2024年2月に発売された超大作「ファイナルファンタジーVII リバース」。
発売前から世界中のファンが大きな期待を寄せていましたが、発売直後から「売上が爆死した」というネガティブな噂がインターネット上で広まりました。
前作「FF7リメイク」が記録的な大ヒットだっただけに、その続編であるリバースの売上動向に注目が集まるのは当然のことです。
しかし、その一方で「ゲーム内容は最高傑作」との呼び声も高く、評価が二分しているようにも見えます。
この記事では、「FF7リバースの売上は本当に爆死だったのか?」という疑問に答えるため、現在の累計販売本数や世界での評価、そしてなぜ「爆死」と言われるようになったのか、その理由を様々なデータや情報をもとに徹底的に解説していきます。
FF7リバースの売上は爆死?累計と現在の状況を解説

FF7リバースの売上は本当に爆死だったのか?
結論から言うと、「FF7リバース」の売上が「爆死」だったという評価は、少し早計かもしれません。
確かに、発売初週の売上本数だけを見ると、前作「FF7リメイク」に比べて大きく数字を落としており、この数字だけを切り取って「爆死」と判断する声が多く上がったのは事実です。
しかし、この売上減には明確な理由がいくつか存在します。
一つ目の大きな理由は、対応ハードがPlayStation 5(PS5)専用ソフトであった点です。
前作リメイクが発売された2020年4月時点でのPS4の全世界累計実売台数は1億1,000万台を超えていました。
一方、リバースが発売された2024年初頭時点でのPS5の累計実売台数は約5,000万台と、単純計算で前作の半分以下の市場規模しかありませんでした。
このハードの普及率の違いが、売上に直接的な影響を与えたことは間違いないでしょう。
二つ目の理由は、本作が三部作の二作目であるという構造的な問題です。
ストーリーが前作から続いているため、購入するユーザーは基本的に前作をプレイしていることが前提となります。
ある調査によると、前作リメイクのクリア率は約35%から50%程度と言われています。
つまり、前作を購入した全ての人がリバースを購入するわけではなく、ユーザー層が限定されるのは必然でした。
これらの背景を考慮すると、初週売上の数字だけで「爆死」と断じるのは、作品の価値を正しく評価しているとは言えないでしょう。
FF7リバースの気になる初週売上本数を解説
「FF7リバース」の国内における初週のパッケージ版販売本数は、約26.2万本でした。
この数字は、2024年2月26日から3月3日までのファミ通による全国小売店販売ランキングで明らかになったものです。
前作である「FF7リメイク」が、発売後3日間で国内販売本数70.2万本(パッケージ版のみ)を記録したことと比較すると、その差は歴然としています。
この約44万本の差が、「売上が大幅に減少した」「爆死ではないか」と言われる最大の要因となりました。
タイトル | 対応機種 | 国内初週売上(パッケージ版) |
---|---|---|
FF7リメイク | PS4 | 約70.2万本 |
FF7リバース | PS5 | 約26.2万本 |
このように表で比較すると、インパクトの大きさがよくわかります。
ただし、前述の通り、この数字にはPS5の普及台数の問題や、ダウンロード版の販売比率が年々高まっているという市場の変化も考慮に入れる必要があります。
近年では、パッケージ版を購入せずにダウンロード版を選ぶユーザーが増加傾向にあるため、初週のパッケージ版売上だけでは、作品全体の販売動向を正確に測ることは難しくなっています。
とはいえ、多くの人が注目する初週売上という指標で前作を大きく下回ったことが、ネガティブなイメージを広げるきっかけとなったことは否定できません。
FF7リバースの売上累計は200万本以上?
