「テイルズ オブ ヴェスペリア」は、テイルズシリーズの中でも高い人気を誇る作品です。
しかし、ネット上では「ストーリーが酷い」「つまらない」という批判的な声も少なくありません。
主人公ユーリの人気投票三連覇という実績がある一方で、なぜストーリーに対する評価は分かれるのでしょうか。
この記事では、ヴェスペリアのストーリーが批判される具体的な理由を章ごとに分析し、他のテイルズ作品との比較も交えながら、総合的な評価をお伝えします。
これからプレイを検討している方や、プレイ中に違和感を覚えた方にとって、作品を理解するための参考になれば幸いです。
ヴェスペリアのストーリーが酷いと言われる5つの理由
ヴェスペリアのストーリーに対する批判は、主に5つのポイントに集約されます。
ゲームカタログ@Wikiでは「良作」と判定されている本作ですが、シナリオ面での問題点は多くのプレイヤーから指摘されています。
ここでは、批判が集中する具体的な理由を詳しく解説していきます。
序盤の目的が曖昧で物語に入り込めない
ヴェスペリアの序盤は、「盗まれた水道魔導器を追う」という比較的小さな目的から始まります。
従来のテイルズシリーズと比べて、この導入部分は緊張感やスケール感に欠けるという批判が多く見られます。
ヒロインのエステルが旅に同行する理由も「命を狙われている人物に状況を伝えたい」というものですが、目的を達成した後も特に理由なく旅を続けるため、説得力が薄いと感じるプレイヤーもいます。
物語の導入部分で大きな危機やリミットが設定されていないことから、序盤は牧歌的で間延びした展開が続き、プレイヤーを引き込む力が弱いという評価につながっています。
第3章で「正義」テーマが放棄され超展開に
ヴェスペリアのジャンル名は「正義を貫き通すRPG」です。
序盤から中盤にかけては、悪人を私刑で殺すユーリと、法を変えることで世界を変えようとするフレンという対比が丁寧に描かれていました。
しかし、第3章に入ると突然「星喰み」による世界の危機という展開になり、精霊やマナといった単語が伏線もなく登場します。
当初掲げていた「正義とは何か」というテーマは置き去りにされ、「世界を救う」という定番の展開へと変化してしまいました。
多くのプレイヤーが「路線変更をされた気分」と感じており、第2部までの描写と無関係な方向に話が進んでそのままエンディングを迎える構成は、シリーズ中でも相当粗い部類と評価されています。
ラスボス・デュークの登場が唐突で盛り上がらない
ラスボスであるデュークに対しては、「風格がない」「盛り上がれなかった」という声が多く聞かれます。
デュークは人類を滅ぼそうとする存在でありながら、作中での存在感が薄く、なぜ彼と敵対しなければならないのかが分かりにくいという問題があります。
また、「見た目と声にギャップがある」「格段に強いわけでもない」という批判もあり、物語のクライマックスを飾るにはインパクトが不足していると感じるプレイヤーが多いようです。
ただし、一部のファンからは「ラスボスと『またな』で別れる清々しさ」を評価する声もあり、この点は賛否が分かれています。
固有名詞と専門用語の説明不足
第3章以降は固有名詞のオンパレードとなり、「リタの説明についていけない」という感想が多く見られます。
魔導器、ブラスティア、エアル、精霊といった用語が次々と登場しますが、十分な説明がないまま話が進行していきます。
これは難解な設定というよりも、「独りよがりで消化不足な設定」という批判につながっています。
世界観を理解しようとしても、後半になるほど情報の洪水に圧倒され、ストーリーへの没入感が損なわれてしまうのです。
8人全員にセリフを用意してテンポが悪化
ヴェスペリアでは、仲間になった8人全員に見せ場やセリフを用意しようとした結果、テンポが著しく悪化しています。
バトルのない会話パートが1時間程度続くことも珍しくなく、会話量に対してキャラクター数が多すぎるため、個々の掘り下げも不足しがちです。
また、スキットと呼ばれるキャラクター同士の会話イベントは、条件を満たしても一定時間経たないと発生しない仕様になっています。
