FF7のポリゴンは本当にひどい?当時の事情と今遊ぶための解決策

不朽の名作として名高い『ファイナルファンタジーVII(FF7)』ですが、現代の視点で見ると「ポリゴンがひどい」と感じてしまうことは珍しくありません。

当時のプレイヤーにとっても賛否両論あったグラフィック表現ですが、そこには技術的な制約や意図的な演出など、深い理由が存在していました。

この記事では、FF7のポリゴンがなぜ独特な形状をしているのか、その技術的背景や当時の事情を詳しく解説します。

さらに、グラフィックの粗さが気になる方のために、現代の環境で快適に遊ぶための具体的な解決策も紹介します。

歴史的背景を知ることで、カクカクとしたキャラクターモデルの奥にある魅力を再発見できるでしょう。

目次

FF7のポリゴンが「ひどい」と言われる3つの主な理由

FF7のグラフィックが批判的な評価を受けることがあるのは、主にキャラクターモデルの形状や比較対象となる過去作の存在が関係しています。

なぜあのような独特な見た目になったのか、その具体的な要因を3つの観点から紐解きます。

フィールドモデルが「鉄アレイ」「ダンベル」と揶揄される独特な形状

FF7のフィールド画面におけるキャラクターモデルは、極端にデフォルメされた形状をしています。

具体的には、手足の先が丸く膨らんでおり、その間の腕や脚の部分が極端に細くなっているのが特徴です。

この形状がトレーニング器具の「鉄アレイ」や「ダンベル」のように見えることから、当時のプレイヤーやインターネット上のコミュニティでは「鉄アレイ腕」などと揶揄されることがありました。

リアルな人体のプロポーションとはかけ離れたこのデザインは、シリアスなストーリー展開との間に視覚的なギャップを生み出し、一部のユーザーに違和感を与える原因となりました。

当時のPS1性能限界と「関節のポリゴン割れ」を防ぐためのデフォルメ

あのような独特な形状が採用された背景には、1997年当時のPlayStation本体の性能限界という明確な技術的理由があります。

3Dグラフィック黎明期であった当時は、一度に表示できるポリゴン(3Dモデルを構成する面)の数に厳しい制限がありました。

少ないポリゴン数でキャラクターの関節を曲げると、継ぎ目のポリゴンが裂けて中身が見えたり、不自然に尖ったりする「ポリゴン割れ」という現象が発生してしまいます。

開発チームはこの問題を回避するため、関節部分を球体のように大きくし、手足を棒状に細くすることで、関節を曲げても見た目が破綻しないような工夫を凝らしました。

つまり、「ひどい」と言われるデザインは、限られたスペックの中でキャラクターを動かすための苦肉の策であり、技術的な最適化の結果だったのです。

スーパーファミコン後期の完成されたドット絵と比較した際の違和感

FF7のポリゴンが粗く見えたもう一つの大きな要因は、直前の時代における「ドット絵」の完成度が極めて高かったことにあります。

『ファイナルファンタジーVI』や『クロノ・トリガー』といったスーパーファミコン後期の作品は、職人芸とも呼べる緻密なドット絵で描かれており、キャラクターの感情や風景の美しさを表現する芸術として完成されていました。

多くのプレイヤーはその美しい2Dグラフィックに慣れ親しんでいたため、FF7で採用された初期の3Dポリゴンに対し、「ドット絵の方が綺麗だった」「無機質で表現力が落ちた」という印象を持つことがありました。

技術の転換期には避けられない現象ですが、完成された2D表現から発展途上の3D表現への移行が、相対的にグラフィックの粗さを際立たせてしまったのです。

なぜFF7は「ムービー」「戦闘」「フィールド」でグラフィックが違うのか?