「FF7リバース」の全世界における正確な累計販売本数は、スクウェア・エニックスから公式には発表されていません(2025年7月時点)。
公式発表がないため、正確な数字を断定することはできませんが、いくつかのデータから、少なくとも全世界で200万本以上は販売されていると推測されています。
その根拠の一つとして、ある韓国のデベロッパーが公開したデータが挙げられます。
そのデータによると、「FF7リバース」の体験版のアクティブユーザー数が約38万人だったのに対し、製品版の累計アクティブユーザー数は221万人を超えていたとされています。
この数字が事実であれば、全世界での売上は200万本を突破している可能性が非常に高いと言えます。
また、アメリカのゲーム売上ランキングでは、発売月に4位にランクインするなど、海外市場でも一定の成果を上げています。
前作「FF7リメイク」が全世界で累計700万本以上を販売したメガヒット作であることを考えると、200万本という数字は少なく感じられるかもしれません。
しかし、PS5専用タイトルであることや、三部作の中間作品であるというハンデを背負っていることを考えれば、決して悲観的な数字ではないという見方もできます。
今後のセールやPC版の売上次第では、さらに数字を伸ばしていく可能性も十分に考えられるでしょう。
FF7リバースの現在の売上状況を分析
発売から時間が経過した「FF7リバース」ですが、現在の売上は安定した推移を見せており、特にPC(Steam)版の発売が大きな転機となりました。
発売当初はPS5独占タイトルであったため、売上は伸び悩む側面もありましたが、2025年1月に待望のSteam版がリリースされると、状況は一変します。
米国の市場調査会社Circanaのランキングによると、Steam版が発売された月には、PS5版と合わせて売上ランキングで3位にまで急上昇しました。
これは、PS5を持っていなかったために購入を見送っていたPCゲーマー層が一斉に購入した結果であり、本作に対する潜在的な需要が非常に高かったことを証明しています。
さらに、前作リ”メイクとリバースがセットになった「ツインパック」も同様に売上を伸ばしており、ランキング16位に浮上しました。
このことからも、リバースをきっかけにシリーズに触れる新規ユーザーも獲得できていることがうかがえます。
このように、発売直後の初動だけでなく、セールや他プラットフォームへの展開を通じて長期的に売上を伸ばしていく「ロングテール販売」が現在の主流となっています。
「FF7リバース」もその戦略に乗り、現在も安定した売上を維持していると言えるでしょう。
FF7リバースの売上、世界と日本の現状と炎上の噂

FF7リバースの売上は世界でどう評価された?
世界市場における「FF7リバース」の売上評価は、「初動は期待を下回ったものの、ゲーム内容のクオリティは高く、PC版のリリースによって再評価されている」というのが実情です。
発売後、スクウェア・エニックスは決算説明会などで、本作の売上が期待していた水準には達しなかったことを認めています。
この公式見解が、「爆死」という言葉に真実味を与えてしまった側面はあります。
しかし、海外の市場アナリストからは異なる見方も出ています。
特に、Steam版がリリースされた際の売上の急増は、多くのメディアで好意的に報じられました。
市場調査会社Circanaのアナリスト、マット・ピスカテラ氏は、「Steamでの発売月は非常に好調」であり、「サードパーティーの販売元にとって、一つのプラットフォームで独占的にゲームを販売することはますます難しくなっている」と指摘しています。
これは、プラットフォームを限定した独占販売戦略そのものが、現代の市場ではリスクになりつつあることを示唆しています。
つまり、リバースの売上不振は、ゲームの質の問題というよりも、販売戦略に起因する部分が大きかったと世界的には分析されているのです。
ゲーム自体の評価は海外でも非常に高く、多くのレビューサイトで高得点を獲得しています。
そのため、売上の数字だけで作品の価値が判断されるべきではない、という意見が支配的です。
FF7リバースの売上、海外での反応まとめ
海外における「FF7リバース」の売上に対する反応は、日本国内とほぼ同様の傾向が見られます。
多くの海外ゲームメディアやファンの間でも、売上が伸び悩んだ主な要因として、やはり「PS5独占販売」と「三部作の二作目であること」の2点が挙げられています。
ある調査によると、地域別の売上比率は、日本が約40%、北米が30%、欧州が25%、その他地域が5%と推定されており、海外市場が売上の半分以上を占める重要なマーケットであることがわかります。
その海外市場のユーザーの多くも、PS5の入手困難や価格の高さに直面しており、プレイしたくてもできない状況がありました。
また、前作をプレイしていることが前提となるストーリーであるため、新規プレイヤーが参入しにくいという点も、海外のファンコミュニティで広く議論されていました。
