黒神話悟空の評価が割れる理由とは?売上と実態を徹底検証

2024年8月、中国のGame Scienceが放った一撃は世界中のゲーマーを震撼させました。

『黒神話:悟空』は発売からわずか3日で1,000万本を突破し、Steamの同時接続数で歴代2位となる約222万人を記録しています。

一方で「つまらない」という声や、メタスコア82点という数字に対して「もっと高くてもいいのでは」と疑問を持つプレイヤーも少なくありません。

本記事では、売上データや各種スコア、ユーザーの反応、そして死にゲーとしての難易度まで、あらゆる角度から本作の評価を掘り下げていきます。

購入を迷っている方も、すでにプレイ済みの方も、本作を取り巻く評価の全体像をつかむことができるでしょう。

目次

黒神話悟空とは?基本情報とゲーム概要

『黒神話:悟空(Black Myth: Wukong)』は、中国の開発スタジオGame Scienceが手がけたシングルプレイ専用のアクションRPGです。

中国四大奇書のひとつである『西遊記』を題材としており、プレイヤーは「天命人」と呼ばれるキャラクターとして、古い伝説に隠された真相を追い求める旅に出ます。

ゲームエンジンにはUnreal Engine 5を採用し、中国各地の歴史的建造物や彫刻を実景スキャンで取り込むことで、圧倒的なリアリティを実現しました。

開発期間は約6年、総開発費は4億元(約84億円)以上に達しています。

ディレクターの馮驥氏によれば、プレイヤーが1時間体験するごとに1,500万〜2,000万元(約3〜4億円)の開発コストがかかった計算になるとのことです。

項目 内容
タイトル 黒神話:悟空(Black Myth: Wukong)
開発元 Game Science(中国・深圳)
ジャンル アクションRPG
エンジン Unreal Engine 5
対応機種 PC(Steam/Epic)、PS5、Xbox Series X/S
発売日 2024年8月20日(Xbox版は2025年8月20日)
プレイ形式 シングルプレイ専用
クリア時間 メインのみ約20〜25時間、コンプリートで40〜50時間超

中国初の国産AAAタイトルとして社会現象となり、中国のゲーム産業全体の国際的な評価を一段引き上げた作品として語られています。

メタスコアは82点|海外メディアの評価を読み解く

本作のメタスコアはPC版82点、PS5版81点という結果でした。

64の海外メディアによるレビューで採点されており、最高点は100点、最低点は60点と評価に幅が見られます。

この82点という数字は、AAAタイトルとしては「良作」に分類される水準です。

ただし、Steamでのユーザー評価が96%という驚異的な肯定率を記録していることと比較すると、メディアとプレイヤーの間で評価にギャップが生じていることがわかります。

海外メディアが高く評価したポイント

海外の主要メディアが共通して称賛したのは、まずビジュアルの圧倒的な品質です。

Unreal Engine 5のポテンシャルを最大限に引き出した映像美は「フロム・ソフトウェア以外の開発会社でも最高級のアクションRPGが作れることを証明した」と評されました。

