エルデンリングの広大な世界で、ひときわ異彩を放つ謎多き人物「シャブリリ」
「歴史上、最も憎悪された男」として知られ、狂い火エンドへの案内人としてプレイヤーを混沌へと誘います
しかし、彼の言動や行動の裏には、単純な悪役とは言い切れない複雑な背景が隠されているのかもしれません
この記事では、シャブリリとは何者なのか、その正体、目的、そして三本指との関係性について、ゲーム内テキストや最新DLCの情報に基づいた深い考察を展開します
ユラやナナヤとの関係、そして彼が本当に「敵」だったのかという核心に迫ることで、あなたのエルデンリングの世界観が覆るかもしれません
シャブリリとは何者?正体と基本情報を解説

「歴史上、最も憎悪された男」その人物像と目的
シャブリリは、狂い火の病の起源とされ、「歴史上、最も憎悪された男」として狭間の地の歴史に名を刻む人物です
彼の目的は、三本指と思想を同じくし、狂い火によって世界を焼き尽くし、あらゆる生命を分かたれる以前の混沌、すなわち「大きなひとつ」に戻すことだと考えられています
ゲーム内ではすでに故人ですが、その精神は生き続け、血の指の狩人ユラなどの死体に憑依することで暗躍を続けてきました
その言動は常に丁寧ですが、褪せ人を狂い火の王へと導くために讒言を弄する、まさにトリックスター的な存在です
シャブリリの元ネタはユダヤ教の悪霊?名前の由来を解説
シャブリリ(英:Shabriri)という名前と、彼が盲目(あるいは瞳を潰されている)であるという設定から、ユダヤ教に伝わる悪霊「シャブリリ」が元ネタであると考えられています
この悪霊は、夜に水を飲もうとする人の前に現れ、失明させる力を持つとされています
元々、アラム語で「盲目」を意味する言葉が、盲目の悪霊の名前へと転じたという背景があります
ゲーム内において、シャブリリが「瞳を潰された」ことから狂い火の病を発症し、その病が瞳を爛れさせる症状を持つことと、元ネタの悪霊が持つ「失明させる」という特徴には、深い関連性を感じさせます
ゲーム内でシャブリリに会える場所とイベント発生条件
シャブリリ本人(憑依した姿)に会えるのは、ゲーム終盤のエリア「巨人たちの山嶺」です
祝福「ザミェルの廃墟」の近くで、NPC「血の指の狩人、ユラ」の体に憑依した状態で出現します
このイベントは、ユラのイベントラインを最後まで進め、彼が純紫の血指、エレオノーラに敗れて死亡した後に発生します
そのため、シャブリリに会うには、まずユラのイベントを完了させておく必要があります
彼に会うと、「ようやくお会いできましたね」と親しげに話しかけられ、メリナを種火にする以外の道、すなわち狂い火の王となる道を提示されます
シャブリリの目的は?三本指と狂い火の関係を考察
なぜ狂い火を宿した?「讒言の罰」で瞳を潰されたのが起源
シャブリリが狂い火の病を最初に宿した経緯は、タリスマン「シャブリリの禍」のテキストに記されています
彼は「讒言の罰として、人々に瞳を潰され」、その潰された瞳に狂い火を宿したとされています
ここでの「讒言」とは、おそらく当時の支配体制である「黄金律」を否定するような思想を広めたことを指すと考えられます
黄金律と対立する思想を持つシャブリリが、その罰として視覚を奪われ、その結果、人々の瞳を爛れさせる狂い火の病の元凶となったという皮肉な因果関係が読み取れます
三本指とシャブリリの関係は「協力者」?すべてを混沌に溶かす思想
三本指の目的は、生命が分かたれることで生まれた苦痛や絶望、呪いといった全ての苦しみをなくすため、混沌の火で全てを焼き溶かし、再び「大きなひとつ」に戻すことです
シャブリリもまた「我らを別け、隔てる全てを侵し、焼き溶かしましょう」と語っており、その思想は三本指と完全に一致しています
放浪商人のテキストによれば、地下に生き埋めにされた一族が絶望の呪詛を唱え「狂い火」を呼んだとあります
この時、三本指がシャブリリの魂をスカウトし、狂い火の力を与え、自らの代弁者、あるいは計画の実行者として活動させている、いわば「協力関係」にあると考察できます
二本指とは敵対関係にあるのか?それぞれの立場を解説
二本指と三本指は、明確な敵対関係にあります
二本指は大いなる意志の使者として、エルデンリングと黄金律による「律」を維持し、生命の祝福と繁栄を目指しています
それに対して三本指は、そもそも生命が分かたれたこと自体が「大いなる意志の過ち」であるとし、律そのものを破壊して全てを無に帰す「混沌」を目指しています
思想が根本的に相容れないため、両者は完全な対立関係にあります
ゲーム中でも、三本指は王都の地下深くに封印されており、二本指を信奉する勢力にとって、三本指と狂い火がいかに危険な存在であるかが示唆されています
【最深考察】シャブリリは敵か味方か?驚愕の「エルデの守護者」説

結論:シャブリリはマリカと目的を同じくする「舅」のような存在だった
多くのプレイヤーがシャブリリを「敵」と認識していますが、視点を変えると全く異なる姿が浮かび上がります
結論から言うと、シャブリリと三本指は、マリカや二本指と「共通の目的」を持つ、エルデ勢力の味方、いわば「舅」のような存在だったという説が考えられます
