フロム・ソフトウェアが贈るアクションRPG『エルデンリング』。
その広大で美しい世界観に魅了される一方で、「ストーリーが意味不明で難しい」と感じている方も少なくないでしょう。
この記事では、そんなエルデンリングの複雑な物語を、前提知識がなくても理解できるようわかりやすく解説します。
物語の背景にある時系列やキャラクターの相関図、そして物語の核心に迫る考察まで、この記事を読めば、あなたの狭間の地での冒険がより一層深いものになるはずです。
【結論から解説】エルデンリングのストーリーを一言でいうと?
壊れた世界のルール(エルデンリング)を修復し、新たな「王」となる物語
エルデンリングの物語の核心は、非常にシンプルです。
それは、かつて世界の秩序を司っていた「エルデンリング」が砕かれてしまったことで崩壊した「狭間の地」を舞台に、主人公である「褪せ人(あせびと)」が、エルデンリングの破片である「大ルーン」を集め、世界のルールを修復し、新たな「エルデの王」を目指すというものです。
旅の道中では、神の血を引く「デミゴッド」たちが破片を巡って争っており、褪せ人は彼らと対峙していくことになります。
なぜストーリーは難しい?意図的に断片化された情報
エルデンリングのストーリーが難解に感じられる最大の理由は、物語が直接的に語られない点にあります。
一般的なRPGのように明確なストーリー展開があるわけではなく、アイテムの説明文(フレーバーテキスト)やNPCの断片的なセリフ、地形や建物のデザインなど、世界中に散りばめられた情報をプレイヤー自身が繋ぎ合わせ、物語の全体像を考察していくスタイルが採用されています。
この謎解きのような体験こそが、本作の大きな魅力の一つと言えるでしょう。
これだけは押さえたい!ストーリーを理解するための8つの重要キーワード
物語を読み解く上で、避けては通れない重要キーワードがいくつか存在します。
ここでは、最低限知っておきたい8つの言葉をわかりやすく解説します。
エルデンリングとは?世界の理を司るアイテム
エルデンリングは、世界の法則や理そのものを強制する力を持つアイテムです。
その正体は「エルデの獣」という生命体であり、狭間の地の外から来た「大いなる意志」によってもたらされました。
このエルデンリングにどのようなルール(律)を付与するかで、世界のあり方が決定づけられます。
黄金律とは?女王マリカが定めた永遠の秩序
黄金律は、女王マリカがエルデンリングに与えたルールのうちの一つです。
「永遠」「不死」「生」といった概念と深く関連しており、この律によって狭間の地には「死」のない永遠の時代がもたらされていました。
しかし、この永遠性は停滞や淀みを生む原因にもなり、黄金律に反発する者も少なくありませんでした。
狭間の地とは?物語の舞台となる世界
エルデンリングの物語が繰り広げられる世界の名称です。
かつては黄金律のもとで祝福に満ちた地でしたが、エルデンリングが砕かれた後は、その祝福も失われ、デミゴッドたちによる終わらない戦争で荒廃しています。
「生と死の狭間の地」という意味合いも考察されています。
女王マリカとは?エルデンリングを砕いた神
狭間の地を統治していた女王であり、神そのものです。
エルデンリングの宿主として黄金律による支配を確立しましたが、ある出来事をきっかけに黄金律に疑念を抱き、自らの手でエルデンリングを破壊した張本人でもあります。
彼女の行動こそが、エルデンリングの物語全ての始まりと言えます。
デミゴッドとは?神の血を引き、世界の覇権を争う者たち
女王マリカ、またはその夫であるラダゴンやゴッドフレイの血を引く子供たちの総称です。
神の力の一部を受け継いでおり、砕かれたエルデンリングの破片「大ルーン」を手にし、その力に狂い、次の支配者の座を巡って「破砕戦争」を引き起こしました。
褪せ人(あせびと)とは?主人公の正体と旅の目的
かつて黄金律の祝福を失い、狭間の地を追放された人々の末裔です。
主人公もその一人であり、エルデンリングが砕かれ世界が混迷を極める中、再び祝福の導きを受け、大ルーンを集めてエルデの王となるために狭間の地へ呼び戻されました。
大いなる意志とは?狭間の地に影響を与える外なる神
狭間の地の外に存在する、神のような高次の存在です。
エルデンリングの正体である「エルデの獣」を狭間の地に送り込み、黄金律による世界の統治を目論んでいたとされています。