ボス戦のデザインも高い評価を集めています。

敵ごとに異なる攻撃パターンや演出が用意され、倒したときの達成感はソウルライク系の名作に匹敵すると多くのメディアが言及しました。

中国神話を背景にした独創的なクリーチャーデザインも、他の作品にはない魅力として注目されています。

メタスコアが伸び悩んだ要因

一方で、点数を押し下げた要因として複数のメディアが挙げたのが、探索要素の弱さです。

「戦闘と探索の両面で根本的な何かが抜け落ちている」という指摘があり、アクションRPGとしてのゲームプレイ全体の単調さを問題視する声が見られました。

キャラクターカスタマイズの選択肢が限られている点や、発売当初のPC版におけるパフォーマンスの不安定さも減点対象となっています。

メタスコア82点は、ビジュアルとボス戦の突出した品質が、探索やシステム面の課題と相殺された結果と解釈できるでしょう。

Steamで圧倒的に好評|ユーザーレビューの実態

Steamにおけるユーザーレビューは、本作の評価を語る上で欠かせないデータです。

レビュー件数は100万件を超え、肯定率は約96%を維持しています。

Steamの評価ランクでは最上位にあたる「圧倒的に好評(Overwhelmingly Positive)」を獲得しており、大型タイトルとしては異例の高評価です。

ユーザーが絶賛した要素

多くのプレイヤーが口を揃えて称賛しているのは、やはりグラフィックの美しさです。

中国の歴史的な風景や建築物が精緻に再現された世界に足を踏み入れた瞬間、強烈な没入感に包まれると報告するユーザーが大勢います。

音楽や効果音も中国文化を存分に感じられる仕上がりで、映像と音が一体となった体験が支持を集めました。

戦闘の手触りについても「アクションゲームとして最高峰」と表現するプレイヤーが目立ちます。

如意棒を振り回す爽快感と、変身を駆使した多彩な戦術の組み合わせは、本作ならではの戦闘体験を生み出しているといえるでしょう。

否定的なレビューの傾向

一方で、否定的な意見も一定数存在します。

最も多いのは「探索がつまらない」という指摘で、マップの構造が直線的で自由度に欠けるという不満が繰り返し挙がっています。

セーブポイントからボスまでの移動距離が長い、いわゆる「マラソン問題」にストレスを感じたプレイヤーも少なくありません。

見えない壁の存在やリップシンクの不自然さなど、細部の粗さを気にする声もありました。

また、物語の終盤は駆け足気味で、最終章のクオリティに不満を示すユーザーも見られます。

死にゲーとしての難易度はどれくらい?

本作は「ソウルライク」に分類されることが多いものの、実際の難易度は既存の死にゲーとは異なる位置づけにあります。

多くのプレイヤーやメディアが本作を「緩めの死にゲー」と表現しており、純粋な死にゲーを期待すると印象が異なる可能性があるでしょう。

ELDEN RINGやSEKIROとの比較

ELDEN RINGやSEKIROのような高難易度アクションと比較した場合、本作の難易度はやや低めに設定されています。

最大の違いは、レベルアップシステムの存在です。

敵を倒して経験値を稼ぐとレベルが上がり、スキルポイントを獲得して棍法や術を強化できます。

つまり、ボスに勝てなくても周辺の敵で経験値を稼いでレベルを上げれば、行動パターンの把握とキャラクター強化の両面から攻略の糸口が見つかる設計になっているのです。

フロム・ソフトウェア作品のようにプレイヤースキルのみで壁を突破する必要がないため、アクションが苦手なプレイヤーでもクリアまで到達しやすい仕組みといえます。

難しいと感じるポイント

とはいえ、簡単なゲームというわけではありません。

各章に配置されたボスは独自の攻撃パターンを持ち、初見では対処が困難な技を繰り出してきます。

特に終盤のボスは複数の形態変化を伴い、一度のミスが即死につながる場面も出てきます。

死にゲー特有の「何度も倒されて攻略法を見つける」というプロセスは健在で、ボスを撃破した瞬間の達成感は格別です。

難易度選択機能がないため、アクションゲームに慣れていないプレイヤーにとっては一部のボス戦がかなりの壁になり得るでしょう。

売上データが証明する世界的な成功

黒神話:悟空が記録した売上数字は、ゲーム史に残る水準に達しています。

驚異的な販売ペース

発売から3日間で1,000万本という初動は、GTA5の発売時に匹敵する規模です。

発売2週間後にはSteam版だけで約1,800万本を売り上げ、収益は約1,005億円に到達しました。

2025年1月末時点では全世界累計2,500万本を突破しており、調査会社Niko Partnersがこの数字を報告しています。

2024年12月末段階での予測値では、セールスは約2,800万本、売上は約1,800億円に達したとされています。

Steamにおける記録的な数字

Steam単体での販売本数は2,200万本を超え、売上高は約79.6億人民元(約1,500億円)を突破しました。

発売初日にはSteamでの同時接続数が約222万人に達し、Steam歴代2位を記録しています。

最終的な同時接続のピークは約241万人にまで伸びました。

本作の爆発的な人気により、Steamプラットフォーム全体の同時接続ユーザー数が3,700万人の新記録を樹立した点も特筆に値します。

開発元Game Scienceの企業評価額は約2,100億円に達し、中国ゲーム産業の底力を世界に示しました。

受賞歴とノミネート一覧

黒神話:悟空は複数の権威あるゲーム賞で高い評価を受けています。

The Game Awards 2024

世界最大級のゲームアワードであるThe Game Awards 2024では、プレイヤーの投票で決まる「Player’s Voice Award」と「Best Action Game(最優秀アクションゲーム賞)」の2部門を獲得しました。

最高賞である「Game of the Year」にもノミネートされましたが、受賞はAstro Botに譲っています。

ファン投票系のアワードではほぼ総なめ状態となり、Steam Awardsでも「Game of the Year」を獲得しました。

その他の主要アワード

2025年のBAFTA Games Awardsでは「Artistic Achievement」や「Best Game」を含む複数部門にノミネートされています。

GDCA(Game Developers Choice Awards)2025では「Best Visual Art(最優秀ビジュアルアート賞)」を受賞し、映像面の卓越さが業界の専門家からも認められました。