普段は表に出ず、嫁(マリカ)と姑(二本指)のいざこざには口を出しませんが、一家の存続が危ぶまれる非常事態には、最終的な決断を下して全てを守ろうとする
この「共通の目的」を理解することで、彼の不可解な行動のすべてが線で繋がります
共通の敵「ノクス勢力」と最終防衛プランとしての「狂い火」
マリカ、二本指、そして三本指が共有する目的、それは「銀の雫、ノクス勢力の廃絶」です
ノクス勢力は、混血や坩堝の諸相を通じて狭間の地を内側から侵略し、支配権を奪おうとしています
これに対し、二本指はメスメルの炎や黄金樹の力で対抗する「プランA」を実行しています
しかし、もし「プランA」が失敗し、狭間の地が完全にノクスに乗っ取られてしまった場合、その脅威がいずれ大いなる意志の母星にまで及ぶ可能性があります
それを防ぐための最終手段、それが「プランB」、すなわち「原初の混沌の火で全てを焼き溶かし、星が誕生した初期の状態まで巻き戻す」計画です
シャブリリと三本指は、この汚染された地域を核で焼き払うような、非情な最終防衛プランの担い手だったのです
なぜ三本指は自ら幽閉されている?二本指との協力関係を示す証拠
この「エルデの守護者」説に立つと、三本指が王都ローデイルの地下にいる理由も変わってきます
彼は捕らえられたのではなく、プランBの発動、つまり自分の出番が来るまで、自らそこに収まって待機しているだけなのです
また、DLCで登場するミドラーの館の対話室には、三本指が現れた痕跡があります
これは、地下に幽閉されたモーゴットが各地に思念体(マルギット)を飛ばしていたように、ローデイルの本体から思念体を送っていたと考えられます
二本指と三本指が協力関係にあるからこそ、二本指はミドラーの館の狂い火の王を放置し、むしろ黄金の角貨で買収した責問官に見張らせている、という状況が説明できるのです
「心の深窓に女を住わせていた」テキストから見るシャブリリの内面
シャブリリが身に着けていた浪人シリーズの防具には「一人の女を、心の深窓に住まわせていた」という一節があります
これは、シャブリリがトランスジェンダーであった、あるいは二重人格であった可能性を示唆しています
彼は男性でありながら、内面には女性的な側面も持ち合わせていたのかもしれません
実際に、彼は作中でナナヤやラーヤといった女性の体に憑依して女性を演じています
この複雑な内面性が、「歴史上、最も憎悪された男」という単純なレッテルだけでは語れない、シャブリリというキャラクターの奥深さを物語っています
シャブリリは誰に憑依した?作中で暗躍した人物まとめ
血の指の狩人「ユラ」の体を乗っ取った経緯と理由
プレイヤーがシャブリリと初めて出会うのは、血の指の狩人ユラの体を乗っ取った姿です
ユラは宿敵である純紫の血指、エレオノーラを追い続けますが、力及ばず敗北し、命を落とします
目的を果たせなかったユラは、その絶望から狂い火を呼び、シャブリリに自らの体を託したと考えられます
シャブリリ自身も「彼はもう死にましたそして私、シャブリリに、この体を託したのです」と語っており、憑依がユラの意志であったことを示唆しています
ミドラーの妻「ナナヤ」に宿り、狂い火の種火を守っていた?
DLC「Shadow of the Erdtree」で登場する狂い火の王ミドラーの妻、ナナヤ
彼女の正体もまた、シャブリリが憑依した姿である可能性が極めて高いです
ナナヤ(シャブリリ)はミドラーを唆して狂い火の王にしましたが、その真の目的は世界を焼くことではありませんでした
ミドラーを「混沌の王」にするには器が足りないことを見越した上で、いざという時のために狂い火の力を保存しておく「種火」として、劫罰の大剣で貫かれた状態で「耐えさせて」いたのです
これもまた、最終防衛プランBのための周到な準備の一環だったと考えられます
火山館の「ラーヤ」に憑依し、冒涜の蛇を討伐させた目的とは
火山館のNPC、ゾラーヤス(ラーヤ)の魂にもシャブリリが宿っていたと考察できます
デーディカが生み出した冒涜の蛇や蛇人は、デミゴッドを喰らい混血種を増やす、まさにノクス勢力に利する存在です
シャブリリは、死産だった蛇人の子ラーヤの肉体に乗り移り、主人公を火山館に導き、ライカードと冒涜の蛇を討伐させました
これもノクス勢力の計画を妨害するという、エルデ勢力の守護者としての行動だったのです
マレニアの師「盲目の剣士」として腐敗に対抗していた可能性
若き日のマレニアに「流水の剣」を授けた「盲目の剣士」も、シャブリリが憑依した姿だった可能性があります
腐敗の女神もまた、ノクスがエルデを攻撃するために利用する「外なる神」の一柱です
シャブリリは、外なる神の力を利用するノクスに対抗するため、同じく外なる神である「狂い火」の力を利用し、また他の外なる神の侵攻を防ぐ役割を担っていました
腐敗の力を宿すマレニアに、その力を封じる剣技を授けることは、エルデ王家を助け、ノクスの思惑を挫くための行動として完全に理にかなっています
シャブリリ関連イベントの進め方【ハイータとブドウ】

ハイータのイベント進行とシャブリリの関係は?
