「発売当初はひどい出来だった」「手抜き移植だ」——。
そんな厳しい評価が相次いだ『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.1』。
ステルスアクションの金字塔として名高いシリーズだけに、購入を迷っている方や、実際の評判が気になっている方も多いのではないでしょうか。
確かに、発売直後は多くの不具合や最適化不足で批判を受けたのは事実です。
しかし、その後の度重なるアップデートによって、評価は大きく変わりつつあります。
この記事では、なぜ本作が「ひどい」と言われたのか、その後のアップデートで何が改善されたのか、そして現在の本当の評価について、各機種版の決定的な違いも交えながら徹底解説します。
この記事を読めば、あなたが今『メタルギア マスターコレクション』を買うべきかどうかが明確になります。
【結論】『メタルギア マスターコレクション』がひどいと言われた理由と現在の評価
発売当初は不具合多発で「ひどい」評価だったのは事実
結論から言うと、発売当初の『メタルギア マスターコレクション』が「ひどい」と評価されたのは事実です。
特にPC(Steam)版を中心に、ゲームが異常な速度で進むバグやセーブデータの破損、最適化不足などが多数報告されました。
また、全プラットフォーム共通で解像度が720p止まりであったり、操作性が改善されていなかったりした点も、「フルプライスの価値はない」「手抜き移植だ」という厳しい声に繋がりました。
度重なるアップデートで改善!現在は「良作」との声も
しかし、発売後の批判を受け、開発元のコナミは複数回のアップデートを配信しました。
これらのアップデートにより、前述した多くの致命的なバグは修正され、遊びやすさは格段に向上しています。
特に2024年に行われたVer.2.0.0アップデートでは、最大4K解像度に対応するなど画質面でも大きな改善がなされました。
現在では発売当初より価格も落ち着き、「現行機で名作を手軽に遊べる良作」という評価が主流になっています。
買うべき?今から遊ぶ価値は十分にあるのか解説
アップデートで多くの問題が解消された現在、『メタルギア マスターコレクション』は十分に購入価値のある作品と言えます。
シリーズの歴史を追体験できる圧倒的なボリュームは、過去作をプレイしたことがない新規ユーザーにとって最高の入門編となるでしょう。
また、今後発売が予定されているリメイク作品『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』の前に、原作の『MGS3』を予習しておくのにも最適です。
発売当初のネガティブな評判だけで敬遠するには、あまりにも惜しいコレクション作品です。
なぜ炎上?マスターコレクションが「ひどい」「手抜き」と批判された5つの理由
理由1:PC(Steam)版の最適化不足と多すぎるバグ
発売当初、最も批判が集中したのはPC(Steam)版でした。
「ゲームのプレイスピードが2〜3倍速になる」「音量のバランスがおかしい」「セーブデータが破損する」といった、ゲームプレイに支障をきたす致命的なバグが多数報告されたのです。
これらの問題は、PC環境への最適化が不十分なままリリースされたことが原因と考えられ、多くのPCゲーマーを失望させました。
理由2:720p止まりの低解像度と引き伸ばされた画質
本作はリマスターではなく、過去作の移植という位置づけですが、その画質は多くのユーザーをがっかりさせました。
『MGS2』や『MGS3』はHDエディションと同じ720p解像度であり、PS5や高スペックPCといった最新環境の性能を全く活かせていませんでした。
さらに『MGS1』に至っては、オリジナルのPlayStation版の低い解像度をそのまま引き伸ばしただけだったため、画面がぼやけて見えるという問題がありました。
理由3:Switch版の音声カットやフレームレート問題
携帯モードで遊べるという魅力を持つNintendo Switch版にも問題がありました。
特に『MGS1』では、無線のチュートリアル音声が一部カットされており、オリジナル版のファンからは不満の声が上がりました。
また、『MGS2』のフレームレートがオリジナル版の60fpsから30fpsへと低下していたことも、滑らかな操作感を損なう要因として指摘されています。
理由4:当時のままの操作性・UIで遊びにくい
ゲームの内容だけでなく、操作性やユーザーインターフェース(UI)もほぼ当時のままでした。
もちろん、原作の操作感を尊重した結果とも言えますが、現代のゲームに慣れたプレイヤーからすると、快適とは言えない部分も多くあります。
移植にあたって、操作方法のカスタマイズやUIの改善といった現代的な調整がほとんど施されていなかった点は、「手抜き」という印象を強める一因となりました。
理由5:フルプライスに見合わない「ベタ移植」という印象
これら複数の問題を抱えながらも、本作はフルプライスに近い価格で発売されました。
多くのユーザーは、価格に見合った品質向上や追加要素を期待していましたが、実態は過去の作品を最低限移植しただけの「ベタ移植」に近いものでした。
海外メディアForbesでは「オリジナル版ゲームのISOファイルをほとんど手を加えずに発売したも同然」とまで酷評されており、このコストパフォーマンスの悪さが大きな批判を呼びました。
【朗報】アップデートで何が変わった?不満点はどこまで解消された?
