ファイナルファンタジーIX(FF9)の主人公、ジタン・トライバル。
女好きでお調子者、しかし仲間思いで頼れる彼の姿に、多くのプレイヤーが魅了されました。
物語を進める中で、彼の出生には大きな謎が隠されていることが明らかになります。
この記事では、FF9の核心に触れる「ジタンの正体」について、ネタバレを交えながら徹底的に解説します。
彼の誕生の目的、クジャとの関係、そして物語のエンディングでなぜ助かったのか、そのかっこいい魅力とともに、ジタンというキャラクターの全てを深掘りしていきましょう。
FF9の主人公、ジタンの正体とは?【ネタバレ】
結論:ジタンの正体はテラが生み出した人造人間「ジェノム」
物語の核心に迫る結論からお伝えすると、ジタンの正体は、裏世界「テラ」の技術によって生み出された人造人間「ジェノム」です。
彼は、ごく普通の人間ではなく、特定の目的を持って創られた存在でした。
この事実は物語の終盤、一行がテラに到達した際に、テラの管理者であるガーランドによって明かされます。
ジタンが作られた目的は?ガイアを制圧するための斥候だった
ジタンがジェノムとして生み出された目的は、物語の舞台である世界「ガイア」を制圧し、テラを復活させるための斥候(せっこう)となることでした。
衰退しつつあったテラは、ガイアと融合することで延命を図ろうとしており、その計画の尖兵としてジタンは創られたのです。
しかし、後述する理由により、彼は幼い頃にガイアへ捨てられ、その使命を知らないまま盗賊団タンタラスの一員として育ちました。
自分の正体を知ったのはいつ?物語のどのタイミングで判明する?
ジタンが自身の衝撃的な正体を知るのは、物語が佳境に入るDISC3の終盤です。
宿敵クジャの動向を追い、仲間たちと共に裏世界テラへと足を踏み入れたジタンは、そこで創造主であるガーランドと対峙します。
その際、ガーランドの口から、自分がガイアを滅ぼすために作られたジェノムであるという真実、そしてクジャとの関係のすべてが語られました。
ジタンの正体を深掘り!ジェノムとガーランド、クジャとの関係
ジェノムとはどんな種族?魂の器として作られた存在
ジェノムとは、テラの高度な技術によって生み出された、魂を持たない人造人間です。
彼らは本来、感情や自我を持たず、テラの民が復活する際の「魂の器」となるために製造されていました。
作中に登場する多くのジェノムは、まさに魂の抜け殻のような状態で、ただ命令を待つだけの存在として描かれています。
創造主ガーランドとの関係は?ジタンに課せられた役割
ガーランドは、テラの復活という壮大な計画を管理するために作られた存在であり、ジタンたちジェノムの創造主です。
彼はジタンを、先行してガイアに送り込んでいたクジャよりも優れた能力を持つ、いわば「後継機」として生み出しました。
ガーランドはジタンを重用し、ガイア侵攻の最終的な切り札として期待していましたが、そのことがクジャとの間に決定的な亀裂を生む原因となります。
なぜクジャはジタンをガイアに捨てた?嫉妬による追放劇の真相
クジャが幼いジタンをガイアに捨てた理由は、純粋な「嫉妬」でした。
自分よりも後に作られたジタンが、自分を上回る能力を持ち、ガーランドに重用されているという事実に耐えられなかったのです。
自身の存在価値を脅かすジタンを認めることができなかったクジャは、彼をガイアへと追放し、存在そのものを抹消しようとしました。
このクジャの行動が、結果的にジタンをガイアで成長させ、物語を大きく動かすきっかけとなったのです。
「兄」クジャとの能力や設定の違いを比較
同じジェノムでありながら、ジタンとクジャにはいくつかの決定的な違いがあります。
比較項目 | ジタン・トライバル | クジャ |
---|---|---|
目的 | ガイア制圧の斥候(後継機) | ガイアに戦乱をもたらす斥候(先行機) |
成長 | 人間と同じように成長する | 青年期の姿で生み出され成長しない |
寿命 | 設定なし(人以上の可能性) | 24年という短命に設定されている |
感情 | 仲間との交流で人間らしく成長 | 自己中心的で歪んだ承認欲求を持つ |
最大の違いは「寿命」です。
クジャが暴走した際の安全装置として短命に設定されたのに対し、ジタンにはそうした制限がなく、人以上の寿命を持つ可能性さえ示唆されています。
ジタンの正体を示す伏線:特徴的な尻尾とトランスの秘密
ジタンの尻尾は猿?猫?公式設定とデザインの由来を解説
ジタンの最も特徴的な外見である尻尾は、作中で「猿」と揶揄されることがありますが、公式の設定は異なります。
