『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』のHD-2Dリメイク版が発売され、その評価は「面白い」という絶賛の声と「ひどい」「がっかりした」という厳しい意見で見事に二分されています。
かつての名作がどのように生まれ変わったのか、購入を迷っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Amazonのレビューや各種攻略サイト、個人の感想ブログなど、ネット上のあらゆる情報を徹底的に分析。
なぜ本作が賛否両論なのか、その理由を深掘りします。
さらに、配信されたアップデートによって何が改善されたのか、そして最終的にあなたが「買うべきか」を判断できるよう、良い点・悪い点の両側面から詳しく解説していきます。
【結論】ドラクエ3リメイクは買うべき?面白い・ひどい両面の評価まとめ
総合評価は「ストーリーは神、ゲーム性は最悪」という声が多数
本作の評価を端的に表すと、「追加されたストーリーや設定補完は素晴らしいが、ゲームバランスやシステム面は歴代最悪レベル」という、非常に極端なものになっています。
特に、主人公の父・オルテガにまつわる物語の深掘りは、多くの古参ファンから絶賛の声が上がりました。
一方で、発売当初のゲームバランスは新職業「魔物使い」に極端に偏っており、物理攻撃がほとんど意味をなさないなど、RPGとしての根幹部分に大きな問題を抱えていた点が酷評の主な原因です。
【重要】アップデートで多くの不満点が改善!今から買うのはアリ?
発売から約半年後の2025年5月に、多くの不満点を解消する大規模なアップデートが配信されました。
このアップデートにより、批判の的だった「魔物使い」の性能調整、物理職の強化、乗り物の移動速度向上など、プレイフィールを大きく改善する変更が加えられています。
そのため、発売直後の酷評レビューを見て購入をためらっていた方にとっては、今が最も快適に遊べるタイミングと言えるでしょう。
「今から買うのはアリか?」と問われれば、アップデート後の現状を踏まえると「十分にアリ」と答えられます。
このリメイクを楽しめる人・がっかりする人の特徴
本作の評価は、プレイヤーが何を重視するかによって大きく変わります。
【楽しめる人】
- 原作のストーリーをさらに深く味わいたい人
- 父オルテガの物語に感動したいファン
- HD-2Dで表現される美しい世界観を旅したい人
- 初めて『ドラクエ3』をプレイする人
【がっかりする可能性が高い人】
- SFC版やGBC版の完成度を期待している人
- RPGの戦闘バランスや戦略性を最も重視する人
- 手抜き感のあるUIやシステムが許せない人
- 追加コンテンツのボリュームや質に期待している人
なぜ「ひどい」「がっかり」と言われる?発売当初に炎上した7つの理由
①ゲームバランスの崩壊:魔物使い一強で物理攻撃が息をしていない
発売当初、本作のゲームバランスは新職業「魔物使い」の特技が突出して強力なあまり、他の職業の存在価値を失わせるほど崩壊していました。
特に「まものよび」は敵の守備力に関係なく大ダメージを与えられるため、最強武器を装備した戦士の攻撃が全く通らないような敵すら簡単に倒せてしまいます。
また、敵の守備力が異常に高く設定されており、物理攻撃がほとんどダメージソースにならない問題も深刻でした。
守備力を下げる「ルカニ」も仕様が変更され、元々ダメージが通らない相手には効果が薄く、物理職は完全に「お荷物」状態だったのです。
②UIの不親切さ:令和のゲームとは思えない操作性の悪さ
ユーザーインターフェース(UI)に関しても、2024年発売のゲームとは思えない不親切さが目立ちました。
- 戦闘中に味方のバフ・デバフ効果を確認できるのがコマンド入力前のみ
- 転職を繰り返すと増え続ける呪文・特技を非表示にしたり並べ替えたりできない
- 装備変更時に武器自体の攻撃力が表示されず、比較がしにくい
など、プレイ中の快適さを著しく損なう仕様が多く、大きな不満点として挙げられています。
③単調な戦闘:棒立ちアニメーションと戦略性の欠如
戦闘アニメーションは、味方が後ろ姿のまま、敵モンスターもほぼ動かないという、近年のRPGとしては非常に簡素なものでした。
これにより戦闘の臨場感に欠け、単調に感じられてしまいます。
また、多くのザコ敵が平然と2回行動し、眠りや麻痺といった状態異常を連発してくるため、対策をしていても運が悪ければ何もできずに全滅する「運ゲー」になりがちでした。
弱体化呪文の持続時間も極端に短く、戦略的な工夫を凝らす楽しみが薄れてしまっていた点も批判されています。
④期待外れのHD-2D:背景とキャラが馴染んでいない中途半端なグラフィック
本作の売りの一つであった「HD-2D」ですが、その表現には賛否があります。
3Dで描かれた背景とドット絵のキャラクターが馴染んでおらず、浮いて見えるという指摘が多く見受けられました。