最新アップデート(Ver.2.0.0)で画質が最大4K対応に向上!
発売当初の低解像度問題は、Ver.2.0.0の大型アップデートで大幅に改善されました。
このアップデートにより、『MGS2』と『MGS3』に内部アップスケール機能が追加され、PS5、PS4 Pro、Xbox Series X|S、PC(Steam)版では最大4Kまでの高解像度出力が可能になりました。
これにより、引き伸ばされたようなぼやけた印象だった映像が、よりシャープで鮮明になり、現行機にふさわしいクオリティでプレイできるようになっています。
PC(Steam)版のバグやセーブデータ破損問題は修正済み
炎上の最大の原因であったPC(Steam)版の不具合も、度重なるアップデートによって修正されています。
ゲームが高速化するバグや、セーブデータが破損する致命的な問題はすでに解消されました。
さらに、当初は存在しなかった音量設定やウィンドウモードの切り替え機能も追加され、PCゲーマーが快適にプレイできる環境が整っています。
操作性に関する改善点まとめ(CQC誤爆問題など)
操作性に関しても、一部改善が加えられています。
特に『MGS3』で多くのプレイヤーを悩ませた、尋問しようとして誤って敵兵の首を切ってしまう「CQCの誤爆問題」は、ボタン配置が変更されたことで発生しにくくなりました。
細かい点ではありますが、プレイヤーのストレスを軽減する堅実な改善と言えるでしょう。
残念ながら改善されていない惜しい点(中断セーブなど)
多くの点が改善された一方で、惜しい点が残っているのも事実です。
最も多くのユーザーが望んでいるであろう「中断セーブ機能」は、残念ながら実装されていません。
『MGS』シリーズのセーブは特定のポイント(無線)でしか行えないため、いつでもどこでも気軽に中断・再開できる機能がない点は、忙しい現代のプレイヤーにとっては少し不便に感じるかもしれません。
どの機種で買うべき?PS5・PS4・Switch・Steam版の決定的な違いを比較
【画質重視なら】PS5/PS4/Xbox/Steam版がおすすめ
最高のグラフィックで『メタルギア』の世界に没入したいなら、PS5、PS4、Xbox、またはPC(Steam)版が最適です。
これらの機種はアップデートによって最大4K解像度に対応しており、最もシャープで美しい映像を楽しめます。
特に大画面のテレビやモニターでプレイする予定であれば、高画質化の恩恵を最大限に受けることができるでしょう。
【携帯性重視なら】Nintendo Switch版一択だが注意点も
外出先やベッドの上など、場所を選ばずに手軽にプレイしたい場合は、Nintendo Switch版が唯一の選択肢となります。
名作の数々をどこへでも持ち運べるのは、Switch版ならではの大きな魅力です。
ただし、前述の通り、一部音声のカットや『MGS2』のフレームレート低下、そして4K解像度アップデートの対象外であるといった注意点を理解しておく必要があります。
【PC(Steam)版】MOD導入の魅力と要求スペック
PC(Steam)版の最大の魅力は、ユーザーが作成したMOD(Modification)を導入できる点にあります。
公式のアップデート以上に高画質化するテクスチャMODや、操作性を改善するMODなど、コミュニティによってゲームをさらに進化させることが可能です。
発売当初の問題は解消されているため、自分のプレイスタイルに合わせてカスタマイズしたい上級者にはPC版が最もおすすめです。
結局どれが一番?目的別おすすめプラットフォーム一覧
どのプラットフォームを選ぶべきか、目的別にまとめました。
目的 | おすすめ機種 | 理由 |
---|---|---|
最高画質でプレイしたい | PS5, Xbox Series X, PC(Steam) | アップデートにより最大4Kの高解像度出力に対応しているため。 |
手軽にどこでも遊びたい | Nintendo Switch | 唯一携帯モードに対応しており、場所を選ばずにプレイできるため。 |
コストを抑えたい | PS4, 中古ソフト | 本体が広く普及しており、中古ソフトも3,000円台からと手頃なため。 |
MODでカスタマイズしたい | PC (Steam) | ユーザーによる画質向上MODなどが豊富で、自由なカスタマイズが可能なため。 |
「ひどい」評価だけじゃない!マスターコレクションの魅力と収録内容
これ1本で名作5本以上!圧倒的なボリュームは本当か?