過去のインタビューでデザイナーの皆葉英夫氏が語ったところによると、ジタンの尻尾は「猫」、特に「黒豹」がモチーフでした。
しかし、ゲーム画面上で黒い尻尾は見えにくいため、髪の色に合わせて黄色に変更されたという経緯があります。
この尻尾こそ、彼が人間とは異なる種族「ジェノム」であることの何よりの証でした。
トランスするとどうなる?獣人のような姿になる理由
戦闘中にトランス状態になると、ジタンはピンク色のオーラを放ち、髪が解け、全身が獣のような体毛で覆われた姿に変貌します。
これは、ジェノムとして秘められた本来の力が解放された状態です。
普段は理性で抑えられている闘争本能が剥き出しになり、その戦闘能力は飛躍的に向上します。
この変貌もまた、彼が尋常ならざる出自を持つことを示す重要な伏線と言えるでしょう。
原作とディシディアシリーズでのデザインの違いは?
ジタンのデザインは、原作と外部出演作品である「ディシディア ファイナルファンタジー」シリーズで、いくつかの違いが見られます。
原作版のデザインは、天野喜孝氏のイラストを基にしており、フリルやレースがあしらわれた伊達男らしい服装が特徴です。
一方、ディシディア版は野村哲也氏によってリファインされ、頭身が高くなり、目つきも鋭くなりました。
ピアスを付けていたり、胸元の装飾がジャボになっていたりと、より硬派でスタイリッシュな印象にアレンジされています。
物語の核心「独りじゃない」―正体を知ったジタンの葛藤と成長
自分の出自を知ったジタンの絶望と自暴自棄
自分がガイアを滅ぼすためだけに作られた「死神」のような存在だと知ったジタンは、深い絶望に陥ります。
それまで培ってきた自分のアイデンティティが根底から覆され、自暴自棄になって仲間たちを突き放し、たった一人で運命に立ち向かおうとしました。
明るく振る舞うことで孤独を隠してきた彼が、初めて仲間たちの前で弱さを見せた瞬間でした。
仲間たちの支えで立ち直るFF9屈指の名シーン「独りじゃない」
心を閉ざしてしまったジタンを救ったのは、彼がこれまで助け、支えてきた仲間たちの絆でした。
ビビ、スタイナー、フライヤ、そしてガーネット。
仲間たちはそれぞれの言葉でジタンを励まし、「お前は独りじゃない」と訴えかけます。
BGM「独りじゃない」が流れる中、仲間たちの思いを受け入れたジタンが再び立ち上がるこのシーンは、FF9を象徴する屈指の名場面として多くのファンの心に残っています。
名言「誰かを助けるのに理由がいるかい?」に込められたジタンの信念
「誰かを助けるのに理由がいるかい?」というセリフは、ジタンの生き方を象徴する名言です。
この言葉は、彼が法律や常識ではなく、自分が正しいと信じる道を進む人物であることを示しています。
出自の真実を知り葛藤を乗り越えた彼が、物語の最後に、助けるべき敵であったはずのクジャに対してこの言葉を投げかけるシーンは、彼の信念が何者にも揺るがないものであることを証明しました。
ジェノムとしてのジタンの寿命とエンディングの謎に迫る
ジタンの寿命はクジャのように短い?人より長い可能性も考察
前述の通り、クジャとは異なり、ジタンには短命という設定はされていません。
むしろ、創造主であるガーランドの発言から、通常の人間よりも長い寿命を与えられている可能性が示唆されています。
ダガーたち仲間がいつか寿命を迎えた後も、彼だけが生き続けることになるかもしれないという、一抹の切なさを感じさせる設定です。
なぜジタンはエンディングで助かったのか?考えられる2つの理由
永遠の闇を倒した後、ジタンは崩壊するイーファの樹の中にクジャを助けに戻り、消息を絶ちます。
しかし、エンディングで彼は劇団タンタラスの舞台に姿を現し、ガーネットと再会を果たしました。
彼が生還できた理由については、作中で明確には語られていませんが、主に2つの説が考えられています。
一つは、ジタンと同じジェノムであるミコトが、イーファの樹を制御して助けたという説。
もう一つは、ジタン自身の「生きようとする強い意志」が奇跡を起こしたという説です。
「助かったんじゃないさ」「生きようとしたんだ」というセリフの真意
再会したガーネットに「どうして助かったの?」と問われたジタンは、「助かったんじゃないさ」「生きようとしたんだ」と答えます。
このセリフは、彼の生還が偶然や幸運によるものではなく、仲間たちが待つ「帰るべき場所」へ戻るために、自らの強い意志で死の淵から生還したことを意味しています。
これはまさに、FF9の大きなテーマである「生きること」への、ジタンなりの答えと言えるでしょう。
正体を知っても揺るがない!ジタン・トライバルの魅力とかっこいい名言集
多くのファンが惹かれるジタンのかっこよさとは?