特に、先行して高い評価を得た『オクトパストラベラー』などと比較すると、グラフィックの中途半端さや安っぽさを感じてしまうプレイヤーも少なくありませんでした。
カメラが固定で回転できず、視認性が悪い場面があったことも不満点として挙げられています。
⑤苦行すぎる追加要素:裏ダンジョン「試練の神殿」とバトルロード
クリア後のやり込み要素として追加された裏ダンジョン「試練の神殿」は、多くのプレイヤーから「苦行」「嫌がらせ」と評されました。
特定の武器種しか使えない理不尽な縛りや、大量のアイテム納品、膨大な数のモンスター収集を強要されるなど、楽しむというよりはストレスの溜まる作業感が強いコンテンツでした。
また、もう一つの追加要素「バトルロード」も、バランス調整が不十分で、特定のモンスターを使わないと勝てない単調なゲーム性になっており、期待外れに終わっています。
⑥移動・探索の多大なストレス:遅すぎるラーミアと高すぎるエンカウント率
広大な世界を飛び回る乗り物「ラーミア」の移動速度が非常に遅く、快適な探索を妨げる大きな要因となっていました。
船の移動も同様にテンポが悪く、ストレスを感じる場面が多々あります。
加えて、ダンジョン内外でのエンカウント率(敵との遭遇率)が非常に高く、アイテムによる対策が必須レベルな点も、ゲームのテンポを損なう原因として批判されました。
⑦過去作からの劣化?SFC版にあった「すごろく場」などの要素が削除
SFC版やGBC版で多くのプレイヤーに親しまれた「すごろく場」や「モンスターメダル」といった要素が、本作では削除されています。
リメイク作品でありながら、過去作で楽しめた要素がなくなっている点は、長年のファンにとって「がっかり」するポイントとなりました。
新要素であるバトルロードがその代替として期待されましたが、前述の通り評価が低かったため、結果的にボリューム不足や劣化という印象を強めることになりました。
一方で「面白い」「最高」と絶賛される点は?評価された5つの魅力
①秀逸な追加シナリオ:父オルテガの物語に深みが増し、不自然な点が解消された
批判の多い本作ですが、ストーリー面の追加・補完要素は手放しで絶賛されています。
特に、主人公の父・オルテガの旅路が丁寧に描かれ、彼の行動原理や心情に深みが与えられた点は、多くのファンを感動させました。
例えば、リムルダールで読める「オルテガの手記」は、記憶を失いながらも使命感に駆られる彼の苦悩と強さを描き出しています。
また、キングヒドラとの戦闘シーンの演出も大幅に改善され、原作の不自然さが解消されたことで、よりドラマチックで衝撃的な展開として生まれ変わっています。
②HD-2Dで美しく蘇る世界:光や水の表現と再構築された街やダンジョン
グラフィックには賛否あるものの、光や水の表現、そしてHD-2Dによって再構築された世界の美しさを評価する声も多くあります。
例えば、水の都「ロマリア」や中東の雰囲気漂う「アッサラーム」などは、ドット絵時代からは想像もつかないほど美しく表現されています。
ダンジョンも立体的に作り直されたことで、何度もプレイしたはずの場所でも新鮮な気持ちで探索できる楽しみがありました。
③キャラメイク要素の強化:仲間への愛着が深まるグラフィック選択肢
仲間キャラクターのグラフィックを、各職業で4パターンから選べるようになった点は、純粋な改善点として高く評価されています。
過去作では職業ごとに外見が固定されていたため、「同じ職業を複数入れたいけど見た目が被る」といった悩みがありましたが、本作ではその心配がありません。
転職時に似た髪色や印象のグラフィックを選ぶことで、キャラクターのイメージを保ちやすくなり、ロールプレイングの没入感を高めています。
④遊びやすさの向上:初心者も安心の難易度設定や便利機能
本作では、いつでも変更可能な3段階の難易度設定が実装されました。
RPGが苦手な人向けの「楽ちんプレイ」から、歯ごたえのある冒険を楽しみたい経験者向けの「いばらの道だぜ」まで、幅広いプレイヤー層に対応しています。
また、戦闘スピードの調整やダッシュ移動、オートセーブ機能など、現代のゲームとして遊びやすくなるための便利な機能が多数導入されている点も良い部分です。
⑤素晴らしい音楽:オーケストラ音源で聴く不朽の名曲たち
すぎやまこういち氏による不朽の名曲たちが、壮大なオーケストラ音源で収録されている点も、本作の大きな魅力です。
美しいHD-2Dのグラフィックと合わさることで、冒険の臨場感をより一層引き立ててくれます。
特に、フィールドや戦闘、イベントシーンで流れる音楽は、多くのプレイヤーの心に響くものとなっています。
【朗報】2025年5月アップデートで何が変わった?主な改善点まとめ
発売当初に寄せられた多くの批判に応え、2025年5月23日にゲームプレイを大幅に改善するアップデートファイル(Ver.1.1.0.0)が配信されました。主な改善点は以下の通りです。
