フリーホラーゲームとして登場し、今や小説、映画、アニメと様々なメディアで展開される「青鬼」。
その最大の魅力であり、最大の謎でもあるのが、主人公たちに襲いかかる巨大な青い怪物「青鬼」の正体です。
この記事では、長年ファンの間で議論されてきた「青鬼の正体」について、最も有力視されている「元人間説」を深掘りするとともに、ゲームシリーズやメディアごとに異なる設定、そして物語の重要な鍵を握る登場人物の謎まで、あらゆる角度から徹底的に考察していきます。
【結論】青鬼の正体とは?最も有力な「元人間説」を徹底考察
公式の最終的な正体は「不明」だが、考察のヒントは多数存在
まず結論からお伝えすると、原作であるフリーゲーム版において、青鬼の正体が何であるか公式に明言されたことはありません。
製作者であるnoprops氏が明確な答えを示していないため、その正体は今なおプレイヤーやファンの想像に委ねられています。
しかし、ゲーム本編や様々なメディアミックス作品の中には、その正体を推測するためのヒントが数多く散りばめられており、それらを基にした活発な考察が続けられています。
なぜ「元は人間だった」という説が有力なのか?3つの根拠を解説
数ある考察の中でも、最も多くのファンに支持されているのが「青鬼の正体は元々人間だったのではないか」という説です。
この説が有力視されるのには、いくつかの根拠が存在します。
例えば、原作ゲームの館が誰も住んでいないはずなのに綺麗に保たれていることや、青鬼が写真を大切に持っているといった描写は、人間だった頃の記憶や習性が残っている証拠だと考えられます。
これらの人間らしい行動が、「元人間説」を強力に裏付けているのです。
襲われた仲間たちが次々と青鬼化する描写
「元人間説」を裏付ける最も直接的な根拠の一つが、ゲーム内で青鬼に襲われた仲間たちが、後に青鬼となって登場する描写です。
特に美香や卓郎といったキャラクターは、脱落後にそれぞれの特徴を残した青鬼として主人公の前に現れます。
これは、青鬼に襲われた人間が同様に青鬼化するという、一種の「感染」や「変異」が起こっていることを示唆しており、青鬼が人間から生まれる存在である可能性を高くしています。
小説・アニメ版で描かれる「実験の失敗」や「変異」
ゲーム本編とは異なる世界観で描かれることが多いメディアミックス作品でも、「元人間説」は度々採用されています。
後述する小説版では「遺伝子治療の失敗」、アニメ映画版では「謎の植物による変異」が青鬼誕生の原因として明確に描かれています。
これらの作品はあくまでパラレルワールド的な位置づけですが、公式が関わる展開の中で「人間が青鬼になる」という構図が繰り返し描かれている点は、考察する上で非常に重要なポイントと言えるでしょう。
シリーズ・メディア別にみる「青鬼の正体」と誕生の秘密
【小説版】病気の娘を救うための遺伝子治療が失敗した姿
小説版『青鬼』では、青鬼の正体がはっきりと描かれています。
その正体は、20年前に館に住んでいた生物学者の娘です。
生物学者は重い病気を患う娘を救うため、独自の遺伝子治療を試みますが、残念ながら治療は失敗に終わります。
その結果、娘は人間としての姿を失い、青い怪物「青鬼」へと変わり果ててしまった、という悲しい背景が語られています。
【アニメ映画版】謎の植物「桔梗」の力で変異した人間
2017年に公開されたアニメ映画『青鬼 THE ANIMATION』では、また異なる解釈がなされています。
この作品における青鬼は、謎の植物「桔梗」が持つ力によって人間が変異させられた姿であるとされています。
作中では、ある登場人物の父親がこの桔梗の力で変異してしまったことが明かされます。
人間を変異させる妖怪のような存在が介在しており、その結果として青鬼が生まれるという設定です。
【実写映画版】主人公が作ったゲームキャラクターが具現化した存在
実写映画版では、さらにユニークな設定が採用されています。
第1作目では、青鬼が潜む「ジェイルハウス」と呼ばれる館が、実は主人公の一人であるシュンが作ったゲームの世界と酷似していることが示唆されます。
青鬼自身も、シュンがデザインしたゲームキャラクターと同じ姿をしていることから、主人公の作ったゲームが何らかの力で現実世界に具現化した存在として描かれています。
【PCゲーム版】明確な描写はないが「館の元住人」説が根強い
原点であるPCゲーム版では、前述の通り明確な設定はありません。
しかし、館が清潔に保たれている点や、青鬼が家族写真らしきものを持っている描写から、「館に元々住んでいた人間が青鬼になったのではないか」という考察が根強くあります。
人間だった頃の習慣や家族への想いを持ち続けているとすれば、その行動にも説明がつきます。
襲ってくる理由も、仲間を増やしたい、あるいは単に遊んでいるだけなど、様々な解釈が可能です。
ゲーム『青鬼』シリーズごとの正体に関するストーリー考察
青鬼2|廃校に囚われた先生と「青鬼になった友人」の関係