FF7をプレイしていると、シーンによってキャラクターの頭身や画質が大きく変わることに気づきます。

このグラフィックの不統一さも「ひどい」と感じさせる一因ですが、これには当時のゲーム制作における合理的な理由がありました。

プリレンダムービーとリアルタイムポリゴンの画質差が生むギャップ

FF7最大の特徴の一つが、物語の要所で挿入される映画のような「プリレンダリングムービー」です。

これは高性能なコンピュータで時間をかけて事前に作成された映像データであり、PlayStationの実機性能を遥かに超える美麗な画質を誇っていました。

一方で、プレイヤーが操作するフィールド画面は、ゲーム機がリアルタイムに計算して描画するローポリゴンです。

圧倒的に美しいムービーシーンを見せた直後に、カクカクとしたポリゴンの操作画面に切り替わるため、その落差(ギャップ)によって通常時のグラフィックの粗さがより強調されて見えてしまう現象が起きました。

美しい映像演出が、皮肉にもプレイ画面のチープさを際立たせる結果となったのです。

戦闘シーンだけキャラクターがリアル等身(8頭身)になる技術的理由

フィールドでは3頭身ほどのデフォルメキャラですが、戦闘シーンに入るとキャラクターはすらりとしたリアルな等身(6~8頭身)に変化します。

これは、シーンごとに使用できるメモリや処理能力のリソース配分が異なるためです。

広大なマップや複雑なイベント制御が必要なフィールド画面とは異なり、戦闘シーンは限られた空間と登場キャラクターのみを描画すれば良いため、キャラクターモデルにより多くのポリゴン数を割くことができました。

そのため、戦闘中は指の動きや迫力あるモーションなど、より詳細なビジュアル表現が可能になっていました。

違和感の原因となる「一枚絵の背景」と「3Dキャラ」の合成手法

FF7のフィールドマップの多くは、実は3D空間ではなく、事前に描かれた高精細な「一枚絵」の背景です。

この一枚絵の上を3Dのキャラクターモデルが歩き回るという手法が採用されていました。

これにより、当時の3D技術では表現不可能なほど緻密で空気感のある背景を実現しましたが、一方で「絵」と「ポリゴン」の質感が馴染まず、キャラクターが背景から浮いて見えるという弊害も生じました。

また、奥行きや高低差が視覚的にわかりにくく、操作しづらい箇所があったことも、グラフィックに対するネガティブな印象に繋がっています。

同時代の3Dゲームと比較してFF7のグラフィックは見劣りしていたか

1997年当時は、ゲーム業界全体が2Dから3Dへと急速に移行していた時期でした。

同時代に発売された他のゲームと比較した際、FF7のグラフィックレベルはどのような位置付けだったのでしょうか。

バーチャファイターや鉄拳などアーケード格闘ゲームとのポリゴン比較

キャラクターモデルの品質という点だけで比較すれば、当時のゲームセンターで稼働していた『バーチャファイター』や『鉄拳』シリーズの方が、より滑らかで人間に近い形状をしていました。

しかし、これはジャンルの違いによる所が大きいです。

対戦格闘ゲームは登場キャラクターが少なく、背景も限定的であるため、マシンパワーの大部分をキャラクターの造形や動きに集中させることができます。

対してRPGであるFF7は、膨大な数のマップ、モンスター、街の人々、そして長時間のシナリオデータを1枚のディスク(実際は3枚組)に収める必要がありました。

全体的なボリュームとシステム処理を優先した結果、個々のキャラクターモデルの品質においては、専用基板を使用したアーケードの格闘ゲームに見劣りするのは避けられないことでした。

同ハードのFF8やFF9で劇的にグラフィックが進化した理由

FF7の発売からわずか2年後の『ファイナルファンタジーVIII』では、キャラクターがリアルな8頭身になり、翌年の『ファイナルファンタジーIX』では表現力がさらに洗練されました。

同じPlayStationというハードウェアでありながらこれほど進化したのは、スクウェア(現スクウェア・エニックス)の開発チームがFF7の制作を通じて3Dゲーム開発のノウハウを蓄積したからです。

FF7は同社にとって本格的な3D RPGへの初挑戦であり、手探りの部分も多かった作品です。

FF7という実験的な土台があったからこそ、その後の飛躍的なグラフィック向上が実現できたと言えるでしょう。

当時のプレイヤーが感じた「ドット絵から3Dへの過渡期」の戸惑い

当時のゲーマーの反応は「未来を感じて感動した」という声と、「ポリゴンが見づらくて気持ち悪い」という声に二分されていました。

特にそれまでのドット絵RPGに愛着を持っていた層にとって、急激な3D化は受け入れがたい変化でもありました。

視点の回転による画面酔いや、どこを歩けるのか判別しにくいマップなど、3Dゲーム特有の課題がまだ解決されていない過渡期の作品であったため、プレイヤー側に戸惑いがあったのも事実です。