発生間隔が異様に長く設定されているため、街での散策やダンジョン攻略を終えても未発生のスキットが残っていることが多く、全てを見ようとすると棒立ちで待つ必要が生じます。
主人公ユーリの行動が賛否両論な理由
ユーリ・ローウェルは、テイルズシリーズの中でも特に評価が分かれる主人公です。
公式の人気投票で三連覇を達成し殿堂入りを果たす一方で、「ウザいと思った主人公は今までなかった」という厳しい意見も存在します。
ここでは、ユーリに対する批判と支持の両面を見ていきましょう。
法を無視した私刑と「けじめ」の矛盾
ユーリは作中でラゴウやキュモールといった悪人を法によらず殺害しています。
本人も「犯罪者」であるという自覚は持っていますが、その自覚があるだけで終わってしまうのが批判の対象となっています。
特に問題視されているのは、ユーリ自身が周囲に「けじめ」を求めるシーンが多いにもかかわらず、自分の行動に対するけじめをつけないという矛盾です。
「ユーリ自身が法で裁けない悪になっている」という指摘は的を射ており、フレンがユーリの行動を批判していたにもかかわらず、結果的にその恩恵で出世するという皮肉な構図も生まれています。
シナリオ上でユーリの罪が適切に処理されないまま物語が終わることへの不満は、多くのプレイヤーから寄せられています。
キャラとして成長しないという批判
ユーリに対するもう一つの批判は、ゲームを通じてほとんど成長しないという点です。
最初から最後まで一貫して「カッコいい」キャラクターとして描かれていますが、それは裏を返せば内面的な変化や葛藤が乏しいということでもあります。
バックストーリーもフレンとの友情程度しか描かれず、キャラクターとしての深みが不足しているという意見があります。
アビスの主人公ルークが作中で大きく成長する姿が描かれているのと比較すると、ユーリの描写は平坦に感じられるかもしれません。
それでも人気投票三連覇の理由
批判がある一方で、ユーリが公式人気投票で三連覇を達成した事実は無視できません。
21歳という高めの年齢設定と、周囲から頼られる兄貴分な性格は、従来のJRPG主人公とは一線を画しています。
自分なりの正義に基づいて行動するダークヒーロー的な側面は、多くのファンの心を掴んでいます。
「好きな人と嫌いな人で評価が極端に分かれる」という特徴は、キャラクターとしての個性が強いことの証明でもあるでしょう。
章ごとのストーリー評価まとめ
ヴェスペリアのストーリーは、章によって評価が大きく異なります。
ここでは各章の特徴と、プレイヤーからの評価傾向を整理していきます。
第1章(序盤)は間延びして退屈との声
第1章は「あやふやなまま進行する」「目的が不明確」という批判が多い部分です。
エステルの「自分探し」という曖昧な目標のもと、場当たり的にイベントに巻き込まれていく展開が続きます。
大きな危機やタイムリミットがないため、緊張感に欠ける牧歌的な構成となっています。
序盤で物語に入り込めず、ここでプレイを断念してしまうプレイヤーも少なくありません。
ただし、戦闘システムの習得や世界観への導入という意味では、緩やかなペースが功を奏している面もあります。
第2章(中盤)はユーリとフレンの対比が好評
第2章は、多くのプレイヤーから最も高く評価されている部分です。
悪人を殺す道を選んだユーリと、法を変えることで世界を変える道を選んだフレンという対比が明確に描かれています。
特にキュモールが死んだ後のユーリとフレンのやり取りは、作品のテーマである「正義とは何か」を最も鮮明に表現しているシーンとして評価されています。
「どちらも正しくてどちらも間違い」という答えのない問いに向き合う姿は、ヴェスペリアならではの魅力といえるでしょう。
この章でストーリーへの期待が高まるからこそ、第3章での展開に失望するプレイヤーが多いのかもしれません。
第3章(終盤)は駆け足で崩壊との評価
第3章は「ストーリーが崩壊する」という厳しい評価が集中する部分です。
共通の敵であるアレクセイとの対決、そして「星喰み」による世界の危機へと急展開していきます。