NAVGTR Awards 2025ではアニメーション部門で受賞を果たしています。

アワード名 結果
TGA 2024 Player’s Voice Award 受賞
TGA 2024 Best Action Game 受賞
TGA 2024 Game of the Year ノミネート
Steam Awards Game of the Year 受賞
BAFTA 2025 Best Game ノミネート
GDCA 2025 Best Visual Art 受賞
NAVGTR 2025 Animation 受賞

業界審査員によるアワードとファン投票型のアワードの両方で成果を上げている点は、本作が専門家と一般プレイヤーの双方から支持されていることの証です。

面白いと感じる人・つまらないと感じる人の違い

黒神話:悟空は全体として非常に高い評価を得ていますが、すべてのプレイヤーにとって面白いゲームというわけではありません。

ここでは、楽しめる層とそうでない層の違いを整理します。

面白いと感じやすいプレイヤーの特徴

ソウルライク系の作品が好きで、ボス戦の試行錯誤を楽しめるプレイヤーは、本作を高く評価する傾向にあります。

フロム・ソフトウェア作品に代表されるような、敵の攻撃パターンを覚えて一つずつ攻略していくプロセスに快感を見出せるタイプには最適です。

中国の神話や歴史に興味がある方も、世界観への没入度が格段に高まるため、満足度が上がりやすいでしょう。

映像美や音楽を含めた総合的な演出を重視するプレイヤーにとっても、本作は極上の体験を提供してくれます。

つまらないと感じやすいプレイヤーの特徴

オープンワールドの自由な探索を期待して購入すると、物足りなさを覚える可能性があります。

本作のマップ構造は比較的リニアで、広大な世界を好きなように歩き回れるタイプのゲームではないからです。

キャラクターの育成やカスタマイズの幅が限定的なため、ビルドの多様性を楽しみたいプレイヤーには不向きな面があります。

ストーリーの語り口が独特で、中国古典文学の文脈を前提知識として求める部分もあるため、物語を十分に理解できず退屈に感じるケースも報告されています。

アクションが苦手で難易度選択も存在しないことから、序盤のボスで詰まってしまい、先に進めないまま離脱してしまうプレイヤーも一定数いるようです。

今後の展開|DLCと新作「黒神話:鍾馗」

黒神話シリーズは、悟空の成功を足がかりに今後さらなる展開が予定されています。

DLC・拡張コンテンツの情報

大型拡張コンテンツの存在は以前から示唆されており、コミュニティでは3つの新章を含む可能性があるとの情報が共有されています。

ただし、2026年3月時点で公式からの正式な発表やリリース日の告知は確認されていません。

当初は2025年初頭のリリースが噂されていましたが、開発の優先順位としてXbox版の対応やシリーズ新作の準備が先行した形と推測されています。

シリーズ第2弾「黒神話:鍾馗」の発表

2025年8月のgamescom Opening Night Liveにおいて、シリーズ第2弾となる『黒神話:鍾馗(Black Myth: Zhong Kui)』が正式発表されました。

本作は悟空の直接的な続編ではなく、中国の神仙である「鍾馗」を主人公とする新たな物語です。

鍾馗が四海を巡り、妖を祓い邪を討つという壮大な冒険が描かれる予定となっています。

2026年2月の春節には新たなインエンジン映像が公開され、前作を凌駕するビジュアルクオリティが大きな話題を呼びました。

発売日は未定ですが、Game Scienceが次なる中国神話の世界をどのように構築するのか、世界中のゲーマーが注目しています。

まとめ:黒神話悟空の評価から見える作品の本質

  • Game Science開発の中国初の国産AAAタイトルで、題材は四大奇書『西遊記』である
  • メタスコアはPC版82点・PS5版81点で、ビジュアルとボス戦が高く評価された一方、探索要素の弱さが減点対象となった
  • Steamユーザーレビューは100万件超で肯定率約96%、「圧倒的に好評」を維持している
  • 発売3日で1,000万本、累計2,500万本超と、GTA5に匹敵する初動を記録した
  • Steam同時接続数は最大約241万人に達し、プラットフォーム歴代2位を樹立した
  • 死にゲーとしてはレベルアップ制度がある「緩めの設計」で、純粋なソウルライクよりも間口が広い
  • TGA 2024で「Player’s Voice」「Best Action Game」の2冠、Steam Awardsでは「GOTY」を獲得した
  • 探索の自由度やカスタマイズの幅を求めるプレイヤーからは物足りないという声もある
  • 総開発費は4億元(約84億円)超、売上は約1,800億円規模に到達し商業的にも大成功を収めた
  • シリーズ第2弾『黒神話:鍾馗』が発表済みで、中国神話を軸にした新たな展開が期待されている
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