古代文明レムリアと魔王ボエティウス|往日の海に沈んだ「調律」の歴史

フォンテーヌ廷の華やかな舞台の裏側には、かつてこの地を支配し、深海へと沈んだ古代文明「レムリア」の影が色濃く残っていますね。

魔神任務や世界任務「諧律のカンティクル」を通じて語られるレムリアの歴史ですが、単なる過去の出来事ではなく、今のフォンテーヌを形作る重要なピースだったりします。

神王レムスは何を恐れ、なぜ音楽による支配を選んだのか。

そして、往日の海で繰り広げられた龍王スキュラとの戦いや、調律師ボエティウスの暗躍とはどのようなものだったのでしょうか。

本記事では、原神の重厚なバックストーリーの中でも特に芸術的で悲劇的なレムリア文明について、その興亡と隠された真実を深掘りして解説しますね。

それでは、さっそく見ていきましょう。

目次

レムリア文明の興りと神王レムスの野望

レムリア文明の始まりは、フォンテーヌという土地がまだ野蛮で混沌としていた時代にまで遡ります。

かつて「原始の時代」と呼ばれた平和な時が終わった後、人々は文明を失い、無知と迷信の中で暮らしていました。

そこに現れたのが、後に「神王」と呼ばれることになる魔神レムスですね。

彼はもともとスメールの砂漠地帯にいた神の一柱でしたが、赤砂の王キングデシェレトの支配を拒み、流浪の果てにこの高海へと辿り着いた感じです。

レムスが築き上げたレムリアは、音楽と芸術を重んじ、圧倒的な秩序によって統治された黄金の文明でした。

予言者シビラとフォルトゥナ号の旅立ち

レムスがフォンテーヌの海で出会った運命的な存在、それが「金の蜂」の姿をした予言者シビラです。

彼女はレムスに対し、彼が偉大な帝国を築くこと、そしてその帝国がいずれ必ず滅びるという残酷な予言を告げました。

しかし、レムスはその「不変の結末」に抗うことを選びます。

もし破滅が定まっているのなら、その運命を変えてみせると決意したわけですね。

シビラは彼を導き、廃墟にあった銀の樹を巨大な黄金の船「フォルトゥナ号」へと変えました。

この船に乗ってレムスはメロピスの地に降り立ち、散り散りになっていた人々を集め、レムリア建国の第一歩を踏み出した感じです。

フォンテーヌに文明をもたらした音楽と調律

レムスがもたらした文明の特徴は、なんといっても「音楽」による統治システムにあります。

彼は人々に農耕や建築だけでなく、音楽と芸術を教えることで、人間を他の生物から区別し、知性を与えました。

レムリアにおいて音楽は単なる娯楽ではなく、世界を構成する法則そのものであり、秩序を保つための魔術的な力を持っていたんですね。

帝国全土には「調和と繁栄の旋律」が行き渡り、都市と都市は音楽によって結ばれていました。

そして、この完璧な調和を維持するために選ばれたのが、ボエティウスやカッシオドルといった4人の「調律師」たちです。

彼らの役割は次のとおり。

  • 帝国内の不協和音を取り除く
  • 神王の意志である旋律を隅々まで響かせる

こんな感じです。

彼らが秩序を保つ重要な役割を担っていたわけですね。

滅びの運命「フォルトゥナ」と魔像の誕生

レムリア帝国は空前の繁栄を誇りましたが、レムスの心には常にシビラの予言した「滅び」の影がちらついていました。

この避けられない運命のことを、彼らは「フォルトゥナ」と呼びます。

どれほど栄華を極めても、いずれは波に飲まれ消え去る運命にあることを知っていたレムスは、焦燥感に駆られていました。

彼は百年の繁栄のその先にある破滅を回避するため、なりふり構わぬ手段を探し始めます。

その探求の旅は、やがて彼を深海の底、幽閉されたある神のもとへと導くことになりました。