舞台を洋館から廃校に移したスマホ版『青鬼2』では、キーパーソンとして「先生」が登場します。
先生は過去に友人と共にこの廃校を訪れ、自分だけが生き残り、友人は青鬼になってしまったという壮絶な過去を持っていました。
彼は青鬼となった友人への罪滅ぼしとして、人間(生徒たち)を廃校へとおびき寄せ、餌として差し出していたのです。
この作品では青鬼の起源は明かされませんが、人間が青鬼になる悲劇が描かれています。
青鬼3|実験体にされ青鬼化した「100年前の女の子」の生霊
無人島が舞台の『青鬼3』では、物語が大きく動きます。
主人公たちは島で100年前のアルバムを発見し、そこに写っていた女の子が、実は島で出会った少女の正体であることを知ります。
この女の子は100年以上前に島に監禁され、青鬼化する非人道的な実験の被験体とされた過去を持っていました。
現在、主人公たちの前に現れるのは、その女の子の「生霊」であり、実験の失敗によって島全体が青鬼に侵されてしまったことが示唆されます。
青鬼X|「アオガミ様」と称えられる存在と研究者の謎
『青鬼X』の舞台は、「アオガミ様」という存在を崇める閉鎖的な村です。
村では天災をアオガミ様の怒りと信じ、鎮めるために生贄を捧げる風習がありました。
村の近くにある洞窟からは青鬼に関する研究の痕跡が見つかり、研究者が残した手帳などから、この研究者が青鬼を人為的に作り出した可能性が浮上します。
神として崇められる存在の裏に、科学的な実験が隠されているというストーリーです。
最恐-aooni-|主人公と姉の関係は?最新作の正体を考察
シリーズ最新作(2024年時点)である『最恐-aooni-』は、一人称視点の3Dホラーとして登場しました。
ストーリーの真相についてはまだ多くの謎が残されていますが、作中で見つかる手紙が「姉」からである可能性や、バッドエンディングで現れる腕が姉のものではないか、といった考察がなされています。
経過観察報告書といったアイテムも存在し、これまでのシリーズ同様、人体実験が背景にあることが推測されます。
青鬼の物語でよくある疑問と登場人物の正体【Q&A】
Q. 最後に出てくる「おじさん」の正体は誰?
A. 登場人物「美香」の父親です。
PC版のエンディングで唐突に登場し、青鬼に襲われる謎の「おじさん」。
長らく正体不明でしたが、後にリリースされたスマホリメイク版の追加シナリオ「謎の男編」でその正体が明かされました。
このおじさんは、作中で早々に脱落してしまうキャラクター「美香」の父親だったのです。
娘の身を案じて屋敷にやってきたものの、時すでに遅く、自身も脱出できずに犠牲となってしまいました。
Q. 正体が「女の子」というのは誰のこと?
A. 小説版の「生物学者の娘」とスマホ版『青鬼3』の「女の子の生霊」を指すことが多いです。
「青鬼の正体は女の子」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、これは主に二つの作品がもとになっています。
一つは、前述の小説版で描かれた「遺伝子治療に失敗した生物学者の娘」。
もう一つは、スマホゲーム『青鬼3』に登場する「実験体にされて青鬼化した100年前の女の子の生霊」です。
どちらも悲劇的な運命を辿った少女であり、青鬼の物語に深い奥行きを与えています。
Q. サウスパーク編の青鬼は何者?なぜ喋るの?
A. 人間とは異なる「別世界の生物」という説が有力です。
原作ゲームの隠し要素である「サウスパーク編」に登場する青鬼は、通常編とは異なる特徴を持っています。
最大の違いは、片言ながら明確に言葉を話す点です。
「君たちは何だ」「なぜ現地の生物なんだ」といったセリフから、この青鬼は地球の生物ではなく、人間とは異なる「別世界の生物」であることが示唆されます。
襲われた人間が青鬼化しないなど、通常編とはルールが異なるため、あくまで番外編のパラレルワールドとして捉えるのが一般的です。
まとめ:青鬼 正体 考察
- 青鬼の公式な正体は明言されておらず、謎に包まれている
- 最も有力な考察は、様々な根拠から支持される「元人間説」である
- 襲われた仲間が青鬼化する描写は、元人間説の強力な裏付けとなっている
- メディアミックス作品では、実験失敗や変異によって人間が青鬼になる設定が採用されている
- 小説版の正体は、遺伝子治療に失敗した生物学者の娘である
- アニメ映画版では、謎の植物の力で人間が変異した姿とされている
- スマホゲーム『青鬼3』では、100年前に実験体にされた女の子の生霊が登場する
- 原作の最後に出てくるおじさんの正体は、登場人物「美香」の父親である
- サウスパーク編の青鬼は、人間とは異なる別世界の生物と示唆される
- 全ての謎が明かされないからこそ、青鬼の正体を考察すること自体が大きな魅力となっている
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