しかし、ゲーム内容に対する評価は極めて高く、「広大なフィールドの探索が楽しい」「バトルシステムが前作からさらに進化した」「キャラクターの魅力が素晴らしい」といった称賛の声が圧倒的に多いです。
特に、Steam版がリリースされた際には、「待ってました!」とばかりに多くのPCゲーマーが購入し、SNSなどでは喜びの声が溢れました。
このことからも、海外のファンは売上の数字を冷静に受け止めつつ、純粋にゲームとしての完成度を高く評価していることがうかがえます。
FF7リバースの日本国内での売上と評価
日本国内における「FF7リバース」は、初週売上が前作から大幅に減少した一方で、購入したプレイヤーからの満足度は非常に高いという、二面性のある結果となっています。
前述の通り、国内の初週販売本数は約26.2万本と、前作の70.2万本から見ると厳しいスタートとなりました。
この数字だけを見れば、商業的に成功したとは言い難いかもしれません。
しかし、実際にゲームをプレイしたユーザーの評価は非常に高いものがあります。
大手ゲーム情報サイト「GameWith」が実施したアンケートによると、「時間が溶けるほど面白い!」と回答したユーザーが68.3%にものぼり、7割近いプレイヤーが本作に熱中していることがわかります。
「普通に楽しくプレイしてる!」という回答と合わせると、肯定的な意見は7割を超えます。
この結果から、購入したプレイヤーの多くは、そのクオリティに満足していることが明確に見て取れます。
また、Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトでは、「前作のクリア率を考えれば、26万本という数字は妥当な範囲ではないか」といった冷静な分析も見られます。
売上の数字という客観的なデータと、プレイヤーの主観的な満足度の間にギャップがあるのが、日本国内における「FF7リバース」の評価の特徴と言えるでしょう。
FF7リバースが炎上したと言われる理由は?
「FF7リバースが炎上した」という言葉をよく目にしますが、これは実際に大規模な抗議や批判が殺到したというよりは、いくつかのネガティブな話題が複合的に絡み合い、「炎上しているように見えた」というのが実情に近いです。
その主な理由は、大きく分けて3つ考えられます。
売上爆死説の拡散
最も大きな要因は、やはり「売上爆死」というキーワードの拡散です。
一部のYouTuberやまとめサイトが、前作と比較して落ち込んだ初週売上を取り上げ、センセーショナルに「爆死」と報じたことで、この言葉がインターネット上で一気に広まりました。
これが、炎上の中心的なイメージを作り上げたと言えます。
ストーリー改変への賛否両論
「FF7リメイク」プロジェクトは、単なるリメイクではなく、原作のストーリーに新たな解釈や変更を加える「リビルド」作品です。
リバースでも、原作の物語に大きな変更が加えられており、特にエンディングの展開を巡っては、原作ファンを中心に活発な議論が巻き起こりました。
このストーリー改変に対する賛否両論が、作品への批判的な意見として目立つことになり、炎上の一因と捉えられました。
初回生産分のディスク印刷ミス
発売直後、パッケージ版の初回生産分において、「Play Disc」と「Data Disc」のディスク盤面の印刷が逆になっているという物理的な不具合が発生しました。
幸い、ディスクを入れ替えれば問題なくプレイはできましたが、発売を楽しみにしていたファンにとっては気分の良いものではなく、初期のネガティブな話題としてSNSなどで拡散されました。
これらの要因が重なった結果、「FF7リバースは炎上している」というイメージが形成されてしまったと考えられます。
まとめ:FF7リバースの売上、爆死説の真相と累計・現在の評価
- FF7リバースの国内初週売上は約26.2万本で、前作より大幅に減少した
- 売上減の主な要因は、PS5専用ソフトであることと、三部作の二作目という特性である
- 「爆死」という評価は、これらの背景を無視した早計な判断と言える
- 全世界での累計販売本数は公式発表されていないが、200万本以上と推測される
- 2025年1月に発売されたPC(Steam)版が売上を大きく押し上げ、再評価のきっかけとなった
- 現在の売上はセールや他プラットフォーム展開により、長期的に安定して推移している
- ゲーム内容に対する評価は、国内外のプレイヤーから非常に高く評価されている
- 「炎上」とは、売上に関する議論やストーリー改変への賛否両論が中心であった
- スクウェア・エニックスは、売上が自社の期待を下回ったことを認めている
- ゲームのクオリティは高いため、最終作となる三作目での商業的な巻き返しが期待されている
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