精霊やマナといった概念が唐突に登場し、第2章までに築き上げてきた「正義」のテーマは脇に追いやられてしまいます。
「いつものテイルズになってしまった」という感想は、第3章に対する典型的な批判です。
世界規模の危機に対処する過程で、ユーリの罪も有耶無耶になってしまうという指摘もあります。
他のテイルズ作品とストーリー評価を比較
ヴェスペリアのストーリー評価を理解するためには、他のテイルズ作品との比較が有効です。
シリーズファンの間では、作品ごとの特色や強みが頻繁に議論されています。
アビス・シンフォニアとの違いは何か
アビスやシンフォニアは、ストーリー面で高い評価を得ている作品です。
アビスはキャラクターのバックストーリーと成長に重点が置かれており、主人公ルークの内面的な変化が丁寧に描かれています。
シンフォニアは「すぐに引き込まれる」という評価が多く、物語への没入感の高さが特徴です。
一方、ヴェスペリアは「ストーリーは平凡」「弱い」という評価が目立ち、キャラクターと戦闘で楽しむゲームという位置づけが一般的になっています。
| 作品 | ストーリー評価 | 特徴 |
|---|---|---|
| アビス | 高評価 | キャラの成長と掘り下げが充実 |
| シンフォニア | 高評価 | 序盤から引き込まれる構成 |
| ヴェスペリア | 賛否両論 | キャラと戦闘が魅力 |
ストーリー重視なら他作品がおすすめ?
ストーリーを最重視するプレイヤーには、アビスやシンフォニアが推奨されることが多いです。
Reddit等の海外コミュニティでも、「ストーリーに関してはアビスの方が好き」という意見が頻繁に見られます。
ヴェスペリアのストーリーに対する不満は「焦点が定まっていない」「登場人物の掘り下げ不足」という点に集約されます。
ただし、これは個人の好みによる部分も大きく、ヴェスペリアの牧歌的な雰囲気や大人びた主人公を好むプレイヤーも多くいます。
ヴェスペリアは戦闘とキャラで楽しむゲーム
ヴェスペリアの真価は、洗練された戦闘システムと魅力的なキャラクターにあります。
「EFR-LMBS」と呼ばれる戦闘システムは、フェイタルストライクやバーストアーツといった新要素を搭載し、戦略性と爽快感を両立しています。
スキットの量も豊富で、キャラクター同士の楽しい雑談をたっぷり楽しめる点は高く評価されています。
「ストーリーは弱いがキャラと戦闘は最高」という評価は、ヴェスペリアに対する最も一般的な見解といえるでしょう。
古き良きテイルズの雰囲気を味わいたいプレイヤーにとっては、十分に満足できる作品です。
ヴェスペリアを楽しむための注意点と対策
ヴェスペリアを最大限に楽しむためには、いくつかの注意点を事前に把握しておくことが重要です。
特に序盤の難易度や期間限定要素については、知っておくと快適にプレイできます。
序盤の難易度と操作制限を乗り越えるコツ
ヴェスペリアの序盤は「歴代最悪」と評されることもあるほど、できることが制限されています。
バックステップやアイテムスローといった基本的なアクションすら、スキルを習得しないと使用できません。
特に注意すべきは、デイドン砦でユーリのバックステップを習得できる武器が販売されていることです。
目立たない行商人が販売しているため見落としやすく、気づかないまま進めるとかなり不便な戦闘を強いられます。
難易度イージーを選択すれば、ステータスダウンに加えて敵の行動パターン自体が優しくなるため、アクションが苦手な方でも安心してプレイできます。
期間限定サブイベントの取り逃しに注意
ヴェスペリアには期間限定のサブイベントが非常に多く存在します。
技の習得イベントや料理イベントなど、システム的に無視しがたいものも中盤から随所にちりばめられています。
特に注意すべきは、期間限定イベントを見ないと発生しない後続イベントの存在です。
Xbox 360版では隠しダンジョンの解放条件も期間限定イベントに含まれており、見逃すと次の周回まで挑戦できなくなります。
攻略サイトを参照しながらプレイすることで、重要なイベントの取り逃しを防ぐことができるでしょう。
