ザックスはなぜ殺された?FF7の死亡理由とリメイクの生存謎を解説

ファイナルファンタジーVII(FF7)シリーズを語る上で欠かせない人気キャラクター、ザックス・フェア。

彼の壮絶な最期は、多くのファンの心に深い感動と悲しみを刻み込みました。

しかし、近年展開されているリメイクシリーズでは、彼が生存しているかのような描写が登場し、「ザックスはなぜ殺されたの?」「死亡シーンがあったはずなのに、なぜ生きているの?」と、ストーリーの展開に混乱している方も少なくないでしょう。

この記事では、FF7シリーズを初めて知る方にも分かりやすく、ザックスが殺された理由から、リメイク版で描かれる生存ルートの謎まで、時系列に沿って詳しく解説していきます。

目次

ザックスがなぜ殺されたのか、その理由を解説

英雄ザックスの最後と神羅に追われた理由

ザックスが神羅カンパニーに追われ、最終的に殺害されてしまった理由は、彼が神羅にとって極めて不都合な「真実」を知りすぎたためです。

その核心にあるのが、FF7の物語の5年前に起こった「ニブルヘイム事件」でした。

この事件でザックスは、英雄と崇められていたソルジャー、セフィロスの衝撃的な出生の秘密と、彼が引き起こした村の虐殺という惨劇を目の当たりにします。

セフィロスは、古代種「ジェノバ」の細胞を胎児の頃に埋め込まれて生まれた存在であり、その事実を知ったことで精神に変調をきたし、暴走に至りました。

ザックスは、このジェノバ・プロジェクトの存在や、セフィロス暴走の顛末、そしてその場に居合わせたもう一人の生存者である親友クラウドのことなど、神羅が最も隠蔽したい情報の全てを知る重要参考人となってしまったのです。

事件後、ザックスとクラウドは宝条博士によって捕らえられ、神羅屋敷の地下で人体実験の被験者とされます。

そこから脱走したザックスを、神羅は「会社の機密情報を知る危険な脱走兵」とみなし、徹底的な追跡を開始しました。

神羅の精鋭部隊であるタークスの一部メンバーは、ザックスとの友情から彼を殺害せず保護しようと動いていましたが、神羅上層部の抹殺命令は絶対であり、最終的に神羅兵の大部隊が彼らに追いついてしまうことになります。

つまり、ザックスの死は、巨大企業である神羅カンパニーが、その暗部を守るために行った「口封じ」だったのです。

実験によるザックスの劣化が敗因の一つか

ザックスが神羅兵の大軍に敗れた背景には、神羅屋敷で受けた非人道的な人体実験による肉体の「劣化」が大きく影響しています。

彼はソルジャーの中でも最強クラスである「クラス1st」の実力者であり、本来であれば一般兵の集団に遅れを取ることは考えにくい存在でした。

しかし、ニブルヘイム事件の後、宝条博士によって捕らえられたザックスは、セフィロスの能力を再現しようとする「セフィロス・コピー実験」の被験者とされます。

この実験で、彼の身体にはジェノバ細胞が埋め込まれ、さらに強烈な魔晄(魔晄エネルギー)を浴びせられました。

その結果、ザックスは4年もの長い間、昏睡状態に陥ってしまいます。

ようやく目覚めて神羅屋敷から脱出するものの、長期間にわたる実験と昏睡の影響で、彼の肉体は著しく弱体化していました。

ゲーム『クライシスコア -ファイナルファンタジーVII-』(以下、CCFF7)の中でも、脱出直後はまともに動けず、体力が回復するまで再び実験施設に身を隠す場面が描かれています。

本調子ではない状態で、親友であり、同じく実験の影響で廃人同様になってしまったクラウドを守りながらの逃避行は、彼の心身をさらに消耗させました。

最後の戦いにおいて、彼が万全の状態であったなら、もしかすると神羅兵の大軍を退けることができたかもしれません。

リメイク版で彼が勝利する展開は、皮肉にも「実験による劣化がなければ、ザックスはあれほど強かった」という事実を証明していると言えるでしょう。

彼の敗北は、単なる戦力差だけでなく、神羅による過酷な実験が招いた悲劇的な結果だったのです。

クライシスコアで描かれた衝撃の死亡シーン

ザックスの最期は、彼の生涯を描いた物語『CCFF7』のエンディングで、壮絶かつ感動的に描かれています。

この死亡シーンは、FF7シリーズ全体を通しても屈指の名場面として、今なお多くのプレイヤーの心に焼き付いています。

4年間の昏睡から目覚め、魔晄中毒で廃人同様となったクラウドを連れて逃亡を続けたザックス。

彼の目的地は、恋人であるエアリスが待つミッドガルでした。

しかし、ミッドガルの目前に広がる荒野で、ついに神羅の追跡部隊に完全に包囲されてしまいます。

その数は、一個大隊にも匹敵するおびただしい数の神羅兵でした。

もはや逃げ場はないと悟ったザックスは、動けないクラウドを安全な場所に隠し、「夢を抱きしめろ。そして、どんな時でもソルジャーの誇りは手放すな」という、かつて彼の師であったアンジールから受け継いだ言葉を胸に、たった一人で最後の戦いへと挑みます。