「ひどい」という評価の一部は、新しい技術に対する生理的な拒否反応や、慣れない操作感へのストレスが含まれていたと考えられます。

グラフィックが「ひどい・きつい」と感じる人へのおすすめ解決策

ストーリーや世界観には興味があるものの、どうしてもオリジナルのポリゴンが受け入れられないという方に向けて、現代の環境で楽しめる解決策を紹介します。

現代のグラフィックで遊べる「FF7リメイク」「FF7リバース」という選択

最も確実な解決策は、PlayStation 4/5などで発売されている『ファイナルファンタジーVII リメイク』およびその続編『リバース』をプレイすることです。

これらはオリジナルの物語をベースにしつつ、最新のグラフィック技術でキャラクターや世界を完全に再構築しています。

当時のプレイヤーが脳内で補完していたイメージがそのまま映像化されており、ポリゴンの粗さを一切感じることなく、映画のような没入感で冒険を楽しむことができます。

ただし、ストーリーの一部に変更や追加要素があるため、オリジナル版とは異なる体験になる点は留意が必要です。

PC版(Steam)でキャラクターモデルを高画質化するMODの活用法

オリジナル版のゲームシステムやストーリーをそのまま楽しみたい場合は、PC(Steam)版を購入し、ユーザーが制作した「MOD(改造データ)」を導入する方法があります。

世界中の有志によって様々なグラフィック改善MODが公開されており、中にはキャラクターモデルを8頭身のリアルな姿に変更したり、イラスト風のテクスチャに書き換えたりするものも存在します。

例えば「Ninostyle」などのモデル変更MODを使用すれば、フィールド上のカクカクしたポリゴンを、現代のアニメやイラストに近い綺麗なモデルに差し替えて遊ぶことが可能です。

導入にはPCの知識が必要ですが、自分好みのグラフィックにカスタマイズできるのが大きな魅力です。

現行機(Switch/PS4)リマスター版の倍速機能でサクサク進める遊び方

Nintendo SwitchやPlayStation 4、スマートフォンなどで配信されている「リマスター版」を利用するのもおすすめです。

グラフィック自体は当時のままですが高解像度化されており、さらに「3倍速モード」や「エンカウントなし」「バトル強化」などの便利機能が搭載されています。

ポリゴンの粗さが気になる場合でも、倍速機能を使って移動や戦闘をテンポよく進めることで、グラフィックへの違和感をあまり気にせずストーリーに集中できるようになります。

特に移動の遅さやロード時間の長さといった当時のストレス要因が解消されているため、現代のプレイヤーでも非常に遊びやすくなっています。

ポリゴンがひどくてもFF7が「不朽の名作」として評価される理由

グラフィックに関する指摘がありながらも、FF7が世界中で愛され続けているのには、見た目の問題を凌駕する圧倒的なゲームとしての面白さがあるからです。

グラフィックの粗さを補って余りある「マテリアシステム」の戦略性

FF7の戦闘システムの中核を担う「マテリアシステム」は、シリーズ屈指の完成度を誇ります。

武器や防具の穴に「マテリア」と呼ばれる宝玉を装着することで、魔法やアビリティを自由に使用できるようになります。

「ぜんたいか」と魔法を組み合わせて敵を一掃したり、「属性」と魔法を組み合わせて武器に属性を付与したりと、プレイヤーの工夫次第で無限の戦略が生まれます。

この自由度の高い育成システムの面白さが、グラフィックの粗さを忘れさせ、プレイヤーを夢中にさせました。

映画的な没入感を生み出した画期的なカメラワークとストーリー演出

FF7はカメラワークによる演出においても革命的でした。

オープニングで星空からミッドガルの全景へとカメラが降りてくるシーンや、召喚獣が登場する際のダイナミックなアングルは、当時のプレイヤーに強烈なインパクトを与えました。