ハイータは、三本指の巫女となることを目指す盲目の女性です
彼女はプレイヤーに「ブドウ」を求め、それを食すことで灯(三本指の導き)を得ようとします
シャブリリは褪せ人を狂い火の王へと導き、ハイータはそのための巫女として、結果的に両者は協力関係にあります
シャブリリが褪せ人を唆し、ハイータが巫女としてその道筋を示す、という役割分担がなされていると考えられます
「シャブリリのブドウ」とは何か?正体は病み人の瞳
ハイータが欲しがる「シャブリリのブドウ」とは、本物のブドウではありません
アイテムテキストには「黄色く爛れきった、病み人の瞳」「熟しきった大粒のブドウに似ている」と記されており、その正体は狂い火の病に侵された人々の瞳です
盲目のハイータはそれを知らずに食し、狂い火の力をその身に宿していくのです
このおぞましい事実が、狂い火に関わる者たちの狂気と悲劇を象徴しています
全3種の「シャブリリのブドウ」入手場所とイベントチャート
ハイータのイベントを進行させるためには、合計3つの「シャブリリのブドウ」が必要です
それぞれの入手場所は以下の通りです
ブドウ | 入手場所 |
---|---|
1個目 | ストームヴィル城クリア後、祝福「湖を臨む断崖」の近くにいる霊体の場所 |
2個目 | リエーニエの「浄化された廃墟」にある隠し地下室の宝箱 |
3個目 | リエーニエの「復讐者のボロ家」で侵入してくる「復讐者エドガー」を倒す |
これらのブドウを順番にハイータに渡していくことで、彼女のイベントが進行し、最終的にプレイヤーを狂い火の封印へと導きます
シャブリリが導く「狂い火の王エンド」とは何か
褪せ人を「混沌の王」にすることがシャブリリの最終目的
シャブリリの一連の行動の最終目的は、褪せ人を三本指の元へ導き、狂い火を受領させ、「混沌の王」として覚醒させることです
混沌の王となった主人公が黄金樹を焼き、世界を覆う律や法則、あらゆる区別を溶かし尽くす
それが、生命が生まれる以前の「大きなひとつ」へと世界を回帰させるという、三本指とシャブリリの悲願の達成を意味します
円卓の騎士ヴァイクはなぜ王になれなかったのか?
かつて、褪せ人の中で最もエルデの王に近づいたとされる「円卓の騎士ヴァイク」
彼もまたシャブリリに唆され、自らの巫女を種火にしないために狂い火の受領を目指しました
しかし、彼は鎧を脱がずに狂い火を拝領するという過ちを犯し、王になり損なってしまいます
一説には、彼の愛した巫女(古竜ランサクス)が、ヴァイクを狂い火の王にさせないために、あえて間違った方法を吹き込んだ(ノクス勢力による妨害)とも考察されています
狂い火エンドはバッドエンドか?考察から見えるもう一つの解釈
狂い火の王エンドは、世界を焼き尽くすため、一見すると最悪のバッドエンドに思えます
メリナも「運命の死」をもってプレイヤーを殺しに来るほど、この結末を拒絶しています
しかし、三本指の視点に立てば、これは苦痛、絶望、呪いといった、生命が分かたれたことで生まれた全ての苦しみからの「解放」を意味します
誰一人として分かたれず、生まれず、苦しむことのない世界の実現
それが善か悪かは、プレイヤーの解釈に委ねられています
まとめ:エルデンリング シャブリリの考察
- シャブリリは狂い火の病の起源とされ「歴史上、最も憎悪された男」である
- その目的は三本指と同じく、世界を混沌に帰すこと
- 最新の考察では、彼は敵ではなく「エルデの守護者」だった可能性がある
- 共通の敵「ノクス勢力」に対抗する最終防衛プランの担い手であった
- ゲーム中、ユラ、ナナヤ、ラーヤ、盲目の剣士など様々な人物に憑依して暗躍した
- 彼の行動はすべて、ノクス勢力の計画を妨害しエルデ王家を助けるためだった
- ハイータに渡す「シャブリリのブドウ」の正体は、狂い火に爛れた病み人の瞳である
- シャブリリの最終目標は、褪せ人を「混沌の王」に覚醒させること
- 狂い火エンドは破壊の結末であると同時に、あらゆる苦しみからの解放という側面も持つ
- シャブリリの正体は単純な悪役ではなく、極めて複雑で多面的なキャラクターである
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