降りしきる雨の中、獅子奮迅の活躍で次々と神羅兵を倒していくザックス。

しかし、彼の身体はすでに限界を超えていました。

無情にも浴びせられる銃弾の雨に、ついに膝をついてしまいます。

意識が遠のく中、彼は這って近づいてきたクラウドに、師から受け継いだ大剣「バスターソード」と、最後の言葉を託します。

「お前が…俺の生きた証」

その言葉と共に、クラウドに全てを託し、ザックスは静かにその生涯を終えるのです。

親友を守るために英雄として戦い抜いた彼の姿と、その死がもたらす深い悲しみは、プレイヤーに強烈なインパクトを残しました。

死後ザックスはどうなったのか?クラウドへの継承

ザックスの死は、彼の物語の終わりではありませんでした。

彼の意志、記憶、そして存在そのものは、親友であるクラウド・ストライフに確かに受け継がれていきます。

ザックスの壮絶な死を目の当たりにしたクラウドは、強烈な精神的ショックと、体内に埋め込まれたジェノバ細胞の影響により、記憶の混濁と人格の再構築を引き起こします。

ジェノバ細胞には、他者の記憶や思念を読み取り、擬態する能力があります。

クラウドは無意識のうちに、憧れの存在であった親友ザックスの記憶や人格、そしてソルジャー・クラス1stとしての立ち居振る舞いを、まるで自分自身のものだったかのように取り込んでしまったのです。

これが、FF7本編の序盤で、クラウドが自身を「元ソルジャー・クラス1st」と名乗り、クールで何事にも動じない(ように見える)人物として登場する理由です。

彼の使う大剣「バスターソード」も、ザックスから託された大切な形見。

そして、ミッドガルで「なんでも屋」を開業するという夢も、もとは逃避行の道中でザックスがクラウドに語っていたものでした。

つまり、FF7の物語の始まりにいるクラウドは、本来の彼自身ではなく、ザックスという英雄の幻影をまとった存在だったのです。

物語が進むにつれてクラウドは自身の本当の過去と向き合い、ザックスの幻影から脱却して、一人の人間として成長を遂げていきます。

ザックスの肉体は滅びましたが、彼の英雄としての魂と誇りは、クラウドの中で生き続け、星を救うための大きな力となったのです。

殺されたはずのザックスはなぜ生きている?リメイクの謎

FF7Rで描かれるザックスの新たな物語

これまでのFF7シリーズでは、ザックスの死は物語の根幹に関わる「確定した運命」でした。

しかし、2020年に発売された『ファイナルファンタジーVII リメイク』(以下、FF7R)のエンディングで、その常識は覆されます。

物語のラストで、本来はCCFF7のエンディングで死亡したはずのザックスが、神羅兵の大軍との戦いに勝利し、クラウドを抱えてミッドガルへと向かうという、衝撃的なシーンが描かれたのです。

なぜ、死んだはずの彼が生きているのか。

その鍵を握るのが、FF7Rで新たに登場した謎の存在「フィーラー」です。

フィーラーは「運命の番人」とも呼ばれ、星の運命が本来の歴史から逸脱しないように監視し、修正する役割を担っています。

FF7Rの物語のクライマックスで、クラウドたちはこのフィーラーを打ち破ります。

それは、決められた運命に抗い、未来を自分たちの手で切り開くことを意味していました。

この「運命の改変」が、クラウドたちの世界だけでなく、過去や別の可能性の世界にも影響を及ぼした結果、ザックスが死ぬという運命もまた、覆されたと考えられます。

FF7Rで描かれたザックスの生存は、単なる過去の回想ではなく、フィーラーの消滅によって生まれた「もしも」の世界、つまりパラレルワールドの存在を示唆しています。

これは、今後のリメイクシリーズが、原作の物語をただなぞるだけでなく、全く新しい展開を迎える可能性を秘めていることを意味しており、彼の新たな物語がどのように本編と関わってくるのか、大きな注目が集まっています。

リメイクで登場したザックス生存ルートとは

FF7Rで示唆された「ザックス生存ルート」は、単一の新しい物語ではありません。

続編である『ファイナルファンタジーVII リバース』(以下、FF7RB)では、この生存ルートが一つではなく、ザックスの選択によって分岐する、複数のパラレルワールドとして存在していることが明らかになります。

これは、クラウドたちがフィーラーを倒したことで「運命」という一本道が消え去り、無数の可能性の道が生まれたことを意味します。

FF7RBの中で、ザックスはいくつかの重大な選択を迫られます。

ザックスが迫られる選択の例

  • 七番街プレート落下事件の生き残りであるアバランチのメンバー、ビッグスが企てる魔晄炉爆破を止めに行くべきか?
  • それとも、依然として魔晄中毒で意識のないクラウドの治療法を求めて、宝条博士の元へ向かうべきか?