エゲリアとの対面と原始胎海の秘密

シビラの助言に従い、レムスが訪れたのは光なき海の最深部でした。

そこには、天理によって幽閉されていた先代の水神「エゲリア」がいました。

彼女の監獄を守っていたのは、龍王スキュラという強大なヴィシャップの王です。

レムスはスキュラと激しい戦いを繰り広げた末に、音楽を通じて対話し、ついにはスキュラを説得してエゲリアとの面会を果たします。

そこでレムスは、次の事実を知ることになります。

  • フォンテーヌ人が抱える「原罪」
  • 彼らが原始胎海の水に溶けてしまうという呪いの真実

しかし、エゲリアですら滅びの運命を変える答えは持っていませんでした。

それでも諦めきれないレムスは、エゲリアから「純潔の水(原始胎海の水)」を一杯だけ受け取り、地上へと持ち帰ったのです。

人類を救うための石の体とイコル

持ち帰った原始胎海の水から、レムスは「イコル(霊液)」と呼ばれる金色の液体を精製しました。

そして、フォンテーヌの人々が海に溶けてしまう運命から救うため、大胆かつ恐ろしい計画を実行に移します。

それは、人々の魂を抜き取り、石で作られた不朽の肉体「魔像」へと移し替えることでした。

イコルを血液として流し、石を肉体とすることで、レムリア人は寿命や原始胎海の呪いから解放された新人類へと生まれ変わったのです。

しかし、この精神と肉体の転換は凡人の魂に耐え難い苦痛を与え、多くの人々が自我を摩耗させていきました。

永遠の命を得る代償として、彼らは人間としての喜びや温もりを失いつつあった感じです。

大楽章フォボスとボエティウスの裏切り

魔像化によって肉体の消滅は防げたものの、それでも「フォルトゥナ(運命)」の檻から逃れることはできませんでした。

そこでレムスが最後の希望として作り出したのが、全人類の運命を管理・演算する巨大な音楽システム、大楽章「フォボス」です。

フォボスは人々の幸福を最大化するために最善の旋律を奏で、個人の自由意志の代わりに運命を導くはずでした。

しかし、このシステムこそがレムリアを決定的な破滅へと導く元凶となってしまいます。

無私でありすぎたフォボスは、人々の歪んだ欲望さえも「願い」として受理し、それを叶えるために暴走を始めたのです。

歪んでしまった人々の願いとフォボスの暴走

大楽章フォボスは、レムリア人のあらゆる記憶、魂、願いの集合体となりました。

しかし、そこには平和への願いだけでなく、征服欲、他者への憎悪、略奪への渇望といった負の感情も含まれていたのです。

フォボスはこれら全ての願いを平等に処理し、結果としてレムリア人は北方の「蛮族」と呼ばれる人々(後のフォンテーヌ人の祖先)に対して残酷な侵略戦争を仕掛けるようになりました。

人々は思考を停止し、ただフォボスが奏でる旋律に従って破壊と殺戮を繰り返す操り人形へと成り下がりました。

レムスは、自らが作った救済システムが、かえって人々を怪物に変えてしまったことに絶望します。

龍王スキュラとレムスの最後の計画

事態を収拾するため、レムスは自らの命を賭した最後の計画を立案します。

それは、かつての敵であり友人となった龍王スキュラと協力し、暴走したフォボスを物理的に破壊することでした。

レムスは「鎮魂曲」と呼ばれる特殊な楽章を作成し、これをスキュラに託しました。

計画の流れは次のとおり。

  1. スキュラがヴィシャップの軍勢を率いて王城カピトリウムへ攻め込む
  2. その混乱の中でレムスが自らを犠牲にしてフォボスの支配を解く
  3. スキュラが鎮魂曲を用いてフォボスを破壊する