カテゴリ | 改善内容 |
---|---|
移動関連 | ・船およびラーミアの移動速度が上昇 ・ラーミアに自動飛行機能を追加 |
職業・バトル | ・「まものよび」の性能を下方修正 ・「ビーストモード」の消費MPを増加 ・勇者、戦士、武闘家の特技威力が上昇 ・全モンスターの守備力を低減 ・ボスモンスターの状態異常耐性が上昇(いばらの道) |
やり込み要素 | ・試練の神殿で要求される「エルフののみぐすり」の数が25個→10個に変更 ・試練の神殿に宝箱が追加され「グリンガムのムチ」が新たに入手可能に |
その他 | ・呪文や特技をショートカットできる「べんりボタン」機能を追加 |
このアップデートにより、発売当初の大きなストレス要因であった移動のテンポや、極端なゲームバランスが大きく改善され、より快適で戦略的なプレイが可能になりました。
移動速度の改善でストレス軽減(船・ラーミア)
特に不満が大きかった船とラーミアの移動速度が上昇しました。
さらにラーミアには自動飛行機能も追加され、広大な世界の探索が格段に快適になっています。
ゲームバランスの大幅調整(魔物使い弱体化、物理職の強化など)
強すぎた「まものよび」が弱体化され、逆に不遇だった戦士などの物理職が強化されました。
また、敵全体の守備力が低減されたことで、物理攻撃が通りやすくなり、バランスの取れたパーティ編成で戦う楽しみが戻ってきました。
裏ダンジョン「試練の神殿」の緩和で理不尽さが減少
苦行と評された裏ダンジョン「試練の神殿」の進行条件が緩和されました。
特に大量の購入が必要だった「エルフののみぐすり」の要求数が大幅に減ったことで、挑戦へのハードルが大きく下がっています。
ショートカット機能「べんりボタン」の追加
よく使う呪文や特技をボタンに割り当てられる「べんりボタン」が追加され、戦闘や移動中の操作性が向上しました。
これにより、UIの不便さも一部解消されています。
購入前に知りたいQ&A|価格・対応機種・プレイ時間
価格はいくら?パッケージ版・ダウンロード版の値段
希望小売価格は、パッケージ版・ダウンロード版ともに7,678円(税込)です。
発売から時間が経過しているため、店舗やオンラインストアによっては中古品が安価で出回っている場合もあります。
対応機種は?Switch・PS5・PC(Steam)版の違いは?
対応機種はNintendo Switch、PlayStation 5、Xbox Series X|S、PC(Steam、Microsoft Store on Windows)です。
基本的なゲーム内容はどの機種でも同じですが、PS5や高性能なPCでは、より高い解像度やフレームレートで滑らかな映像を楽しむことができます。
携帯して遊びたいならSwitch版、最高のグラフィックで楽しみたいならPS5版やPC版がおすすめです。
クリアまでのプレイ時間はどのくらい?
プレイスタイルによりますが、ストーリークリアまでの目安はおおよそ30時間~40時間程度です。
バトルロードや裏ダンジョンなどのやり込み要素を全て遊び尽くす場合は、50時間以上かかるでしょう。
攻略は難しい?RPG初心者でも楽しめる?
難易度設定があるため、RPG初心者の方でも全く問題なく楽しめます。
一番易しい「楽ちんプレイ」モードでは戦闘不能にならない仕様もあり、ストーリーに集中して進めることが可能です。
もし途中で詰まってしまっても、攻略サイトが充実しているため安心です。
Amazonやネットの口コミ・評判の傾向は?
発売直後は、ゲームバランスの悪さやUIの不便さから、Amazonのレビューをはじめネット上では酷評が目立ちました。
しかし、2025年5月のアップデートで多くの問題点が改善されてからは、「遊びやすくなった」「今なら楽しめる」といった肯定的な評価が増えつつあります。
購入を検討する際は、アップデート後の最新のレビューを参考にすることをおすすめします。
まとめ:賛否両論を乗り越え、アップデートで遊びやすくなった意欲作
- 発売当初はゲームバランスの崩壊で「ひどい」との酷評が目立った
- 一方で、父オルテガを中心としたストーリー補完は「最高」と絶賛された
- 2025年5月の大規模アップデートで多くの不満点が改善された
- 強すぎた「魔物使い」は調整され、物理職も活躍できるようになった
- 移動のテンポやUIの不便さもアップデートで一部緩和された
- HD-2Dのグラフィックは美しいが、表現には賛否両論ある
- SFC版にあった「すごろく場」など一部要素は削除されている
- やり込み要素だった裏ダンジョンやバトルロードは緩和・調整された
- 原作未プレイでストーリーを楽しみたい人にはおすすめできる作品
- SFC版の完成度や戦闘バランスを求めるコアなファンは注意が必要
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