プレイヤー(あるいは物語の進行)がどちらかを選択すると、それぞれの未来を描く異なる世界線へと物語が進んでいきます。

さらに、「どちらも選べない」と葛藤するザックスの世界線も存在し、物語はより一層複雑な様相を呈します。

これらの世界線は、それぞれが独立して存在しているように見えますが、時には互いに影響を及ぼし合ったり、セフィロスの介入によって一時的に交錯したりします。

つまり、「ザックス生存ルート」とは、原作の運命から分岐した、無数に広がる可能性の世界そのものを指す言葉なのです。

どの世界線が真実の未来に繋がるのか、あるいは全ての道が悲劇的な結末を迎えるのか。

その全貌はまだ謎に包まれており、リメイクシリーズ最大のミステリーの一つとなっています。

「勝った、マジか」運命を変えたザックス

「勝った……マジか……」

このセリフは、FF7Rのエンディングで、ザックスが本来死ぬはずだった神羅兵との戦いを生き延びた直後に、呆然と呟いた言葉です。

彼の驚きと戸惑いを象徴するこの一言は、リメイクシリーズにおける「運命の改変」を最も分かりやすく示すシーンとして、多くのプレイヤーに強い印象を与えました。

CCFF7をプレイした方ならご存知の通り、この最後の戦いは、プレイヤーがどれだけキャラクターを強化し、巧みに操作しても、最終的には強制的に敗北し、ザックスの死へと繋がるイベントでした。

それは、FF7本編の物語に繋げるための、変えることのできない「絶対的な運命」だったのです。

しかし、FF7Rでクラウドたちが「運命の番人」フィーラーを打ち破ったことで、この運命の強制力は失われました。

運命が変わった理由

作品戦いの結果理由
CCFF7敗北・死亡物語の辻褄を合わせるための「確定した運命」による強制イベント。
FF7R勝利・生存フィーラーの消滅により「確定した運命」が覆された。

運命という名の「枷」が外れたことで、ソルジャー・クラス1stであるザックスが本来持っていた実力が、何の制約もなく発揮されることになります。

冷静に考えれば、最強クラスのソルジャーが、訓練された兵士とはいえ一般兵の集団に負けるはずがありません。

「勝った、マジか」というセリフは、彼自身にとっても信じがたい、あり得なかったはずの勝利に対する素直な反応であり、ここから原作とは異なる、未知の物語が始まることを高らかに宣言する、象徴的な一言となったのです。

ザックスは川に流された?リバースの複雑な世界線

「ザックスは川に流されたのですか?」という疑問を持つ方もいるかもしれませんが、彼が物理的に川に流されるといった直接的な描写は、FF7リバースの中にはありません。

この疑問は、FF7RBで描かれる世界線の非常に複雑な構造から生じている誤解や、比喩的な表現の解釈によるものだと思われます。

FF7RBでは、セフィロスが「世界は交わり、また別れる」と語る通り、ザックスが存在するパラレルワールドと、クラウドたちが冒険を続けるメインの世界線が、彼の介入によって一時的に交錯する場面が描かれます。

特に象徴的なのは、ザックスがセフィロスに攻撃され、足元が崩れて奈落のような暗闇に落ちていくシーンです。

これは物理的にどこかへ落下したというよりも、世界と世界の狭間、いわば次元の裂け目に落ち、別の世界線(この場合はクラウドたちが忘らるる都でセフィロスと対峙している世界)へと強制的に移動させられた、と解釈するのが自然でしょう。

その後、ザックスはクラウドと再会し、夢の共闘を果たしますが、戦いの後には「またな」と言い残し、再び元の自身の世界線へと戻っていきます。

このように、FF7RBにおけるザックスの存在は、一つの場所に留まっているわけではなく、複数の世界線を渡り歩く、あるいは引きずり込まれるような、非常に不安定で複雑な状況に置かれています。

「川に流される」という言葉が、こうした抗いがたい運命の流れや、世界線から世界線へと流転する彼の状況を比喩しているのであれば、それはあながち間違いではないかもしれません。

彼の存在が物語にどう影響を与えるのか、その全貌は未だ謎のままです。

まとめ:ザックスはなぜ殺されたのか?全ての謎を再整理

  • ザックスは神羅カンパニーの不都合な真実を知りすぎたため口封じに殺された
  • 神羅屋敷での人体実験による肉体の劣化も、敗因の一つである
  • CCFF7で描かれた彼の壮絶な最期は、シリーズ屈指の名場面として語り継がれている
  • 彼の死後、その意志と記憶、そしてバスターソードは親友クラウドに継承された
  • FF7リメイクでは「運命の番人」フィーラーが倒され、ザックスが生存する世界線が生まれた
  • 「勝った、マジか」というセリフは、変えられなかった運命を覆した瞬間の言葉である
  • リメイク版のザックス生存ルートは一つではなく、彼の選択により分岐する複数の世界線が存在する
  • FF7リバースでは、ザックスの世界線とクラウドたちのメイン世界線が一時的に交錯する
  • ザックスの物語は完結しておらず、リメイク3作目での活躍が期待される
  • 彼の存在が、今後のFF7リメイクシリーズの物語の鍵を握ることは間違いない
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