し、「私の王になってください」と純粋に願いました。
この願いが、ミケラの行動の原点となっています。
彼は自分が神になることで約束を果たし、ラダーンを王として迎え、共に「優しい世界」を創ることを目指していたのです。
なぜモーグの遺体が依り代に選ばれたのか?
ミケラがラダーンの魂を復活させるための「依り代」として選んだのは、皮肉にも自分を誘拐した血の君主モーグの遺体でした。
これにはいくつかの理由が考察されています。
一つは、モーグが「忌み角」を持つ強力なデミゴッドであり、その強靭な肉体がラダーンの魂を受け入れる器として適していたという点です。
また、角人が神降ろしの儀式を行う文化を持つ影の地において、角を持つモーグの体は魂を呼び戻す触媒として最適だった可能性もあります。
復活したラダーンに本人の意思はあったのか?
DLCのラストバトルで対峙するラダーンは、ミケラの願いによってモーグの体を依り代として復活した姿です。
しかし、その戦いぶりから本人の完全な意思があったとは考えにくいでしょう。
彼の魂は呼び戻されたものの、それはミケラの神の力によって操られる、いわば肉体を持つ遺灰のような状態だったと推測されます。
かつての英雄が、友の願いによって再び戦場に立たされたという悲劇的な側面も持っています。
ミケラと合体した姿は何を意味するのか?
ラダーンとの戦闘が後半に差しかかると、ミケラ自身がラダーンの背中に現れ、合体した姿となります。
これは、神(ミケラ)と王(ラダーン)が一体となることで、新たな律の時代の到来を象徴する儀式的な意味合いがあったと考えられます。
ミケラは褪せ人に対し、「我らに導を譲り給え」と語りかけ、自分たちこそが次の時代の統治者にふさわしいと宣言します。
この三位一体(ミケラ、ラダーン、依り代のモーグ)の姿こそ、ミケラが目指した理想の世界の始まりの形だったのです。
メリナの正体も判明?DLCで明らかになった本編の謎【考察まとめ】
メリナの正体はメスメルの妹?ついに明かされた家族関係
DLCのキーキャラクターである串刺し公メスメルに関連するテキストから、本編のヒロイン・メリナの正体に関する重要な手がかりが示されました。
「メスメルの種火」のテキストには、「メスメルもまた、その妹と同じように 火の幻視を宿していた」と記されています。
メスメルの母がマリカであることから、メリナもまたマリカの娘、つまりメスメルの妹である可能性が極めて高くなりました。
どちらも片目を封じられ、木を焼く力を持つという共通点も、二人が兄妹であることを裏付けています。
女王マリカの過去:なぜ故郷である影の地を焼いたのか?
マリカは影の地にある「巫女の村」の出身であったことが示唆されています。
この地では、巫女たちが罪人と共に壺に詰められ、「善き人」として生まれ変わらせるというおぞましい儀式が行われていました。
同胞たちが犠牲になる様を見てきたマリカは、角人たちに強い憎しみを抱き、神となった後に復讐として故郷を焼き払ったと考えられます。
彼女が黄金律において「混じりもの」を徹底的に排除しようとしたのも、この過去のトラウマが原因かもしれません。
角人(つびと)の文化「壺作り」の残酷な真実とは
角人にとって「壺作り」は、罪を犯した者の魂を浄化し、良き者として生まれ変わらせるための神聖な儀式でした。
彼らは罪人の肉体を切り刻み、巫女と呼ばれる女性と共に壺へ封じることで、罪が清められると信じていました。
しかし、これはマリカの同族である巫女たちを犠牲にする残酷な文化であり、マリカの復讐心に火をつけた直接的な原因となったようです。
「陰謀の夜」の真相:ラニとミケラの共謀はあったのか?
前述の通り、ミケラが「陰謀の夜」に関与していた可能性は高いですが、本編で犯人とされるラニとの関係も重要です。
ラニは「二本指の傀儡」となる運命から逃れるため、ミケラは「王の依り代」を手に入れるため、というそれぞれの目的のために二人は協力関係にあったと考察できます。
互いの利害が一致した結果、ゴッドウィン殺害計画が実行されたとすれば、本編で語られなかった事件の裏側が見えてきます。
全ての元凶?「指の母メーテール」の故障が招いた悲劇
DLCで新たに登場したユミルというNPCは、世界の理が歪んでいる根本的な原因を語ります。
それは、大いなる意志の言葉を伝えるはずの二本指たちの母、「メーテール」が壊れているため、そもそも正しい伝達が行われていないという衝撃的な事実です。
伝言ゲームの大元が間違っているため、誰も救済されず、世界に悲劇が蔓延しているとユミルは断定しています。
エルデンリングの世界に救いがない根本的な理由が、ここで示されたと言えるでしょう。
エルデンリングDLCに新しいエンディングは無い?クリア後の仕様を解説
結論:DLCクリアで追加されるエンディングは存在しない
結論から言うと、DLC「Shadow of the Erdtree」をクリアしても、本編に新しいエンディングが追加されることはありません。
物語はDLCエリア内で完結し、ラスボスを倒した後は、探索しきれていないエリアやボスに挑むことになります。
ラスボス「約束の王、ラダーン」を倒した後はどうなる?
ラスボスである「約束の王、ラダーン」を撃破すると、彼の思い出に触れることができ、ミケラの最後のメッセージが流れます。
その後、特別なイベントやムービーはなく、褪せ人は再び影の地を自由に探索できるようになります。
本編のストーリーに戻り、エルデの王を目指す旅を続けることになります。
なぜ新規エンディングが追加されたなかったのか?その理由を考察
新規エンディングが追加されなかった理由として、DLCが本編の物語を補完する「外伝」的な位置づけであることが考えられます。
DLCの目的は、ミケラの物語を描き切ること、そしてマリカの過去や影の地の謎といった、本編で語りきれなかった部分を解き明かすことに主眼が置かれていたのでしょう。
本編のエンディング分岐をさらに複雑にすることを避けたという開発側の意図もあったのかもしれません。
DLCの進行が本編のエンディングに与える影響はある?
DLCのストーリー進行やクリア状況が、本編のエンディング分岐に直接影響を与えることはありません。
DLCでどのような選択をしたとしても、本編で選べるエンディングの種類は変わらないため、安心してDLCの物語に集中することができます。
まとめ:エルデンリング DLC ネタバレ 考察の完全ガイド
- DLCの舞台「影の地」はマリカが神となった場所であり、後に焼き払われた故郷である
- 物語は本編のモーグ撃破後から始まり、褪せ人はミケラの痕跡を追って影の地を冒険する
- ミケラの目的はラダーンを「約束の王」として復活させ、「優しい理」の世界を創ることだった
- ミケラは神になるという目的のため、各地の十字で自らの人間性を切り捨てていった
- ラスボスがラダーンである理由は、ミケラが幼き日に交わした「王になってほしい」という約束に起因する
- ラダーン復活の依り代には、忌み角を持つ強靭なデミゴッドであるモーグの遺体が利用された
- メリナの正体はメスメルの妹であり、女王マリカの娘である可能性が極めて高い
- マリカが故郷を焼いたのは、同胞である巫女を犠牲にする「壺作り」文化への復讐が動機と考えられる
- 世界の理が歪んだ根源は、二本指の母「メーテール」が故障していたためと示唆される
- DLCをクリアしても本編に新たなエンディングは追加されず、物語は影の地で完結する

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