ストーリーより戦闘を重視すると満足度が上がる
ヴェスペリアのストーリーに過度な期待を抱くと、特に終盤で失望する可能性があります。
スキルが揃い、フェイタルストライクを自在に決められるようになる終盤の戦闘は、本作の最大の魅力です。
オーバーリミッツからのバーストアーツ、そしてフェイタルストライクの連携は、他のテイルズ作品にはない爽快感を味わえます。
ストーリーは「雰囲気を楽しむもの」と割り切り、戦闘とキャラクターの掛け合いに注目すると、満足度は大きく向上するはずです。
ボス戦も適度な難易度に調整されており、やりごたえのある戦闘を楽しめます。
まとめ:ヴェスペリアのストーリー評価と購入判断
ヴェスペリアは批判されている点も多い作品ですが、テイルズシリーズの中で確固たる地位を築いています。
最後に、購入を検討している方への総合的な判断材料をお伝えします。
酷いと言われてもゲームカタログでは良作判定
ストーリーへの批判が多いヴェスペリアですが、ゲームカタログ@Wikiでは「良作」と判定されています。
トゥーンシェードで表現されたグラフィックは次世代機のスペックを活かした作り込みがなされており、2010年以降の作品よりクオリティが高いと評価する声もあります。
戦闘システムはアビスをベースにさらに洗練されており、自由度の高さと分かりやすさを両立しています。
目立ったバグや不具合がなく、ロード時間も短い点は、ゲームとしての完成度の高さを示しています。
やりこみ要素も豊富で、闘技場では過去作のキャラクターと戦えるなど、シリーズファンへのサービスも充実しています。
こんな人にはおすすめ・おすすめしない
ヴェスペリアは、プレイヤーの求めるものによって評価が大きく分かれる作品です。
戦闘システムの爽快感を重視する方、魅力的なキャラクター同士の掛け合いを楽しみたい方には強くおすすめできます。
一方、重厚なストーリーや主人公の成長物語を求める方には、アビスやシンフォニアの方が適しているかもしれません。
| おすすめの人 | おすすめしない人 |
|---|---|
| 戦闘システムを重視する | ストーリー重視派 |
| キャラの掛け合いが好き | 主人公の成長を見たい |
| 古き良きJRPGを楽しみたい | 序盤から引き込まれたい |
| やりこみ要素を求める | テンポの良さを重視 |
リマスター版の改善点と現在の評判
2019年に発売されたREMASTER版は、全世界累計100万本を突破しています。
PS3版で追加されたパティのパーティ参加や、フレンの出番増加といった要素が含まれており、最も完全な形でプレイできます。
Xbox 360版で問題だったラスボスのテーマ曲の使い回しは、PS3版以降では新曲に差し替えられています。
隠しダンジョンの解放条件もPS3版で改善されており、期間限定要素による制約が緩和されています。
現在もセール時には購入されることが多く、「予想以上に楽しかった」という感想も見られます。
14年以上前の作品ではありますが、システムの古さを差し引いても十分に楽しめる良作として、今なお多くのプレイヤーに愛されています。
- ヴェスペリアのストーリー批判は主に序盤の曖昧さと終盤の超展開に集中している
- 第3章で「正義」テーマが放棄され、いつものテイルズ展開に変化する
- ラスボス・デュークは登場が唐突で盛り上がりに欠けるとの評価が多い
- 主人公ユーリは人気投票三連覇の一方で、私刑問題から賛否が分かれる
- 第2章のユーリとフレンの対比シーンは作品で最も高く評価されている
- ストーリー重視ならアビスやシンフォニアが推奨される傾向にある
- 戦闘システムとキャラクターの魅力はシリーズ屈指の評価を得ている
- 序盤はスキル制限が厳しいため、デイドン砦での武器購入が重要である
- 期間限定サブイベントが多いため攻略サイトの併用が推奨される
- ゲームカタログ@Wikiでは批判点を踏まえても「良作」判定となっている

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