ジタンの魅力は、その多面性にあります。
表向きは女好きで軽薄なお調子者ですが、その本質は困っている人を見過ごせない優しさと、仲間を慮る面倒見の良さです。
精神的にもタフで、パーティのリーダーとして仲間をまとめ上げ、自身の出自という過酷な運命にさえ打ち勝つ強さを持っています。
その人間的な魅力こそが、多くのファンを惹きつけてやまない理由です。
ジタンの心に響く名言一覧
- 「誰かを助けるのに理由がいるかい?」
- 「助かったんじゃないさ。生きようとしたんだ。」
- 「いつか帰るところに帰るために。」
- 「わたくしめが、あなた様を誘拐させていただきます!」
- 「思い出って、忘れさるものじゃないだろ…?」
外部作品(ディシディアFFなど)でのジタンの描かれ方
「ディシディア ファイナルファンタジー」シリーズでは、FF9代表として参戦しています。
声優は朴璐美さんが担当し、原作のイメージを踏襲しつつも、より快活でスタイリッシュなキャラクターとして描かれました。
同じく明るい性格のバッツ(FF5)と行動を共にすることが多く、ティナやアルティミシアといった女性キャラクターを「レディ」と呼ぶ紳士的な一面も見せています。
物語のその先へ…ジタンとガーネットの未来を考察
エンディング後、ジタンとガーネットは結婚した?
FF9の感動的なエンディングでは、ジタンとガーネットが再会し、強く抱きしめ合います。
ガーネットが女王の証であるペンダントやティアラを投げ捨ててジタンのもとへ駆け寄るシーンは、彼女が女王という身分よりも、一人の女性としてジタンと共に生きることを選んだ象徴的な場面です。
この後、二人は結ばれ、幸せに暮らしたと考えるのが自然な解釈でしょう。
ジタンは王様になった?アレクサンドリアでの暮らしを考える
ジタンがガーネットと結ばれた後、アレクサンドリアの王になったかどうかは、ファンの間でも考察が分かれるところです。
彼の自由奔放な性格を考えると、窮屈な城での暮らしや王という立場に収まるとは考えにくいかもしれません。
しかし、どのような形であれ、彼は愛するガーネットの側で、彼女とアレクサンドリア王国を支え続ける存在になったことは間違いないでしょう。
まとめ:FF9 ジタンの正体と物語の核心
- ジタンの正体はテラが作った人造人間「ジェノム」である
- ガイアを制圧するための斥候としてガーランドに創造された
- 自分より優れたジタンに嫉妬したクジャによってガイアに捨てられた
- 特徴的な尻尾は猿ではなく猫(黒豹)がデザインのモチーフである
- 自分の正体を知り一度は絶望するが仲間の支えによって立ち直る
- 名言「誰かを助けるのに理由がいるかい?」は彼の揺るぎない信念を示す
- 兄クジャとは異なり、ジタンには短命という寿命の設定はない
- エンディングでの生還は、彼の「生きよう」とする強い意志の表れである
- お調子者な一面と、仲間思いで精神的にタフな内面のギャップが魅力である
- 物語の最後には、身分や出自の壁を超えてガーネットと結ばれたと考察される
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