本作の最大の魅力は、その圧倒的なボリュームにあります。
収録されているのは『メタルギア』、『メタルギア2 ソリッドスネーク』、『メタルギアソリッド(インテグラル版含む)』、『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ』、『メタルギアソリッド3 スネークイーター』というシリーズの根幹をなす5作品です。
これに加えて、ボーナスコンテンツとしてファミコン版『メタルギア』なども収録されており、まさに「マスターコレクション」の名に恥じない内容となっています。
現行機で手軽に遊べる価値と忠実に再現された小ネタ
過去の名作を最新のゲーム機で手軽にプレイできること自体が、本作の大きな価値です。
古いハードを引っ張り出す必要なく、ダウンロードするだけですぐに遊べる手軽さは、多忙な現代人にとって非常に魅力的でしょう。
また、サイコ・マンティス戦でのセーブデータ読み込みやコントローラーポートの変更といった、原作の有名な小ネタも忠実に再現されており、オリジナル版のファンもニヤリとできる作りになっています。
ファン必見のボーナスコンテンツ(FC版、シナリオブック)も収録
ゲーム本編だけでなく、充実したボーナスコンテンツも本作の魅力です。
各作品のストーリーや設定を深く解説した「マスターブック」や、全セリフを網羅した「シナリオブック」は読み応え抜群で、シリーズへの理解をより一層深めてくれます。
さらに、これまで日本では正式に発売されていなかった幻の続編『SNAKE’S REVENGE』が収録されている点も、熱心なファンにとっては見逃せないポイントです。
よくある質問(Q&A)
オリジナル版やHDエディションとの違いは?
『マスターコレクション Vol.1』は、過去にPS3/Xbox 360で発売された『HDエディション』をベースにしています。
大きな違いは、HDエディションには収録されていなかった初代『メタルギアソリッド』や、ファミコン版などのボーナスコンテンツが追加され、より網羅的なコレクションになっている点です。
また、HDエディションで存在した一部の不具合が修正されているなど、総合的に見て本作が決定版と言える内容になっています。
中古価格はいくら?安く買う方法は?
発売当初は7,000円台でしたが、現在では価格も落ち着いてきています。
オンラインストアのセールを狙ったり、中古品を探したりすることで、より安価に購入することが可能です。
特に中古のパッケージ版であれば、プラットフォームによっては3,000円台から見つけることもできますので、コストを抑えたい方はチェックしてみるのがおすすめです。
マスターコレクション Vol.2はいつ発売される?
多くのファンが続編となる『Vol.2』の発売を心待ちにしています。
特に、いまだにPS3でしかプレイできない『メタルギアソリッド4』の移植を望む声は非常に大きいです。
しかし、2024年3月時点の公式配信において、コナミは「Vol.2の収録タイトルや発売時期は未定である」と明言しています。
現時点では、続報を待つしかありません。
まとめ:ひどいと言われたメタルギアコレクションの真実
発売当初は多くの問題から「ひどい」と酷評された『メタルギアソリッド マスターコレクション Vol.1』ですが、その評価はもはや過去のものです。
度重なるアップデートによって不具合は解消され、画質も向上し、今では誰にでもおすすめできる良質なコレクション作品へと生まれ変わりました。
シリーズの歴史が凝縮されたこの一本は、これから発売されるリメイク作への最高の予習となり、そして『メタルギアソリッド』という伝説の始まりを体験する最高のきっかけとなるはずです。
- 発売当初は不具合が多く「ひどい」と評価された
- 特にPC(Steam)版の最適化不足が批判の的であった
- 低解像度や当時のままの操作性も不満点として挙げられた
- 複数回のアップデートで多くの問題は解消済みである
- 最新アップデートでは最大4K解像度に対応した
- MGS1からMGS3までの名作に加え、ボーナスコンテンツも収録
- 圧倒的なボリュームでコストパフォーマンスは高い
- 機種ごとの違いを理解して選ぶことが重要
- 中断セーブ機能がないなど、一部に惜しい点は残る
- 現在ではシリーズ入門者にも経験者にもおすすめできる良作
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