こんな感じです。

これは、魔像に閉じ込められた人々の魂を解放し、たとえ肉体を失っても、自由な意志を持って海へと還すための「救済」でもありました。

調律師ボエティウスの野望と帝国の崩壊

しかし、この計画は最悪の形で失敗に終わります。

調律師の一人であるボエティウスが、フォボスの意志と同調し、レムスを裏切ったのです。

ボエティウスはもともと征服された部族の出身でしたが、レムリアの秩序と力に魅了され、誰よりも強くその維持を望んでいました。

彼はフォボスの力を利用して「ヤヌスの門」を封鎖し、スキュラを罠にかけて封印してしまいます。

スキュラが王城に辿り着けなかったことで、レムスの自己犠牲による力の解放は制御を失い、ただの暴走となってレムリア全土を飲み込みました。

こうして一夜にして、黄金の文明レムリアは深海へと沈み、歴史から姿を消したわけです。

往日の海に残された遺産と現代への影響

レムリアは滅びましたが、その影響は現代のフォンテーヌにも色濃く残っています。

世界任務で訪れる「往日の海」には、かつての栄華を忍ばせる黄金の宮殿や、スキュラが封印された痕跡が残されています。

また、生き残った調律師カッシオドルは、長い時を経て猫の姿となり、ボエティウスの復活を阻止するために旅人を待ち続けていました。

レムリアの奏でた旋律は、形を変えて今のフォンテーヌ文化の礎となっています。

金色の劇団とファントムハンターの起源

レムリア滅亡後、ボエティウスは残党を集めて「金色の劇団」を結成し、帝国の再建を目論みました。

彼はフォンテーヌ人の魂を奪い、魔像の軍団を再編しようとしましたが、それに立ち向かったのがもう一人の調律師カッシオドルです。

カッシオドルは自らの名を捨て、「黄金の狩人」としてボエティウスや魔物化したレムリアの遺物と戦い続けました。

この戦いの歴史が、後にフォンテーヌの治安組織「マレショーセ・ファントム」や、魔物を狩る「ファントムハンター」の起源となったとされています。

私たちがゲーム内で手にする聖遺物「黄金の劇団」や「ファントムハンター」のテキストには、この数千年にわたる骨肉の争いが記されている感じです。

音楽やローマ神話から読み解くモチーフ考察

レムリア文明の設定には、現実世界の歴史や神話からの引用が多く見受けられます。

深掘りして解説しますね。

まず「レムリア」という名前や、レムスという王の名は、ローマ建国神話に登場する双子の兄弟「ロムルスとレムス」を想起させます。

ローマ神話ではレムスは殺されてしまいますが、原神では彼が王となり帝国を築いたというifの歴史のような側面があります。

また、「フォボス」は火星の衛星であり、ギリシャ神話における「恐怖」の神の名でもあります。

人々の幸福を願って作られたシステムが「恐怖」の名を持つことは、その末路を暗示していたのかもしれません。

そして何より、文明全体を貫く「調律」「不協和音」「楽章」といった音楽用語の多用は、世界を一つの巨大な交響曲として捉える独特の世界観を見事に表現しています。

まとめ:悲しき調律の歴史を知りつつ、探索しましょう

原神におけるレムリア文明は、運命(フォルトゥナ)という抗えない力に対し、音楽と技術で挑んだ人々の悲劇的な物語でした。

神王レムスは民を愛し、救おうとしましたが、その手段である魔像化や大楽章フォボスが、結果として人間性を奪い、破滅を招いてしまいました。

結論として、レムリアの歴史は以下のとおり。

  • レムリアの興り: レムスが予言者シビラと出会い、音楽による秩序でフォンテーヌを統一した。
  • 滅びへの対抗: 原始胎海の水からイコルを作り、人々を石の体(魔像)に変えた。
  • フォボスの暴走: 運命管理システムが人々の悪意を増幅し、ボエティウスの裏切りによって帝国は自滅した。
  • 現代への継承: スキュラの封印やファントムハンターの起源など、往日の海の歴史は今のフォンテーヌに繋がっている。

往日の海を探索する際、この悲しき「調律」の歴史を知っているだけで、聞こえてくるBGMや遺跡の風景がより一層深く、哀愁を帯びて感じられるはずです。

過去の過ちと犠牲の上に、今の水の国が成り立っていることを忘れてはなりませんね。

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