また、ムービーシーンの中でキャラクターを操作できる演出(例:ジュノンのエレベーターやバイクのミニゲームなど)を取り入れたことで、ただ映像を見ているだけでなく、自分がその世界の当事者であるという強い没入感を生み出しました。

ユーザーの想像力を掻き立てる「抽象的な表現」としてのローポリゴン

逆説的ですが、ポリゴンが粗く表情が読み取りにくいことが、かえってプレイヤーの想像力を刺激したという側面もあります。

詳細に描かれすぎないキャラクターモデルは、テキストや音楽、状況設定と組み合わさることで、プレイヤー一人ひとりの脳内で理想的な演技へと補完されます。

小説を読むときに登場人物の顔を想像するように、ローポリゴンのキャラクターは「抽象的な記号」として機能し、プレイヤーが感情移入する余地を残していました。

すべてをリアルに描かないことが、当時のプレイヤーの心に深い印象を残す要因の一つとなったのです。

一周回って人気?「ローポリゴン」の再評価と現代のトレンド

近年では、かつて「ひどい」と言われたFF7のローポリゴンが見直され、新たな価値が見出されています。

あえてカクカクした見た目が「かわいい」とされるレトロゲームの魅力

高精細なグラフィックが当たり前になった現代において、初期の3Dポリゴンが持つ素朴さや温かみが再評価されています。

カクカクとした動きやデフォルメされた体型は、「レトロでかわいい」「愛嬌がある」とポジティブに捉えられるようになりました。

インディーゲーム界隈などでは、あえて90年代風のローポリゴンスタイルを採用した新作ゲームも数多くリリースされており、一つの確立されたアートスタイルとして定着しつつあります。

公式グッズとして発売された「ポリゴンフィギュア」の需要と人気

この再評価の流れを受けて、スクウェア・エニックス公式からも、当時のゲーム内モデルを忠実に再現した「ポリゴンフィギュア」が発売されました。

「鉄アレイ」と揶揄されたあの形状がそのまま立体化された商品は、ファンの間で「懐かしい」「逆に新鮮」と大きな話題を呼び、入手困難になるほどの人気を博しました。

これは、あの独特なポリゴンモデルが、FF7という作品を象徴する愛すべきアイコンとしてファンに認知されていることの証明でもあります。

海外ファン(Reddit等)の間で議論される「オリジナル版独自のアート性」

海外の掲示板Redditなどでも、FF7のグラフィックに関する議論は活発に行われています。

新規プレイヤーからは「古すぎてきつい」という意見が出る一方で、多くのファンが「この抽象的なモデルこそがFF7の味である」「想像力を刺激する完璧なデザインだ」と擁護しています。

リアルさを追求する現代のゲームとは異なる、記号的かつ演劇的な表現手法として、オリジナル版のグラフィックには唯一無二のアート性があると評価する声も少なくありません。

まとめ:FF7 ポリゴンがひどい?

FF7のポリゴンが「ひどい」と言われる背景には、当時の技術的制約や過渡期特有の事情がありました。しかし、その独特なスタイルも含めて作品の個性として愛されています。

  • フィールドキャラの独特な形状は、関節のポリゴン割れを防ぐための工夫だった。
  • 当時のPS1の性能限界により、鉄アレイのようなデフォルメが必要だった。
  • SFC後期の美麗なドット絵と比較され、相対的に粗く見えてしまった。
  • 映画のようなプリレンダムービーと通常画面の画質差が大きかった。
  • 戦闘シーンだけ等身が高くなるのは、リソースを集中できたからである。
  • 同時代の格闘ゲームと比較すると、RPGというジャンルの特性上見劣りした。
  • グラフィックが気になる場合は、リメイク版やPC版のMOD活用がおすすめ。
  • リマスター版の倍速機能を使えば、グラフィックを気にせずサクサク遊べる。
  • マテリアシステムや演出の素晴らしさが、見た目の粗さを補っている。
  • 現在はローポリゴンも「レトロでかわいい」アートとして再評価されている。
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