二本指と呼ばれる存在を介して、その意思を伝えているようです。
死のルーンとは?神殺しを可能にする禁忌の力
黄金律の下では不死であるはずのデミゴッドを殺すことができる、唯一無二の力です。
元々はエルデンリングから取り除かれ、マリカの従者マリケスによって封印されていましたが、「陰謀の夜」と呼ばれる事件で盗み出され、デミゴッド殺しに利用されました。
物語の全貌がわかる!ゲーム開始までの歴史を時系列で解説
エルデンリングの物語は、プレイヤーが操作する褪せ人が目覚めるずっと以前から始まっています。
ここでは、複雑な背景を時系列に沿って整理します。
【先史時代】坩堝から生命が生まれ、竜王が統治した時代
黄金律が生まれるより遥か昔、世界には生命の源である「坩堝(つぼ)」が存在し、多様な生命が誕生しました。
この時代は、永遠の都といった文明も栄え、やがて「竜王プラキドサクス」が王として君臨していたとされています。
【黄金律の時代】女王マリカが降臨し、狭間の地を平定
外なる神「大いなる意志」がエルデの獣を送り込み、稀人であったマリカを神の器として選びます。
マリカは最初の夫ゴッドフレイと共に、巨人や古竜といった古くからの勢力と戦い、狭間の地を平定。
エルデンリングに「黄金律」を宿し、永遠の生に祝福された時代を築き上げました。
【転機】陰謀の夜|最初のデミゴッド「ゴッドウィン」の死
永遠かと思われた黄金律の時代は、ある事件をきっかけに崩壊へと向かいます。
何者かによって「死のルーン」が盗み出され、マリカの息子である「黄金のゴッドウィン」が魂だけの死を遂げました。
これはデミゴッド最初の死であり、狭間の地に「死に生きる者たち」が生まれる原因となります。
【戦争】破砕戦争|デミゴッドたちが大ルーンを奪い合った大戦
息子ゴッドウィンの死に狂った女王マリカは、自らエルデンリングを破壊します。
その強大な力の破片である「大ルーン」を、マリカの子らデミゴッドたちが手にし、新たな世界の支配者となるべく互いに争い始めました。
この戦いは勝者なく終わり、世界は壊れたまま長い停滞の時代に入ります。
【現在】導きのはじまり|褪せ人が狭間の地に呼び戻される
デミゴッドたちに見切りをつけた大いなる意志(あるいはマリカ自身)は、かつて追放した褪せ人たちに再び祝福の導きを与えます。
こうして主人公である褪せ人は、大ルーンを集めてエルデンリングを修復し、「エルデの王」となるべく、荒廃した狭間の地で目覚めるのです。
敵と味方は誰?ひと目でわかる主要キャラクター相関図
登場人物が多く関係性が複雑なのも、エルデンリングのストーリーが難しい一因です。
ここでは主要なキャラクターの関係性を整理します。
【物語の中心】永遠の女王マリカと2人の夫(ゴッドフレイ/ラダゴン)
物語の全ての中心にいるのが女王マリカです。
彼女には二人の夫がいました。
最初の夫は、最初のエルデの王であり褪せ人たちの祖でもある「ゴッドフレイ」。
二人目の夫は、満月の女王レナラの夫であった「ラダゴン」です。
しかし、物語の後半で「マリカとラダゴンは同一人物である」という衝撃の事実が明かされ、物語はさらに謎を深めます。
【マリカの子ら】破砕戦争を引き起こした主要デミゴッド一覧
デミゴッドたちは、主にマリカと二人の夫の間に生まれた子供たちです。
親 | デミゴッド | 特徴 |
マリカ & ゴッドフレイ | ゴッドウィン | 陰謀の夜に殺された「死王子」 |
モーゴット | 王都を守り続ける「忌み王」 | |
モーグ | 地下で王朝を築く「血の君主」 | |
マリカ & ラダゴン | ミケラ | 永遠に幼い神人 |
マレニア | 腐敗を宿す最強の剣士 | |
レナラ & ラダゴン | ラダーン | 星の動きを止める「星砕き」の英雄 |
ライカード | 神喰らいの大蛇と融合した「冒涜の君主」 | |
ラニ | 運命に抗う「月の王女」 |
褪せ人を導く者、敵対する者たち
褪せ人の旅には、多くのNPCが登場します。
指巫女の代わりとして導きを与える「メリナ」や、魔女「ラニ」のように協力してくれる者もいれば、「百智卿ギデオン=オーフニール」のように、最終的に敵対する者もいます。
彼らの言動の一つ一つが、世界の謎を解くヒントになっています。
物語の核心に迫る考察|全ての戦いは誰が仕組んだのか?
ここからは、断片的な情報をつなぎ合わせて見えてくる、物語の核心部分の考察を紹介します。
解釈はプレイヤーによって様々ですが、有力な説を解説します。
女王マリカはなぜエルデンリングを破壊したのか?その真の目的を考察
マリカがエルデンリングを破壊した理由は、黄金律という絶対的なルールと、その背後にいる「大いなる意志」の支配から解放されるためであった、という説が有力です。
黄金律がもたらした「永遠」は、同時に成長のない「停滞」を生み出し、子供たちが不完全な形で生まれる原因となりました。
全ては、固定化された運命を打ち破り、新たな可能性を生み出すための、マリカによる壮大な反逆劇だったのかもしれません。
陰謀の夜の黒幕は誰?ラニとマリカの共謀説を解説
デミゴッド殺しの禁忌を破った「陰謀の夜」。
この事件の実行犯は「月の王女ラニ」ですが、その背後でマリカが協力、あるいは黙認していた可能性が示唆されています。
ラニは「二本指(大いなる意志)」の操り人形となる運命を拒むために、マリカは黄金律を破壊するきっかけを作るために、両者の利害が一致し、共謀に至ったと考えられています。
「エルデの王」になると世界はどうなる?エンディングが意味するもの
プレイヤーの選択によって、物語の結末は分岐します。
単純に壊れた黄金律を修復するだけでなく、死の理を組み込んだり、あるいは全く新しい月の律を始めたりと、どのような「王」になるかを選ぶことができます。
これは、絶対的な支配者に従うのではなく、「自分たちの手で赴くままに、新たな世界(エルデンリング)を掲げよ」という、マリカからプレイヤーへのメッセージとも解釈できるでしょう。
【DLCネタバレ】「SHADOW OF THE ERDTREE」で明かされる新たな真実
大型ダウンロードコンテンツ「SHADOW OF THE ERDTREE」では、これまで謎に包まれていた物語の過去が明かされます。
ここでは、本編の謎を解く上で重要なポイントを解説します。
DLCの舞台「影の地」とは?マリカの過去が眠る場所
DLCの舞台となる「影の地」は、黄金樹の影に隠された、狭間の地から切り離された土地です。
ここは女王マリカが神となる以前に足を踏み入れた場所であり、彼女の出自や過去に深く関わる秘密が眠っています。
本編では語られなかった、黄金律以前の世界の姿が描かれます。
串刺し公メスメルとは誰か?マリカとの関係を解説
メスメルは、影の地で待ち受ける新たなデミゴッドであり、女王マリカの子供の一人です。
彼は本編の歴史からはその存在を抹消されていました。
なぜ彼が影の地に隠されなければならなかったのか、その理由を知ることが、マリカの人物像をさらに深く理解する鍵となります。
聖樹のミケラはなぜ影の地へ向かったのか?その目的を考察
本編では血の君主モーグに連れ去られた後、行方が分からなかったデミゴッド「ミケラ」。
彼が自らの意思で、この「影の地」へ向かったことがDLCで判明します。
兄であるミケラは、腐敗に苦しむ妹マレニアと、魂だけの死から解放されないゴッドウィンを救うため、そして自らの運命を捨てるために、影の地を目指したと考えられます。
まとめ:エルデンリングのストーリーをわかりやすく理解するために
この記事では、難解とされるエルデンリングのストーリーについて、その全体像から核心部分までをわかりやすく解説しました。
最後に、物語をさらに楽しむためのヒントをまとめます。
- 物語の目的は、砕かれた世界のルール(エルデンリング)を修復し「エルデの王」になること
- ストーリーは断片的に提示され、プレイヤーが考察することで全体像が見えてくる
- 「黄金律」「デミゴッド」「褪せ人」などのキーワードを理解することが第一歩
- 物語はゲーム開始前の「陰謀の夜」と「破砕戦争」から繋がっている
- 中心人物は、自ら世界を破壊した神である「女王マリカ」
- マリカの行動の裏には、大いなる意志の支配から脱却する目的があったと考察される
- プレイヤーの選択で世界の結末が決まり、どのような王になるかが問われる
- DLCでは、マリカの過去やミケラの目的など、本編の謎がさらに深掘りされる
- アイテムの説明文やNPCのセリフにこそ、物語を解く重要なヒントが隠されている
- 多様な解釈が存在するため、他者の考察に触れることで新たな発見がある
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